ウラル祖語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ウラル祖語:Proto-Uralic language)とはウラル語族諸言語の再構された祖語である。最も古い年代の試算では紀元前7000年頃にごく狭いエリアで話され、多数の言語に分化していったと考えられる。原郷は不明であるが、ウラル山脈サヤン山脈遼河地域などの説がある。

伝統的な系統樹モデルでは、ウラル祖語とサモエード祖語にまず分岐したようである。しかし、最近では、ウゴル諸語サーミ諸語バルト・フィン諸語ペルム諸語サモエード諸語などが櫛状に多分岐したモデルも考えられている。

母音体系[編集]

再構された母音体系

前舌 後舌
非円唇 円唇 非円唇 円唇
i /i/ ü /y/ ï /ɯ/ u /u/
中央 e /e/ o /o/
ä /æ/ a /ɑ/

原郷地[編集]

ウラル祖語の原郷地は定かではないが、ウラル山脈付近または西シベリアあたりと考えられてきた。しかし近年の遺伝子調査でウラル語族に関連するY染色体ハプログループN1(N1*を高頻度に含む)が遼河文明時代の人骨から60%以上の高頻度で観察された[1]ことから、新たな可能性として遼河地域が浮上している。Y染色体ハプログループN1はユカギール人など北東シベリア極北部でも高頻度であり、ユカギール語族と合わせたウラル・ユカギール語族の原郷地として遼河地域が想定できる可能性がある。フィン・ウゴル諸語と関連する櫛目文土器も遼河文明から最も古くに発見されている。

脚注[編集]

  1. ^ Yinqiu Cui, Hongjie Li, Chao Ning, Ye Zhang, Lu Chen, Xin Zhao, Erika Hagelberg and Hui Zhou (2013)"Y Chromosome analysis of prehistoric human populations in the West Liao River Valley, Northeast China. " BMC 13:216