チャッカリ夫人とウッカリ夫人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
チャッカリ夫人とウッカリ夫人

ウッカリ夫人とチャッカリ夫人
愛称 チャカ・ウカ
ジャンル 放送劇
放送方式 収録
放送期間 1951年12月25日 - 1964年10月3日
放送時間 月曜日 - 土曜日 9:00 - 9:15
放送局 ラジオ東京
制作 ラジオ東京
ネットワーク 全国23局ネット
(1953年 - 1964年10月)
パーソナリティ [1]
市川三郎
梅田晴夫
佐々木恵美子
中江良夫
菜川作太郎
名和青朗
永六輔
吉田みき
出演

初代 南美江野々浩介北原文枝滝口順平
1951年12月25日 - 1953年1月1日
2代 望月優子恩田清二郎真山美保下条正巳
(1953年1月5日 - 1953年4月30日
3代 淡島千景本郷秀雄久慈あさみ佐野周二
(1953年5月1日 - 1961年4月29日

4代 若尾文子増山江威子
(1961年5月1日 - 1964年10月3日
提供 朝日麦酒(1952年10月 - 1958年7月)
テンプレートを表示
ウッカリ夫人とチャッカリ夫人
放送方式 収録
放送期間 1986年4月 - 1987年3月
放送時間ロンペーのときめきランチタイム』内
放送局 TBSラジオ
出演 星野知子松金よね子[2]
テーマ曲 「アリスは迷子」(小林明子
提供 津村順天堂など
テンプレートを表示

チャッカリ夫人とウッカリ夫人』(チャッカリふじんとウッカリふじん)は、1951年(昭和26年)12月25日から1964年(昭和39年)10月3日まで、ラジオ東京(現在のTBSラジオ)が放送した日本のラジオドラマであり、それを原作とした日本の映画群、および1965年(昭和40年)と1983年(昭和58年)に放送されたテレビドラマである。通称『チャカ・ウカ』。

タイトルについては、ラジオドラマは1961年(昭和36年)5月1日以降、映画は東京映画製作のうち2作が、『ウッカリ夫人とチャッカリ夫人』となっている。また1986年にラジオで復活した時も『ウッカリ夫人とチャッカリ夫人』となっている。

略歴・概要[編集]

茶刈夫妻と宇刈夫妻が主人公である。毎回一話完結の15分間ドラマである。

第1回放送日は、ラジオ東京の開局日の1951年(昭和26年)12月25日であった。3回のリニューアルを繰り返し、1958年(昭和33年)には、放送2,000回を迎え、初期の長寿番組となる。1964年(昭和39年)10月に、13年間続いた放送に終止符を打つ。また、ラジオ東京テレビ(現:TBSテレビ)開局日の1955年(昭和30年)4月1日13時から、映画も放送された[3]

スポンサーは、当初の企業が降板した後、1952年(昭和27年)10月から朝日麦酒(現在のアサヒビール)が一社提供する[4]バャリース・オレンジや同社のビールを作品内で大いに取り上げ、同番組をフィーチャーした新聞広告を打った。1958年(昭和33年)7月には、降板した[5]

それから21年半後の1986年4月より、同局の昼番組『ロンペーのときめきランチタイム』(パーソナリティ:桝井論平アナウンサー)内で復活、1年放送した。スポンサーは津村順天堂(現:ツムラバスクリン)。オープニングテーマは「アリスは迷子」(作詞:湯川れい子 / 編曲:清水信之 / 作曲・歌:小林明子)。

映画[編集]

チャッカリ夫人とウッカリ夫人
監督 渡辺邦男
脚本 神谷量平
原作 梅田晴夫
市川三郎
佐々木惠美子
製作総指揮 佐藤一郎
企画 柴田万三
音楽 服部良一
主題歌 久慈あさみ
香川京子
田崎潤
折原啓子
森繁久彌
撮影 渡辺孝
製作会社 新東宝
配給 新東宝
公開 日本の旗 1952年4月24日
上映時間 90分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
次作 続チャッカリ夫人とウッカリ夫人 底抜けアベック三段とび
テンプレートを表示

チャッカリ夫人とウッカリ夫人』は、1952年(昭和27年)製作、同年4月24日公開の日本映画。製作・配給は新東宝

ラジオドラマの「茶刈家と宇刈家」が「茶刈家と迂刈家」となっている。本作製作当時のラジオのチャッカリ夫人は南美江、ウッカリ夫人は北原文枝であった。翌1953年(昭和28年)5月、本作でチャッカリ夫人を演じた久慈あさみが、ラジオの三代目ウッカリ夫人となる。

ウッカリ夫人の夫・良夫を演じた田中春男の実の娘・山中美佐(のちの宇治みさ子)が、本作でデビューしている。

プロデューサーの佐藤一郎は、この後、東京映画に移籍するが、本シリーズは手がけていない。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

ストーリー[編集]

東京郊外。茶刈家と迂刈家、茶刈夫人・里子(久慈あさみ)はチャッカリ屋で、迂刈夫人・幸子(折原啓子)はウッカリ屋であるが、両家をめぐる町内がややこしい。八百屋(横山エンタツ、伊達里子)は茶刈家ひいき、洗濯屋(柳家金語楼、清川虹子)は迂刈家ひいきである。八百屋の娘お八(山中美佐)は、洗濯屋の弟・茂さん(森繁久彌)に思いを寄せている。町内の鴨の池家(江川宇禮雄、三條利喜江)の孫・正彦(片山明彦)は、大卒のニートである。

茶刈家に、里子の妹・洋子(香川京子)が、婚約者に決められた安治川安太郎(大泉滉)から逃げて、大阪から東京へ現れた。追いかけてきた安太郎に、たまたまそこにいただけの正彦を恋人だと言って逃れようとする。このことをきっかけに、正彦は、迂刈家の空き巣を投げ飛ばし、アメリカ勤務の就職も決まり、人生が好転する。お八と茂さんもいい雰囲気になる。

リバイバル[編集]

フィルモグラフィ[編集]

タイトル 監督 製作 配給 公開日 茶刈夫妻 宇刈夫妻
チャッカリ夫人とウッカリ夫人 渡辺邦男 新東宝 新東宝 1952年4月24日 久慈あさみ
田崎潤
折原啓子
田中春男
続チャッカリ夫人とウッカリ夫人
底抜けアベック三段とび
渡辺邦男 新東宝 新東宝 1952年7月10日 轟夕起子
田崎潤
折原啓子
田中春男
ウッカリ夫人とチャッカリ夫人
やりくり算段の巻
渡辺邦男 東京映画 東宝 1954年3月10日 東郷晴子
本郷秀雄
久慈あさみ
佐野周二
その後のウッカリ夫人とチャッカリ夫人 春原政久 東京映画 東宝 1954年8月15日 楠トシエ
本郷秀雄
久慈あさみ
佐野周二
お景ちゃんのチャッカリ夫人 瑞穂春海 松竹大船 松竹 1954年10月6日 淡島千景
若原雅夫
チャッカリ夫人とウッカリ夫人
夫婦御円満の巻
青柳信雄 東京映画 東宝 1956年1月8日 淡島千景
本郷秀雄
久慈あさみ
佐野周二

テレビドラマ[編集]

1965年版[編集]

チャッカリ夫人とウッカリ夫人[9]

1983年版[編集]

月曜ドラマランドうっかり夫人ちゃっかり夫人[9]

  1. 1983年6月20日、脚本竹山洋、演出中村金太
  2. 1983年9月5日、脚本窪田篤人、演出中村金太

ビブリオグラフィ[編集]

国立国会図書館所蔵のもの[11]

  • 『チヤッカリ夫人とウッカリ夫人』ラジオ東京文芸部編、日本出版協同、1953年(小説化したものを収録)
  • 『明朗ラジオドラマ集 チャッカリ夫人とウッカリ夫人 他8編』佐々木恵美子著、英宝社、1962年(佐々木恵美子が執筆した546回分のうち、本人が選んだ26回分を脚本形式で収録)
  • 『チャッカリ夫人・ウッカリ夫人』第1集、小坂井ひでお著、兎月書房、1959年(漫画化したもの)
  • 『チャッカリ夫人・ウッカリ夫人』第2集、小坂井ひでお著、兎月書房、1959年
  • 『チャッカリ夫人・ウッカリ夫人』第3集、小坂井ひでお著、兎月書房

[編集]

  1. ^ 作家については、佐々木恵美子著『明朗ラジオドラマ集』(英宝社、1962年)収録のエッセイ「チャッカリ・ウッカリ十年間」によれば、初期は市川三郎、梅田晴夫、佐々木恵美子の三人、その後、中江良夫、菜川作太郎が参加、2000回記念のあたりで“新進の永六輔さんや、練達の名和青朗さんをおむかえしました”とある。
  2. ^ 香取俊介.東京日記
  3. ^ 出典:昭和30年4月1日付「毎日新聞」・「朝日新聞」東京版朝刊KRテレビ欄(前者・品川区立図書館、後者・秋田市立図書館明徳館で閲覧)
  4. ^ ほろにがの群像 第14回「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」の世界【前篇】
  5. ^ ほろにがの群像 第15回「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」の世界【後篇】
  6. ^ a b 『新東宝 1947-1961 創造と冒険の15年間』日本ハイコム、2019年、255頁。 
  7. ^ 『新東宝 1947-1961 創造と冒険の15年間』日本ハイコム、2019年、286頁。 
  8. ^ 『新東宝 1947-1961 創造と冒険の15年間』日本ハイコム、2019年、343頁。 
  9. ^ a b テレビドラマデータベース「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」検索結果、tvdrama-db.com、2009年10月13日閲覧。
  10. ^ ザ・テレビ欄0 1954〜1974 2009年8月31日初版、TOブックス発行、テレビ欄研究会編・著 88ページ、97ページ
  11. ^ 国立国会図書館NDL-OPAC「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」検索結果、国立国会図書館、2009年10月13日閲覧。

外部リンク[編集]