ひかわ玲子

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ひかわ 玲子
(ひかわ れいこ)
ペンネーム ひかわ 玲子
(ひかわ れいこ)
誕生 渡辺 かおる
(わたなべ かおる)
(1958-05-17) 1958年5月17日(65歳)
日本の旗 東京都豊島区
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 早稲田大学社会科学部
活動期間 1988年 -
ジャンル ファンタジー
ウィキポータル 文学
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ひかわ 玲子(ひかわ れいこ、1958年5月17日 - )は、日本の小説家東京都豊島区出身[1]、東京都在住。早稲田大学社会科学部卒業[1]

経歴[編集]

本名:渡辺かおる[1]音楽評論家渡辺茂の子として、東京都に生まれる。恵泉女学園中学校・高等学校を経て、早稲田大学を卒業。父がSF同人誌『宇宙塵』の同人であったため、幼い頃からSFやファンタジーに親しんだ。

学生時代はワセダミステリクラブに在籍しており、また、小谷真理らが参加していたファンタジー系サークル「ローラリアス」にも参加。後に「ローラリアス」の副幹事も経験している[2]。ともに伯父である推理作家氷川瓏渡辺剣次の影響を受け、自らも小説を書いた。筆名はこの年長の方の伯父に因む(「ひかわ(氷川)」「玲子(玲瓏:玉などが透き通るように美しいさま。)」)。

レコード会社のプロモーター、ライターを経て、M・Z・ブラッドリーの『ヘラーズの冬』『ホークミストレス』を共訳(氷川玲子名義)。1988年、「バセット英雄伝 エルヴァーズ」を『ドラゴンマガジン』に連載し、小説家デビューした。「女戦士エフェラ&ジリオラ」や「三剣物語」などのシリーズがあり、剣や魔法が登場するファンタジー(ヒロイック・ファンタジー)を得意とする。

なお、1988年に最初の著書(『グラフトンの三つの流星』)を刊行した彼女が、それを持って既に病床にいた伯父、氷川瓏を訪ねたところ、瓏はわがことのように喜んだという[3]

作品リスト[編集]

翻訳[編集]

氷川玲子名義
  • ダーコーヴァ年代記(マリオン・ジマー・ブラッドリー著、東京創元社〈創元推理文庫〉)
    1. ヘラーズの冬(1987年11月、宇井千史との共訳、ISBN 4-488-69014-9
    2. ホークミストレス 上(1988年6月、中原尚哉との共訳、ISBN 4-488-69019-X
    3. ホークミストレス 下(1988年7月、中原尚哉との共訳、ISBN 4-488-69020-3
ひかわ玲子名義

オリジナル作品[編集]

ジュブナイル・ファンタジー
神話・伝説を基にしたファンタジー
一般向けファンタジー
児童向け

小説化[編集]

ファンタジー論[編集]

  • ひかわ玲子のファンタジー私説(1999年7月、東京書籍、ISBN 978-4487794164

寄稿誌・アンソロジー・同人誌[編集]

  • トリップ世代のエターナル・チャンピオン(『幻想文学』19号、1987年7月) - 寄稿
  • 読書メモ エキゾチズム・幻想(『幻想文学』25号、1989年3月) - 寄稿
  • ビー玉の夢(『奇妙劇場 vol.3』、1991年1月、太田出版) - 寄稿
  • ク・ムーンの裔(『ファンタジー王国 2』、1991年3月、カドカワノベルズ) - 寄稿
  • 蘇るアーサー王伝説(『ユリイカ』第23巻第10号、1991年9月) - 寄稿
  • Hi!JOURNAL OPENNING ESSAY」(『S-Fマガジン』第32巻第10号、1991年10月) - 寄稿
  • 光の言葉(『ザ・ファンタジー 1』、1993年4月、カドカワノベルズ) - 寄稿
  • 追っ掛け☆香港dream(『竜虎酔夢:チャイナ・ファンタジア』、1995年9月、カドカワノベルズ) - 寄稿
  • マイ・ベストFT Part2(『S-Fマガジン』第36巻第1号、1995年1月) - 寄稿
  • 少女の行方 享楽する少女達(『imago』第6巻第4号、青土社、1995年4月)
  • 緊急フォーラム SFの現在を考える(最終回)誰が日本SFを書いても良いはずだ」(『S-Fマガジン』第38巻第10号、1997年10月) - 寄稿
  • 花の楽土(『カサブランカ革命:百合小説の誘惑』、1998年12月、イースト・プレス)- 寄稿
  • 生け贄(『異形コレクション 12 GOD』井上雅彦編、1999年9月、廣済堂文庫)- 寄稿
  • 話してはいけない(『異形コレクション 15 宇宙生物ゾーン』井上雅彦編、2000年3月、廣済堂文庫) - 寄稿
  • ビー玉の夢(『異形アンソロジータロット・ボックス 3 吊るされた男』井上雅彦編、2001年6月、角川ホラー文庫)再録
  • エデンに還れ(『S-Fマガジン』) - 寄稿
    1. 第42巻第8号、2001年8月
    2. 第42巻第10号、2001年10月
    3. 第42巻第12号、2001年12月
    4. 第43巻第2号、2002年2月
    5. 第43巻第4号、2002年4月
    6. 第43巻第6号、2002年6月
    7. 第43巻第8号、2002年8月
    8. 第43巻第10号、2002年10月
    9. 第43巻第12号、2002年12月
  • 黄金の王国(『異形コレクション 21 マスカレード』井上雅彦編、2002年1月、光文社文庫)寄稿
  • インタビュー 象徴としてのユニコーン ファンタジーにとって幻獣とは何か(『幻想文学』64号、2002年7月)寄稿
  • アダルミシアの大切なお友達(『ヒント?:カラフル文庫アンソロジ- Vol.9』、2005年7月、ジャイブ) - 寄稿
  • Rolarious : 30th anniversary vol. 10(あずみさき共編、2008年8月) - 発行、編集
  • リヴンデルの哀しみの王(『きつねこタルト:召しませロマンス♥ 』vol. 4、2011年、きつねこ本舗〈同人誌〉) - 寄稿
  • 草原の風(『グイン・サーガ・ワールド:グイン・サーガ続篇プロジェクト 6』天狼プロダクション、2012年12月、早川書房
  • リヴンデルの哀しみの王 2(『きつねこタルト:召しませロマンス♥ 』vol. 5、2012年8月、きつねこ本舗〈同人誌〉) - 寄稿
  • 猫の風景(『ファンタスティック・ヘンジ』、2012年11月、変タジー同好会(同人誌)) - 寄稿
  • リヴンデルの哀しみの王 3(『きつねこタルト:召しませロマンス♥ 』vol. 6、2012年12月、きつねこ本舗〈同人誌〉) - 寄稿
  • アフリカの誘惑:映画で旅するアフリカの歴史(翡翠楼) - 共著発行
    1. 1(2013年8月)
    2. 2-1(2014年8月)
    3. 2-2(2014年8月)
  • アザーズ(『きつねこタルト:召しませロマンス♥ 』vol. 7 、2013年8月、きつねこ本舗〈同人誌〉)- 寄稿
  • ふたりの王(『Hobbit : Thorin Oakenshield fan book』2013年12月)- 寄稿
  • リヴンデルの哀しみの王 4(『きつねこタルト:召しませロマンス♥ 』vol. 8、2013年12月、きつねこ本舗〈同人誌〉) - 寄稿
  • 指輪夜話:the stories of middle-earth(ひかわ玲子プロジェクト:短編5作収録、2014年8月)- 発行
  • 恋のから騒ぎ(『きつねこタルト:召しませロマンス♥ 』vol. 9、2014年8月、きつねこ本舗〈同人誌〉) - 寄稿
  • ひかわ玲子ペーパー 2014年冬コミ号(ひかわ玲子プロジェクト、2014年12月) - 発行
  • 長崎は今日も晴だった(『きつねこタルト:召しませロマンス♥ 』vol. 10 、2014年12月、きつねこ本舗〈同人誌〉) - 寄稿

脚注[編集]

  1. ^ a b c 東雅夫石堂藍 編『日本幻想作家事典』国書刊行会、2009年。ISBN 978-4-336-05142-4 
  2. ^ 「著者紹介」『グラフトンの三つの流星』(初版)大陸書房〈大陸ノベルズ〉、1988年12月9日。ISBN 4-8033-1875-1 
  3. ^ 日下三蔵 編「解説」『怪奇探偵小説名作選9 氷川瓏集 睡蓮婦人』筑摩書房〈ちくま文庫〉、2003年。ISBN 4-480-03836-1 

外部リンク[編集]