列車無線アンテナ

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ヘッドライト真上にあるものが列車無線アンテナ(JR西日本103系
列車無線アンテナ(逆L型アンテナ)の拡大(東急5000系

列車無線アンテナ(れっしゃむせんアンテナ)は、鉄道車両に装着して列車無線の送受信に使用されるアンテナである。

車両への設置[編集]

空間波無線の場合、多くは乗務員室付近の屋根上に設置される。また簡易的なものとして乗務員室内に設置されるものもある。

一方、主に地下鉄等で使用される誘導無線用のアンテナは車体側面(妻面)や床下、屋根上に複数設置される。

通常、一つの運転台または無線機につき一つ(または一組)のアンテナが設置されるが、一つに集約している例、また編成内二つのアンテナを片側の先頭車に集約するような例も存在する(東京メトロ南北線系統など)。

直通運転への対応[編集]

アンテナはその車両が走行する路線に合わせたものが装着されるが、直通運転をする車両には、複数の種類のアンテナが設置される例がある。例えば、東京地下鉄(東京メトロ)の03系は、自社の誘導無線のほかに、東武用と東急用のそれぞれの空間波無線の計3種類のアンテナを搭載している。逆に、直通先が自社局と同一の無線システムの場合など、1つのアンテナを共用することもある。例えば、東京都交通局都営地下鉄浅草線と、同線に乗り入れる京浜急行電鉄京成電鉄北総鉄道芝山鉄道の各社局は、2種類の周波数を乗り入れ境界駅で切り替える[注 1]同一の誘導無線システムであるため、直通運転する車両には屋根上に設置された1組のアンテナを共用しており(無線機も1種類)、2010年代後半から開始されたデジタル空間波無線化においても従来の誘導無線を包括した新無線機およびアンテナを同様に共用している。新京成電鉄は自社は空間波無線であったが、それは先んじて導入していた当時の直通先であった北総開発鉄道(現・北総鉄道)および住宅・都市整備公団(現・千葉ニュータウン鉄道)の誘導無線とは異なる方式であった。後に北総および公団両者との直通を廃止し、京成電鉄との直通を開始した際もこれはそのままだった。これは新京成電鉄の場合、誘導無線のメリットが新京成にないこと[注 2]、2種類のチャンネルのどちらも他社線と重複する[注 3]等の事情があったためである。さらにその後、新京成電鉄もデジタル空間波無線化された際には先行してデジタル空間波無線を導入していた京成電鉄との切り替え機能を有する無線機に更新され、将来的[注 4]には無線機を一本化する目途が立つこととなった。なお、無線機やアンテナを共用する直通運転の場合、周波数帯が共通であれば事業者によって逆L型と円筒型のようにアンテナ形状が異なっていてもそのまま使用されることもある。

デジタル無線への対応[編集]

空間波無線では、アナログ式の場合は1本のアンテナが設置されるが、デジタル式の場合ではダイバーシティとして2本のアンテナを設置する。JR東日本ではE231系の後期車やE531系などより後に製造された車両においては、2本とも屋根上に設置されるが、それ以前の車両では乗務員室内への増設で対応された。このような差異は私鉄各社等でも見られ、一方で在来形式への設置においてはすでに2本(以上)設置している場合にデジタル化と同時に無線機を統合する際にそれをダイバーシティ用に転用する例や、改修でも屋根上増設の例もある。

アンテナの形状[編集]

屋根上に設置されるアンテナでは、主に大きく分けて以下の4つのタイプがある。使用している主な路線などもあわせて記す。

製造者[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 地下・地上の2チャンネルあり、都営浅草線・北総鉄道は地下、それ以外は地上を使用する。
  2. ^ 新京成電鉄は全線地上でトンネルや地下区間を持たないが、営業路線が全区間地下である浅草線はもとよりその直通他社は自社でもトンネルや地下区間を保有するため少なからずメリットがあった。
  3. ^ 地下・地上のいずれのチャンネルも並走する北総鉄道(新鎌ヶ谷駅および前後)や京成電鉄(京成津田沼駅付近)と重複する。
  4. ^ 京成電鉄に限らず、先述の各社局は自社局車のみ先行してデジタル空間波無線に移行し、直通他社局車は当面の間従来の誘導無線を使用する運用となっている。

出典[編集]