カンファーベスト

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カンファーベスト
2009年5月10日 京都競馬場
欧字表記 Camphor Best[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 1999年5月16日(25歳)[1]
登録日 2001年12月13日
抹消日 2009年7月15日
アンバーシャダイ[1]
カタリナラビット[1]
母の父 シンザン[1]
生国 日本の旗 日本北海道静内町[1]
生産者 片岡牧場[1]
馬主 奥村清晴[1]
調教師 佐藤吉勝美浦南[1]
競走成績
生涯成績 46戦6勝[1]
獲得賞金 3億4870万円[1]
JPN TR T/I 107(2004年)
T/M 107(2006年)
勝ち鞍
GIII 朝日チャレンジC 2003年
GIII 関屋記念 2006年
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カンファーベスト(欧字名:Camphor Best1999年5月16日 - ) は、日本競走馬[1] 。主な勝ち鞍に2003年朝日チャレンジカップ2006年関屋記念

アンバーシャダイ産駒最後の重賞優勝馬であり、かつ母の父にシンザンを持つ最後の競走馬であった。

経歴[編集]

3歳(2002年)- 4歳(2003年)[編集]

3歳時の1月12日に行われた東京競馬場での新馬戦がデビュー戦となり、10番人気ながら2着に入った。デビュー当初はダート競走に出走しており、その後2着2回、3着1回となり、デビュー5戦目で初勝利を挙げた。レース後は休養し、昇級初戦の尖閣湾特別(500万下)は11番人気ながら2着に入り、昇級2戦目の鳥屋野特別(500万下)を制して2勝目を挙げた。そして次走は1000万下クラス馬ながら初の重賞挑戦となるセントライト記念に出走し、8番人気で5着となった。その後は自己条件の雄国沼特別(1000万下)で2着となり、再び格上挑戦を行ってカブトヤマ記念に出走した。レースでは最後の直線で後方から豪快に追い込んで1位入線したが、斜行により10着に降着し重賞初勝利は幻となった。なおこのとき騎乗していた郷原洋司は開催日6日間の騎乗停止となった。

4歳となった2003年の初戦は中山金杯で10番人気ながら3着となった。その後は自己条件レースを中心に走り、館山特別(1000万下)とスピカステークス(1600万下)を制してオープン馬となった。オープン初戦は春の福島開催に移動した因縁のカブトヤマ記念となり、今度は1番人気に支持された。しかしレースでは、ゴール前に5頭が絡む接戦となったがストロングブラッドらに敗れ5着だった。なおカブトヤマ記念はこの年を最後に廃止され、勝利する機会が無くなってしまった。

レース後は休養に入り、復帰戦の新潟記念では7番人気で2着に入り、そして次の朝日チャレンジカップを2番人気で制して今度こそ重賞初勝利を挙げた。その後は強豪馬を相手に毎日王冠で4着、初のGI競走出走となった天皇賞(秋)で5着となるなど堅実な走りを見せ、中日新聞杯では1番人気に支持されたがプリサイスマシーンにクビ差で敗れて2着だった。

5歳(2004年)- 7歳(2006年)[編集]

5歳となった2004年中京記念から始動して3着となり、続く大阪杯も3着だったが次の天皇賞(春)では9着だった。そしてレース後は休養に入った。

6歳となった2005年は、エイプリルステークスで約1年ぶりの実戦復帰を果たしたが6着だった。続く新潟大賞典は2着となったが、2番人気に支持されたエプソムカップは14着という結果に終わった。その後休養を挟み鳴尾記念に出走して2着となった。

7歳となった2006年の初戦は3年ぶりの出走となった中山金杯だったが13着。以降は大敗を繰り返し、8月の関屋記念は14番人気での出走となった。しかしレースではゴール直前で先頭だったダイワバンディットを捕らえて1着でゴールし、約3年ぶりの勝利を重賞2勝目で飾った。続く京成杯オータムハンデキャップでは2着に入ったが、その後の富士ステークスは5着、マイルチャンピオンシップは10着という結果に終わり休養に入った。

8歳(2007年)- 10歳(2009年)[編集]

8歳となった2007年は、連覇を目指す関屋記念が実戦復帰戦となり、9番人気で4着に入った。続く2年連続出走となった京成杯オータムハンデキャップは結果も2年連続の2着だったが、その後の毎日王冠と福島記念はともに9着という結果に終わり、オークヒルファームに放牧に出された。

9歳となった2008年は、2月頃に帰厩し、ダービー卿チャレンジトロフィーで実戦復帰。5着だった。続く新潟大賞典は16着だった。

1年の休養を終えて10歳となった2009年は、5月10日の都大路ステークスで復帰したが、終始後方のまま16着と大敗した。続くエプソムカップでも16着と大敗し、7月12日七夕賞16着を最後に7月15日付で競走馬登録を抹消した[2]

引退後[編集]

引退後は土佐黒潮牧場にて功労馬として繋養されている。

エピソード[編集]

中央競馬ワイド中継』内の企画「中央競馬ベストレース・オブ・ザ・イヤー2002」(視聴者の投票によりベストレースを選ぶ)において、他にGIレースが並ぶ中、カブトヤマ記念が7位に選ばれている。

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
タイム差 勝ち馬/(2着馬)
2002 1. 12 東京 3歳新馬 14 7 11 80.5 (10人) 02着 郷原洋司 55 ダ1600m(良) 1:41.0 (37.5) 0.3 スライストップ
1. 19 東京 3歳新馬 12 8 12 9.7 0(3人) 02着 郷原洋司 55 ダ1600m(良) 1:41.4 (38.0) 0.0 レディーシップ
2. 2 東京 3歳未勝利 16 6 12 2.7 0(1人) 02着 郷原洋司 55 ダ1600m(良) 1:40.5 (37.3) 0.4 ストレイラルホーク
3. 2 中山 3歳未勝利 16 4 7 2.7 0(1人) 03着 郷原洋司 55 ダ1200m(良) 1:13.3 (38.2) 0.4 エートゥーゼット
3. 16 中山 3歳未勝利 16 1 2 3.8 0(2人) 01着 郷原洋司 55 ダ1800m(良) 1:56.4 (40.1) -0.1 (グラスステージ)
7. 21 新潟 尖閣湾特別 500万下 18 3 6 55.9 (11人) 02着 郷原洋司 54 芝1800m(良) 1:46.1 (35.9) 0.0 フェイムドグレイス
8. 3 新潟 鳥屋野特別 500万下 16 6 11 3.8 0(2人) 01着 郷原洋司 54 芝1800m(良) 1:46.3 (34.1) -0.2 (カシマコンドル)
9. 15 新潟 セントライト記念 GII 17 4 7 20.3 0(8人) 05着 郷原洋司 56 芝2200m(良) 2:13.6 (34.9) 0.7 バランスオブゲーム
10. 5 福島 雄国沼特別 1000万下 9 6 6 2.3 0(2人) 02着 郷原洋司 55 芝1800m(良) 1:48.3 (35.8) 0.8 アグネスストーム
10. 20 福島 カブトヤマ記念 GIII 14 8 13 7.8 0(3人) 10降 郷原洋司 50 芝1800m(良) 1:49.3 (36.3) 0.1 ウインブレイズ
2003 1. 5 中山 中山金杯 GIII 16 2 3 25.4 (10人) 03着 木幡初広 52 芝2000m(良) 2:00.3 (35.6) 0.3 トーホウシデン
1. 26 中山 東雲賞 1000万下 15 5 8 3.4 0(2人) 02着 江田照男 57.5 芝1800m(良) 1:48.0 (34.9) 0.0 セイコーアカデミー
2. 8 中山 白富士S OP 9 8 9 2.1 0(1人) 03着 江田照男 54 芝2000m(良) 2:00.2 (34.4) 0.4 カナハラドラゴン
3. 1 中山 館山特別 1000万下 16 3 6 1.8 0(1人) 01着 江田照男 58 芝2000m(良) 2:01.1 (36.8) 0.0 (クリールポイント)
3. 22 中山 スピカS 1600万下 10 1 1 2.7 0(2人) 01着 江田照男 57 芝2000m(良) 2:01.7 (34.5) -0.4 (セイコーアカデミー)
4. 27 福島 カブトヤマ記念 GIII 13 5 8 2.1 0(1人) 05着 江田照男 56 芝1800m(良) 1:48.3 (36.5) 0.2 ストロングブラッド
8. 31 新潟 新潟記念 GIII 17 7 14 13.6 0(7人) 02着 江田照男 55 芝2000m(重) 1:58.8 (34.3) 0.1 ダービーレグノ
9. 13 阪神 朝日CC GIII 12 2 2 3.3 0(2人) 01着 安藤勝己 56 芝2000m(良) 1:58.3 (35.3) -0.1 (アラタマインディ)
10. 12 東京 毎日王冠 GII 11 7 8 8.3 0(2人) 04着 江田照男 57 芝1800m(稍) 1:46.2 (34.9) 0.5 バランスオブゲーム
11. 2 東京 天皇賞(秋) GI 18 6 12 22.2 0(8人) 05着 安藤勝己 58 芝2000m(良) 1:58.6 (34.6) 0.6 シンボリクリスエス
12. 13 中京 中日新聞杯 GIII 16 4 8 3.0 0(1人) 02着 藤田伸二 57 芝1800m(良) 1:47.7 (35.0) 0.1 プリサイスマシーン
2004 3. 7 中京 中京記念 GIII 16 1 2 4.7 0(2人) 03着 藤田伸二 57.5 芝2000m(良) 1:59.0 (35.0) 0.4 メイショウキオウ
4. 4 阪神 大阪杯 GII 11 4 4 10.8 0(5人) 03着 藤田伸二 57 芝2000m(良) 1:59.8 (35.3) 0.2 ネオユニヴァース
5. 2 京都 天皇賞(春) GI 18 7 15 77.6 (11人) 09着 藤田伸二 58 芝3200m(良) 3:20.3 (35.4) 1.9 イングランディーレ
2005 4. 10 中山 エイプリルS OP 12 5 5 16.1 0(6人) 06着 小林淳一 57 芝2000m(良) 2:00.7 (34.5) 0.6 スズノマーチ
5. 15 新潟 新潟大賞典 GIII 16 4 8 8.0 0(4人) 02着 柴山雄一 57.5 芝2000m(良) 1:59.0 (34.7) 0.1 エアセレソン
6. 12 東京 エプソムカップ GIII 17 8 15 6.0 0(2人) 14着 柴山雄一 57 芝1800m(良) 1:47.8 (35.9) 1.2 スズノマーチ
12. 11 阪神 鳴尾記念 GIII 13 4 5 14.8 0(7人) 02着 安藤勝己 57 芝2000m(良) 2:02.0 (35.6) 0.4 メジロマントル
2006 1. 5 中山 中山金杯 GIII 14 7 13 9.4 0(5人) 13着 中舘英二 57 芝2000m(良) 2:00.2 (36.4) 0.8 ヴィータローザ
2. 4 東京 白富士S OP 13 8 14 8.4 0(5人) 10着 柴山雄一 58 芝2000m(良) 2:02.2 (34.8) 0.9 エアシェイディ
2. 26 中山 中山記念 GII 12 6 7 43.8 (10人) 06着 横山典弘 57 芝1800m(重) 1:50.4 (36.8) 1.5 バランスオブゲーム
4. 2 阪神 産経大阪杯 GII 12 1 1 29.0 0(8人) 07着 小牧太 57 芝2000m(重) 2:05.3 (38.1) 0.8 カンパニー
5. 6 新潟 新潟大賞典 GIII 16 8 16 15.5 0(8人) 13着 江田照男 56 芝2000m(良) 2:00.4 (36.0) 1.3 オースミグラスワン
8. 6 新潟 関屋記念 GIII 18 7 13 68.3 (14人) 01着 江田照男 56 芝1600m(良) 1:32.5 (32.9) -0.1 (ダイワバンディット)
9. 10 中山 京成杯AH GIII 15 3 6 11.8 0(6人) 02着 江田照男 57 芝1600m(良) 1:32.0 (34.3) 0.0 ステキシンスケクン
10. 21 東京 富士S GIII 18 3 6 6.1 0(3人) 05着 江田照男 57 芝1600m(良) 1:33.4 (34.2) 0.6 キネティクス
11. 19 京都 マイルCS GI 18 3 6 48.7 (14人) 10着 江田照男 57 芝1600m(良) 1:33.7 (35.2) 1.0 ダイワメジャー
2007 8. 5 新潟 関屋記念 GIII 16 8 16 18.9 0(9人) 04着 安藤光彰 57 芝1600m(良) 1:32.6 (34.7) 0.8 カンパニー
9. 9 中山 京成杯AH GIII 16 2 3 6.6 0(4人) 02着 江田照男 57 芝1600m(良) 1:32.9 (34.5) 0.3 キングストレイル
10. 7 東京 毎日王冠 GII 14 6 10 43.4 0(7人) 09着 江田照男 57 芝1800m(良) 1:44.9 (34.5) 0.7 チョウサン
11. 10 福島 福島記念 JpnIII 16 6 11 10.4 0(6人) 09着 木幡初広 57 芝2000m(良) 2:01.5 (37.0) 0.9 アルコセニョーラ
2008 4. 6 中山 ダービー卿CT GIII 16 2 4 30.8 (13人) 05着 江田照男 57 芝1600m(良) 1:34.5 (34.3) 0.3 サイレントプライド
5. 10 新潟 新潟大賞典 JpnIII 16 8 15 23.4 (10人) 16着 江田照男 57 芝2000m(良) 2:01.0 (35.0) 2.5 オースミグラスワン
2009 5. 10 京都 都大路S OP 18 6 12 121.2 (16人) 16着 武幸四郎 56 芝1600m(良) 1:35.1 (35.2) 2.1 ライブコンサート
6. 14 東京 エプソムカップ GIII 18 7 14 305.2 (18人) 16着 江田照男 58 芝1800m(良) 1:47.4 (35.7) 1.9 シンゲン
7. 12 福島 七夕賞 GIII 16 3 6 180.3 (15人) 16着 江田照男 55 芝2000m(良) 2:03.4 (37.1) 3.2 ミヤビランベリ

血統表[編集]

カンファーベスト血統ノーザンダンサー系 / Lady Angela 5×4=9.38%、Bull Lea 5×5=6.25%) (血統表の出典)

アンバーシャダイ
1977 鹿毛
父の父
*ノーザンテースト
Northern Taste
1971 栗毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Lady Victoria Victoria Park
Lady Angela
父の母
*クリアアンバー
Clear Amber
1967 黒鹿毛
Ambiopoise Ambiorix
Bull Poise
One Clear Call Gallant Man
Europa

カタリナラビット
1986 鹿毛
シンザン
1961 鹿毛
*ヒンドスタン Bois Roussel
Sonibai
ハヤノボリ ハヤタケ
第五バッカナムビューチー
母の母
タニノグレースフル
1973 黒鹿毛
*ヴェンチア Relic
Rose O'Lynn
タニノソブリン Martial
*ウェルシユソヴリン F-No.8-c


脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o カンファーベスト”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年11月26日閲覧。
  2. ^ カンファーベストが引退、乗馬に”. ラジオNIKKEI. 2022年3月12日閲覧。

外部リンク[編集]