金峰山晴樹

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金峰山 晴樹
基礎情報
四股名 金峰山 晴樹
本名 Ерсін Балтағұл
バルタグル・イェルシン
愛称 イェルシン
生年月日 (1997-06-24) 1997年6月24日(26歳)
出身 カザフスタンの旗 カザフスタンアルマトイ州
身長 191.0cm
体重 165.0kg
BMI 45.2
所属部屋 木瀬部屋
得意技 突き、押し[1]
成績
現在の番付 西十両7枚目
最高位 西十両7枚目
生涯戦歴 48勝17敗(7場所)
優勝 幕下優勝1回
三段目優勝1回
データ
初土俵 2021年11月場所
趣味 散歩、映画鑑賞
備考
カザフスタン出身者初の関取
2022年11月27日現在

金峰山 晴樹(きんぼうざん はるき、1997年6月24日 - )は、カザフスタン共和国アルマトイ州出身[2]で、木瀬部屋所属の現役大相撲力士。本名はバルタグル・イェルシン。身長191.0cm、体重165.0kg。最高位は西十両7枚目(2022年11月場所)。

来歴

来日前は柔道をしていたが、ドルゴルスレン・ダグワドルジ(元横綱・朝青龍)の紹介で18歳の時に日本の日出高校(現・目黒日本大学高校)に編入学し、相撲を始めた[3]日本大学スポーツ科学部競技スポーツ学科に進学後は日本大学相撲部に所属した[2]。3年次(2019年度)に学生選手権団体優勝、全日本選手権個人準優勝の実績を残す[3]。4年次(2020年度)には学生選手権で3位になり、全日本選手権ではベスト16に入った[3]

大学卒業後は日大の勧めで大相撲の世界へ進むことになり[2]、日大OBが師匠の木瀬部屋に入門した[3]。木瀬部屋としては臥牙丸ジョージア (旧グルジア)出身)の後継の外国出身力士である。カザフスタン出身力士としては風冨山以来2人目である。入門後は研修期間を経て2021年9月場所の新弟子検査に合格[3]。興行ビザの取得を待って同年11月場所で初土俵を踏んだ。四股名は、師匠・11代木瀬(元幕内・肥後ノ海)の故郷にある金峰山[注 1]と、日大在学中に死去した元高校横綱で11代木瀬とは大学の同期だった成田晴樹に由来する[1]。2020年全国学生相撲選手権ベスト4のため三段目最下位(100枚目)格付出でのデビューとなり[4]、この場所は7戦全勝で三段目優勝を果たした[5]

新幕下に昇進した2022年1月場所は5勝2敗で勝ち越し。翌3月場所は7戦全勝で幕下優勝を飾った[6]。翌5月場所は西幕下4枚目に番付を上げ、成績次第で十両昇進が見える地位となった。この場所では6番相撲で5勝1敗とこの時点で新十両昇進の可能性が生まれた[7]。千秋楽の7番相撲で初めて十両の土俵に上がり、東十両5枚目の北の若と対戦。"入れ替え戦"の意味合いが強かった一番だったが突き落としで敗れ5勝2敗となり、新十両は見送られた[8]。翌7月場所は西幕下筆頭の地位で6連勝、7番相撲で吉井に敗れ優勝こそ逃したものの6勝1敗の好成績で終え、場所後の7月27日に開催された番付編成会議にて新十両昇進が発表された[9]。新十両昇進の際に「世界的に関取はいるけど、カザフスタンで初めてが一番大事。うれしいなあ」と誇らしげに笑い「『けがをしないように』と師匠の言うことをちゃんと聞いて、上がることができてよかった」と振り返った。9月場所から15日間相撲を取ることになる上でのアドバイスとして師匠は「心のスタミナをつけてほしい」と訴えた。本人は「(目標は)何もないですけど、上ばかり考えて上がれなかったらアウトなので、幕内なら幕内で1つずつ考えたい」と抱負を語った[10]。その9月場所は13日目に勝ち越しを確定させ、勝ち越しを決めた際にはこの場所で初めての十両の土俵を「やっぱり疲れるなと。幕下とは全然違う。慣れるしかないなと思う」と初々しく語った[11]

取り口

基本は突き押しを得意とするが、四つや投げなど多彩な技もある。新十両となる2022年9月場所の前には自ら相撲の型を「右四つでも左四つでも。つっぱりでも」と説明し、決して定まっていないわけではなく「相撲は何とかなったら、何とかしないといけない。どっちでもいけるようにしている」と土俵上で柔軟に対応するために四つも突き押しも磨いているという[12]

主な成績

2022年11月場所終了現在

通算成績

  • 通算成績:48勝17敗(7場所)

各段優勝

  • 幕下優勝:1回(2022年3月場所)
  • 三段目優勝:1回(2021年11月場所)

場所別成績

金峰山 晴樹
一月場所
初場所(東京
三月場所
春場所(大阪
五月場所
夏場所(東京)
七月場所
名古屋場所(愛知
九月場所
秋場所(東京)
十一月場所
九州場所(福岡
2021年
(令和3年)
x x x x x 三段目付出100枚目
優勝
7–0 
2022年
(令和4年)
西幕下59枚目
5–2 
西幕下34枚目
優勝
7–0 
西幕下4枚目
5–2 
西幕下筆頭
6–1 
西十両12枚目
10–5 
西十両7枚目
8–7 
2023年
(令和5年)
x x x x x x
各欄の数字は、「勝ち-負け-休場」を示す。    優勝 引退 休場 十両 幕下
三賞=敢闘賞、=殊勲賞、=技能賞     その他:=金星
番付階級幕内 - 十両 - 幕下 - 三段目 - 序二段 - 序ノ口
幕内序列横綱 - 大関 - 関脇 - 小結 - 前頭(「#数字」は各位内の序列)

改名歴

  • 金峰山 晴樹(きんぼうざん はるき)2021年11月場所 -

脚注

注釈

  1. ^ 道路標識ガイドブックでは、英語表記で「Kinpozan」などという表記も見られるが、金峰山の所在地である河内地区では「きんうざん」と呼ばれている。

出典

  1. ^ a b 「十両以下各段優勝力士喜び詳報」『相撲』2021年12月号、ベースボール・マガジン社、69頁。 
  2. ^ a b c 「令和3年秋場所 全新弟子名鑑」『相撲』2021年10月号、ベースボール・マガジン社、97頁。 
  3. ^ a b c d e 「欧勝馬、金峰山が11月場所でデビュー」『相撲』2021年10月号、ベースボール・マガジン社、98頁。 
  4. ^ 学生横綱デルゲルバヤルの幕下、イェルシンの三段目付け出しを承認”. 日刊スポーツ. 2021年11月26日閲覧。
  5. ^ 今場所デビュー金峰山、三段目優勝「ここからという感じ」全勝対決を制す」『日刊スポーツ』、2021年11月26日。2021年11月26日閲覧。
  6. ^ 【幕下】カザフスタン出身の金峰山が7戦全勝でV 千代の海を押し出し、来場所は幕下上位へ」『日刊スポーツ』、2022年3月25日。2022年3月25日閲覧。
  7. ^ カザフスタン出身の金峰山5勝目、十両昇進へ望み「もっと1番、1番集中していけたら」」『日刊スポーツ』、2022年5月18日。2022年5月18日閲覧。
  8. ^ 31歳・千代栄が新十両昇進有力「頑張ってやってきてよかった」“入れ替え戦”制す」『スポニチ Sponichi Annex』、2022年5月22日。2022年5月22日閲覧。
  9. ^ “金峰山と菅野改め栃武蔵が新十両昇進決定 貴健斗は再十両 秋場所番付編成会議”. スポニチアネックス. (2022年7月27日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2022/07/27/kiji/20220727s00005000249000c.html 2022年7月27日閲覧。 
  10. ^ 金峰山が新十両昇進、カザフスタン出身初の関取に誇らしげ「初めてが一番大事。うれしいなあ」 日刊スポーツ 2022年7月27日12時8分 (2022年7月27日閲覧)
  11. ^ 新十両の金峰山「うれしい」勝ち越し「幕下とは全然違う。慣れるしかないな」初々しく語る 日刊スポーツ 2022年9月23日15時49分 (2022年9月24日閲覧)
  12. ^ カザフスタン出身初の関取金峰山に大器の風格、スピード出世の証し「ザンバラ」姿で秋場所に臨む 日刊スポーツ 2022年9月5日14時16分 (2022年9月6日閲覧)

関連項目

外部リンク