ナイロビ
ナイロビ Nairobi | |||
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ファイル:Modern Nairobi.jpg | |||
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位置 | |||
座標 : 南緯1度17分 東経36度49分 / 南緯1.283度 東経36.817度 | |||
歴史 | |||
建設 | 1899年 | ||
行政 | |||
国 | ケニア | ||
州 | ナイロビ州 | ||
市 | ナイロビ | ||
市長 | Geoffrey Majiwa | ||
地理 | |||
面積 | |||
市域 | 684 km2 (264.1 mi2) | ||
標高 | 1,661 m (5,450 ft) | ||
人口 | |||
人口 | (2007年現在) | ||
市域 | 2,940,911人 | ||
人口密度 | 4,230人/km2(10,955.6人/mi2) | ||
市街地 | 約300万人 | ||
都市圏 | 約400万人 | ||
その他 | |||
等時帯 | 東アフリカ時間 (UTC+3) | ||
公式ウェブサイト : http://www.nairobicity.org/ |
ナイロビ(英語:Nairobi)は、ケニア共和国の首都で最大の都市。アフリカ有数の世界都市であり、2010年の都市的地域の人口は336万人であり、世界第99位[1]。赤道に近いが標高約1600mに位置し気候は比較的冷涼である。主要な言語は、スワヒリ語と英語。ナイロビ(Nairobi)という名前は、マサイ語で「冷たい水」を意味する Ewaso Nyirobi に由来する。
東アフリカの中心的都市として、国連環境計画(UNEP)はじめ多くの国際機関が本部あるいはアフリカの代表部などを置く。日本の諸組織も、ナイロビか南アフリカのヨハネスブルグにその機能をおくことが多い。
2012年、アメリカのシンクタンクが公表したビジネス・人材・文化・政治などを対象とした総合的な世界都市ランキングにおいて、世界第56位の都市と評価されており[2]、アフリカの都市ではカイロ、ヨハネスブルグに次ぐ第3位であった。
歴史
ナイロビは1899年にモンバサとウガンダの間に建設されていたウガンダ鉄道の給水および補修の拠点として建設された。ここに拠点が置かれたのは、モンバサとヴィクトリア湖畔の町キスムの二つの重要な港町の中間地点にあること、高原にあり冷涼でさわやかな気候を持つこと、マサイ語の「冷たい水」の名の通りに清潔で豊富な水が得られること、街の西にある山地を越えるための機関車の連結地点として適していたこと、などが挙げられる。疫病の大流行と町の大火事の後、20世紀初頭に再建された。その後、交通の要衝にあり、良い気候と水に恵まれ、さらに肥沃な農業地帯の中心に位置することから移住者が増え、1907年にイギリスの保護領であった東アフリカの首都となった。この頃にはイギリス本国からケニアへの移住者が増加していたが、彼らは気候のいい高原部に集中して入植し、「ホワイト・ハイランド」を形成していったため、高原地帯の中心に当たるナイロビには多数の白人が居住するようになった。また、インド人と黒人の居住区も同時に形成されていった。この都市はアフリカ人による歴史を持たず、最初から白人によって建設された都市であったため、特に白人が快適なように作られており、この三民族の居住区も明確に分けられ、市の西部に広々とした区画で作られた白人居住区に対し、市の東部に広がる黒人居住区は劣悪な環境の下に置かれた[3]。1920年代には農産物加工やビール製造などの工業が発達を始め、これにより出現した工場労働者たちが都市に流入し、ナイロビはより発展のスピードを増していった。1963年には独立したケニア共和国の首都となった。独立後、富の集積するナイロビを目指して農村部から人口流入が起き、人口が爆発的に増加した。1960年代から1970年代にかけては年率7%もの人口増加を記録し、その後も高い人口成長率は続いた。これにより街の規模は拡大したものの、雇用の拡大が追いつかず、深刻な失業問題が起き、流入人口のかなりがスラムへと流れていった。これにより特に街の東部を中心に広大なスラム街が生まれ、また1980年代より治安の悪化を招いた。
1998年8月、ナイロビにあるアメリカ大使館がウサーマ・ビン=ラーディンの国際反米テロ組織アルカーイダにより爆破された。
地理
アフリカ大陸の東、南緯1度16分、東経30度53分に位置し、面積はおよそ150km²。高地に位置しているため、ほぼ赤道直下にありながら快適に過ごすことができる。最高気温は2月と3月が平均26℃と高く、7月と8月が21℃と低くなる。雨は11月と4月・5月に多く、6月から9月は少ない。
ナイロビの気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
平均最高気温 °C (°F) | 24.5 (76.1) |
25.6 (78.1) |
25.6 (78.1) |
24.1 (75.4) |
22.6 (72.7) |
21.5 (70.7) |
20.6 (69.1) |
21.4 (70.5) |
23.7 (74.7) |
24.7 (76.5) |
23.1 (73.6) |
23.4 (74.1) |
23.4 (74.1) |
平均最低気温 °C (°F) | 11.5 (52.7) |
11.6 (52.9) |
13.1 (55.6) |
14.0 (57.2) |
13.2 (55.8) |
11.0 (51.8) |
10.1 (50.2) |
10.2 (50.4) |
10.5 (50.9) |
12.5 (54.5) |
13.1 (55.6) |
12.6 (54.7) |
12.0 (53.6) |
降水量 mm (inch) | 64.1 (2.524) |
56.5 (2.224) |
92.8 (3.654) |
219.4 (8.638) |
176.6 (6.953) |
35 (1.38) |
17.5 (0.689) |
23.5 (0.925) |
28.3 (1.114) |
55.3 (2.177) |
154.2 (6.071) |
101 (3.98) |
1,024.2 (40.323) |
平均降雨日数 | 4 | 5 | 9 | 16 | 13 | 5 | 3 | 4 | 4 | 7 | 15 | 8 | 93 |
平均月間日照時間 | 288.3 | 268.4 | 266.6 | 204 | 189.1 | 159 | 130.2 | 127.1 | 180 | 226.3 | 198 | 257.3 | 2,494.3 |
出典1:World Meteorological Organisation[4] and Hong Kong Observatory[5] | |||||||||||||
出典2:BBC Weather[6] |
地域区分
ナイロビ単独でナイロビ州及びナイロビ県が置かれていた。2007年に3県が設置された。8地区と約50の居住区が置かれている。
市内の中心はタウンと呼ばれ、ナイロビのシンボルであるケニヤッタ国際会議場やニュー・セントラル・バンク・タワー、その他市役所や国会議事堂などの政府機関、大企業のオフィスやショッピング街が広がっている。西部の丘陵はウエストランドと呼ばれ、植民地時代から続く高級住宅街である。タウンの北西から南東に向かって伸びるモイ・アベニュー以東はダウンタウンと呼ばれる下町であり、ナイロビ川方面へと広がっている。
教育
- ナイロビ大学
- ケニヤッタ大学(言語学科に日本語クラスがある。)
- ストラスモア大学(日本語選択科目のクラスがある。)
- アライアント国際大学(ナイロビキャンパス,本校は、アメリカカリフォルニア州のサンディエゴにある。)
- デイスター大学
- アフリカナザレネ大学
交通
空路
外国からの窓口としてジョモ・ケニヤッタ国際空港があるが、ジェット機の時代になる前はウィルソン空港(en:Wilson Airport (Kenya))(現在は国内線用空港)が使用されていた。1930年代から1940年代にかけて、イギリス南岸のサウザンプトンから南アフリカのケープタウンに向かうイギリスの旅客機や郵便機の中継地であった。このルートでは、イギリスからケニア西部のビクトリア湖に面する港湾都市キスムまでは飛行艇が使用され、そこから南では飛行場の航空機が使用された。ジョモ・ケニヤッタ国際空港は、現在東アフリカ最大の拠点的空港として各地に路線が開かれている。
鉄道・バス
市内の公共交通は会社組織のバス、個人経営が多い『マタトゥ』と呼ばれる小型バスが担っている。タウン南部にはウガンダ鉄道のナイロビ駅があるが、ナイロビ発展の原動力となったこの鉄道も現在では重要性が低くなっている。現在ではモンバサ駅行きの列車が週に数便出ている。この鉄道は近郊路線としての機能はない。長距離輸送は長距離バスが担っている。
道路
日本と同じく、自動車は左側通行。 モンバサからウガンダ国境へ抜ける国道が幹線で、市内を貫いている。中心部では片側2車線である。
市内中心部の道路はほぼ舗装されているが、舗装の傷みの激しい場所もある。 信号機は数が少なく、交差点の交通の整理はイギリス式にラウンドアバウト(ロータリー)でなされている。
観光名所
市内
周辺部
姉妹都市
ナイロビの登場する作品
文学
音楽
脚注
- ^ Demographia: World Urban Areas & Population Projections
- ^ 2012 Global Cities Index and Emerging Cities Outlook (2012年4月公表)
- ^ 吉田昌夫『世界現代史14 アフリカ現代II』山川出版社、1990年2月第2版。p.122-123
- ^ “World Weather Information Service - Nairobi”. World Meteorological Organisation (UN) (2011年6月). 2010年5月9日閲覧。
- ^ “Climatological Normals of Nairobi”. Hong Kong Observatory. 2010年5月9日閲覧。
- ^ “Average Conditions Nairobi, Kenya”. BBC Weather. 2009年8月18日閲覧。