U.S.S.ディファイアント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

U.S.S.ディファイアントU.S.S. Defiant)はアメリカのSFドラマ『スタートレック』シリーズに登場する架空の宇宙艦である。劇中には23世紀のコンスティテューション級宇宙艦「U.S.S.ディファイアント NCC-1764」と、24世紀のディファイアント級宇宙艦「U.S.S.ディファイアント NX-74205」が登場するが、ディファイアントとして通常想起されるのは後者である。なおU.S.S.とは「United Star Ship/連邦宇宙艦」の略称である。

U.S.S.ディファイアント NCC-1764[編集]

  • クラス:コンスティテューション級
  • 艦長:不明
  • 登場作品:「宇宙大作戦」「スタートレック:エンタープライズ」

宇宙大作戦』(Star Trek (TOS))第64話『異次元空間に入ったカーク船長の危機(原題:The Tholian Web)』と、『スタートレック:エンタープライズ』(ENT)第94、95話『暗黒の地球帝国』(In a Mirror, Darkly)に登場。初代エンタープライズと同型艦であるコンスティテューション級宇宙艦。

2268年、ディファイアントはソリア連合の領域付近で空間の位相転移に巻き込まれて出現と消失を繰り返し、最終的に行方不明となってしまう。これによって平行宇宙の22世紀に飛ばされ、平行宇宙のソリア連合により拿捕されるが、平行宇宙のI.S.S.エンタープライズ NX-01(こちらの世界のエンタープライズ NX-01に相当)のクルーによって奪われる。これにより平行宇宙の地球は1世紀後の技術を手にすることとなり、それまでの劣勢を盛り返し、その後の平行宇宙での支配権を獲得する。

U.S.S.ディファイアント NX-74205[編集]

要目
全長 119.5m
全幅 90.3m
全高 25.5m
デッキ数 4
乗員数 40
最高速度 ワープ9.5

スタートレック:ディープ・スペース・ナイン(DS9)』の第3シーズンより登場。ディファイアント級宇宙艦の試作艦で、惑星連邦宇宙艦隊で初の戦艦である。他の宇宙艦隊の艦のような第1船体、第2船体という区分がなく、さらにワープナセルが船体に密着している独特の形状をしており、また非常に小型で4デッキしかないことが特徴である。

概要[編集]

ユートピア・プラニシア・フリート・ヤードで建造され、宇宙基地ディープ・スペース・ナイン(DS9)に配属された戦術護衛艦。惑星連邦史上初の戦闘を主目的として建造された戦艦である。元々は対ボーグ用の新戦術兵器開発の一環として開発が進められた(ベンジャミン・シスコも開発に関わっていた)。しかしボーグの弱体化と、船体に対してパワーが大きすぎるという欠陥のため計画は一時中断されていた。しかしその後、ガンマ宇宙域からの侵略者であるドミニオンの脅威への対策として、ガンマ宇宙域へのワームホールに近い前哨基地DS9にディファイアントが配属され、さらに同級艦の量産がされることになった。

戦闘を主目的とした試作宇宙艦であるため武装やエンジンが強力な反面、内装は極端に簡素化されており、艦長室やホロデッキもなく、医療室すら簡略化されとても十分な設備とは言い難かった。乗員は他艦のような個室ではなく簡易な居住設備である二段ベッドを使用する。艦内は狭く船窓もないため、さながら潜水艦のようである。しかしこの無駄や贅沢を一切省略した質実剛健な艦の造りはクリンゴン艦のそれに近く、地球人に評判が悪い反面、クリンゴン人のウォーフ少佐は逆にこれを気に入り、DS9に係留中のディファイアントに任務時以外でも寝泊りしていた。

なお登録番号の「NX」は試作艦を意味していて、その後建造された同じディファイアント級のU.S.S.ヴァリアントNCC-74210U.S.S.サンパウロNCC-75633には正式な「NCC」が付けられている。サンパウロは、後に、第2次チントカ星系攻防戦でドミニオン・ブリーン同盟軍の攻撃により破壊されたディファイアントの後継として新たにDS9に配備され、ディファイアントと改称されてドミニオン戦争の最終戦闘でドミニオン軍と戦った。

なお2409年が舞台となる「Star Trek Online」では、U.S.S.サンパウロの登録番号を受け継ぐディファイアント級U.S.S.ディファイアントNCC-75633ーCがDS9に配備されており、基地司令のジェームズ・カーランド大佐が艦長を兼任している。

欠陥[編集]

試作段階であったこの艦には運用当初から欠陥が数多く目立ち、非常にマイルズ・オブライエン機関主任を悩ませ続けた(それ以前に元々カーデシア人の基地であったDS9の機関の扱いづらさにも頭を悩ませている)。ディファイアントの欠陥は「船体の小ささに対してエンジンや武器のパワーが強すぎる」ことがすべてに起因し、暴れ馬のような扱いづらさがあった。また船体の一部が損壊しただけで艦全体が危険になるといった脆弱性も露見した。しかしながらオブライエンの工夫によってディファイアントは徐々にその欠陥を克服していった。

火力[編集]

  • 通常兵器のフェイザーと光子魚雷の他、真空エネルギー弾頭・量子魚雷を搭載している。
  • 戦闘機の機関砲の様に前方に固定された主砲フェイザーは、ワープコアのプラズマコンジットとメインフェイザー連結器が直結しており、出力が2倍近く向上している。そして、従来のビーム式フェイザーではなく、機関銃のようなパルス式フェイザーであり、単位時間当たりの破壊力が非常に大きい。なお、ディファイアントにはそれ以外に通常のビーム式フェイザー砲が後方に4門、上面に8門、下面に6門ある。

防御力[編集]

  • 通常の防御シールドに加えて、デュラニウムの船体外部隔壁に断熱被膜塗装(アブレーティブ装甲)がなされている。アブレーティブ装甲は敵のビームの直撃を蒸発させ熱を拡散し被害を最小限に抑える装甲である。
  • 防御システムの一部として、ロミュラン星間帝国から特例として技術供与された遮蔽装置を搭載している。この遮蔽装置の使用は当初ガンマ宇宙域に限られていたが、ドミニオン侵攻後、アルファ宇宙域での使用も認められた。

デッキ構成[編集]

  • 第1デッキ:ブリッジ、転送室
  • 第2デッキ:転送室、機関室、医療室、食堂、クルー私室
  • 第3デッキ:貨物用転送室、
  • 第4デッキ:魚雷発射管、ディフレクター盤


艦載シャトル[編集]

タイプ18シャトルポッド:シャトル01を2機およびタイプ10シャトルクラフト「チャフィー」を搭載。

その他、他の惑星連邦宇宙艦隊所属の宇宙船と同じく、脱出用ポッドも多数搭載されている。

制作[編集]

デザインはジム・マーティン[1]。第3シーズンより参加したプロデューサー兼脚本家のロナルド・D・ムーアにより発案され、スクリプト段階では「装甲した亀」のような形とされていた[1]。元々、デファイアントのデザインは同作品に登場するドナウ級ランナバウトの改造、あるいは大型化したようなものが考えられていたものの、構想の初期段階でそれらが破棄された。その後、あえてそれまでの宇宙艦隊の艦船からは大きくかけ離れたようなデザインのものを採用することになり、異星人の貨物船として使うはずだったスケッチが、デファイアントのデザインのルーツとなった。なお、草稿では「ヴァリアント級」と呼ばれていたが、同時並行で企画中だったスタートレック:ヴォイジャーの主役艦U.S.S.ヴォイジャーの頭文字が「V」から始まるため、現在の「デファイアント」という名前に変更された経緯がある。(なお、U.S.S.ヴァリアント自体は後に公式に登場している)

脚注[編集]

  1. ^ a b 『宇宙船YEAR BOOK 1998』 朝日ソノラマ宇宙船別冊〉、1998年4月10日、29頁。雑誌コード:01844-04。