ネビュラ級 (スタートレック)

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ネビュラ級(Nebula class)は『スタートレック』に登場する架空の宇宙船である。惑星連邦所属、宇宙艦隊の宇宙艦である。

概要[編集]

全長442m。

ネビュラ級は惑星連邦旗艦のギャラクシー級をベースにした簡易量産型の艦級であり、ギャラクシー級の円盤部にドーサルネックを省略して機関部とワープナセルをつないだコンパクトな艦姿をしている。ただしネビュラ級の円盤部の上部にはギャラクシー級にはないセンサードームおよび大型コンテナが設置されており、独自の高い汎用性を持たせている。コンパクトなデザインとなっているため、シールド形状やワープフィールド展開に無駄がなく、探査・科学調査・戦術任務と幅広い活躍を見せる。

円盤部上部のコンテナ部は三角型ユニットを搭載しているタイプ(U.S.S.サザーランド、U.S.S.ホンシュウ、U.S.S.ファラガット等)や、小型のワープナセルを搭載しているタイプ(U.S.S.メルボルン)、丸い小型円盤部を搭載している物(U.S.S.フェニックス)などが確認されている。設定上は大型カーゴ、超長距離センサー、大量の光子魚雷および発射管の装備があげられており、幅広い改造に対応可能な部分であると思われる。

元々の設計的考え方はコンスティテューション級をベースにした簡易量産型であるミランダ級にあると思われる。ギャラクシー級のワープナセルが上向きに付けられているのに対し、ネビュラ級は同じ機関を用いて下向きになっている。これはコンスティテューション級のワープナセルが上向きに付けられているのに対し、ミランダ級のワープナセルが下向きになっている事と一致する。ただ、登録番号がギャラクシー級1番艦「U.S.S.ギャラクシーNCC-70637」より「U.S.S.ネビュラNCC-60602」のほうがかなり若いため、ネビュラ級はギャラクシー級の試作的な艦級であるとも考えられる。

2401年時点では後継級のサザーランド級が就航しており(『スタートレック:ピカード』シーズン2の1話)、25世紀初頭にはネビュラ級は順次退役手続きが進んでいるものと思われる。

ネビュラ級宇宙船一覧[編集]

  • U.S.S.エンデバー (U.S.S.Endeavour、NCC-71805)
アマゾフ大佐の指揮。2367年、ウルフ359の戦いで唯一撃沈を免れた船。船名は18世紀のイギリス海軍艦エンデバー号、および同名のNASAスペースシャトルに由来。
  • U.S.S.ガルーダ(U.S.S.Garuda)
2371年、ディープ・スペース・ナインに寄航。船名はインド神話上の鳥ガルダに由来。
  • U.S.S.サザーランド (U.S.S.Sutherland、NCC-72015)
データ少佐、シェルビー大佐の指揮。2367年から翌年にかけてのクリンゴン内戦において、ピカード艦隊に参加しデュラス家へ援助物資を運ぼうとするロミュラン船団を阻止した。2374年、マートク将軍指揮の第9艦隊に所属しディープ・スペース・ナインに駐留。船名はセシル・スコット・フォレスターの小説に登場するホレイショ・ホーンブロワーが指揮する船に由来。
  • U.S.S.トゥカンブラ (U.S.S.T'Kumbra、NCC-61882)
ソロック大佐の指揮。2375年、ディープ・スペース・ナインに寄航。クルーは全員バルカン人だった。船名はバルカンの固有名詞。
  • U.S.S.ネビュラ (U.S.S.Nebura、NX-60602→NCC-60602)
ネビュラ級の一番艦。2357年進宙。(「Star Trek:ROLEPLAYING GAME -STARFLEET OPERATIONS MANUAL-」)
  • U.S.S.ファラガット (U.S.S.Farragut、NCC-60597)
2371年、ヴェリディアン3号星に墜落したエンタープライズ NCC-1701-Dの生存者を救助した。2373年、入植している連邦市民を退避させるためアジロン・プライムに向かう途中、ランバタ星団の近くでクリンゴン船の攻撃を受け撃沈された。船名は南北戦争で活躍した北軍提督デヴィッド・ファラガットに由来。
  • U.S.S.フェニックス (U.S.S.Phoenix、NCC-65420)
ベンジャミン・マクスウェル大佐の指揮。2367年、艦長の独断で停戦協定を破ってカーデシア領内へ侵攻し、カーデシアの基地や宇宙船を襲った。船名はゼフラム・コクレーンが建造した地球初のワープ船フェニックス号に由来。
  • U.S.S.プロキシマ (U.S.S.Proxima、NCC-61952)
2371年、ガンマ宇宙域で消息不明になった。船名は地球に最も近い恒星赤色矮星プロキシマ・ケンタウリに由来。
  • U.S.S.プロメテウス (U.S.S.Prometheus、NCC-71201)
2370年、ギデオン・セイエティク博士をミッションスペシャリストに迎え、核融合が停止した恒星イプシロン119の活動を再開させる任務を遂行した。船名はギリシア神話に登場する人間に火を与えたティーターン族のプロメテウスに由来。同名のプロメテウス級一番艦が別に存在することから、2373年までに退役していると考えられる。
  • U.S.S.ヘラ(U.S.S.Hera、NCC-62006)
ジョーディ・ラ=フォージの母シルヴァ・ラ=フォージ大佐の指揮。2370年、通常任務中に消息不明になった。乗員300名の内、多くはバルカン人だった。船名はギリシア神話女神ヘラに由来。
  • U.S.S.ベレロフォン (U.S.S.Bellerophon、NCC-62048)
2367年、ウルフ359の戦いに参加し大破、喪失。船名はギリシア神話英雄ベレロポーンに由来。
  • U.S.S.ホンシュウ (U.S.S.Honshu、NCC-60205)
2374年、ディープ・スペース・ナインで捕縛したガル・デュカットを第621宇宙基地へ移送する途中、カーデシア船の攻撃を受け撃沈された。船名は日本本州に由来。
  • U.S.S.ボンチューン(U.S.S.Bonchune、NCC-70915)
2374年、レカー司令官率いるロミュランの特殊部隊に占拠されたU.S.S.プロメテウスを追跡したが、同船から攻撃を受け中破した。船名は「スタートレック」シリーズのCGI製作者ロブ・ボンチューンに由来。
  • U.S.S.メリマック (U.S.S.Merrimack、NCC-61827)
2366年、レガラ人との会議を終えたサレク大使をバルカンに送った。船名は南北戦争で活躍した南軍の装甲戦艦CSS ヴァージニアに由来。
  • ※U.S.S.メルボルン (U.S.S.Melbourne、NCC-62043)
2367年、ウルフ359の戦いに参加し大破、喪失。劇中ではエクセルシオール級に変更された。AMT/ERTLのエンタープライズDのプラモデルを改造した[1]もので、プロト-ネビュラ級と呼ばれている[2]。船名はオーストラリアの都市メルボルンに由来。
艦級の変更に関して、正史ではないが小説「Trust Yourself When All Men Doubt You」では「エクセルシオ級のU.S.S.メルボルンを置き換えるために建造された新しいU.S.S.メルボルン」と説明されている[3]
  • U.S.S.モニター (U.S.S.Monitor、NCC-61826)
2366年、アリダー・ジャロック提督によってもたらされたロミュランの惑星連邦侵攻作戦情報に基づき、迎撃のため中立地帯に配備された。船名は南北戦争で活躍した北軍の装甲艦U.S.S.モニターに由来。
  • U.S.S.ユリシーズ (U.S.S.Ulysses、NCC-66808)
エンテベ大佐の指揮。2371年、ヘラスポント星雲を調査する任務を遂行した。船名はホメーロス叙事詩オデュッセイア」の主人公ユリシーズに由来。
  • U.S.S.リーズ (U.S.S.Leeds、NCC-70252)
2372年、ディープ・スペース・ナインに寄航。船名はイギリスの都市リーズに由来。
  • U.S.S.レキシントン (U.S.S.Lexington、NCC-61832)
2371年、ディープ・スペース・ナインに寄航。船名はアメリカの空母レキシントン (CV-2)に由来。

脚注[編集]

  1. ^ 1/1400のモデルを組み換えて1/2500のワープ・ナセルを他の組み立てトイの部品を流用したパイロンを介して取り付けた
  2. ^ プロト-ネビュラ級の復元
  3. ^ 登録番号が同一であることの理由は不明。

関連項目[編集]