いとこ煮

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Camera-photo Upload.svg 画像提供依頼:いとこ煮の画像提供をお願いします。2014年10月

いとこ煮(いとこに)は、小豆などを煮た煮物料理で、各地に伝わる郷土料理の一つ。山形県庄内地方のもの、北陸地方新潟県富山県石川県)のもの、奈良県のもの、および山口県萩市周辺に伝わるものが知られている。

材料を煮えにくいものから追々入れていくことから、「おいおい」を「甥」すなわちいとこにかけたものが語源の一つとされている。

山形のいとこ煮[編集]

小豆のみを軟らかくなるまで煮た後、一晩水に浸しておいたもち米をアズキの上部に加え、ひたひたの水加減で一緒に約30分間煮てからしばらく冷まし、砂糖と少量の塩を入れて混ぜ合わせ、再度弱火で水分を飛ばして仕上げた料理[1]。鍋で煮る替わりに炊飯器を用いて炊く調理法もある[2]

秋から冬にかけての農家のもてなし料理とされており、独特の食感を持つ。

北陸のいとこ煮[編集]

根菜類(ダイコンニンジンサトイモゴボウ)とコンニャク油揚げなどを煮たものに、あらかじめ下ゆでした小豆を加えて、味噌醤油などで味付けしたもの。暖かいものを食す。

浄土真宗の開祖で北陸に縁のある親鸞の命日である11月27日の前7日間に報恩講が営まれるが、その際の料理として必ず饗されるという。精進料理の一つといえる。

奈良のいとこ煮[編集]

小豆とカボチャを炊いて醤油で味をつけたもの[3]宇陀郡御杖村では煮たものをすりつぶし、甘味をつけて「いとこねり」にする[4]

冬至に食べると風邪をひかない、中風にならないなどのご利益があると言われ、神棚仏壇に供えてから食べる。

萩のいとこ煮[編集]

萩のいとこ煮は上記とはかなり趣の異なる料理で、ゆでこぼした小豆を、少量の砂糖と醤油を加えた昆布シイタケ出汁で一煮立ちさせ味を調えたもの。煮上がったものを冷まし、かまぼこ白玉だんご・出汁を取ったシイタケを加えて食す[5]

主に冠婚葬祭の際の料理として饗される。一見すると「かまぼこやシイタケの入ったぜんざい」のような感じであるが甘みは少なく、デザートではなくあくまでも会席料理の一品である。

出典[編集]

  1. ^ “県内 ご当地味覚 いとこ煮”. 山形新聞. (2010年9月28日). http://yamagata-np.jp/feature/mikaku/kj_20100928.php 2018年2月22日閲覧。 
  2. ^ 郷土料理レシピ・いとこ煮 (PDF) - 山形県グリーンツーリズム推進協議会
  3. ^ 冨岡典子 『大和の食文化』 奈良新聞社、2005年9月25日、ISBN 4-88856-054-4
  4. ^ 奈良の食文化研究会 「カボチャのいとこねり」『出会い 大和の味』 奈良新聞社、2007年7月1日、ISBN 978-4-88856-065-8
  5. ^ いとこ煮 (萩を味わう) (PDF) - 一般社団法人山口県物産協会

関連項目[編集]

  • 日本の郷土料理一覧
  • がめ煮(筑前煮) - 北陸のいとこ煮同様、根菜類を煮た北部九州の煮物。ただし、こちらには小豆は入らない。
  • 煮ごめ - 広島県でいとこ煮に相当する煮物。材料や習わしなどで北陸のいとこ煮とかなり近い。