釧路湿原

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細岡展望台より宮島岬方面を望む(2009年8月)
細岡展望台より冬の湿原を見る(2006年2月)
釧路市湿原展望台より(2005年9月)
山﨑岬より宮島岬方面(2006年12月)
細岡展望台から見た夕日の釧路湿原(2010年9月)
釧路湿原大橋から見た釧路湿原と阿寒富士(2013年1月)

釧路湿原(くしろしつげん)は、北海道釧路平野に位置する日本最大の湿原である。面積18,290ha。

地理[編集]

湿原は釧路市の北側に広がる。湿原の大半は、北海道川上郡標茶町阿寒郡鶴居村釧路郡釧路町に属する。湿原の中を釧路川が大きく蛇行しながら流れている。

自然とその保護[編集]

湿原の大部分はヨシ-スゲ湿原であるが、ミズゴケ湿原も一部あり、食虫植物モウセンゴケコタヌキモが生育する。また、タンチョウエゾセンニュウベニマシコなどの多くの鳥類の繁殖地・休息地となっている。特にタンチョウの夏季繁殖地が湿原を含む道東各地に広がっているが、冬には釧路湿原へ戻ってきて越冬する。また、日本最大の淡水魚であるイトウサケ科)やキタサンショウウオなどの希少な動物も多く、貴重な自然の残る領域である。

釧路湿原の自然保護は、1935年(昭和10年)8月27日に「釧路丹頂鶴繁殖地」として2,700haが国の天然記念物に指定されたことに始まる。その後1952年(昭和27年)3月29日に「釧路のタンチョウ及びその繁殖地」として特別天然記念物に指定変更され、面積も2,749haに拡大された。さらに1967年(昭和42年)6月22日に「タンチョウ」を地域を定めない種指定の特別天然記念物に指定変更するとともに、同年7月6日に新たに「釧路湿原」を天然記念物の「天然保護区域」に指定し、その範囲を5,011.4haとした。

また、1958年(昭和33年)11月1日には、国指定釧路湿原鳥獣保護区(希少鳥獣生息地)に指定されている(面積11,523ha、うち特別保護地区6,962ha)。1980年ラムサール条約登録地に、1987年に湿原周辺を含む約26,861haが国立公園釧路湿原国立公園)に指定されている。現在[いつ?]の釧路湿原一帯は「釧路湿原国立公園」の特別地域に指定されており、開発は厳しく規制されている。

かつて[いつ?]は湿原を農地化する試みも行われていたが、現在[いつ?]は湿原の開発よりも保全に目が向けられており、湿原内では国土交通省環境省等により「釧路湿原自然再生プロジェクト」による自然再生事業が行われている。

湿原の歴史[編集]

1万年前までの氷河期には、地球上の水が氷河として大量に地上に堆積したため海水量が減って海水面が低下し、釧路湿原一帯も完全に陸地化していた。その後気温が上昇して海水面が上昇したが、約6000年前には気候が現在[いつ?]より温暖化し海水面も今より2から3m高くなった(詳しくは縄文海進を参照)。当時、釧路湿原一帯は大きな浅い湾を形成し、気温も現在[いつ?]より平均2℃から3℃高く、現在[いつ?]東北地方と似た気候であった(湿原周辺に存在する当時の貝塚からはハマグリシオフキなどの貝殻が見つかっているが、これらは現在[いつ?]は宮城県以南に生息している種である)。

その後、気温の低下にしたがって海水面も低下し、4,000年前には現在[いつ?]の海岸線が形作られたが、釧路湿原では湾口部に砂洲が発達し内陸部は水はけの悪い沼沢地になった。沼沢地に生い茂ったヨシやスゲが冷涼多湿な気候のもとに泥炭化して湿原が形成され、約3,000年前に現在[いつ?]のような湿原になった(北海道にあるサロベツ原野霧多布湿原も、同じ経緯で形成された)。

眺望と探勝[編集]

一般の観光客は、高台にある複数の展望台から眺めるか、遊歩道を歩いたりカヌー等による川下りによって湿原の観察を行うことが出来る。また、JR釧網本線は一部の区間が湿原内を通るため、列車に乗車したまま観察する方法もある。

湿原の東端には、「細岡展望台・ビジターズラウンジ」がある。蛇行する釧路川を一望でき、正面に宮島岬やキラコタン岬が望める。展望台の下にはJR釧網本線釧路湿原駅が設けられており、臨時の観光列車である「くしろ湿原ノロッコ号」も停車する。また、JR釧網本線塘路駅付近には「サルボ展望台」、道道1060号沿線には「コッタロ展望台」があり、著名ではないが釧路川の流れと釧路湿原東側を眺めることが出来る。

西端には、「釧路市湿原展望台」と「温根内ビジターセンター」がある。こちらからも雄大な湿原を一望できるが、湿原内を蛇行する釧路川は視界に入らない。それぞれの施設付近に探勝歩道が整備されており、植物や鳥類などを観察しながら湿原に触れることができる。また、両施設の間(約4km)を、旧鶴居村営軌道の廃線跡を転用した探勝歩道が結んでいる。

自然再生[編集]

現在[いつ?]、釧路湿原を対象として自然再生推進法に基づく自然再生事業が数ヶ所で行われている。主な事業として、湿原上流部に当たる茅沼地区において直線化された釧路川流路を再蛇行化させ自然環境の復元を図る事業や、達古武地域において森林、湿原、河川、湖沼と連続的につながる生態系の復元を図る事業が行われている。

釧路湿原を扱った作品[編集]

参考文献[編集]

  • 長谷川博 「タンチョウ」 『日本の天然記念物』 加藤睦奥雄ら監修、講談社、1995年、640頁、ISBN 4-06-180589-4
  • 新庄久志 「釧路湿原」 『日本の天然記念物』 加藤睦奥雄ら監修、講談社、1995年、34-35、37頁、ISBN 4-06-180589-4

関連項目[編集]

外部リンク[編集]