金権政治
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金権政治(きんけんせいじ)とは、金の力を持って政治権力を掌握すること。
概要
一般的には政治家が多額の金銭を駆使することありきで政治権力を掌握することを意味する。
金権政治が極限まで行くと、金銭獲得のために利権を前提とした賄賂、選挙において巨額資金の投入による選挙広告だけでなく有権者の票や議会の採決における議席を金勘定で買収、さらには政策そのものまで利益団体からの金銭授受によって左右するなど、理念のない政治が行われ、政治家が私利私欲に走り、被統治者が損害を蒙ってしまう。
金権政治家のレッテルには金銭の出所や資産蓄財などへの批判をも含めている。そのため、自らが資産家でその資産を政治資金として派閥運営にあてた藤山愛一郎や河本敏夫のようなケースを普通は金権政治家とは呼ばない。
金権選挙
金銭を駆使することありきで当選を目指すことを金権選挙と呼ぶ。
日本では1974年の参院選で田中角栄首相は企業から集めた数百億円でヘリコプターをチャーターして栃木県を除く46都道府県に訪れて演説等の選挙活動を行う一方でタレント候補を企業と組み合わせて立候補させるなどが多額の金銭を駆使して集票する選挙戦を行い、結果として買収などで大量の選挙違反逮捕者を出したため「金権選挙」と批判された。この選挙では全国区に立候補をした糸山英太郎の陣営から142人の逮捕者や1287人の選挙違反検挙者を出すなど当時としては最大規模の選挙違反事件に発展した。
また参議院議員通常選挙の全国区制については全国各地を遊説する上に加えてポスターやビラに多額の選挙資金が必要となったため、「全国区」ならぬ「銭酷区」と呼ばれた。また「八億円で当選し七億円で落ちる」(後になって「十億円で当選し九億円で落ちる」)と言われていたことから、「八当七落」(「十当九落」)とも呼ばれた。
その他
- 民主主義が生まれた頃から、「民主主義は金権政治なのか?」と言う議論は、尽きない。民主主義は選挙を伴い選挙には金銭が大きく関わる。
- 賄賂の温床とも言われる政治献金をどのように規制するかや選挙広告の公平性についていかにすべきかについて世界の民主主義国家が取り組んでいるが、いまだ解決策は見えていない。
- 1970~1980年代の日本において金権政治家の代名詞的存在であった田中は「政治は数、数は力、力は金」と発言し、数の論理を主張していた。もっとも、「彼には学閥も閨閥もなかったからその分を金で補った」と見る者も居る。