ブルーオリジン・ニューシェパード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ブルーオリジン・ニューシェパード

ブルーオリジン・ニューシェパード (Blue Origin New Shepard) は、ブルーオリジン社が開発中の垂直離着陸型再使用型であり、弾道飛行用の有人宇宙船である。ニューシェパードの名前はアメリカ初の宇宙飛行士であるアラン・シェパード宇宙飛行士に因んでいる。

概要[編集]

ニューシェパードは、射場から垂直に上昇して約2.5分間のエンジン噴射を行い、約5分間無重力状態で飛行する。その後、クルーカプセルは分離されパラシュートで降下、残りの機体は垂直に降下して着陸するコンセプトである[1]。1回の飛行時間は10分から15分とされる。[2]組み立て工場はワシントン州シアトルの近くにあり、打上げはテキサス州で実施している。ブルーオリジン社はAmazon.comの創業者であるジェフ・ベゾスの出資により設立された。[3] [4]

設計[編集]

DC-X(ニューシェパードの原型)の離陸

ニューシェパードは単段式の垂直離着陸機として計画されており、その設計思想はDC-Xとほぼ同じである。質量は54トン、エンジンの推力は1000キロニュートンであり、高度100kmへの商業弾道飛行を目指している。

エンジンは液体酸素液体水素を燃料とするBE-3を使用する。BE-3は垂直離着陸に必要なスロットリング機能を持ち、490kNから89kNまで推力を調整できる。燃料サイクルには、J-2Sロケットエンジンでテストされた、燃焼室で発生したガスでターボポンプを駆動するタップオフ・サイクルが採用されている。BE-3の設計、開発、製造は全てブルー・オリジン社内で行われ、ジョン・C・ステニス宇宙センターで合計30,000秒に上る450回以上の燃焼試験が実施された。[2]

開発状況[編集]

  • 2006年11月13日に試験機の初飛行に成功し、高度87mに到達した。
  • 2011年8月末には別の新しい試験用の機体の飛行試験中に爆発を起こし失敗した。この飛行では高度14,000mに到達した。この機体が2011年6月頃に垂直離着陸を行う飛行試験に成功した際の映像が2011年11月に公開された[5]
  • 2015年4月29日、ニューシェパードの初打ち上げを実施。機体は高度93.5km、最大速度マッハ3に到達、クルーカプセルの分離ならびに回収に成功した。しかし打ち上げ機については、降下中の油圧系の圧力低下により回収に失敗した。[6]
  • 2015年11月23日、ニューシェパードの2回目の打ち上げを実施。機体はカーマンラインを超え、宇宙空間とみなされる高度100.5kmに到達、さらに今回はクルーカプセルの回収に加え、打ち上げ機の垂直離着陸も達成した。[7]
  • 2016年1月22日、ニューシェパードの3回目の打ち上げを実施。この打ち上げでは、前回の打ち上げで回収した機体を整備したものが用いられた。機体は再び高度101.7kmまで到達、その後再度の垂直着陸を果たした。垂直離着陸式のロケットが実際に再使用され、再度宇宙空間に到達したのはこれが史上初となる。[8]

脚注[編集]

外部リンク[編集]

関連項目[編集]