陰裂
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陰裂 | |
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ラテン語 | rima pudendi |
英語 | Cleft of venus |
器官 | 女性器 |
陰裂(いんれつ、英: Pudendal cleft)は、女性の外陰部における大陰唇によって刻まれた裂溝の呼称。陰裂は女性にとって、プライベートな部位であるため、芸術、漫画、アニメで女性のヌードを表現しても、陰裂は描かれない場合が多いが、実際は全ての女性の外陰部に縦の割れ目が確認できる。陰裂は女性が性行為、また出産をするときに膣の周りの皮膚を拡張するためにあると言われている。
概要[編集]
男女の外性器の外見的特徴を端的に表すならば、男性は凸で女性は凹となる。女性の凹が俗に言う「割れ目」や「裂け目」であり、学問的には「陰裂」と言う。形がラクダのひづめに似ていることから、下着や水着の上から陰裂の形が露わになっている状態を英語で、Camel Toe(ラクダのひづめ)と呼んでいる。外陰部は脂肪組織に富んだ左右一対の大陰唇によって形成され、脚を閉じた状態では左右の大陰唇が密着し、一条の縦の裂溝として見えるのでこのように呼ばれる。一般的に脚を閉じた状態では、女性器の内部は確認できない。反対に開脚して大陰唇を離反させれば「陰門」となり、女性器の内部構造は外から見える状態になる。
体の発育とともに陰裂は下降する傾向にある。思春期前の女児では陰裂が正面からはっきり見えるが、成人女性では陰毛があることも手伝い、陰裂が正面から見えない場合もある。これは妊娠適齢期において、ヒトの特徴である直立姿勢から、胎児の成育や出産に適した陸棲哺乳類本来の体形に近い、骨盤がやや後退した姿勢をとるように筋肉が発達するためと考えられる。従って適齢期を過ぎると、元の直立姿勢に適した骨盤の位置に戻る場合が多く、陰裂の位置も正面を向く傾向にある。
陰裂の長さを「陰裂長」と言うが、正確には前陰唇交連から後陰唇交連まで(左右の大陰唇が前方で合うところから後方で合うところまで)の長さを表す。陰裂長は年齢差、個体差、人種差が大きいが一般的には体の大きさに比例するので、黄色人種より白人や黒人女性の方が長い。
基本、陰裂は縦に一本の割れ目であるが、時折、陰核包皮が膨らんでいる場合、2本見える場合もある。
思春期前では陰裂からの小陰唇のはみ出しは非常に稀であるが、思春期に大陰唇と小陰唇の発育バランスが崩れ出し、成人女性では顕著なはみ出しが見られる場合がある。こうした状態は、オナニーや性生活の頻度および妊娠・分娩の有無によって変化すると考えられている。