強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約

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強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約
通称・略称 強制失踪防止条約
署名 2007年2月6日(パリ
発効 2010年12月23日
主な内容 強制失踪を禁止
条文リンク 条文正訳
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強制失踪防止条約(きょうせいしっそうぼうしじょうやく, : The International Convention for the Protection of All Persons from Enforced Disappearances)は、2006年12月20日の第61回国連総会で採択された国際人権条約である。必要な批准国が20カ国に達した1か月後の2010年12月23日より発効した。正式名称は強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約。略称は強制失踪条約

概要

国家機関や国の許可を得た個人又は集団が逮捕・拘禁・拉致などで個人の自由をはく奪する行為を強制失踪として禁止し、組織的で広範な強制的失踪は、人道に対する罪に相当すると規定する禁止条約。第24条では被害者の権利、解放や、損害賠償リハビリテーション、再発防止の保障も含めた被害回復について規定する。また当条約の違反について関係被害者が国連の強制失踪防止委員会への個人通達を認める宣言についても規定する。

成立

  • 2006年12月20日 - 第61回国連総会にて採択
  • 2007年2月6日 - パリにて署名のため開放
  • 2010年11月23日 - 批准数が発効に必要な20に達したと発表
  • 発効に必要な批准数に達した1か月後の2010年12月23日より発効。

加盟

  • 署名 - 90カ国
  • 批准 - 30カ国

2011年11月23日現在)

締約国

発効の条件を満たした2010年11月23日時点では、以下の20カ国が条約の締約国となっている(条約加盟順)。

国名 署名 批准
アルバニアの旗 アルバニア 2007年2月6日 2007年11月8日
アルゼンチンの旗 アルゼンチン 2007年2月6日 2007年12月14日
メキシコの旗 メキシコ 2007年2月6日 2008年3月18日
ホンジュラスの旗 ホンジュラス 2007年2月6日 2008年4月1日
フランスの旗 フランス 2007年2月6日 2008年9月23日
セネガルの旗 セネガル 2007年2月6日 2008年12月11日
ボリビアの旗 ボリビア 2007年2月6日 2008年12月17日
 キューバ 2007年2月6日 2009年2月2日
カザフスタンの旗 カザフスタン 未署名 2009年2月27日
ウルグアイの旗 ウルグアイ 2007年2月6日 2009年3月4日
マリ共和国の旗 マリ 2007年2月6日 2009年7月1日
日本の旗 日本 2007年2月6日 2009年7月23日
ナイジェリアの旗 ナイジェリア 未署名 2009年7月27日
ドイツの旗 ドイツ 2007年9月26日 2009年9月24日
スペインの旗 スペイン 2007年9月27日 2009年9月24日
エクアドルの旗 エクアドル 2007年5月24日 2009年10月20日
ブルキナファソの旗 ブルキナファソ 2007年2月6日 2009年12月3日
 チリ 2007年2月6日 2009年12月8日
パラグアイの旗 パラグアイ 2007年2月6日 2010年8月3日
イラクの旗 イラク 未署名 2010年11月23日

その後、続いてブラジルアルメニアガボンオランダザンビアセルビアベルギーパナマチュニジアモンテネグロが批准し、2011年11月23日現在の締約国は30か国である。

日本の対応

基本定義

  • 強制失踪(第2条) - 国の機関又は国の許可、支援若しくは黙認を得て行動する個人若しくは集団が、逮捕、拘禁、拉致その他のあらゆる形態の自由のはく奪を行う行為であって、その自由のはく奪を認めず、又はそれによる失踪者の消息若しくは所在を隠蔽、かつ、当該失踪者を法のすることを伴い保護の外に置くもの。
  • 組織的な実行(第5条) - 強制失踪の広範又は組織的な実行は、適用可能な国際法に定める人道に対する犯罪を構成し、及び当該適用可能な国際法の定めるところにより結果を得る。

関連項目

外部リンク