地頭方 (上尾市)

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地頭方
地頭方の位置(埼玉県内)
地頭方
地頭方
地頭方の位置
北緯35度56分55.32秒 東経139度34分26.39秒 / 北緯35.9487000度 東経139.5739972度 / 35.9487000; 139.5739972
日本の旗 日本
都道府県 埼玉県
市町村 上尾市
地区 大谷地区
面積
 • 合計 0.6866[1] km2
人口
2021年(令和3年)1月1日現在)[2]
 • 合計 1,837人
等時帯 UTC+9 (日本標準時)
郵便番号
362-0051[3]
市外局番 048(浦和MA[4][5]
ナンバープレート 大宮
座標の場所は地頭方公民館を示す。

地頭方(じとうがた)は、埼玉県上尾市大字。市の統計などでは大谷地区で分類されている。郵便番号は362-0051[3]

地理[編集]

埼玉県の中央地域(県央地域)で、上尾市南部の大宮台地上に位置する。東側を大谷本郷、南側を堤崎、西側を平方領領家、北側を小敷谷壱丁目と隣接する。また、東側は大字向山、北側は平方とも僅かに隣接する。上尾道路が開通し、さいたま市首都圏中央連絡自動車道(圏央道)方面への交通量が増加している。市街化区域(ほぼ全域が準工業地域に指定)である東部には住宅地が多く、UDトラックスやその関連工場も見られるが、市街化調整区域[6]となる西部は畑地となっている。その畑地周辺の水路の水を集め浅間川準用河川)が南へ流れていく。

地内に集落跡である「中谷遺跡」(県遺跡番号:14-126[6])があり、土器片が発掘されている。

歴史[編集]

もとは江戸期より存在した武蔵国足立郡平方領に属する地頭方村であった[7]。村高は正保年間の『武蔵田園簿』では173(田45石余、畑127石余)[8]、『元禄郷帳』によると145石余、『天保郷帳』によると149石余であった[7]化政期の戸数は30軒で、村の規模は東西4、南北7町余であった。地名の由来は地頭の領分によるものと云われている[7]。新井・戸崎村に飛地を領していた。 1875年(明治8年)の農業産物高は武蔵国郡村誌によると米25石、大麦80石、小麦35石、大豆25石、小豆8石、栗15石、13石、蕎麦6石、甘藷2000貫、里芋1500貫、茄子30貫、大根250貫、綿40貫であった[9][注釈 1]

小字[編集]

  • 西谷[10][注釈 5]
  • 中谷
  • 谷畑やばた
  • 三塚みつづか[注釈 6]
  • 北谷
  • 天神谷
  • 東谷[注釈 7]
  • 鳥久保[注釈 8]
  • 坂下
  • 中新井

※ 『武蔵國郡村誌』には「西ノ前」、『新編武蔵風土記稿』には「前谷」・「堂の前」・「後ろ谷」の記載がある[25]が、現在の場所を特定できない[10]

世帯数と人口[編集]

2021年(令和3年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]

大字 世帯数 人口
地頭方 811世帯 1,837人

小・中学校の学区[編集]

市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[26]

番地 小学校 中学校
1〜629(全域) 上尾市立平方東小学校 上尾市立太平中学校 

交通[編集]

地区内に鉄道は敷設されていない。JR東日本高崎線上尾駅からは地区北端で3.3 km以上離れている。JR東日本川越線西大宮駅からも地区南端で3.4 km以上距離があり徒歩圏ではない。

道路[編集]

地内の市街化区域との境界線上に都市計画道路「西環状線」(幅員12 m)[6]が計画されている。概ね現道を線形改良および拡幅する形となる。

バス[編集]

上尾駅西口駅前より平方や川越駅方面への路線バスが多数運行されている。

東武バスウエスト上尾営業所[27]
地区内は「新田前」バス停留所が設置されている。
上尾市コミュニティバス「ぐるっとくん[28]
  • 大谷循環
  • 平方小敷谷循環
地区内は「地頭方東谷」、「地頭方天神谷」、「新田前」バス停留所が設置されている。

地域[編集]

町内会[編集]

祭事[編集]

  • 地頭方の大山灯籠行事 - 市登録無形民俗文化財[22]

寺社[編集]

地内の氷川神社の北西およそ100メートルの場所に正円寺があった[30]。墓地が残る。また、合祀され存在しないが、神明社や雷電社が鎮座した時期があった。

  • 氷川神社 - 平方八枝神社の兼務社[30]
  • 八雲神社
  • 天神社

施設[編集]

地内に街区公園や指定緊急避難場所は存在しない[31]

  • 上尾中央第二病院(旧上尾甦生病院)
  • 地頭方公民館 - 氷川神社の場所に位置する。移転前は正円寺廃寺跡の場所にあった。
  • UDトラックス - 一部が敷地に掛かる
  • 大宮花の丘農林公苑(一部) - 飛地に位置する

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ その他、味噌1000斤[9]
  2. ^ 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』424頁では、1625年(寛永2年)より岩槻藩領と記されている。
  3. ^ 「旧高旧領取調帳データベース」の検索結果も参照。
  4. ^ 外部リンク節の『地頭方地区街づくり協議会』を参照。
  5. ^ 『武蔵國郡村誌』では「上西谷」、『新編武蔵風土記稿』では「西谷・柳田」とも[25]
  6. ^ 「三ッ塚」とも。
  7. ^ 『武蔵國郡村誌』では「カラン堂」、『新編武蔵風土記稿』では「氷をし谷」とも[25]
  8. ^ 『武蔵國郡村誌』では「鶏久保」、『新編武蔵風土記稿』では「久保谷」とも[25]

出典[編集]

  1. ^ 統計あげお 平成31年・令和元年版 第1章 土地・気象”. 上尾市役所. p. 2 (2020年6月1日). 2020年6月2日閲覧。
  2. ^ a b 町丁大字別人口表”. 上尾市役所 (2021年11月4日). 2021年11月28日閲覧。
  3. ^ a b 郵便番号”. 日本郵便. 2017年10月6日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2017年5月29日閲覧。
  5. ^ 単位料金区域別市外局番等一覧表”. NTT東日本. 2020年6月2日閲覧。
  6. ^ a b c 都市計画図がご覧になれます。 - 上尾市役所(2014年9月5日).2019年6月10日閲覧。
  7. ^ a b c d e f 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 424頁。
  8. ^ 東京市『東京市史稿. 市街篇第六附錄』東京市、1928年、80-81頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3450753/46 
  9. ^ a b 『上尾百年史』 250-254頁。
  10. ^ a b c d e f 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 529-535頁。
  11. ^ 『上尾百年史』 25頁。
  12. ^ 『上尾百年史』 26-30頁。
  13. ^ 『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』 117-123頁。
  14. ^ 『上尾百年史』 610-615頁。
  15. ^ 『上尾百年史』 98-116頁。
  16. ^ 『上尾百年史』 561頁。
  17. ^ a b 『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』 1421頁。
  18. ^ 病院概要 - 上尾中央第二病院. 2020年7月14日閲覧。
  19. ^ 西区の沿革(西区略年表)”. さいたま市 (2018年10月1日). 2019年8月5日閲覧。
  20. ^ 上尾市の土地区画整理事業”. 上尾市役所 (2018年4月1日). 2019年7月6日閲覧。
  21. ^ 地域に親しまれる上尾道路を目指して” (PDF). 国土交通省関東地方整備局 大宮国道事務所. 2013年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月28日閲覧。
  22. ^ a b 地頭方の大山灯籠行事”. 上尾市教育委員会 (2010年11月24日). 2020年6月11日閲覧。
  23. ^ 大谷北部第四地区の町名地番変更”. 上尾市役所 (2020年11月21日). 2021年11月28日閲覧。
  24. ^ 地区計画ですすめる住民主体のまちづくり 地頭方地区地区計画” (PDF). 上尾市役所 (2021年3月). 2021年12月6日閲覧。
  25. ^ a b c d 新編武蔵風土記稿地頭方村.
  26. ^ 市内小・中学校通学区一覧”. 上尾市役所 (2019年12月1日). 2021年11月28日閲覧。
  27. ^ 路線図 (PDF) - 東武バス.2019年6月5日閲覧。
  28. ^ ぐるっとくん 上尾市内循環バスROAD案内マップ (PDF) - 上尾市役所.2019年6月5日閲覧。
  29. ^ 自治会・町内会・区会に加入しましょう”. 上尾市役所 (2021年3月15日). 2022年5月14日閲覧。
  30. ^ a b 地頭方・氷川(ひかわ)神社 - 八枝神社.2020年6月11日閲覧。
  31. ^ 指定緊急避難場所・指定避難所・福祉避難所”. 上尾市役所 (2022年2月14日). 2022年5月14日閲覧。

参考文献[編集]

  • 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』上尾市役所、1997年3月31日。 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日。ISBN 4040011104 
  • 上尾百年史編集委員会・編『上尾百年史』上尾市役所、1972年2月10日。 
  • 「地頭方村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ152足立郡ノ18、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:764000/25 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]