ゆりかもめ7300系電車

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ゆりかもめ7300系電車
ゆりかもめ7300系
ゆりかもめ7300系
基本情報
製造所 三菱重工業
主要諸元
編成 6両編成
電気方式 三相交流600V, 50Hz
設計最高速度 60[1] km/h
起動加速度 3.5[1] km/h/s
減速度(常用) 3.5[1] km/h/s
減速度(非常) 4.5[1] km/h/s
編成定員 306名
車両定員 49(座席20, 立席29)名(先頭車)
52(座席19, 立席33)名(中間車)[1]
車両重量 11.0t(先頭車)
10.5t(中間車)
全長 8,550(先頭車)
8,500(中間車)[1] mm
全幅 2,550[1] mm
全高 3,340[1] mm
車体 アルミニウム合金
台車 4案内輪車軸ボギー方式台車[1]
主電動機 かご形三相誘導電動機[1]
主電動機出力 110kW[1]
駆動方式 直角駆動式 差動歯車式[1]
制御装置 CI制御(VVVFインバータ制御[1]
制動装置 電気指令式電磁直通空気ブレーキ[1]
保安装置 ATOATC
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車内
7300系 車内

ゆりかもめ7300系電車(ゆりかもめ7300けいでんしゃ)は、株式会社ゆりかもめAGT新交通システム車両2014年(平成26年)1月18日に営業運転を開始した[2]。2014年グッドデザイン賞受賞[3]株式会社GKデザイン総研広島によるデザインディレクション。

本項では2018年以降に投入される7500系電車についても記載する。

概要[編集]

1995年(平成7年)のゆりかもめ東京臨海新交通臨海線開業以来使用されてきた7000系電車と沿線の利用者の増加に伴い順次導入してきた7200系電車の置き換えのため製造されるもので、2013年(平成25年)3月に第1編成となる7311Fが落成。同月末より夜間の本線試運転を開始し、2014年(平成26年)1月18日に営業運転を開始した。7300系は2016年(平成28年)度までに18編成108両を導入し、7000系を置き換えた。また、2017年(平成29年)度は1編成も導入されなかったが、7500系は第1編成となる7511Fが2018年(平成30年)11月11日より営業運転を開始し[4]、同年度から2020年(令和2年)6月まで7200系の置き換えを目的に8編成48両を導入する予定である。置き換えが完了するとゆりかもめの車両すべてが7300系および7500系となる[5]

両開きドアの採用により乗降のスムーズ化が図られたほか、車内全席のロングシート化により7000系より最大乗車人員が1割程度増加し[注釈 1]、混雑の改善が図られる。

車両番号は、千位の数字は臨海副都心が7番目の副都心であることから7、百位と十位の数字は編成番号だが、「49・50」が欠番になっている。また、一位の数字は号車番号である。

車体外観[編集]

車体は7000系電車ステンレス鋼製から本系列ではアルミ合金製のダブルスキン構造に変更され、車体表面はヘアーライン処理を施しており、部分的にFRP材とカラーシートと配置した完全無塗装車体としている。車体断面は裾絞り形状の幅広車体を採用、車体前面は白く縁を取ったブラックフェイスとして、車両前面には折り畳みはしご付きの非常用脱出扉が設けられている。前照灯は電極を7000系のシールドビームからHIDバルブに変更されており、車体中央と、連結器の両脇に設置されている。通常は車体中央のみ点灯し、連結器両脇のものは主に手動運転を実施する際に点灯する。車体側面は無塗装で、車体腰部に7条の細いラインが入る。側扉は電動式の外吊り式の開口幅1,100mmの両開き扉を採用、乗降のスムーズ化が図られている。また、各車体両端の側窓は、車内換気のために開閉可能となっている。また、列車無線は7000系の誘導無線方式からデジタル空間波無線方式に変更されており、車両との送受信は沿線に張られた誘導線から設置されたアンテナに変更され、音声だけでなく車両のデータや故障などの情報を送ることができる。

主要機器[編集]

制御方式は、7000系の4-6次車と同じく、コンバータで3相交流を直流に変換した後、VVVFインバータで三相交流に変換して誘導(交流)モーターを制御する、コンバータ・インバータ制御方式を採用している[注釈 2]。主電動機は出力110kWの三相かご形誘導電動機であり、主電動機の冷却は自己通風式が採用されている。集電装置も、3つの集電器が車体下部に取付けられている。また、電動空気圧縮機は、コンパクトなオイルフリースクロール圧縮機(800ℓ/min)を編成内に2台搭載しており、車両のブレーキで使用される。

台車[編集]

7000系の4-6次車と同じく、平行リング式のボギー台車を採用している。ガイドウェイに設置された案内軌条により車両を案内する案内方式も側方案内方式を採用しており、走行車輪を操向(ステアリング)する操向方式は、4案内輪車軸ボギー方式が採用されているが、7000系の4-6次車とは機構が異なり[注釈 3]、三菱重工業が開発した独自の機構が採用されている。これは、台車と車体の間が固定されており、案内操向装置と車輪の車軸との間で[注釈 4]、案内操向装置により車輪の車軸が旋回することで、車輪を自由に回転する機構となっており、また、案内操向装置の案内棒の先端に取付けられている案内輪と分岐輪の軸の設置部分には、走行中において車体に案内軌条からの衝撃を極力抑えるため、緩衝機構が搭載されている。

車内設備[編集]

内装においては、編成の両端を除く全席が脚台のないロングシート「G-Fit」となり、7000系より最大乗車人員が1割程度増加するとしている[注釈 1]。車内照明は薄型面発光LED式が採用され、天井空間の圧迫感の軽減と環境負荷の低減が図られており、窓ガラスは日射・紫外線・熱線の透過率が低いグリーンガラスを採用している。座席はセミハイバックタイプのバケットシートを採用、一般席の座席モケットは青だが、優先席部ではオレンジとしている。座席袖仕切りは強化ガラス製を採用した。荷棚も設置され、こちらも一部強化ガラスを採用している。空調装置は、7000系の車端上部2ヶ所からの冷風を車内中央に流していた方式から、天井にダクトと冷風吹き出し口のスリットを設けて車内において均一に冷房が効くようにしたダクト空調方式に変更されている。

編成先頭部は7000系・7200系に引き続き、前面展望座席(3席)が設置されており、営業時は原則としてATOによる無人運転を行うことから、運転台は通常はカバーで覆われている。運転台の表示は10.4インチ液晶ディスプレイ(LCD)方式のグラスコックピットとなる。また、前面窓の大型化により車内眺望の向上が図られた。

優先席は編成全車両に設置された。優先席では座席モケットのほか、つり革もオレンジである。また、中間車4両にそれぞれ1か所ずつ車椅子スペースが設けられ、跳ね上げ座席は廃されてフリースペースとした。

ドアは7000系の外釣り式片開きから、外釣り式両開きとなった。駆動方式は永久磁石同期モータにより駆動されるラック・ピニオン方式。

側扉上には千鳥配置(1両あたり2台)17インチ液晶ディスプレイ(LCD)方式の車内案内表示装置を設置、日本語の他に、英語中国語韓国語での案内を行う。各車体両妻面の鴨居部に防犯カメラが設置された。

7500系[編集]

7500系は、7200系の置き換えを目的に、2018年(平成30年)11月11日より営業運転を開始した。車内フリーWi-Fiを導入し、すべてのドア上部に17インチの2画面液晶ディスプレイを設置したほか、送風機を1両あたり2台新設され、ドア付近の車内空調の改善を図った。さらに、握り棒の形状変更し、車いすスペースの手すりの二段化したほか、空調装置の改善もされている。前面窓の映り込みが低減されたことにより、全面窓からより一層楽しめる眺望ができるようになった[4]

編成[編集]

7300系[編集]

2013年(平成25年)に導入された車両は7次車(7311F - 7351F)、2014年(平成26年)に導入された車両は8次車(7361F - 7411F)、2015年(平成27年)に導入された車両は9次車(7421F - 7461F)、2016年(平成28年)に導入された車両は10次車(7471F・7481F)とする[注釈 5]

 
豊洲
新橋
号車 1 2 3 4 5 6
形式 7301形
(Mc1)
7302形
(M2)
7303形
(M3)
7304形
(M4)
7305形
(M5)
7306形
(Mc6)
車両番号 7次車 7311 7312 7313 7314 7315 7316
7321 7322 7323 7324 7325 7326
7331 7332 7333 7334 7335 7336
7341 7342 7343 7344 7345 7346
7351 7352 7353 7354 7355 7356
8次車 7361 7362 7363 7364 7365 7366
7371 7372 7373 7374 7375 7376
7381 7382 7383 7384 7385 7386
7391 7392 7393 7394 7395 7396
7401 7402 7403 7404 7405 7406
7411 7412 7413 7414 7415 7416
9次車 7421 7422 7423 7424 7425 7426
7431 7432 7433 7434 7435 7436
7441 7442 7443 7444 7445 7446
7451 7452 7453 7454 7455 7456
7461 7462 7463 7464 7465 7466
10次車 7471 7472 7473 7474 7475 7476
7481 7482 7483 7484 7485 7486
搭載機器 CP,TA VVVF VVVF,TA TA VVVF CP

凡例

  • VVVF:VVVFインバータ装置
    TA:補助変圧器
    CP:空気圧縮機


脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b ただし、本系列の編成定員は306名(着席116名、立席190名)であり、7000系の編成定員(352名:第1〜15編成、うち着席定員170。338名:第16〜26編成、うち着席定員158。308名:第27,28編成、うち着席定員120)より減少している。
  2. ^ CI制御とも呼ばれる。
  3. ^ 7000系の4-6次車は、案内操向装置と車輪の車軸が一体化された1軸ボギー台車とし、車体と台車の間が旋回することで、車輪の車軸が自由に回転する機構となっている。
  4. ^ 案内操向装置は台車に装着されている。
  5. ^ 車両紹介 | 株式会社ゆりかもめでは、7300系全体を7次車としている。

出典[編集]

参考文献[編集]

雑誌記事[編集]

  • 「CAR INFO」『鉄道ファン』第626号、交友社、2013年6月、 62-63頁。
  • 渡部史絵「ようこそAGTへ 新交通システムのすべて ゆりかもめ編」『鉄道ファン』第641号、交友社、2014年9月、 92 - 97頁、 ISBN 4910064590941{{ISBN2}}のパラメータエラー: 無効なISBNです。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]