ニルソン・シュミルソン

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ニルソン・シュミルソン
ニルソンスタジオ・アルバム
リリース
録音 ロンドン、トライデント・スタジオ、アイランド・スタジオ
ハリウッド、RCAスタジオ
(1971年1月 - 6月)
ジャンル ポップ、ロック
時間
レーベル RCAビクター
プロデュース リチャード・ペリー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 3位(アメリカ[1]
  • 4位(イギリス[2]
  • 22位(ノルウェー[3]
  • ニルソン アルバム 年表
    ニルソンの詩と青春
    (1971年)
    ニルソン・シュミルソン
    (1971年)
    シュミルソン二世
    (1972年)
    テンプレートを表示

    ニルソン・シュミルソン』(Nilsson Schmilsson )は、アメリカ合衆国の歌手ハリー・ニルソンニルソン[4]名義で1971年に発表したスタジオ・アルバム。ニルソンのアルバムとしては特に成功を収めた作品で、アメリカとイギリスの両国のアルバム・チャートでトップ5入りしており、1972年3月にはRIAAによってゴールドディスクに認定された[5]

    解説[編集]

    本作のレコーディングは主にロンドンのトライデント・スタジオで行われたが、「アーリー・イン・ザ・モーニング」と「アイル・ネヴァー・リーヴ・ユー」の2曲はハリウッドのRCAスタジオでレコーディングされた[6]

    バッドフィンガーのカヴァー「ウィザウト・ユー」は、シングルとして母国アメリカのBillboard Hot 100と『ビルボード』のアダルト・コンテンポラリー・チャートの両方で1位を獲得し[1]全英シングルチャートでも1位を獲得した[2]。また、「ココナッツ」は全米8位[1]・全英42位[2]、「ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイアー」は全米27位に達した[1]

    本作は、ピッチフォーク・メディアのスタッフが2004年に選出した「1970年代のトップ100アルバム」で84位にランク・インした[7]。また、2020年に米誌『ローリング・ストーン』が発表した「ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選 | 2020年改訂版」においては本作は281位に選出された[8]

    2002年に発売された日本盤CD(BVCM-37247)には、「ウィザウト・ユー」のイタリア語ヴァージョンとスペイン語ヴァージョンを含むボーナス・トラック9曲が追加収録された。また、2007年に発売された紙ジャケットCD(BVCM-35120)は、2002年盤のボーナス・トラック全曲に加えて新たに4曲のボーナス・トラックが追加され、23曲入りとなった。

    収録曲[編集]

    特記なき楽曲はハリー・ニルソン作。

    Side 1
    1. ガッタ・ゲット・アップ "Gotta Get Up" – 2:24
    2. ドライヴィング・アロング "Driving Along" – 2:03
    3. アーリー・イン・ザ・モーニング "Early in the Morning" (Leo Hickman, Louis Jordan, Dallas Bartley) – 2:50
    4. ムーンビーム・ソング "The Moonbeam Song" – 3:22
    5. ダウン "Down" – 3:25
    Side 2
    1. ウィザウト・ユー "Without You" (Pete Ham, Tom Evans) – 3:22
    2. ココナッツ "Coconut" – 3:51
    3. レット・ザ・グッド・タイムズ・ロール "Let the Good Times Roll" (Leonard Lee) – 2:42
    4. ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイアー "Jump into the Fire" – 6:53
    5. アイル・ネヴァー・リーヴ・ユー "I'll Never Leave You" – 4:16

    日本盤CDボーナス・トラック[編集]

    11 - 13は2007年発売の再発CDで初めて収録された。

    1. ウィザウト・ユー(DEMO) "Without You (demo)" (P. Ham, T. Evans) – 3:52
    2. ドライヴィング・アロング(DEMO) "Driving Along (demo)" – 0:54
    3. ガッタ・ゲット・アップ(DEMO) "Gotta Get Up (demo)" – 1:51
    4. ココナッツ(DEMO) "Coconut (demo)" – 4:01
    5. ダウン(DEMO) "Down (demo)" – 3:59
    6. ムーンビーム・ソング(DEMO) "Moonbeam Song (demo)" – 1:48
    7. ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイアー(Short Version) "Jump into the Fire (Short Version)" – 3:32
    8. ウィザウト・ユー(イタリア語ヴァージョン) "Per Chi" (P. Ham, T. Evans) – 3:15
    9. ウィザウト・ユー(スペイン語ヴァージョン) "Si No Estas Tu" (P. Ham, T. Evans) – 3:17
    10. ハウ・キャン・アイ・ビー・シュア・オブ・ユー "How Can I Be Sure of You" – 3:05
    11. ムーンビーム・ソング "The Moonbeam Song (Previously Unreleased Version)" – 3:30
    12. ラマーズ "Lamaze" – 1:42
    13. ガッタ・ゲット・アップ "Gotta Get Up (Previously Unreleased Version)" – 5:07

    他メディアでの使用例[編集]

    本作収録曲のうち「ムーンビーム・ソング」「ダウン」「ウィザウト・ユー」「ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイアー」は、ニルソンが主演した映画『Son of Dracula』(1974年公開)のサウンドトラックで使用され[9]、ニルソン名義で発表されたサウンドトラック・アルバム『吸血鬼ドラキュラ二世』にも収録された。

    本作収録曲は、その後も多くの映画で使用された。「ココナッツ」は『レザボア・ドッグス』(1992年公開)[10]、『アイス・ストーム』(1997年公開)[11]、『プラクティカル・マジック』(1998年公開)[12]、『キルスティン・ダンストの大統領に気をつけろ!』(1999年公開)[13]等で使用され、「ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイアー」は『グッドフェローズ』(1990年公開)[14]、『ガール・ネクスト・ドア』(2004年公開)[15]、『ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡』(2008年公開)[16]等で使用された。

    参加ミュージシャン[編集]

    脚注・出典[編集]

    1. ^ a b c d Harry Nilson : Awards : AllMusic
    2. ^ a b c ChartArchive - Nilsson
    3. ^ norwegiancharts.com - Nilsson - Nilsson Schmilsson
    4. ^ アメリカ盤オリジナルLP (LSP-4515) のレーベルではファミリー・ネームのNilssonのみ記載され、日本盤CDのアーティスト表記も「ニルソン」となっている
    5. ^ RIAA公式サイト内SEARCHABLE DATABASE - 引用符付きの"NILSSON SCHMILSSON"と入力して検索すれば表示される
    6. ^ CD英文ブックレット内クレジット
    7. ^ Staff Lists : Top 100 Albums of the 1970s | Features | Pitchfork
    8. ^ ローリングストーン誌が選ぶ「歴代最高のアルバム」500選” (2020年9月23日). 2021年2月8日閲覧。
    9. ^ Son of Dracula (1974) - Soundtracks - IMDb.com
    10. ^ Reservoir Dogs (1992) - Soundtracks - IMDb.com
    11. ^ The Ice Storm (1997) - Soundtracks - IMDb.com
    12. ^ Practical Magic (1998) - Soundtracks - IMDb.com
    13. ^ Dick (1999) - Soundtracks - IMDb.com
    14. ^ Goodfellas (1990) - Soundtracks - IMDb.com
    15. ^ The Girl Next Door (2004) - Soundtracks - IMDb.com
    16. ^ Bottle Shock (2008) - Soundtrack - IMDb.com