オースミグラスワン

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オースミグラスワン
大阪城Sパドック(2009年3月8日)
欧字表記 Osumi Grass One[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2002年3月31日[1]
死没 2023年12月8日(21歳没)
登録日 2004年4月28日
抹消日 2010年3月10日[2]
グラスワンダー[1]
ホッコーオウカ[1]
母の父 リンドシェーバー[1]
生国 日本の旗 日本北海道浦河町[1]
生産者 鮫川啓一[1]
馬主 山路秀則
→(株)オースミ
[1]
調教師 安藤正敏栗東
荒川義之(栗東)
[1]
厩務員 斉藤重美
競走成績
生涯成績 32戦7勝[1]
獲得賞金 2億1028万2000円[1]
勝ち鞍
GIII 新潟大賞典 2006年・2008年
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オースミグラスワン(欧字名:Osumi Grass One2002年3月31日 - 2023年12月8日)は、日本競走馬[1]誘導馬。主な勝ち鞍に2006年2008年新潟大賞典

馬名は、冠名に父グラスワンダーの名前の一部を付加したもの。半姉重賞4勝を挙げたオースミハルカがいる。

経歴[編集]

競走馬時代[編集]

デビュー戦で勝利をあげ、その後1戦したあと長期休養に入る。休養明け3戦目で勝利をあげるとその後は順調に勝利を重ね、松籟ステークスを勝利するまで8連続連対を記録し、オープン入りを果たす。初の重賞挑戦となった中京記念で9着となり連対記録は途絶えたが、その2戦後、2回目の重賞挑戦となった新潟大賞典で重賞初勝利をあげる。

その後GI天皇賞(秋)挑戦を含め重賞を中心に出走したが2年近く勝利をあげられず、3着が精いっぱいという不調に陥る。しかし2008年に入って2戦目、川田将雅を鞍上にむかえた大阪城ステークスでひさびさの勝利をあげると、マイラーズカップでは9着に敗れるも、続く新潟大賞典では上がり3ハロン31秒9というタイムを記録して重賞2勝目をあげた。秋はGIに再挑戦したが、天皇賞(秋)では7着、続くジャパンカップでも11着に敗れた。

明け7歳となった2009年はまず連覇が懸かった大阪城ステークスに出走、単勝1番人気に推されたが3着に終わった。続くマイラーズカップでは最後方から追い込むものの4着に敗れた。次に連覇を懸けて新潟大賞典に1番人気で出走。道中は後方で待機し、最後の直線で馬場の外側から追い上げたが8位入線にとどまり、さらに斜行によりハイアーゲームの走行を妨害したとして10着に降着となった[3]。結局これが最後のレースとなり、翌2010年3月10日付けで日本中央競馬会 (JRA) の競走馬登録を抹消され[4]、引退した。

引退後[編集]

引退後は新潟競馬場において乗馬となり[4]、2011年からは当地で誘導馬を務めていた[5]。2014年に誘導馬を引退し、忍者ホースクラブで乗馬となった[6]2017年、ホーストラスト鹿児島に移動し、翌年より引退名馬繋養展示事業の対象馬となったが、2023年12月8日早朝に死亡した[7]。21歳没。

競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名 頭数 枠番 馬番 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F)
着差 勝ち馬/(2着馬)
2004 10. 17 京都 2歳新馬 14 3 3 04.1 02人 01着 四位洋文 55 芝1600m(良) 1:35.2 (35.5) 0.0 ローゼンクロイツ
11. 28 京都 あけび賞 500万下 15 7 13 03.4 02人 02着 川島信二 55 芝1600m(良) 1:35.3 (36.5) 0.1 ケイアイヘネシー
2005 9. 24 札幌 手稲山特別 500万下 13 4 4 05.7 03人 02着 川島信二 55 芝1500m(良) 1:31.0 (35.9) 0.3 アグネスラズベリ
10. 22 京都 3歳上500万下 17 6 11 01.6 01人 02着 川島信二 55 芝1600m(良) 1:35.1 (34.5) 0.2 フェイトトリックス
11. 6 京都 3歳上500万下 16 2 3 01.6 01人 01着 武豊 55 芝1800m(良) 1:47.0 (34.0) -0.5 (マコトエンペラー)
12. 4 阪神 ゴールデンブーツT 1000万下 14 8 14 01.9 01人 01着 岩田康誠 57 芝2000m(良) 2:03.2 (37.3) -0.3 (タガノデンジャラス)
2006 1. 5 京都 寿S 1600万下 12 6 8 01.9 01人 02着 岩田康誠 56 芝1800m(良) 1:47.4 (35.1) 0.0 メイショウオウテ
1. 29 京都 松籟S 1600万下 11 7 8 02.4 01人 01着 岩田康誠 56.5 芝2400m(良) 2:25.9 (34.4) 0.0 アドマイヤモナーク
3. 5 中京 中京記念 GIII 13 3 3 04.7 03人 09着 秋山真一郎 55 芝2000m(良) 1:59.2 (36.9) 1.0 マチカネオーラ
4. 8 阪神 大阪ハンブルクC OP 10 8 10 01.9 01人 03着 岩田康誠 55 芝2500m(良) 2:35.7 (37.6) 0.3 トウカイカムカム
5. 6 新潟 新潟大賞典 GIII 16 3 5 03.8 01人 01着 四位洋文 55 芝2000m(良) 1:59.1 (33.9) -0.3 (カナハラドラゴン)
8. 27 新潟 新潟記念 GIII 17 6 12 05.9 02人 06着 四位洋文 57 芝2000m(良) 1:57.6 (34.2) 0.4 トップガンジョー
10. 8 東京 毎日王冠 GII 16 3 5 18.5 10人 08着 四位洋文 57 芝1800m(良) 1:45.8 (33.9) 0.3 ダイワメジャー
10. 29 東京 天皇賞(秋) GI 16 7 13 24.8 10人 14着 四位洋文 58 芝2000m(良) 2:01.0 (35.1) 2.2 ダイワメジャー
11. 26 京都 アンドロメダS OP 12 1 1 03.7 02人 03着 四位洋文 57 芝2000m(良) 2:00.6 (34.6) 0.2 アサカディフィート
12. 9 阪神 鳴尾記念 GIII 17 7 14 14.7 07人 17着 四位洋文 56 芝1800m(良) 1:48.1 (33.8) 1.2 サクラメガワンダー
2007 1. 14 京都 日経新春杯 GII 12 1 1 05.9 03人 08着 四位洋文 56.5 芝2400m(良) 2:28.1 (35.7) 0.7 トウカイワイルド
2. 17 京都 京都記念 GII 14 7 11 57.6 12人 12着 川島信二 57 芝2200m(稍) 2:18.2 (35.2) 1.0 アドマイヤムーン
4. 7 阪神 大阪ハンブルクC OP 13 6 9 25.8 07人 中止 四位洋文 56 芝2400m(良) ファストタテヤマ
11. 10 福島 福島記念 JpnIII 16 6 12 42.5 15人 12着 村田一誠 56 芝2000m(良) 2:02.4 (37.1) 1.8 アルコセニョーラ
12. 8 阪神 鳴尾記念 JpnIII 16 8 16 79.5 12人 05着 福永祐一 56 芝1800m(良) 1:47.6 (33.4) 1.8 ハイアーゲーム
2008 1. 20 京都 日経新春杯 GII 16 3 6 07.7 04人 11着 福永祐一 56 芝2400m(良) 2:29.0 (38.1) 1.6 アドマイヤモナーク
2. 9 東京 白富士S OP 14 7 12 07.6 04人 03着 内田博幸 55 芝2000m(良) 2:00.6 (34.1) 0.0 ヨイチサウス
3. 15 阪神 大阪城S OP 16 8 15 05.7 02人 01着 川田将雅 56 芝1800m(良) 1:46.1 (33.9) 0.1 (マヤノライジン)
4. 19 阪神 マイラーズC GII 15 2 2 15.3 07人 09着 川田将雅 57 芝1600m(良) 1:34.1 (33.8) 0.5 カンパニー
5. 10 新潟 新潟大賞典 JpnIII 16 3 5 05.2 03人 01着 川田将雅 57 芝2000m(良) 1:58.5 (31.9) 0.4 マンハッタンスカイ
10. 12 東京 毎日王冠 GII 16 4 7 16.2 05人 06着 蛯名正義 57 芝1800m(良) 1:45.4 (33.3) 0.8 スーパーホーネット
11. 2 東京 天皇賞(秋) GI 17 7 13 43.1 10人 07着 蛯名正義 58 芝2000m(良) 1:57.7 (34.0) 0.3 ウオッカ
11. 30 東京 ジャパンC GI 17 5 10 58.5 12人 11着 川田将雅 57 芝2400m(良) 2:26.3 (34.0) 0.8 スクリーンヒーロー
2009 3. 8 阪神 大阪城S OP 12 4 4 03.8 01人 03着 後藤浩輝 58 芝1800m(良) 1:49.4 (34.1) 0.2 マストビートゥルー
4. 18 阪神 マイラーズC GII 10 4 4 19.5 07人 04着 川田将雅 57 芝1600m(良) 1:30.0 (32.6) 0.1 スーパーホーネット
5. 9 新潟 新潟大賞典 GIII 16 2 4 03.9 01人 *10着 川島信二 58 芝2000m(良) 1:57.7 (33.8) 0.8 シンゲン

(*) 8位入線降着

血統表[編集]

オースミグラスワン血統ロベルト系 / Raise a Native 5×4=9.38%、Nearctic 5×5=6.25%) (血統表の出典)

*グラスワンダー
1995 栗毛
父の父
Silver Hawk
1979 鹿毛
Roberto Hail to Reason
Bramalea
Gris Vitesse Amerigo
Matchiche
父の母
Ameriflora
1989 鹿毛
Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Graceful Touch His Majesty
Pi Phi Gal

ホッコーオウカ
1993 鹿毛
*リンドシェーバー
1988 鹿毛
Alydar Raise a Native
Sweew Tooth
Bersid Cool Moon
Polondra
母の母
ランズプロント
1974 鹿毛
*プロント Prince Taj
La Caravelle
トサモアー トサミドリ
第三スターリングモア


脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o オースミグラスワン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年12月6日閲覧。
  2. ^ オースミグラスワン引退、乗馬に”. ラジオNIKKEI. 2022年4月23日閲覧。
  3. ^ 平成21年 第1回 新潟競馬” (PDF). レース成績データ. 日本中央競馬会. p. 43. 2011年10月4日閲覧。
  4. ^ a b オースミグラスワン号が競走馬登録抹消”. 日本中央競馬会 (2010年3月10日). 2011年10月4日閲覧。
  5. ^ 武山修司 (2011年7月22日). “癒される“おっさん”の変わらぬ姿”. 馬三郎. 2011年10月4日閲覧。
  6. ^ こんにちは。”. 忍者ホースクラブのブログ (2014年5月24日). 2014年11月20日閲覧。
  7. ^ オースミグラスワンの死亡について”. 引退名馬. ジャパン・スタッドブック・インターナショナル (2023年12月8日). 2023年12月10日閲覧。

外部リンク[編集]