蓮華温泉

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蓮華温泉
蓮華温泉ロッジ本館外観
温泉情報
所在地 新潟県糸魚川市大所
座標 北緯36度48分37.9秒 東経137度47分55.4秒 / 北緯36.810528度 東経137.798722度 / 36.810528; 137.798722座標: 北緯36度48分37.9秒 東経137度47分55.4秒 / 北緯36.810528度 東経137.798722度 / 36.810528; 137.798722
交通 鉄道 : JR大糸線平岩駅より頸城自動車グループの糸魚川バスで約65分。7月から10月までの季節運行。
泉質 酸性泉、重炭酸土類泉、酸性石膏泉
宿泊施設数 1
総収容人員数 250 人/日
外部リンク 蓮華温泉ロッジ公式ページ
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蓮華温泉(れんげおんせん)は、新潟県糸魚川市(旧国越後国)にある温泉である。中部山岳国立公園区域内にある。自家発電の温泉宿のため、21時には消灯される。日帰り入浴も可能。

泉質

  • 単純酸性泉
  • 重炭酸土類泉
  • 酸性石膏泉

温泉街

日本秘湯を守る会加盟の「蓮華温泉ロッジ」だけが営業している一軒宿の秘湯。温泉街は存在しない。蓮華温泉ロッジ本館の西側にはキャンプ場が併設されている。

例年3月下旬 - 10月20日の季節営業であり、期間外は閉鎖される。白馬岳朝日岳などの登山拠点でもあり、春の残雪期には山スキーヤーにも利用されている。本館と別館があり、本館は食堂・売店と相部屋内湯があり、別館は個室向けの部屋がある。

蓮華温泉ロッジは本来山小屋であるため、個室であっても部屋にテレビがない、食事は食堂で他のグループと詰めあわせて一斉に食べ、食事時間も夕食は17時30分頃、朝食は6時頃とかなり早い、浴衣などがない、チェックアウト時間が8時30分と一般旅館よりも早いなどの点を理解して宿泊する必要がある。また、自家発電なので21時頃以降は客室は消灯となり懐中電灯の持参が必要となる。廊下、トイレ、浴室も最低限の常夜灯のみになる。最混雑期は相部屋でしか宿泊できない場合がある。逆にチェックイン時間は13時とされているものの、実際には部屋の掃除が終われば午前中でも部屋を使用できる。

浴場

蓮華温泉には内湯である「総湯」と4ヶ所の露天風呂があるが、3種類の泉質が混在する。露天風呂はロッジから山道を5分から15分ほど歩いた場所に散在している。

内湯
  • 総湯
    • 単純酸性泉
    • ロッジの建物の中の内湯。秘湯とは思えないほど近代的に改築されている。
秋の仙気の湯
露天風呂

(どの露天風呂にも更衣室の類は一切なく、衣服は湯船脇の木や石の上に置く)

  • 仙気の湯
    • 単純酸性泉
    • 蓮華温泉を代表する露天風呂。高台に位置し展望が良く、湯船も露天風呂の中では一番広い。元は「疝気の湯」と記した。疝気とは下腹部が痛む病気で、それに効くという意味。現在は仙人気分になることができる湯という意味。湯はわずかに白濁している。
  • 黄金湯
    • 重炭酸土類泉
    • ロッジから一番近い露天風呂。林間に位置し展望はあまりないが、湯量も豊富。かつては土で濁り黄色っぽい湯の色をしているのでこの名がある。現在はほぼ透明である。
  • 薬師湯
    • 酸性石膏泉
    • 一番高台にある露天風呂。少々小ぶりの石組の湯船。行止りの場所にあるため、女性の借り切り状態になることがある。
  • 三国一の湯
    • 単純酸性泉
    • 三国一とは、日本中国天竺の3カ国で一番という意味だが、現在は湯量が少なく一人入ったらいっぱいの小さな湯船。泉温が低すぎる時も多く、爽快感に欠ける露天風呂。

かつては「新黄金の湯」と「蒸湯」というのもあり、「蓮華七湯」と総称した。

夜、露天風呂に入るには懐中電灯が必要となる。露天風呂に夜入り、懐中電灯を消すと天候が良ければ満天の星が望める。

歴史

  • 1617年元和3年) - 上杉謙信が南西2.8 km雪倉岳の東山腹に雪倉銀山を開発し、明治末まで約300年採掘が行われた[1]。その際に温泉が、発見されたと伝えられる歴史を持つ。温泉名の由来は、白馬岳の越中越後側の名称・蓮華岳による。かつては猟師や樵に愛用され、やがて不便な山奥ながら湯治場として発展する。
  • 1848年嘉永元年) - 本格的な湯宿となったといわれている[1]
  • 1894年(明治27年) - 日本アルプスを世界に紹介したイギリス人宣教師・ウォルター・ウェストンが、この温泉に宿泊して白馬岳に登頂した[2]
  • 1976年(昭和51年) - 平岩駅から順次延伸されていった車道(一部区間は新潟県道505号入ノ平白馬線)が、蓮華温泉まで到達した。それまでは、車道の終点のバス停から延々と歩く登山者だけの温泉だった。
  • 1994年(平成16年)春 - 夏にかけて記録的な小雨のため、露天風呂の源泉が一時的に枯れる。
  • 1995年(平成17年)7月11日 - 7.11水害により国道148号、新潟県道505号入ノ平白馬線が寸断。孤立する。道路が復旧したのは翌1996年8月2日
  • 2011年(平成23年)6月 - 蓮華温泉に通じる道路が、ヒワ平 - 白池の区間で雪解けと雨の影響で崩落し通行できなくなった[3]。復旧したのは8月5日[4]

アクセス

蓮華温泉バス停

JR大糸線平岩駅の南西10.4km、標高1,475mに位置する。夏休み中は、概ね4往復に増発されるがシーズンオフは2往復。また糸魚川駅からの直行バスも1往復だけある。バスが走らない時期もあり、そのような時期は自家用車・タクシー・徒歩等でしか行けなくなる。6月頃までは残雪により道路も閉鎖されており、徒歩でしか行けない。

脚注

  1. ^ a b 柳原修一『北アルプス山小屋物語』東京新聞出版局、1990年6月、141頁。ISBN 4808303744 
  2. ^ ウォルター・ウェストン 著、青木枝朗 訳『日本アルプスの登山と探検』岩波書店、1997年6月、372-373頁。ISBN 4003347412 
  3. ^ 蓮華だより”. 蓮華温泉. 2011年9月4日閲覧。
  4. ^ 市道蓮華線(蓮華車道)の開通について”. 糸魚川市 (2011年8月5日). 2011年9月4日閲覧。

関連項目

外部リンク