下り物

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下り物(おりもの)とは、女性膣口から妊娠中や月経期間中、性交中以外の時期に出てくる粘液や組織片などの総称。こしけ帯下(たいげ)とも呼ばれる。内部生殖器官で発生あるいは分泌される。

一般に、全て平仮名で表記される。

概念[編集]

膣分泌液子宮膣部びらんからの分泌物、子宮頚管粘液などからなり、内を乾燥から守り、細菌ウイルスなどの進入を防ぐ働きがあるとされる。下り物の発生に関して病気を心配する女性もいるが、健康な女性にも下り物はあり(量や性状、また下り物の排出に対する感受性には個人差があり、ほとんど意識しない女性もいれば、正常な範囲内であってもかなり気にする女性もいる)、以下に記述されるような病的な様態でない限り、特に心配はいらない。

病的な下り物を、その発生した部位によって膣帯下、子宮帯下、卵管帯下、外陰帯下と分類し、またその性状によって血性帯下、膿性帯下、白色帯下、液状帯下に分類する。

状態[編集]

体調などにより量は変化する。細菌やウイルスなどに感染した時や、排卵前後、月経が近づく時期は増量しやすい。思春期の初潮発生時は初潮の数ヶ月前より下り物が増大し、後に初潮に至る[1]。健康な状態だと、透明-白濁-黄色の粘液である。下着に付くと変色する場合もある。甘酸っぱい臭いがする場合もあるが(膣内に常在する乳酸菌の働きなどによる)、強い刺激臭というほどでなければ正常の範囲内である。

病的に特徴的な帯下としてカンジダ性膣炎による白色凝乳様(チーズや酒粕に似る)のもの、トリコモナス膣炎による灰白色泡沫状のものがある。細菌感染や腫瘍性疾患があると膿性帯下となり、白色でも細菌感染によっては悪臭を発するものもあり、ホルモン産生卵巣腫瘍では透明の液状帯下が大量に出るなど、普段から下り物の観察には留意するといいだろう。

状態の変化[編集]

短期的には生理周期や体調や性的刺激によって変化する。また、個人差もあるため、他の人との比較はあまり意味がない。一般には、子宮頚管粘液の増加により排卵期に多くなる場合が多い。

自分との長期的な比較で著しく変化した場合、月経でもないのに血が混じる場合、強い刺激臭や腐敗臭がするようになった場合は、病気の可能性があるため注意を要する。下り物について異常を感じた場合は、速やかに医師に相談するのが望ましい。

処置[編集]

通常は入浴で身体を清潔にし、下着を毎日取り替えるのみで、特段の処置をする人は少ない。量が多く、下着への付着が気になる場合はおりものシートを使用する。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 思春期の発現・大山建司