N-1

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N-1
2機のN1ロケット
バイコヌール宇宙基地1969年7月)
基本データ
運用国 ソビエト連邦
開発者 OKB-1
使用期間 1969年 - 1972年
打ち上げ数 4回(成功なし)
物理的特徴
段数 5段
ブースター なし
総質量 2735 トン
全長 105 m
直径 17.0 m(コア部分)
軌道投入能力
低軌道 70,000 kg
225km / 51.6度
  

N-1ロシア語:Н1エーヌ・アヂーン)は、にソ連人の宇宙飛行士を送るように造られたソビエト連邦ロケットである。全長、約100メートル。アメリカのサターンVロケットに匹敵する大きなロケットで、低軌道に95トンものペイロードを投入できるよう設計された。しかしながら、4回の試験打ち上げ全てに失敗し、実用化の目処が立たないまま1974年に計画は放棄された。

目次

[編集] 概要

N-1の開発は火星への有人宇宙飛行宇宙ステーション、大型軍事衛星の打上げのために1956年から始まった。米国1961年に有人月面着陸の目的を発表したときに、N-1はこの目的に転換した。しかし、予算が十分に供給されなかったため、計画は成功に至らなかった。

他のソ連製宇宙ロケット同様、小型のロケットエンジンを多数束ねる事で大きな推力を得るクラスターロケット方式を採っているが、N-1の第一段ではその数は30基にも及び、それらを同期制御する事が技術上の最大の課題であった。現在の技術をもってしても、それだけの数のロケットエンジンの同期制御は極めて困難である。

N-1では多数のエンジンを制御するためにKORDシステムが開発された。ひとつのエンジンが停止すると自動的に中心軸を挟んで反対側のエンジンを停止してバランスをとると共に、他のエンジンの燃焼時間を延長して性能を確保する制御システムで、4つのエンジンが停止しても対応できるようになっていた。さらに外周の24基のエンジンの一部は地面に対して右や左に軸をずらし、角度をつけて装着された。これらのエンジンの出力を調整することでロール回転のコントロールも可能であった。ただし3号機(N1/6L)ではこのシステムでも制御しきれないロール回転が発生したため、後にステアリングエンジンを追加した。

テストのための資金不足と技術的困難のため、四回行われたテスト飛行のうち、N-1が成功したことは一度もなかった。テスト飛行は全て第一段の分離の前で失敗した。最も長い飛行は107秒で、第一段の分離直前で爆発した。2回目のテスト飛行は1962年、3回目は1971年で、最後の飛行は1972年に行われた。

1974年5月にソ連の有人月着陸計画(L3計画)は中止され、これに続いてN-1の開発も同年8月に放棄された。更なるテスト飛行準備に備えて用意していた2機のN-1Fは廃棄され、残骸は避難所及び貯蔵小屋として使用された。N-1F用のエンジンであるNK-33は破棄されるはずであったが、放射性廃棄物のカバーをかけて破棄されずに残っていたものが発見され、試運転の結果、まだ動くのみならず、良好な性能を示したため、2005年民間のロケット開発で使用されることになった。しかし2006年現在、その民間プロジェクトも資金不足のため凍結されている。

[編集] 実績

1969/2/21 1号機(N1/3L)
68秒後第一段全エンジンの停止
原因 KORDシステムのエラー(出力調整タイミングのエラーから振動が生じ、液体酸素パイプを破壊、火災)
1969/7/3 2号機(N1/5L)
発射十数秒後第一段全エンジン停止
原因 ターボポンプに入り込んだ金属片のためエンジン停止(点火の0.25秒後エンジンNo.8のターボポンプに入り込んだ金属片で液体酸素ポンプが破裂、停止、その後KORDシステムによる29基のエンジン停止。発射台に激突して爆発)
1971/6/26 3機目(N1/6L)
主な改良点 燃料ラインにはフィルター設置、エンジンルームの換気装置と冷却装置追加、発射直後のKORDシステムによるエンジン停止の禁止
発射50秒後分解
原因 エンジン後方でのスリップストリームにより回転が発生、ロール回転が生じ分解。エンジンには問題なし。
1972/11/23 4機目(N1/7L)
主な改良点 回転を止めるためのステアリングエンジンが追加
発射107秒後第一段爆発
原因 振動により燃料ラインへ加わる過負荷を避けるためのプログラムが作動しエンジンが停止、一部エンジン爆発
1974年8月 N1計画打ち切り
5号機、6号機(N1F)
主な改良点 エンジンをNK-15からNK-33へ変更
ほぼ完成していたものの、N1計画打ち切りのため廃棄。

[編集] 関連項目

[編集] 参考文献

  • "N1" (英語). Encyclopedia Astronautica. 2008-06-23 閲覧。