ダーリントンホール

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ダーリントンホール
第54回共同通信杯優勝時(2020年2月16日)
欧字表記 Darlington Hall[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2017年3月14日
死没 2024年2月(7歳没)
抹消日 2024年2月26日
New Approach[1]
Miss Kenton[1]
母の父 Pivotal[1]
生国 イギリスの旗 イギリス[1]
生産者 Canning Bloodstock Ltd[1]
馬主 ゴドルフィン[1]
調教師 木村哲也美浦
岩戸孝樹(美浦)
→木村哲也(美浦)[1]
競走成績
生涯成績 16戦2勝[1]
獲得賞金 9288万8000円[1]
(2024年2月10日現在)
勝ち鞍
GIII 共同通信杯 2020年
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ダーリントンホール(欧字名:Darlington Hall2017年3月14日 - 2024年2月)は、イギリス生産、日本調教の競走馬[1]2020年共同通信杯の勝ち馬である。

馬名の意味は、カズオ・イシグロの小説『日の名残り』に登場する場所の名。母名より連想[2]

経歴[編集]

2歳(2019年)[編集]

7月21日函館の新馬戦に1番人気で出走。道中4番手追走から直線で鋭く抜け出しデビュー戦を飾る[3]。2戦目の札幌2歳ステークスでは出遅れたものの道中徐々にポジションを上げたが、4コーナーで進路を塞がれる不利が響いて3着に敗れる[4]。11月30日中山の葉牡丹賞では中団追走も直線伸びあぐねて3着に終わり、この年を終える。

3歳(2020年)[編集]

2月16日の共同通信杯で始動。好位の3・4番手追走から直線で馬場のインを突き抜けると最後は逃げ粘るビターエンダーとの叩き合いをハナ差制して重賞初制覇を飾った[5]。次走、クラシック一冠目の皐月賞は後方から追い込んだが6着、初めて掲示板を外した。次走、東京優駿は後方から全く伸びず13着と惨敗に終わる。その後は休養に入った。

2020年の共同通信杯口取り式

4歳(2021年)[編集]

時間をかけて立て直したため、復帰は年明け、中山金杯となる。6か月ぶりのレースは勝ち馬から2.7秒差離された最下位の17着と大敗した。その後喉の手術のため、放牧に入る。7月29日付で木村の調教停止処分に伴い、岩戸孝樹厩舎に転厩した[6]。10か月の休養明けとなった富士ステークスは後方3番手から展開の助けはあったが5着と好走する。11月1日付で木村の調教停止処分終了に伴い、木村哲也厩舎に再転厩した。続くマイルチャンピオンシップは中団からの競馬となり7着に敗れた。

5歳(2022年)[編集]

5歳初戦として2月12日に行われたリステッド競走の洛陽ステークスに出走。4番人気に推され、2着に入った。

続いて、4月2日に行われたGIIIダービー卿チャレンジトロフィーに出走。1番人気で迎えたレースでは、中団馬群で脚をため直線で脚を伸ばすも、外からきた上位2頭の勢いがまさり、アタマ+3/4馬身差の3着に敗れた[7]

6月12日に行われたGIIIエプソムカップに出走。条件戦を連勝してオープン入りを果たしたジャスティンカフェに次ぐ2番人気に推された。レースでは、先行集団を前に見る絶好位でレースを進め直線へ。ジリジリと脚を伸ばしたが、勝ち馬ノースブリッジから半馬身差の3着に敗れた[8]。以降、京成杯オータムハンデキャップキャピタルステークスに出走したが、いずれも2桁着順の惨敗となった。

6歳以降(2023年~)[編集]

1年の休養をはさみ、2023年11月のキャピタルステークスで復帰。中団からチャンスを伺うも、ドーブネの6着に敗れる。年が明け、2024年2月の洛陽ステークスに出走したが、見せ場なく13着敗退となった。

同月26日、「斃死」を理由としてJRAの競走馬登録を抹消された[9]。7歳没。

競走成績[編集]

以下の内容はnetkeiba.comの情報[10]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2019.07.21 函館 2歳新馬 芝1800m(良) 8 2 2 002.00(1人) 01着 R1:49.8(35.4) -0.2 0池添謙一 54 (コスミックエナジー) 516
0000.08.31 札幌 札幌2歳S GIII 芝1800m(稍) 12 1 1 002.80(2人) 03着 R1:50.9(37.5) -0.5 0池添謙一 54 ブラックホール 512
0000.11.30 中山 葉牡丹賞 1勝 芝2000m(良) 12 5 6 002.40(1人) 03着 R1:59.1(35.8) -0.2 0W.ビュイック 55 グランデマーレ 524
2020.02.16 東京 共同通信杯 GIII 芝1800m(稍) 9 6 6 006.00(3人) 01着 R1:49.6(34.1) -0.0 0C.ルメール 56 (ビターエンダー) 526
0000.04.19 中山 皐月賞 GI 芝2000m(稍) 18 7 13 018.50(6人) 06着 R2:01.8(35.9) -1.1 0M.デムーロ 57 コントレイル 516
0000.05.31 東京 東京優駿 GI 芝2400m(良) 18 5 9 030.30(5人) 13着 R2:25.5(34.7) -1.4 0M.デムーロ 57 コントレイル 520
2021.01.05 中山 中山金杯 GIII 芝2000m(良) 17 8 15 021.10(5人) 17着 R2:03.6(37.0) -2.7 0M.デムーロ 55 ヒシイグアス 536
0000.10.23 東京 富士S GII 芝1600m(良) 17 5 9 048.4(11人) 05着 R1:33.7(34.0) -0.5 0横山武史 56 ソングライン 538
0000.11.21 阪神 マイルCS GI 芝1600m(良) 16 4 8 057.7(10人) 07着 R1:33.2(33.4) -0.6 0和田竜二 57 グランアレグリア 538
2022.02.12 阪神 洛陽S L 芝1600m(良) 17 1 2 005.50(4人) 02着 R1:31.9(33.8) -0.0 0北村宏司 56 エアファンディタ 538
0000.04.02 中山 ダービー卿CT GIII 芝1600m(良) 16 5 10 004.30(1人) 03着 R1:32.5(34.6) -0.2 0横山武史 56 タイムトゥヘヴン 544
0000.06.12 東京 エプソムC GIII 芝1800m(重) 12 5 5 003.70(2人) 03着 R1:46.8(34.4) -0.1 0C.ルメール 56 ノースブリッジ 536
0000.09.11 中山 京成杯AH GIII 芝1600m(良) 13 5 8 004.90(2人) 12着 01:34.2(34.4) -0.6 0横山武史 56.5 ファルコニア 538
0000.11.26 東京 キャピタルS L 芝1600m(良) 18 8 16 005.40(3人) 14着 R1:33.3(34.0) -0.8 0D.レーン 56 ララクリスティーヌ 536
2023.11.25 東京 キャピタルS L 芝1600m(良) 10 6 6 059.90(8人) 06着 R1:34.0(33.3) -0.7 0北村宏司 57 ドーブネ 538
2024.02.10 京都 洛陽S L 芝1600m(良) 18 1 2 036.4(11人) 13着 R1:33.7(35.2) -1.1 0坂井瑠星 57 ドゥアイズ 544
  • 競走成績は2024年2月10日現在

血統表[編集]

ダーリントンホール血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サドラーズウェルズ系
[§ 2]

New Approach
2005 栗毛
父の父
Galileo
1998 鹿毛
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Urban Sea Miswaki
Allegretta
父の母
Park Express
1983 黒鹿毛
Ahonoora Lorenzaccio
Helen Nichols
Matcher Match
Lachine

Miss Kenton
2011 芦毛
Pivotal
1993 栗毛
Polar Falcon Nureyev
Marie d'Argonne
Fearless Revival Cozzene
Stufida
母の母
Do the Honours
1998 芦毛
Highest Honor Kenmare
High River
Persian Secret Persian Heights
Rahaam
母系(F-No.) (FN:3-d) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 4×5=9.38%、Special 5×5=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [11]
  2. ^ [12]
  3. ^ [11]
  4. ^ [11]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n ダーリントンホール”. JBISサーチ. 2022年6月12日閲覧。
  2. ^ ダーリントンホールはカズオ・イシグロの小説『日の名残り』の舞台の屋敷の名であり、ミス・ケントンは作中の女中頭の名前。
  3. ^ “ダーリントンホールが完勝、鞍上も絶賛/新馬戦”. 日刊スポーツ. (2019年7月21日). https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201907210000563&year=2019&month=07&day=21 2020年2月16日閲覧。 
  4. ^ “【札幌2歳S】2番人気ダーリントンホールは盛り返すも3着 池添「前から馬が下がってきて…」”. スポーツ報知. (2019年8月31日). https://hochi.news/articles/20190831-OHT1T50120.html 2020年2月17日閲覧。 
  5. ^ “【共同通信杯】外国産馬ダーリントンホールが一騎打ちを制して重賞初制覇!”. サンケイスポーツ. (2020年2月16日). https://race.sanspo.com/keiba/news/20200216/pog20021616100011-n1.html 2020年2月17日閲覧。 
  6. ^ 木村 哲也調教師(美浦)の調教停止に伴う管理馬の転厩 - 日本中央競馬会(JRAニュース)2021年7月28日
  7. ^ “【ダービー卿CT】1番人気のダーリントンホールは3着 横山武「もう少し切れてほしかったですね」”. サンケイスポーツ. https://www.sanspo.com/race/article/general/20220402-GXVB427V4VEQTKCOZBMBMSMDN4/ 2022年6月12日閲覧。 
  8. ^ “【エプソムC】ダーリントンホールはクビ+クビ差の3着 ルメール「直線では早い反応ができずジリジリという感じ」”. サンケイスポーツ. https://www.sanspo.com/race/article/general/20220612-OOWKZXKWQJGWRFAKLFLJJB4FLE/ 2022年6月13日閲覧。 
  9. ^ “抹消馬:2024/2/26~2024/3/8”. 競馬ブックWeb. https://p.keibabook.co.jp/cyuou/masyoba 2024年3月9日閲覧。 
  10. ^ ダーリントンホール”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年2月18日閲覧。
  11. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ダーリントンホール”. JBISサーチ. 2020年2月23日閲覧。
  12. ^ ダーリントンホールの血統表、netkeiba.com、 2020年2月23日閲覧
  13. ^ Cross Counter(GB)”. JBISサーチ. 2020年2月23日閲覧。
  14. ^ “クロスカウンター英国調教馬で初優勝/メルボルンC”. 日刊スポーツ. https://p.nikkansports.com/goku-uma/news/article.zpl?topic_id=1&id=201811060000344&year=2018&month=11&day=06 2020年2月23日閲覧。 

外部リンク[編集]