津森洋介

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津森 洋介
つもり ようすけ
生年月日 (1975-02-18) 1975年2月18日(49歳)
出生地 日本の旗 日本 福岡県北九州市
出身校 青雲高等学校
東京大学法学部
公式サイト つもり洋介 Official site

日本の旗 内閣府規制改革推進室参事官(民間資金等活用事業推進室等)
在任期間 2022年8月17日 - 2022年10月18日

在任期間 2019年7月9日 - 2022年3月31日
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津森 洋介(つもり ようすけ、1975年〈昭和50年〉2月18日 - )は、日本の国土交通官僚[1][2][3]九州地方整備局建政部長、内閣府規制改革推進室参事官などを歴任した[1][2][3][4]

経歴

生い立ち

1975年(昭和50年)、福岡県北九州市生まれ[1]北九州市立南丘小学校福岡教育大学附属小倉中学校に通いながら、北九州モノレールの開通や市街地再開発紫川の再生など、当時の北九州市長末吉興一国土交通省出身)が推進する北九州市ルネッサンス構想によって小倉の街並みが再整備される姿を見て育ち、まちづくりに携わる建設行政を志す[1][2][5]

1993年(平成5年)3月、青雲高等学校を卒業。1999年(平成11年)3月、東京大学法学部を卒業[1][2]

建設省入省

1999年(平成11年)4月、当時の建設省(のちの国土交通省)に入省[1][2]。希望通りまちづくり分野に配属となり、2005年(平成17年)には同省中部地方整備局で、都市計画や都市再生などのまちづくりを担う建政部の計画管理課長を務めた[1]

2007年(平成19年)4月、環境省に出向し環境基本計画等を担当[2]2008年(平成20年)4月、海上保安庁に出向し海上交通安全法等改正等に携わる[2]

熊本県に出向

2010年(平成22年)4月、熊本県庁に出向し、新幹線元年戦略室長に就任[1][2][4]九州新幹線の全線開業を見据えて熊本県の認知度向上を担う「くまもとサプライズ」キャンペーンを開始し、マスコットキャラクターゆるキャラ)の「くまモン」を誕生させた[1][2][6][7]

2011年(平成23年)4月からは同県川辺川ダム総合対策課長[4]として、川辺川ダム事業の地域対策にあたる[1]。ダム事業が廃止された地域の生活再建を支援する「ダム事業廃止特定地域振興特別措置法案」が閣議決定された際は、先行して再建計画を進めていた五木村の方式を「法案が後追いしてきた」と受け止め、法案成立後も引き続き予算措置を図るよう求めた[8][9][10]

2012年(平成24年)には同県地域振興課長となり、開業後の九州新幹線の影響について調査を行い、波及効果観光業界から他業界、熊本県内全体に広げる取り組みを行なった[11]

国土交通省に復帰

2014年(平成26年)9月4日、第2次安倍改造内閣国土交通副大臣に任命された西村明宏北九州市出身)の秘書官に就任[1]

2016年(平成28年)4月、国土交通省住宅局建築指導課建築業務監理室長[1][12]2018年(平成30年)6月、同省水管理・国土保全局下水道部下水道企画課管理企画指導室長[1][2][12]

2019年(令和元年)7月、同省九州地方整備局建政部長に就任[1][2]小倉駅前の再開発(ガーデンシティ小倉)や旦過市場の再整備、折尾駅周辺整備、勝山公園の魅力向上などまちづくり、住まいづくり分野のほか、建設業の担い手確保・育成に向けた魅力発信や建設キャリアアップシステムの普及など、担い手づくりに取り組む[1][2][12][5]

2022年(令和4年)7月、内閣府に出向し規制改革推進室参事官に就任[3]。民間資金等活用事業推進室において、岸田内閣が推進する官民連携分野の法案の国会提出に携わる[13]

北九州市長選挙に出馬表明

2022年(令和4年)10月10日、北九州市議会の与党会派である自民党市議団とハートフル北九州(立憲民主党国民民主党・無所属の共同会派)から2023年北九州市長選挙への出馬要請を受け、受諾[13]。「ぜひ前向きに、みなさまと一緒に北九州の未来を作れるようにがんばりたい」「市の活気を取り戻したい」と意欲を述べた[13]。10月18日、前述の官民連携法案の国会提出の目処がついたとして、内閣府参事官を辞職し国土交通省から退職した[3]

11月9日、北九州市役所記者会見を開き、正式に市長選挙への立候補を表明した[5]。まちづくりに携わった経験を活かし、北九州空港・港湾を充実させ「アジアの大物流拠点化」に取り組み、「北九州を日本の成長エンジンにする」と述べた[5]

人物

まちづくりの主役は住民であとの考えから、自身は「伴走者」として現地に足を運び、コミュニケーションを図ることを重視する[1]。九州地方整備局建政部長就任時は「まちづくりの支援制度の多くは手挙げ方式。だからといって受け身にならず、現地に入り話を聞き伴走者のつもりで一緒に考えていきたい」と語った[2]

熊本県庁で新幹線元年戦略室長として「くまモン」を展開した際、当初は鳴かず飛ばずの中、1年間試行錯誤を続けた[7]。暑い夏の日にくまモン体操を披露するも誰も寄りつかず、子供に泣かれたこともあったが、地道に保育園などを回り根気強くPRを繰り返し、認知度向上に繋げた[7]。後に「地元に誇りを持って生活してもらうのが地域づくり。心を通わせながらやっていくのが大事」と語っている[1]

国土交通省で新しい法律予算制度を考える際は「こういうところを工夫すれば地元・北九州市でも使える」と考え[5]、九州地方整備局時代は市街地活性化の支援でたびたび出身地の北九州市を訪問し、意見交換を行なった[13]。北九州市長選挙の取材に訪れた西日本新聞記者には「『福岡1強』と呼ばれるのは腹立たしい」と漏らすなど福岡市をライバル視し、記者は郷土愛の強さを感じたと評している[13]

座右の銘は、一つひとつの課題に誠実に取り組む「至誠通天」[1][2]趣味旅行で、2019年のインタビューに年に1、2度は海外に出掛けると答えている[1][2]

父親は鉄鋼マンで、2022年(令和4年)2月に他界[5]。息子は市長選挙の出馬表明当日に成人を迎えた[5]

年譜

著書

論文

津森洋介「法令解説 全国都市再生のための基本的な枠組みの構築--国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国土利用計画法及び都市再生特別措置法の一部を改正する法律」『時の法令』第1718号、雅粒社、2004年7月30日、6-21頁、ISSN 04934067NAID 40006359844 

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 「この人・九州地方整備局建政部長 津森洋介さん」『建設通信新聞』日刊建設通信新聞社、2019年10月16日。2022年11月23日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 「ひと:九州地方整備局建政部長・津森洋介氏:地域づくりの伴走者に」『日刊建設工業新聞』日刊建設工業新聞社、2019年10月16日、13面。2022年11月23日閲覧。
  3. ^ a b c d e f 津森氏、内閣府参事官を辞職…近く出馬表明か、北九州市長選」『読売新聞オンライン』読売新聞社、2022年10月18日。2022年11月23日閲覧。
  4. ^ a b c 「きょうの発言 4月1日から新執筆陣 [略歴]」『熊本日日新聞夕刊』熊本日日新聞社、2011年3月31日、夕二。2022年11月23日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 北九州市長選で津森洋介氏が立候補表明 「日本の成長エンジンへ」」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2022年11月9日。2022年11月23日閲覧。
  6. ^ 「きょうの発言=いとしのくまモン(津森洋介、県川辺川ダム総合対策課長)」『熊本日日新聞夕刊』熊本日日新聞社、2011年5月16日、夕社。2022年11月23日閲覧。
  7. ^ a b c 「きょうの発言=春色の空の下で「決心」(津森洋介、県川辺川ダム総合対策課長)」『熊本日日新聞夕刊』熊本日日新聞社、2011年4月11日、夕社。2022年11月23日閲覧。
  8. ^ 「ダム中止法案 五木村、実効性見極め 建設推進、固持の構え 「国が後追い」県も冷ややか」『熊本日日新聞朝刊』熊本日日新聞社、2012年3月14日、朝三。2022年11月23日閲覧。
  9. ^ 「和田・五木村長「法成立待てない」 ダム中止特措法案の閣議決定受け 【西部】」『朝日新聞西部朝刊』朝日新聞西部本社、2012年3月14日、38面。2022年11月23日閲覧。
  10. ^ 「五木村長「実効性を」 ダム中止生活再建法閣議決定=熊本」『読売新聞西部朝刊』読売新聞西部本社、2012年3月14日、33面。2022年11月23日閲覧。
  11. ^ 「新幹線「影響なし」企業5割 観光関連は「効果あった」 547社が回答=熊本」『読売新聞西部朝刊』読売新聞西部本社、2012年6月26日、25面。2022年11月23日閲覧。
  12. ^ a b c 魅力ある建設産業を 業界団体とともに推進 (建設業界 職人不足問題への提言)」『I・Bまちづくり』第45号、データ・マックス、2022年3月、40-43頁、2022年11月23日閲覧 
  13. ^ a b c d e 北九州市長選「何としても自民主導で」説得4カ月、元官僚擁立の舞台裏」『西日本新聞西日本新聞社、2022年10月26日。2022年11月23日閲覧。

外部リンク