ペンシルベニア大学
ペンシルベニア大学 | |
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ファイル:UPenn logo.png | |
大学設置 | 1755年 |
創立 | 1740年 |
学校種別 | 私立 |
設置者 | The Trustees of the University of Pennsylvania |
本部所在地 | 米国ペンシルベニア州フィラデルフィア市 |
学生数 | 26,552、24,699 |
学部 |
教養学部 経営学部 工学部 看護学部 |
研究科 |
医学大学院 看護大学院 獣医学大学院 経営大学院 法科大学院 教養大学院等 |
ウェブサイト | http://www.upenn.edu/ |
ペンシルベニア大学(英語: University of Pennsylvania)は、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア市に本部を置くアメリカ合衆国の私立大学。1740年創立、1755年大学設置。
米国東海岸名門私立大学連合であるアイビー・リーグの1校である。米国大学ランキングでトップ5から9[1]、世界大学ランキングではトップ13にランクインし[2]米国及び世界を代表する屈指の名門大学として不動の地位を保っている。合格率9.9%(2015年度)と全米最難関の大学の一つである[3]。米国の有名総合大学としては比較的珍しく大都市に位置する都市型大学でもある。
概要
全米で初めて"University"と名付けられた教育機関であり、学部と大学院を兼ね備えた全米初の大学でもあった。設置年度(1755年)としては全米で4番目に古いとされる。また、北米で最初に医学部(1765年)、全米で最初にビジネス・スクール(1881年)を設置した大学である。後述する設置経緯から、リベラルで実学重視の校風で知られる。
学術分野では経営学、医学、法律学で名高く、各専門職大学院が世界的に有名である。特に全米最古のビジネス・スクールであるウォートン・スクール(Wharton School)MBAはハーバードMBAと並び全米ランキング同率1位を誇る名門である。[4]また、会社法分野で著名なロー・スクール(Penn Law)は全米ロースクールランキングで203校中7位にランクインし[5]、いわゆるTop14の1校を形成している。また、学部課程では、2014年度の億万長者出身校ランキングで世界1位であった[6]。
大学の愛称はPennまたはUPenn。日本人の間ではペン、ユーペン、ペン大と略称される。モットーは Laws Without Morals are Useless(良識のない法は無益である: Leges Sine Moribus Vanae)。ノーベル賞受賞者は28人である(大学別では世界21位[7])。
沿革
ベンジャミン・フランクリンが創設者の一人で、創立時の校名は「フィラデルフィア・アカデミー」だった。イギリス植民地の大学としてハーバード大学、ウィリアム・アンド・メアリー大学、セントジョンズ大学、イェール大学に次いで1740年に設立され、アメリカ独立に先行する長い歴史を持っている。 独立宣言の9人の署名者と合衆国憲法の11人の署名者が大学創立と関連していた。フランクリンは、イェールなどの他のコロニアル・カレッジと異なり、単に聖職者を養成する機関としてではなく、従来の古典教育と神学に加えて商業と公務のための実用教育にかなう革新的な高等教育機関の創設を提唱した。他の理事の反対で実現はしなかったが、彼の提唱した教育計画は全米初の近代的リベラルアーツ・カリキュラムであった。この考えに基づき、伝統的に医学や経済学、法律学等の実学に重きが置かれた研究・教育がなされている。
ペンシルベニア大学は、ヨーロッパの大学によって開発された多くの学問領域を綜合した最初の研究機関であり、前述したように"University"と公式に名付けられた全米最初の組織でもあった。[8]1994年にジュディス・ロディンが第7代学長に就任し、アイビーリーグの中では初めて女性の学長が誕生した。その後を継いで、2004年に現在の学長であるエイミー・ガットマンが第8代学長に就任した。
キャンパス
立地
1740年の設立当初は、フィラデルフィアのセンターシティにキャンパスを構えていたが、1872年に現在の場所であるセンターシティからスクールキル川(英:Schuylkill River)を渡った西側にキャンパスを移転した。現在では地区一帯がユニバーシティ・シティと呼ばれており、隣接するドレクセル大学とともに全米有数の学園都市を形成している。他の多くの大学と異なり、全ての施設が同一キャンパス内にあり、その特性から大学内での共同研究が非常に盛んである。ペンシルベニア大学病院、フィラデルフィア小児病院や、全米初の独立生物医学研究所であるウィスター研究所も同一キャンパス内に存在する。
見所
キャンパス内にはSEPTAの地下鉄駅(33rdと36th Street駅)と近郊電車駅(ユニバーシティ・シティ駅)がある。また、ペンシルベニア大学考古学・人類学美術館やフランクリン・フィールドなどの施設があり、観光客も多く訪れる。以下はキャンパス内の代表的な見所である。
- ペンシルベニア大学考古学・人類学美術館: 1887年に設立されたペンシルベニア大学最古の美術館。12トンのエジプトのスフィンクスが有名。また、およそ100万点の展示物があり、この中には、シュメールのくさび形文字の粘度板(世界で最古の文字)、エジプトのミイラ、中国の皇太后が所有していた水晶玉、古代マヤの大石像、王家の墓地からの4,500年前の宝石などがある。[9]
- フランクリンフィールド: 1895年に開かれた競技場。毎年4月には全米最古の陸上競技大会であるペン・リレーが開かれる。
- ベンジャミン・フランクリン像: カレッジ・ホール前にある像は、大学の象徴とも呼べる像で、多くの観光客が写真を撮っていく。
- LOVE 彫刻: ロバート・インディアナの有名な彫刻作品であるLOVEの一つ。フィラデルフィアにはセンターシティのLOVE PARKにも同じ彫刻ある。
大学構成
ペンシルベニア大学は、医学、人文科学、建築学、エンジニアリング、および教育学における草分けと認められている。北米最古の医学部、金融および会計学などで名声の高い、ウォートン・スクール (英:Wharton School)と呼ばれるビジネス・スクール、さらには法律の専門教育機関であるロー・スクール(Penn Law)が特に有名である。
学部
ペンシルベニア大学は以下の4つの学部を持っている。
- 教養学部
- 経営学部(ウォートン・スクール)
- 工学部
- 看護学部
大学院
大学院プログラムはペンシルベニア大学における研究の中核である。以下の専門大学院は全米で常にトップクラスにランキングされている。全部で12の大学院がある。
- アネンバーグコミュニケーション大学院
- 教養科学大学院
- 教育学大学院
- ロー・スクール(Penn Law)
- ペレルマン医学大学院: このメディカルスクールは、ペンシルベニア大学病院の運営を行っている他、小児科病院で全米第1位のフィラデルフィア小児病院を含むいくつかの病院と提携をしている。
- 歯科大学院
- デザイン大学院
- 工学応用科学大学院
- 看護大学院
- 社会政策・社会実践大学院
- 獣医学大学院
- ウォートン・スクール(Wharton School)
研究
ペンシルベニア大学は、ジョンズ・ホプキンス大学やハーバード大学とともに、生物医学研究に関する重要な研究拠点である。 医科大学院は全米で最も重要とされる研究機関の一つとして存在しており、1000人を超える教授陣が在籍する。ジョンズ・ホプキンス大学についで、国立予防衛生研究所(NIH)から第2位の額の研究費が与えられており、国家最大級の研究計画を担っている。
また、約56億ドルを歳出として計上する大学でありこれはアイビー・リーグで最大の予算である。[10]
学生
学生内訳
2014年度卒業生での人種構成は、40.8%がアジア系、ヒスパニック、アフリカン・アメリカンだった。また、現在51.1%の学生が女性である。
留学生も多く、11%以上の1年生が他国からの学生である。その内訳は、2014年度卒業生ではアジア50.2%、アフリカ及び中東9.2%、ヨーヨッパ17.7%、カナダ及びメキシコ15.5%、カリブ海・中央アメリカ・南アメリカ4.8%、オーストラリア及び太平洋諸島1.1%である。留学生の合格率は、4390人中411人合格で9.4%であった。大学全体で多様性に重点を置いており、非常に多文化・多国籍なのが特色である[11]。
The Daily Pennsylvanian
The Daily Pennsylvanianとは、学生が独立して発行する学内新聞であり、その歴史は1885年に遡る。250人以上の学生からなり、毎週発行されている。2015年3月には、女優でブラウン大学卒のエマ・ワトソンがペンシルベニア大学大学院に入学するとの"Joke Issue"により、ネット上を騒がせた[12]。
ランキング
主要世界大学ランキング
US NEWS 学部課程ランキング
US NEWS 大学院ランキング
MBAは常に第1位、医学/医療系大学院は常に全米トップ5にランキングされている。
- 医科大学院: 第2位(研究部門)/ 第9位(一次医療部門)[3]
研究部門、一時医療部門両方でトップ10入りしているのは、同大学の他にワシントン大学(研究9位一次医療1位)とUCSF(研究5位一次医療4位)のみ。
- 看護大学院: 第1位 [4]
- 獣医学大学院: 第5位 [5]
- 経営学大学院: 第1位 [6]
- 法科大学院(J.D.): 第7位 [7]
- 法科大学院(LL.M.):第2位[8]
- 教育学大学院: 第12位[9]
THE世界大学ランキング[13]
- 総合:第15位 [14]
- 社会科学分野:第8位 [15]
- 人文科学分野:第5位 [16]
- 生物科学分野:第21位 [17]
- 医学分野:第16位 [18]
- 自然科学分野:第32位 [19]
- 情報科学/工学分野:第26位 [20]
その他世界大学ランキング
- Center for Measuring University Performance: 第4位 (2010年)[10]
- QS世界大学ランキング:第12位(2012年)[21]
- 上海交通大学世界大学ランキング: 第14位 (2011年)[11]
- NEWSWEEK世界大学ランキング: 第13位 (2010年)[12]
- US NEWS世界大学ランキング: 第9位 (2011年)[13]
その他ランキング
- 世界億万長者出身校ランキング: 第1位 [22]
著名人
2011年までに、28人のペンシルベニア大学関係者がノーベル賞を受賞している(過去10年間で11人)。また、ウォートン・スクールは多くの著名な経営者を輩出しており、経済界で強固な存在感を示している。 ペンシルベニア大学の人物一覧参照。
ギャラリー
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ウィスター研究所
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フランクリンフィールド
関連項目
- 植民地時代に創立したアメリカ合衆国の大学の一覧
- エディンバラ大学 - エディンバラ大学と歴史的に強い関係を保っており、医学部はエディンバラ大学の医学部をモデルにしたといわれている。
- ウィスター研究所 - キャンパス内にある独立生物医学研究所。
- ENIAC -世界最初のコンピューター、同大学で開発された。
参照
- ^ http://colleges.usnews.rankingsandreviews.com/best-colleges/rankings/national-universities/data
- ^ http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2014#sorting=rank+region=+country=+faculty=+stars=false+search=
- ^ http://www.businessinsider.com/ivy-league-acceptance-class-of-2019-2015-3
- ^ http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/best-graduate-schools/top-business-schools/mba-rankings
- ^ http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/best-graduate-schools/top-law-schools/law-rankings
- ^ http://www.wealthx.com/articles/2014/which-universities-produce-the-most-billionaires/
- ^ http://www.bestmastersprograms.org/50-universities-with-the-most-nobel-prize-winners/
- ^ The University of Pennsylvania: America's First University
- ^ ペンシルベニア大学考古学・人類学美術館
- ^ “Penn: Facts and Figures”. Upenn.edu (2009年11月24日). 2010年5月6日閲覧。
- ^ https://en.wikipedia.org/wiki/University_of_Pennsylvania#Student_life
- ^ http://www.philly.com/philly/blogs/trending/The-Daily-Pennsylvanian-fools-the-Internet-with-Emma-Watson-Penn-rumor-in-annual-joke-issue.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/reputation-rankings.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/top-400.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/social-sciences.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/arts-and-humanities.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/life-sciences.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/clinical-pre-clinical-health.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/physical-sciences.html
- ^ http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/2012-2013/engineering-and-IT.html
- ^ http://www.topuniversities.com/university-rankings/world-university-rankings/2011
- ^ http://www.wealthx.com/articles/2014/which-universities-produce-the-most-billionaires/