プロトン (ロケット)

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プロトンロケット (UR-500)
Proton-K-Zarya.jpg
プロトンKによる国際宇宙ステーションザーリャモジュールの打ち上げ。バイコヌール宇宙基地1998年11月20日。
基本データ
運用国 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦
ロシアの旗 ロシア
開発者 OKB-52(クルニチェフ
使用期間 1965年 - 現役
打ち上げ数 371回(2011年11月26日までの全種累計)(成功327回)
物理的特徴
構成 3段
総質量 707 トン
全長 50 m
直径 4.2 m(コア部分)
軌道投入能力
低軌道 約20,000 kg
200km / 51.6度
静止移行軌道 約5,000 kg
脚注
物理的特徴はプロトンK (SL-13) 型のデータ。プロトンK・ブロックD (SL-12)およびプロトンM・ブリーズMは4段式の構成
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プロトンロシア語:Протонプラトーン、ラテン文字表記の例:Proton、「陽子」の意味)は旧ソ連で開発された打ち上げ用ロケットである。別名としてUR-500D-1SL-12SL-13などが存在する。

目次

[編集] 概要

OKB-52(第52設計局、チェロメイ設計局)が重ICBMとして設計、N2O4UDMHを用いた液体ロケットエンジンを使用する。ソユーズL1計画(有人月接近飛行計画)では無人のテスト機であるゾンドの打ち上げに使われた。計画の中止後はその大推力を生かし、惑星探査機サリュートミール国際宇宙ステーション等を打ち上げ、現在も静止衛星の商業打上げなどに使用されている。

[編集] 特徴

プロトンロケットには、3段式または4段式のタイプがある。1段目は一見するとコアステージの周りを補助ロケットが囲んでいるようだが、中心部は底にエンジンを持たない単なる酸化剤タンクで、その周囲をRD-253(現在は、推力増強型のRD-275へ移行)エンジンを装備した6本の燃料タンクが囲んだ特有の構造を持つ。

1965年7月16日に打ち上げられた初期モデルはRD-253エンジン6基の1段目とRD-0210エンジン4基の2段目を持つ2段式であったが、プロトンK (SL-13) からはRD-0212エンジン1基の3段目を持つ構成になっている。3段式のプロトンKは主に低軌道人工衛星打ち上げ用として使われる。

ルナ計画やゾンド計画、その他の静止軌道またはそれを超える軌道への投入計画には、N1ロケット5段目として開発されたブロックDを加えた4段式のプロトンK・ブロックD (SL-12) が使われる(プロトンKの4段目はブロックDまたはブロックDM(RD-58エンジン1基)を使用)。4段式のプロトンKは静止トランスファ軌道に約4.8トンの打ち上げ能力をもつ。

プロトンM・ブリーズM (Proton M / Briz M) はプロトンKの改良型で、2001年4月にデビューした。フェアリングを5mに大型化し、1段エンジンの推力を増強するとともに飛行制御システムをデジタル化した、また4段目もブリーズM(S5.98Mエンジン1基)に変更、打ち上げ能力も静止トランスファ軌道に約5.5トンにまで向上した。なお、2007年7月には機体を軽量化するなどして打ち上げ能力を強化した増強型プロトンM(Proton-M Enhanced)がデビューした。

[編集] プロトン 8K82K

プロトン 8K82K (プロトンK)

8K82Kバージョンは通常 "プロトン K"と呼ばれる。燃料として 非対称ジメチルヒドラジンと酸化剤として四酸化二窒素を使用する。これらの接触するだけで燃焼するハイパーゴリック推進剤の使用により点火装置が不要で常温でも保管できる。これにより低温設備が不要で無期限に発射台に配備することが可能になる。(同様の能力はアメリカのタイタンロケットシリーズや中国の長征シリーズやソビエト/ウクライナのツィクロンやソビエト/ロシアのコスモス3コスモス3Mにもある。)蒸発によって推進剤が逃げていく低温燃料エンジンとは対照的である。ハイパーゴリック推進剤は腐食性があり毒性があるので取り扱いには細心の注意を払う必要があり高度に訓練された作業者によって扱われる必要がある。第一段と第二段が発射した方向に撒き散らした残留燃料の除去に費用を払わなければならない。

任務によっては多段式の派生型の4段目が追加される。最も単純なブロックDは惑星間の任務に使われる。飛行制御は探査機に依存するのでブロックDは誘導装置を持たない。3種類のブロックDM派生型(DM, DM2,とDM-2M)は高軌道に使用される。(低軌道には4段目は乗せず3段の自律航法による)ブロックD/DMは燃料は一般的ではないエンジンの周囲と酸化剤のタンクの間の螺旋形のタンクに貯蔵された。

[編集] プロトン-M

プロトン (ロケット)
機能 重量物打ち上げロケット
製造 クルニチェフ
開発国 ロシアの旗 ロシア
大きさ
全高 53メートル (174 ft)
直径 7.4メートル (24 ft)
重量 712,800キログラム (1,571,000 lb)
段数 3または4段
積載量
LEOへの
ペイロード
22,000キログラム (49,000 lb)
GTO (ブリーズ-M)への
ペイロード
6,000キログラム (13,000 lb)
GSO (ブリーズ-M)への
ペイロード
3,500キログラム (7,700 lb)
関連するロケット
シリーズ ユニバーサルロケット
打ち上げ実績
状態 運用中
射場 バイコヌール81と200
総打ち上げ回数 34回
成功 30回
失敗 3回
部分的成功 1回
初打ち上げ 2001年4月7日[1]
1 段
エンジン 6基のRD-253-14D14
推力 10,532 kN (2,368,000 lbf)
比推力 285秒
燃焼時間 108秒
燃料 N2O4/UDMH
2 段 - 8S811K
エンジン 4基のRD-0210
推力 2,399 kN (539,000 lbf)
比推力 327秒
燃焼時間 206秒
燃料 N2O4/UDMH
3 段
エンジン 1基のRD-0212
推力 613.8 kN (138,000 lbf)
比推力 325秒
燃焼時間 238秒
燃料 N2O4/UDMH
4 段 (オプション) - Briz-M
エンジン 1基のS5.98M
推力 19.6 kN (4,400 lbf)
比推力 326秒
燃焼時間 3000秒
燃料 N2O4/UDMH
4 段 (オプション) - ブロック DM-2
エンジン 1基のRD-58M
推力 85 kN (19,000 lbf)
比推力 352秒
燃料 RP-1/LOX

プロトン-Mは最新式のバージョンで3–3.2トン (6,600–7,100lb)の重量物を静止軌道へ投入若しくは5.5トン (12,000 lb)の重量物を静止トランスファー軌道へ投入する。低軌道には最大22トン (49,000 lb)まで国際宇宙ステーションの周回する51.6°の軌道傾斜角に投入できる。

プロトンの打ち上げ施設

プロトンMの改良点は1段目の構造重量を減らし、推力を増強して推進剤を完全に使うようにした事である。全体的にブロックDやブロックDMの代わりに貯蔵可能な推進剤を使用するブリーズ-Mを上段に使用する事によって複数の燃料の供給の必要性や液体酸素の蒸発の問題を解消したがプロトン-MもブロックDM上段に使用する。(主にウクライナからの)外国製の部材の使用の削減にも注力した。

2007年7月7日にILSはディレクTV-10衛星を載せた最初のプロトン Breeze M Enhancedを打ち上げ軌道に投入した。これは326番目のプロトンの打ち上げで16番目のプロトンM/ブリーズ-Mの打ち上げでもあり41回目のILSによるプロトン打ち上げでもある。[2]プロトン-M Enhancedの特徴は高効率のエンジンを1段目に搭載し航空電子機器を更新しタンクを増量してより強力なバーニアエンジンをブリーズ-M上段に備え重量を軽減した事である。

[編集] インターナショナル・ローンチ・サービシーズ

インターナショナル・ローンチ・サービシーズ (ILS)はアメリカとロシアの合弁事業でカザフスタンバイコヌール宇宙基地から世界中の商業衛星のプロトンロケットを使用した人工衛星の打ち上げに排他的な権利を有する。

[編集] 概要

ILSは1995年に民間の人工衛星打ち上げを目的としてロッキード・マーティン(LM)とクルニチェフとエネルギアの間で設立された。ILSは当初、アトラス Vとプロトンロケットを使用して非軍事衛星の打ち上げを行っていた。

2006年4月20日にSES アストラ1KRを軌道に投入することによりILSは100回の打ち上げを達成し、その内97回が成功した。[3]

2006年9月にロッキード・マーティンはロッキード・クルニチェフ・エネルギア・インターナショナル(LKEI)とILSインターナショナル・ローンチサービシーズ(ILS)の持ち株をスペース・トランスポート社へ売却すると発表した。[4]スペース・トランスポート社はILSの顧問で役員会のメンバーを3年以上務めたMario Lemmeがこの取引の為に設立した企業である。[5]

2006年10月にロッキードマーティンとスペース・トランスポート社の取引は完了した。ロッキード・マーティンは子会社のロッキード・マーティン・コマーシャル・ローンチ・サービシーズを通じて商業用のアトラスロケットによる世界市場での打ち上げの販売権を留保した。ILSはロッキード・マーティンとの提携は切れたがプロトンロケットの顧客向けの販売を継続した。取引条件は開示されなかった。[6] 全てのアトラスVの打ち上げは現在は2006年12月に設立されたロッキード・マーティンとボーイング(IDS/Defense, Space & Security/Launch Services)との合弁事業のユナイテッド・ローンチ・アライアンスが担当する。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ McDowell, Jonathan. “Proton”. Orbital and Suborbital Launch Database. Jonathan's Space Page. 2010年6月27日閲覧。
  2. ^ ILS (July 7, 2007), “ILS Proton Successfully Launches DIRECTV 10 on First Enhanced Proton”, プレスリリース, http://www.ilslaunch.com/news71 
  3. ^ Atlas 5 rocket launches TV broadcasting craft for Europe”. Spaceflight Now. 2010年...閲覧。
  4. ^ Lockheed Martin Announces Sale Of Its Interests In International Launch Services And LKEI”. Lockheed Martin. 2010年...閲覧。
  5. ^ ILS Ownership Changes; Frank McKenna Appointed President”. ILS. 2010年...閲覧。
  6. ^ Lockheed Martin Completes Sale Of International Launch Services”. Lockheed Martin. 2010年...閲覧。

[編集] 外部リンク

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