フィアット・セイチェント

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フィアット・セイチェント
フィアット・600
セイチェント
スポルティング
ブラシ リア
概要
販売期間 1998年 - 2010年
ボディ
ボディタイプ 3ドアハッチバック
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
パワートレイン
エンジン 899 cc 直列4気筒OHV
1,108 cc 直列4気筒SOHC
変速機 5速MT
5速セミAT
車両寸法
ホイールベース 2,200 mm
全長 3,337 mm
全幅 1,508 mm
全高 1,420 mm
車両重量 710 - 750kg
系譜
先代 チンクェチェント
後継 パンダ
500
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セイチェントSeicento)は、イタリアの自動車メーカー、フィアットが製造、販売していたハッチバック型の乗用車である。2005年以降は600の車名で販売された。

概要[編集]

チンクェチェント(右)とセイチェント(左)

1998年チンクェチェントの後継として登場したAセグメントの小型車。シャーシやエンジンをはじめとした基本コンポーネントはチンクェチェントのキャリーオーバーで、生産も同様にポーランドティヒ工場で行われた。

車名は第二次世界大戦後のイタリアにおけるモータリゼーションを支えた「600」に由来する。当初は600という数字ではなく、イタリア語読みのSeicentoアルファベットで綴られていたが、初代600の誕生から50周年となる2005年に数字綴りの600に変更された。

ボディは3ドアハッチバックで、チンクェチェントと比較して丸みを帯びたデザインとなった。エンジンは899 cc(2000年まで)と1.1 Lの2種類で、トランスミッションは通常のMTに加え、上位グレードでは電子制御クラッチを備えたセミATAMT)の「シティマチック」も選択できた。また、スポーツバージョンの「スポルティング」や、電気自動車仕様の「エレットラ」(Elettra)も引き続き設定された。

2001年には前後バンパー、テールゲート、ミラー、サイドモールがボディとは別色となる特別仕様車ブラシ」(Brush)が発売された。

その後、2代目パンダの登場と前後してグレード再編が行われ、2002年にはエレットラが、2004年にはスポルティングがそれぞれ生産を終了。他のモデルは600への車名変更を経て生産を継続していたが、2010年をもって12年にわたる生産を終了した。直系の後継車はリリースされず、2代目パンダおよび3代目500が市場を受け継いだ。

日本には正規輸入されていない。

モータースポーツ[編集]

フィアットではセイチェントをベースとしたワンメイクラリー専用車両「セイチェント・スポルティング・トロフェオ」を開発し、1998年からシリーズ戦が開催された。

前身にあたるチンクェチェント・トロフェオと同様に、アバルトが開発したキットパーツをベース車両に組み込むという方式で販売された。内容はロールケージや消火器といった安全装備、フルバケットシート、4点式シートベルトなどで、エンジンはベース車両から変更なし。

アバルトではトロフェオのほか、グループAクラス5に向けた高性能版のチューニングキットも販売していた。排気量を1,147 ccまで拡大し、さらなるチューニングを施すことで最高出力は108 PS / 7,800 rpmを発生。プント用の6速トランスミッションとの組み合わせで、最高速度は193.5 km/hに達した。

脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]