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フィアット・プント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

プント (PUNTO) は、イタリア自動車会社フィアットにより製造販売されていた小型乗用車 (Bセグメント車) である[1]

初代 176系 (1993年 - 1999年)

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フィアット・プント (初代)
176系
5ドアハッチバック
カブリオ
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
販売期間 1993-1999年
デザイン イタルデザイン
ボディ
乗車定員 2/5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
2ドアコンバーチブル
パワートレイン
エンジン ガソリン:1.1/1.2/1.4/1.6L I4
ディーゼル:1.7L I4
変速機 5/6MT
CVT
車両寸法
ホイールベース 2.450mm
全長 3,760mm
全幅 1,625mm
全高 1,450mm
車両重量 830–1,040kg
その他
姉妹車 フィアット・ティーポ
系譜
先代 フィアット・ウーノ
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フィアット社内でのプロジェクト名、「178プロジェクト」のコードネームのもと、フィアット・ティーポをベース車両として開発され、1993年9月に発表。1994年にフィアット・ウーノの後継車両として登場。

1.1L、1.2Lのガソリンエンジン、1.7Lのディーゼルエンジンを搭載。後にスポーツモデルとして1.4Lターボモデルが追加された。ボディ形状は3ドアまたは5ドアのハッチバックで、デザインはジョルジェット・ジウジアーロの手による。のちに3ドアモデルがベースのカブリオレモデルもベルトーネ社の工場で製造された。トランスミッションはマニュアルがメインだが、富士重工業製のCVTを搭載したモデル「セレクタ」も追加された。

1995年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

日本国内での販売は1997年3月に1.2Lセレクタと1.2Lカブリオセレクタが先行発売され、1998年4月に日本仕様車としてアバルトエアロパーツの装着し、1.2L DOHCエンジンを搭載したスポルティングアバルトが発売された。

2代目 188系 (1999年 - 2010年)

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フィアット・プント (2代目)
188系
前期型
後期型
アバルト
概要
製造国 イタリアの旗 イタリア
セルビアの旗 セルビア
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
パワートレイン
エンジン ガソリン:1.2/1.4/1.8L I4
ディーゼル:1.3/1.9L I4
変速機 5/6MT
6/7セミAT
車両寸法
ホイールベース 2,460mm
全長 3ドア:3,800mm (99-03)
3,840mm (03-10)
5ドア:3,835mm (99-03)
3,865mm (03-10)
全幅 1,660mm
全高 1,480mm
車両重量 860–1,050kg
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フィアット社内でのプロジェクト名、「188プロジェクト」のもとに開発が進められた車両で、1999年にデビュー。1.2L、1.8Lのガソリンエンジンと、1.3L、1.9Lのディーゼルエンジンをラインナップした。1.3Lディーゼルエンジンにコモンレール式の燃料噴射装置を採用した。先代に引き続き、CVTは富士重工製である。

2000年6月日本にて、オーソドックスな5ドアハッチバック、1.2L DOHCエンジンにトランスミッションはCVTのELXスピードギアと、3ドアにアバルトのエアロパーツを取り付け、フィアット・バルケッタと同じ1.8L DOHCエンジン、5MTのHGTアバルトが発売された。HGTアバルトは先に発売されていたスポルティングアバルトと同様、日本のみの仕様である。

2003年12月に、500万台生産を記念してビッグマイナーチェンジを実施。フェイスリフトによりフロントマスクを一新した。それまでのグリルレスで細目のヘッドライトの顔つきから、ダミーグリルの装着およびヘッドライトの大型化を施しフロント外観を一新した。

日本市場においては、2006年にグランド・プントと入れ替わるように販売を終了したが欧州市場においては2010年まで併売された。

3代目 199系 (2005年 - 2018年)

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フィアット・プント (3代目)
199系
グランデ・プント
プント・エヴォ
プント
概要
別名 グランデ・プント
プント・エヴォ
製造国 イタリアの旗 イタリア
ブラジルの旗 ブラジル
インドの旗 インド
販売期間 2005 - 2018年
デザイン イタルデザイン
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン ガソリン:0.9 L I2
1.2/1.4/1.8 L I4
フレックス:1.6/1.8 L I4
ディーゼル:1.3/1.6/1.9 L I4
変速機 5/6MT
6セミAT
サスペンション
マクファーソン・ストラット
トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,510 mm
全長 4,030 mm (05-11)
4,065 mm (12-18)
全幅 1,690 mm
全高 1,490 mm
その他
姉妹車 フィアット・リネア
系譜
後継 フィアット・パンダに統合
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「199プロジェクト」のもとに開発が進められた車両で、デザインはボディ、内装とも初代に次いでジョルジェット・ジウジアーロ率いるイタルデザイン社が担当。「大きなプント」を意味するグランデ プントGRANDE PUNTO)と名付けられ、2005年7月28日発表。

フィアットとGMが資本提携関係にあった時期の開発であり、欧州GM(オペルボクスホールホールデンコルサC/D)と共通のSCCSプラットフォーム(SCCS platform。GMの名称はGamma platform)を採用している。

日本では2006年(平成18年)6月に発売。6速MTとセミオートマチックトランスミッションデュアロジックを持つモデルがある。なお、先述の通り一部の欧州市場においては、2代目プントも引き続いて併売される。

2009年(平成21年)2月、日本でアバルト・グランデプントを発売(左ハンドル仕様のみ)。「グランデプント」の全幅が1.7 mを切っているのに対して、「アバルト・グランデプント」の全幅はチューニング版の「エッセエッセ」(SS)を含めて1,725 mmとなるため、日本では3ナンバー登録となる。

同年9月のフランクフルトモーターショー(IAA)において、マイナーチェンジ版のプント エヴォ (PUNTO EVO、エヴォは英語で「進化」を意味する“evolution”の略)を発表、翌年の3月よりイタリアで、そして6月より日本で発売を開始した。また、アバルト版も2010年(平成22年)2月に「アバルト・プントエヴォ」として発表され、同年3月のジュネーブショーで展示された。

2012年9月1日に2度目のマイナーチェンジを行い、名称をプントに戻す[2]。日本では当初、エヴォとの並売となっていた。グレードは「ラウンジ」1種類。

2018年8月、欧州向けプントの生産が終了。直接の後継車種は存在せず、FCAメルフィ工場ではマセラティ2番目のSUVを製造する予定である。これによりプントの製造・販売が続けられるのはインド市場のみとなる。なお、プントは同年にユーロNCAPのクラッシュテストで史上初めて「星0」の評価を受けた車種という不名誉な記録を残している[3]

車名の由来

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「PUNTO (プント)」は、イタリア語で「」を意味する(英語の point と同じ)。

脚注

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  1. ^ フラビオ, アッツォーリ (2018年5月31日). “Addio Fiat Punto e Alfa Romeo MiTo: è la fine di un'era” (イタリア語). Motor1.comイタリア (ニューヨーク州ニューヨーク市: モータースポーツ・ネットワーク株式会社英語版). https://it.motor1.com/news/243603/addio-fiat-punto-e-alfa-romeo-mito-fine-produzione/#:~:text=Fra%20la%20fine%20di%20luglio,auto%20simbolo%20del%20Bel%20Paese. 2025年3月20日閲覧。 
  2. ^ “先祖返り、車名を「プント」に世界で統一”. レスポンス. (2012年8月23日). https://response.jp/article/2012/08/23/180128.html 2019年10月20日閲覧。 
  3. ^ Sam Burnett (2018年8月9日). “Fiat Punto Finally Ditched After 13 Years On Sale” (英語). motor1.com. 2018年8月11日閲覧。

関連項目

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