ハリー・ニルソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。K-iczn (会話 | 投稿記録) による 2016年1月6日 (水) 14:19個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎外部リンク: {{Normdaten}})であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ハリー・ニルソン
基本情報
出生名 ハリー・エドワード・ニルソンIII世
別名 ニルソン
生誕 1941年6月15日
出身地 アメリカ合衆国の旗ニューヨーク
ブルックリン
死没 (1994-01-15) 1994年1月15日(52歳没)
ジャンル ロック
ポップ
ロックンロール
職業 シンガーソングライター
担当楽器 ピアノギター
活動期間 1958年 - 1994年
ビートルズ

ハリー・エドワード・ニルソンHarry Edward Nilsson III1941年6月15日 - 1994年1月15日)は、アメリカ合衆国ソングライター歌手

1960年代後半から1970年代にかけて、「ニルソン」名義で数多くのヒット曲を残した。代表曲に「ウィザウト・ユー」(1972年全米No.1)、「うわさの男」、「ワン」、「ミスター・ボージャングル」、「孤独のニューヨーク」(アルバム『ハリー・ニルソンの肖像』に収録。1969年発表)などがある。

Q誌の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第91位[1]

生涯

ニューヨークブルックリンスウェーデン系の両親の間に生まれる。音楽好きな母親と叔父の影響を受けるが、最初から音楽活動に入らず、銀行員となる。学歴を詐称して解雇されかけたが、禊として必死に働き、コンピューター部門の主任にまでなったという。1960年代初めから、勤務の間を縫って音楽活動を始め、リトル・リチャードフィル・スペクターモンキーズなどのミュージシャンやプロデューサーに次第に認められる。

甘く哀愁のこもった歌声で、「七色の声を持つヴォーカリスト」と評された。ジョン・レノンに高く評価され、一時はポール・マッカートニーの代わりにビートルズに加入するなどの噂が流れたりした。映画「真夜中のカーボーイ」から「うわさの男」がヒット。さらに、1971年のアルバム『ニルソン・シュミルソン』に収録されたバッドフィンガーのカヴァー「ウィザウト・ユー」が、翌1972年にシングル・カットされると全米・全英1位の大ヒットを記録した。しかし、後にアルコールと薬に溺れ喉を痛めてからは、往年の勢いは無かった。

ソングライターとしての評価も高く、スリー・ドッグ・ナイトの「One」などの作曲を手がけた。

これまで、2回グラミー賞を受賞している。

1990年代にカムバックを目指すが、すでに糖尿病に侵されていて、果たすことなく1994年1月15日、自宅で就寝中に心不全のため死去。

没後1年の1995年、生前彼と親交のあったランディ・ニューマンリンゴ・スターブライアン・ウィルソンアル・クーパーなど錚々たるメンバーが参加したトリビュート・アルバム「For The Love of Harry:Everybody Sings Nilsson」が発売された。

アルバム・ディスコグラフィ

  • Spotlight on Nilsson (1966)
  • Pandemonium Shadow Show (パンディモニアム・シャドウ・ショウ) (1967)
実質のデビュー作。このアルバムを聴いたジョン・レノンがニルソンの元に国際電話をかけ、「You are great!」と、賞賛したというエピソードは有名。
  • Aerial Ballet (空中バレー) (1968)
1969年の映画『真夜中のカーボーイ』の主題歌として大ヒットした「うわさの男」(フレッド・ニールのカヴァー)収録。この映画の主題歌はボブ・ディランを含む数人のミュージシャンに依頼されており、ニルソンは「孤独のニューヨーク」を提出したが、映画の編集の際に仮歌として使用されていた「うわさの男」を気に入った監督の意向により、そのままこの曲が(再録音されて)使用されることになった。
  • Skidoo (soundtrack) (1968)
ジャッキー・グリーンミッキー・ルーニーグルーチョ・マルクスらが出演したコメディ映画のサントラ。
  • Harry (ハリー・ニルソンの肖像) (1969)
ヒット曲「孤独のニューヨーク」を収録。
  • Nilsson Sings Newman (ランディ・ニューマンを歌う) (1970)
シンガー・ソングライター、ランディ・ニューマンの作品を取上げ、歌った異色のカヴァー集。
  • The Point! (オブリオの不思議な旅) (1971)
ニルソン自身の原作によるTVアニメのサウンドトラック・アルバム
  • Aerial Pandemonium Ballet (ニルソンの詩と青春) (1971)
『パンディモニアム・シャドウ・ショウ』と『空中バレー』をもとにしたコンピレーション・アルバム。
リチャード・ペリープロデュース。「ウィザウト・ユー」はこのアルバムに収録。バッドフィンガーのカヴァー曲で、ニルソンが亡くなってから1ヵ月後、マライア・キャリーのヴァージョンが全英シングルチャート1位になった(米国では3位止まり)。
  • Son of Schmilsson (シュミルソン二世) (1972)
リチャード・ペリープロデュースのロンドンレコーディング作品。リンゴ・スターピーター・フランプトンクリス・スペディングジョージ・ハリスンニッキー・ホプキンスなどの豪華なゲスト陣も話題に。
  • A Little Touch of Schmilsson in the Night (夜のシュミルソン) (1973)
ゴードン・ジェンキンズを起用して、全編ストリングスを配してスタンダードナンバーをカバーしている。
  • Son of Dracula (吸血鬼ドラキュラ二世) (1974)
リンゴ・スター製作による映画『吸血鬼ドラキュラ二世』のサントラ。ニルソンは主演を務めた。『ニルソン・シュミルソン』から4曲、『シュミルソン二世』から2曲ピックアップしたもの、そして新曲「DAYBREAK」の間に、ニルソンやリンゴ・スターのセリフ、そしてポール・バックマスターによるインストでつないだもの。
  • Pussy Cats (プシー・キャッツ) (1974)
ジョン・レノンとの共演作。ジョンは「失われた週末」期で、ヨーコと別居中。ふたりで夜な夜なつるんでアルコールに溺れていた時期に作られ、しゃがれた歌声で歌われていた。リンゴ・スター、キース・ムーンダニー・クーチも参加。
  • Duit on Mon Dei (俺たちは天使じゃない) (1975)
ヴァン・ダイク・パークスプロデュース作品。
  • Sandman (眠りの精) (1976)
前作に続きヴァン・ダイク・パークスを迎えた作品。
  • ...That's the Way It Is (ハリーの真相) (1976)
10曲中8曲が、ジョージ・ハリスンやアメリカ、ランディ・ニューマン、ハリー・ベラフォンテなどのカバー曲で構成されたアルバム。
  • Knnillssonn (クニルソン) (1977)
力作アルバムだったが、発売直後にレコード会社の最大のスター、エルヴィス・プレスリーが死去し、プロモーションされなかった。
  • FLASH HARRY (フラッシュ・ハリー) (1980)
マーキュリーに移籍して、生涯最後のソロ・アルバム。スティーヴ・クロッパープロデュース。2013年にCD化。
  • POPEYE (ポパイ) (1980)
ロビン・ウィリアムズ主演、ロバート・アルトマン監督による映画作品のサントラ。

脚注

  1. ^ Rocklist.net...Q Magazine Lists..”. Q - 100 Greatest Singers (2007年4月). 2013年5月21日閲覧。

関連項目

外部リンク