クリード チャンプを継ぐ男
クリード チャンプを継ぐ男 | |
---|---|
Creed | |
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監督 | ライアン・クーグラー |
脚本 |
ライアン・クーグラー アーロン・コヴィントン |
原案 | ライアン・クーグラー |
製作 |
シルヴェスター・スタローン アーウィン・ウィンクラー チャールズ・ウィンクラー ロバート・チャートフ ウィリアム・チャートフ |
出演者 |
マイケル・B・ジョーダン シルヴェスター・スタローン テッサ・トンプソン フィリシア・ラシャド アンソニー・ベリュー |
音楽 | ルートヴィッヒ・ヨーランソン |
撮影 | マリス・アルベルチ |
編集 |
クローディア・S・カステロ マイケル・P・ショーヴァー |
製作会社 |
|
配給 | ワーナー・ブラザース |
公開 |
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上映時間 | 133分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $35,000,000[1] |
興行収入 |
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前作 | ロッキー・ザ・ファイナル |
次作 | クリード 炎の宿敵 |
『クリード チャンプを継ぐ男』(クリード チャンプをつぐおとこ、Creed)は、2015年のアメリカ合衆国のスポーツ映画。監督はライアン・クーグラー、主演はマイケル・B・ジョーダンとシルヴェスター・スタローン。日本では2015年12月23日公開。『ロッキー』シリーズの一作で初のスピンオフ作品であり、『ロッキー・ザ・ファイナル』以来9年ぶりの続編である。
ロッキーのライバルであったアポロ・クリードの遺児、アドニス・クリードを主人公とするが、「クリード (creed)」には、英語で信条、信念の意味もある。
あらすじ
ボクシング世界ヘビー級王者、アポロ・クリードの非嫡出子であるアドニス・“ドニー”・ジョンソンは、アポロの正妻メアリー・アンに引き取られ不自由のない生活を送り、立派な青年に成長していた。亡き父の活躍を聞いて育ち、Youtubeで父とそのライバル、ロッキー・バルボアの試合も見たドニーはボクサーになる夢があった。それまでの生活を捨ててボクサーとなると決めたドニーはまず父のいたデルフォイ・ジムを訪ねるが、ドニーが裕福な育ちであり、素人相手のメキシコの野試合の経験しかないという理由で入門を断られる。
そこでドニーはフィラデルフィアへ向かい、ロッキー・バルボアに師事を請うが、すでにボクシングからは距離を置いていたロッキーに断られる。やむなくドニーは、クリードの名を隠してかつてのミッキーのジムに通い始めるが、練習内容に不満を持ち、再びロッキーを訪ねて個人用の練習メニューの作成を頼む。ひたむきなドニーに対し、やがてロッキーは彼のトレーナーとなることを承知する。ロッキーの指導の下基礎能力が強化されたドニーは、ジムトレーナーのピートから期待の有望株レオとの試合が申し込まれる。ロッキーのもとに住み込み、さらに過酷なトレーニングを行ったドニーは、2ラウンドKOでレオを倒す。ロッキーや恋人のビアンカと喜び合うドニーであったが、翌日には隠していたクリードの名が知られ、アポロの息子として一躍有名になる。
不敗のチャンピオンだが銃の不法所持で収監が決まったリッキー・コンランは、最後の対戦相手を探していた。ドニーのことを知ったコンランのマネージャー、トミーは興行収益を目当てに、明らかに格下のドニーへの対戦依頼を出す。トミーの狙いが「クリードの名」にあると熟知するロッキーは断るが、やがてクリードの名を背負うことを決意したドニーの意を受けて、コンランとの対決を許諾する。
現役チャンピオンに勝つため、さらに過酷なトレーニングをするロッキーとドニーであったが、その矢先にロッキーに癌が見つかる。治療を拒絶するロッキーと、受けさせたいドニーは喧嘩をするが、やがてロッキーはドニーに謝り、治療を受ける決心をする。ロッキーの闘病と並行してトレーニングを積むドニーは、コンランとの対決の日を迎える。
完全なアウェイでブーイングを受けながらドニーは入場する。コンランは余裕で迎え撃ち、試合は下馬評通りコンラン優勢で進むが、ドニーのパンチがクリーンヒットし、一転して激しい乱打戦となり、時間がどんどん過ぎていく。コンランにダウンを取られるも、不屈の精神で立ち上がったドニーは、最終ラウンドでコンランを追い詰める。そして終了間近、ドニーの拳がコンランを捉え、ついに不敗のチャンピオンをダウンさせる。それでもコンランは立ち上がって逃げ切り、結果は2対1の判定でコンランが勝利する。しかし、あと30秒あればドニーが勝っていた試合であり、コンランは次のチャンピオンはお前だと称え、観客も名勝負だったとドニーに喝采を送る。そして、インタビューでドニーはロッキーを家族であると言い、ロッキーもドニーに感謝の言葉を送る。
早朝のフィラデルフィア美術館の階段を、ロッキーとドニーが駆け昇る。ふたりは街の景色を眺めながら互いの絆の深さを確かめあう。
キャスト
※括弧内は日本語吹替[3]
- アドニス・ジョンソン(クリード) - マイケル・B・ジョーダン(杉村憲司)
- ロッキー・バルボア - シルヴェスター・スタローン(羽佐間道夫)
- ビアンカ - テッサ・トンプソン(東條加那子)
- メアリー・アン・クリード - フィリシア・ラシャド(水野ゆふ): アドニスの養母
- “プリティ”・リッキー・コンラン - アンソニー・ベリュー(伊藤健太郎)
- トミー・ホリデイ - グレアム・マクタヴィッシュ(板取政明)
- リトル・デューク - ウッド・ハリス
- ピート・スポリーノ - リッチー・コスター
- ダニー・“スタントマン”・ウィーラー - アンドレ・ウォード(平修)
- レオ・“ザ・ライオン”・スポリーノ - ガブリエル・ロサド
製作
2013年7月24日、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーは『ロッキー』シリーズのスピンオフ作品の製作に当たって、ライアン・クーグラーを監督に、クーグラーとアーロン・コヴィントンを脚本に起用すると発表した[4]。また、アポロの息子、アドニス・ジョンソン役にはマイケル・B・ジョーダンが起用され、ロッキー・バルボアはオリジナルシリーズ同様にシルヴェスター・スタローンが演じるとも発表された[5]。2014年4月25日、クーグラーが『ハリウッド・レポーター』でのインタビューで、ジョーダンとスタローンを主演に起用することに同意したと述べた[6]。同年11月10日、現役ボクサーのアンソニー・ベリューとアンドレ・ウォードが本作に出演すると報じられた[7]。12月16日、ヒロイン役にテッサ・トンプソンが起用されたとの報道があった[8]。2015年1月8日、フィリシア・ラシャドの出演が決まった[9]。同月21日、グレアム・マクタヴィッシュが自身のTwitterで本作に出演すると発表した[10]。
撮影
2015年1月19日、イギリスのリバプールで本作の主要撮影が始まった[11]。冒頭のシーンを撮り終えたあと、撮影地はフィラデルフィアに移った[12]。2月上旬、トレーニングシーンの撮影に当たって、フィラデルフィアの空き店舗がボクシングジムに改装された[13]。13日、地元のヴィクトール・カフェでの撮影が行われた[14]。16日、そのカフェをエイドリアンのレストランに改装して、別のシーンの撮影が行われた[15]。2月下旬にはサン・センター・スタジオでの撮影が行われた[16]。
公開
2015年2月3日、ワーナー・ブラザースは本作の北米公開日を同年11月25日にすると発表した[17]。
興行収入
2015年11月29日、本作は全米3404館で公開され、公開初週末に2963万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場3位となった[18]。
ホームメディア
日本国内では、Blu-ray・DVDがワーナー・ブラザース ホームエンターテイメントより、2016年4月20日から販売開始された。また、同年6月22日には、4K画質のUltra HD Blu-ray規格のソフトも販売された。
- クリード チャンプを継ぐ男 ブルーレイ&DVDセット(2枚組・初回限定生産・2016年4月20日発売)
- クリード チャンプを継ぐ男 ブルーレイ・スチールブック仕様(初回限定生産・2016年4月20日発売)
- クリード チャンプを継ぐ男 4K ULTRA HD&Blu-ray セット(2枚組・2016年6月22日発売)
- クリード チャンプを継ぐ男 ブルーレイ(廉価版・2016年10月19日発売)
- クリード チャンプを継ぐ男 DVD(廉価版・2016年10月19日発売)
評価
批評家からの評価
本作は批評家から絶賛された。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには171件のレビューがあり、批評家支持率は93%、平均点は10点満点で7.9点となっている。サイト側による批評家の意見の要約は「『クリード チャンプを継ぐ男』は『ロッキー』シリーズに驚異の7ラウンド目をもたらした。シリーズの伝統を踏まえつつも斬新な演出がなされており、そこで新たなボクサーの物語が展開されている。」となっている[19]。また、Metacriticには40件のレビューがあり、加重平均値は82/100となっている[20]。なお、本作のシネマスコアはAとなっている[21]。
米『タイム』誌は、本作を「2015年の映画トップ10」の第8位に挙げている[22]。
シルヴェスター・スタローンはゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)の常連としても知られているが、第36回ラジー賞では、ラジー賞での評価を覆した者に送られる名誉挽回賞を受賞した[23]。
受賞
年 | 映画賞 | 賞 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2015年 | ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞[24] | 助演男優賞 | シルヴェスター・スタローン | 受賞 |
作品賞トップ10 | 入賞 | |||
ボストン・オンライン映画批評家協会賞[25] | 作品トップ10 | 2位 | ||
主演男優賞 | マイケル・B・ジョーダン | 受賞 | ||
助演男優賞 | シルヴェスター・スタローン | 受賞 | ||
第41回ロサンゼルス映画批評家協会賞[26] | 新人賞 | ライアン・クーグラー | 受賞 | |
第19回オンライン映画批評家協会賞 | 主演男優賞 | マイケル・B・ジョーダン | ノミネート | |
助演男優賞 | シルヴェスター・スタローン | ノミネート | ||
2016年 | 第50回全米映画批評家協会賞[27] | 主演男優賞 | マイケル・B・ジョーダン | 1位 |
助演男優賞 | シルヴェスター・スタローン | 3位 | ||
第73回ゴールデングローブ賞[28][29] | 助演男優賞 | シルヴェスター・スタローン | 受賞 | |
第47回NAACP賞映画部門[30][31] | 主演男優賞 | マイケル・B・ジョーダン | 受賞 | |
助演女優賞 | フィリシア・ラシャド | 受賞 | ||
テッサ・トンプソン | ノミネート | |||
作品賞 | ノミネート | |||
第20回サテライト賞[32] | 助演男優賞 | シルヴェスター・スタローン | ノミネート | |
第36回ラジー賞[33] | 名誉挽回賞 | シルヴェスター・スタローン | 受賞 | |
第88回アカデミー賞[34] | 助演男優賞 | シルヴェスター・スタローン | ノミネート | |
MTVムービー・アワード 2016 [35] | 最優秀映画賞 | ノミネート | ||
最優秀男優賞 | マイケル・B・ジョーダン | ノミネート | ||
第41回報知映画賞[36] | 作品賞・海外 | 受賞 |
出典
- ^ a b “Creed (2015)” (英語). Box Office Mojo. 2018年10月7日閲覧。
- ^ 『キネマ旬報 2017年3月下旬号』p.43
- ^ “クリード チャンプを継ぐ男 ブルーレイ&DVD”. 2016年2月22日閲覧。
- ^ “‘Fruitvale Station’ Duo Ryan Coogler And Michael B. Jordan Team With Sly Stallone On MGM ‘Rocky’ Spinoff ‘Creed’”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “BREAKING NEWS re: Creed Movie - Michael B. Jordan and Sylvester Stallones - SPOILER ALERT”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Sundance London: Ryan Coogler Talks 'Rocky' Spinoff 'Creed'”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Boxers Andre Ward and Tony Bellew in Talks to Join MGM's 'Rocky' Spinoff 'Creed' (Exclusive)”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “‘Dear White People’s Tessa Thompson Lands ‘Creed’ Lead”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Phylicia Rashad to Play Apollo Creed’s Widow in ‘Rocky’ Spinoff ‘Creed’”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Graham McTavish 認証済みアカウント”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Rocky spin-off Creed to shoot tonight at Goodison Park during Everton v West Brom game”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Posing with the champ! Tourists get selfie with Sylvester Stallone after running up Philadelphia's 'Rocky' steps”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “The new ‘Rocky’ movie ‘Creed’ will be filming at a Boxing Gym in Philly this week”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “The new ‘Rocky’ movie ‘Creed’ filming at The Victor Cafe in Philly”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “See Philadelphia’s Victor Cafe transformed into Adrien’s for ‘Creed’”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “Filming for the new ‘Rocky’ movie ‘Creed’ moves to Aston, PA this week”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “‘Point Break’ Moved From Summer To Christmas; ‘Creed’ Coming For Thanksgiving”. 2015年10月22日閲覧。
- ^ “[http://www.boxofficemojo.com/weekend/chart/?yr=2015&wknd=48&p=.htm November 27-29, 2015 Weekend]”. 2015年12月9日閲覧。
- ^ “Creed (2015)”. 2015年12月9日閲覧。
- ^ “Creed”. 2015年12月9日閲覧。
- ^ “Thanksgiving Box Office +12% Over 2014, Boosted By ‘Mockingjay 2’, ‘Good Dinosaur’ & ‘Creed’ – Sunday AM Final Update”. 2015年12月9日閲覧。
- ^ “米タイム誌が選ぶ2015年の映画トップ10”. 映画.com (2016年1月2日). 2016年1月6日閲覧。
- ^ “アカデミー賞前夜に最低映画決定、「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」が5冠”. 映画ナタリー (2016年2月28日). 2016年2月29日閲覧。
- ^ “作品賞は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』!ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞発表”. シネマトゥデイ (2015年12月2日). 2015年12月2日閲覧。
- ^ “2015 BOFCA Awards”. 2015年12月6日閲覧。
- ^ “LA批評家協会賞は「マッドマックス」が最多3冠 作品賞は「スポットライト」”. 映画.com (2015年12月7日). 2015年12月8日閲覧。
- ^ “Awards for 2015 films by NSFC on January 3, 2016”. 全米映画批評家協会 (2016年1月3日). 2016年1月6日閲覧。
- ^ “ゴールデングローブ賞「キャロル」が最多ノミネート、坂本龍一は作曲賞候補に”. 映画ナタリー (2015年12月11日). 2015年12月11日閲覧。
- ^ “ゴールデングローブ賞結果発表、「レヴェナント:蘇えりし者」が最多3部門制す”. 映画ナタリー (2016年1月12日). 2016年1月12日閲覧。
- ^ “NAACP賞ノミネーション発表!『クリード チャンプを継ぐ男』が最多6ノミネート”. シネマトゥデイ (2015年12月30日). 2016年1月6日閲覧。
- ^ “『ストレイト・アウタ・コンプトン』が作品賞!最多受賞は『クリード チャンプを継ぐ男』 全米有色人種地位向上協会賞”. シネマトゥデイ (2016年2月8日). 2016年2月8日閲覧。
- ^ “サテライト賞ノミネート発表”. 映画.com (2015年12月3日). 2015年12月8日閲覧。
- ^ Razzie Awards 2016 Winners Announced Comingsoon.net, Retrieved February 28, 2016
- ^ “アカデミー賞ノミネーション発表、「レヴェナント」12部門、「マッドマックス」10部門”. 映画ナタリー (2016年1月15日). 2016年1月15日閲覧。
- ^ “スター・ウォーズ/フォースの覚醒』最多11部門!MTVムービーアワードノミネーション発表”. シネマトゥデイ (2016年3月14日). 2016年3月14日閲覧。
- ^ “【報知映画賞】宮沢りえ、史上初となる3度目主演女優賞に…各賞を発表”. スポーツ報知. (2016年11月29日) 2016年11月29日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト(英語)
- 公式ウェブサイト(日本語)
- クリード チャンプを継ぐ男 - allcinema
- クリード チャンプを継ぐ男 - KINENOTE
- Creed - インターネット・ムービー・データベース(英語)
- クリード チャンプを継ぐ男 - YouTubeプレイリスト
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