国家憲兵

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国家憲兵(こっかけんぺい)は、フランス・イタリア・オランダ・スペイン・ポルトガルなど西欧諸国等に見られる警察組織。これらの組織は一般警察機関(行政警察活動や司法警察活動)と軍隊内の法執行機関(憲兵)としての双方の役割を持つ[1][2][3]。「警察軍」、「軍警察」とも称され、また「治安部隊」と称される事もある。重武装の場合もあり、準軍事組織として扱われることもある。

青が国家憲兵制度のある国、赤がかつて国家憲兵制度のあった国

訳語「国家憲兵」と「憲兵」のイメージ

「国家憲兵」・「警察軍」・「軍警察」または単に「憲兵隊」とも呼ばれるが、これはgendarmerieあるいはgendarmery(ジェンダーマリーないしジョンダメリー)に対する訳語としてとられる。西欧の大陸諸国に起源を持つこれら警察組織は、市民の日常生活に密着した一般警察業務をも担っている。しかし、現代の日本においては、「憲兵」の語は軍隊内の法執行機関(military police)のみを意味するとのイメージが強い。

歴史・概要

ナポレオン・ボナパルトが用いたジャンダルムリ(gendarmerie。騎兵隊、原義は「武装した人々」)が、その始点と見られており、西ヨーロッパの諸国においては、この形態の警察組織を持つ国が多く、過去にはドイツベルギーオーストリアルクセンブルクにも見られた。また、西欧の制度を取り入れた日本トルコ、南米諸国や、アフリカのフランス植民地諸国には、同様の制度・呼称を持つ組織が現存したり、ないしは過去にあった場合がある。

西欧諸国では一般警察業務を行う広く認知された組織の一つである。人員は国防省・軍の所属で、平時の一般警察業務においては内務省司法省知事などの指揮を受ける場合が多い。有事には軍隊に組み込まれ、戦闘に参加することがある。国により、一般の文民警察に限りなく近いもの(のちに警察に吸収統合されたケースも含む)から、国境警備隊や治安組織として軍事色の強いものなど形態にはばらつきがある。装甲車自動火器などを装備する武装強度が高い部隊を組織内に保有しているのが普通である。王立カナダ国家憲兵はカナダの連邦警察として機能しており、国防省所管ではない(フランス語では国家憲兵であるが英語では騎馬警察)。国家憲兵を警察に統合・再編した例として、ベルギー(2001年)、オーストリア(2005年、ただしオーストリア国家憲兵の所属はもともと軍ではなく内務省)、インドネシアフィリピンなどがある(下の一覧を参照)。

国家憲兵の一覧

脚注

関連項目