与那覇湾

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Ihimutefu (会話 | 投稿記録) による 2016年3月17日 (木) 04:03個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎外部リンク)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

与那覇湾の空中写真。1977年撮影の14枚を合成作成。
湾の東側を南北に船の航行するがあり、湾内のほとんどが干潟(白く見える部分)である様子が分かる。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
北西から見た宮古島の航空写真
右手奥の湾が与那覇湾
与那覇湾の位置(日本内)
与那覇湾
与那覇湾の位置

与那覇湾(よなはわん)は、沖縄県宮古島市宮古島の南西部にあるである。2012年7月3日ラムサール条約の登録湿地となった[1]

地形

北西に湾口を開き、北東側の久松地区と、南西側の下地地区に挟まれた湾で、最大水深が2mと全体に浅く、湾内は沖縄県で最大の面積を有する広大な干潟になっている。湾口の下地側には西浜崎が北に向けて突き出ている。

自然

湾内の干潟には、シギ・チドリ類を主とする鳥類の渡りの経由地、越冬地であり、ムナグロメダイチドリチュウシャクシギダイシャクシギキアシシギ等の主要な渡来地になっている。また、クロツラヘラサギ(絶滅危惧IA類)、ツクシガモキンバト(以上、絶滅危惧IB類)、サシバセイタカシギアカアシシギ(以上、絶滅危惧II類)が確認されている。

このため、与那覇湾及びその周辺は「与那覇湾およびその周辺」として日本の重要湿地500に選定されている。また、2011年11月1日に集団渡来地として国の鳥獣保護区(1,366ha。うち特別保護区704ha)に指定され[2][3][4]、要件を満たしたことから2012年7月3日にラムサール条約の登録湿地となった[5]

文化

沖縄県では旧暦3月3日大潮浜下り行事が行われるが、宮古島ではこの行事をサニツ(「3日」の意味[6])と呼ぶ[7]。与那覇湾の下地側の浜では、この行事が盛大に行われていたことから、通称サニツ浜と呼ばれる。

サニツ浜にはサニツ浜ふれあい広場が整備され、サニツにはこの浜で宮古馬の競走が行われた伝統があることから、宮古馬を象った巨大なモニュメントが建てられている。1991年(平成3年)からは、サニツをイベント化したサニツ浜カーニバルが開催されている[8]

脚注

  1. ^ “日本の9湿地を登録 広島・宮島など ラムサール条約”. 産経新聞. (2012年7月3日). オリジナルの2012年12月19日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/hZyZ 
  2. ^ 国指定与那覇湾鳥獣保護区指定計画書 (PDF) 環境省、2011年11月1日
  3. ^ 国指定与那覇湾鳥獣保護区与那覇湾特別保護地区指定計画書 (PDF) 環境省、2011年11月1日
  4. ^ “与那覇湾・池間島 国指定保護区へ計画案承認”. 沖縄タイムス. (2011年8月12日). オリジナルの2012年9月10日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/W8QC 
  5. ^ ラムサール候補に宮古の与那覇湾 7月に登録へ 琉球新報、2012年5月10日
  6. ^ なんて愉快な夏の祭り 第13回サニツ浜カーニバル 美ら島物語
  7. ^ 沖縄コンパクト事典 サニツ 琉球新報、2003年3月1日
  8. ^ 砂川克佳(下地町企画課課長補佐). “沖縄県下地町 : 干潟で競馬、宮古角力…熱戦を展開 : 伝統行事復活させ、地域が活気づく”. 月刊地域づくり. 一般財団法人地域活性化センター. 2001年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月19日閲覧。

関連項目

  • 宮古島の上水道 - 与那覇湾の淡水化計画についての記載がある。
  • 与那覇前浜 - 西浜崎を隔てて与那覇湾の南側にある白砂の砂浜で、日本の重要湿地500「与那覇湾およびその周辺」の指定地域に含まれる。

外部リンク

座標: 北緯24度45分48秒 東経125度16分16秒 / 北緯24.76333度 東経125.27111度 / 24.76333; 125.27111