β-エンドルフィン

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プロオピオメラノコルチン
識別子
略号 POMC
Entrez 5443
HUGO 9201
OMIM 176830
RefSeq NM_000939
UniProt P01189
他のデータ
遺伝子座 Chr. 2 p23
Β-エンドルフィン
識別情報
PubChem 16132316
特性
化学式 C158H251N39O46S
モル質量 3464.98224
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

β-エンドルフィン(beta-endorphin)は、中枢神経系末梢神経系の両方のニューロンで見られる内生オピオイド神経ペプチドである。α-エンドルフィンγ-エンドルフィンα-ネオエンドルフィンβ-ネオエンドルフィンとともに、ヒトで見られる5つのエンドルフィンのうちの1つである。

アミノ酸配列は、Tyr-Gly-Gly-Phe-Met-Thr-Ser-Glu-Lys-Ser-Gln-Thr-Pro-Leu-Val-Thr-Leu-Phe-Lys-Asn-Ala-Ile-Ile-Lys-Asn-Ala-Tyr-Lys-Lys-Gly-Gluである[1]

形成[編集]

β-エンドルフィンは、31アミノ酸長のペプチドで、前駆体プロオピオメラノコルチンプロセッシングにより生成する(プロオピオメラノコルチンは、プロプロテインコンベルターゼの作用により、副腎皮質刺激ホルモンメラニン細胞刺激ホルモン等の他のホルモンの前駆体にもなる)。

β-エンドルフィンは、視床下部下垂体のニューロンで見られる。

機能[編集]

オピオイド受容体アゴニストであり、モルヒネ等が作用するのと同じ。内生のμ-オピオイド受容体リガンドとして作用する(実際に、μ-オピオイドは、最も有名なリガンドであるモルヒネから名付けられた)。

歴史[編集]

β-エンドルフィンは、ラクダの下垂体の抽出物の中から、C・H・リーとデヴィッド・チャンによって発見された[2]

効果[編集]

β-エンドルフィンは、無感覚や鈍い痛みに対する鎮痛剤として用いられる。これは、ヒトが受傷した時、まだ傷が残っているにも関わらず、すぐに痛みが引き始める理由である。痛みが鈍くなる理由は、この物質がオピオイド受容体と結合して、活性化するためである。β-エンドルフィンは、モルヒネと比べて、鎮痛剤としての作用が約80倍強い。

運動[編集]

運動への応答としてβ-エンドルフィンが放出される現象は、少なくとも1980年代から知られ、研究されてきた[3]。これにより、血清中のオピオイド、特にβ-エンドルフィンとβ-リポトロピンの濃度が急な運動の後にもトレーニングの後にも上昇していることが示された[3]。運動中のβ-エンドルフィンの放出は、「ランナーズハイ」として知られる[4]

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ DBGET
  2. ^ Choh Hao Li and David Chung (1976). “Isolation and structure of an untriakontapeptide with opiate activity from camel pituitary glands”. PNAS 73 (4): 1145–1148. doi:10.1073/pnas.73.4.1145. PMC 430217. PMID 1063395. http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/73/4/1145. 
  3. ^ a b Harber VJ, Sutton JR. (Mar–Apr 1984). “Endorphins and exercise.”. Sports Med. 1 (2): 154–71. PMID 6091217. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/6091217. 
  4. ^ Goldberg, Joseph (2014年2月19日). “Exercise and Depression”. 2014年7月14日閲覧。

外部リンク[編集]