田んぼアート
田んぼアート(たんぼアート)は、田んぼをキャンバスに見立て色の異なる稲を使って、巨大な絵を作り出すプロジェクト。
概要
1993年、青森県南津軽郡田舎館村が村起こしの一つとして、田舎館役場裏手の田んぼで始められた。田んぼをキャンバスに見立て、現代の米と「古代米」と呼ばれる古代に栽培されていた色の異なる稲を使って、巨大な絵を作る。近年では他の地域でも行なわれている。
田舎館村での取り組み
田舎館村の田んぼアートが行なわれる場所は、村役場の東側にある約1.5haの水田である。使用される米は古代米2種類(黄稲、紫稲)と、この地方で栽培されているブランド米の「つがるロマン」。 村役場に設けられた展望室が開放され、作品を眺めることができる。毎年多くの人が訪れ、2007年度には24万人が訪れた。また田植えや稲刈りへの参加者も募集しており、多くの人が参加している。
2008年には、運営費をまかなうための増収策として、「大黒様」の下部に日本航空(JAL)と東奥日報120周年のロゴを入れ、広告費として200万円を得ることとしたが、地権者で協議会のメンバーでもある前村長が、事前の連絡がなかったとして抗議し、「広告絵柄を抜き取らないと来年から水田を貸さない」と述べた。これを受け、「田舎館村むらおこし推進協議会」が僅差で抜取りを決め、村職員が広告部分の苗を抜き取った[1]。田植えに参加した住民などは、抜き取りに抗議した[2]。選挙戦で争った現村長との確執が背景にあるともされる。この抜き取りについて、東奥日報が、日本航空の広告部分を抜き取ったことで広告収入が入らなくなったとして、主催者の田舎館村に対し、241万円の損害賠償を求めた[3]。
- 2012年 - 「悲母観音」と「不動明王」第1アート:田舎館村役場庁舎東側の田んぼ
「七福神」・「マジンガーZ」第2アート:弥生の里(田舎館村高樋:道の駅いなかだて)
- 2011年 - 竹取物語
- 2010年 - 弁慶と牛若丸、『五条大橋での戦い』
- 2009年 - 戦国武将、ナポレオン
- 2008年 - 恵比寿様、大黒様
- 2007年 - 葛飾北斎『富嶽三十六景』の『神奈川沖浪裏』と『凱風快晴(赤富士)』
- 2006年 - 俵屋宗達『風神雷神図屏風』
- 2005年 - 東洲斎写楽『二代大谷鬼次の奴江戸兵衛』、喜多川歌麿『歌撰恋之部・深く忍恋』
- 2004年 - 棟方志功『釈迦十大弟子羅ご羅の柵』と『山神妃の柵』
- 2003年 - レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』
開催地
ギャラリー
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田舎館村 2009年
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米沢市 2009年
脚注
- ^ 田んぼアート、広告いらない 地権者抗議で苗抜き取り - 朝日新聞、2008年7月4日。田んぼアートの広告削除へ - 東奥日報、2008年7月4日。田んぼアート もったいない? 企業広告絵柄を抜き取り - 毎日新聞、2008年7月5日。
- ^ 苗抜き取りに騒然 田んぼアート - 朝日新聞、2008年7月5日。
- ^ 「田んぼアート」広告抜き取り、地元紙が主催者に賠償要求 読売新聞 2008年10月15日