ボスホート (ロケット)

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ボスホート11A57
基本データ
運用国 ソビエト連邦
開発者 OKB-1
使用期間 1963年 - 1976年
射場 バイコヌール宇宙基地
プレセツク宇宙基地
打ち上げ数 299回(成功285回)
打ち上げ費用 1,800万ドル
(1994年)
原型 R-7ミサイル
モルニヤロケット
発展型 ソユーズロケット
物理的特徴
構成 3段
総質量 298.4 トン
全長 44.628 m
直径 2.99 m(コア部分)
軌道投入能力
低軌道 5,900 kg
200km / 65度
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ボスホート(ロシア語:Восход、ラテン文字表記の例:Voskhod)は、1960年代から1970年代にかけてソビエト連邦で使用されていた有人宇宙船人工衛星打ち上げ用のロケット。R-7大陸間弾道ミサイルから派生したロケットの1つで、ボストークロケットの後継・ソユーズロケットの前身にあたる。

概要[編集]

ボスホート(11A57)はボストークロケットの後継機として開発された3段式ロケットで、R-7ミサイルを元に開発された第1段・第2段と、惑星探査機の打ち上げのために設計されていたモルニヤロケットの第3段を組み合わせ、性能の向上を図ったものである。改良によって低軌道への打ち上げ能力は1トン程度増加した。前任のボストークロケットはゼニット2型偵察衛星ボストーク宇宙船の打ち上げに使われたが、ボスホートロケットの登場によって、より大重量のゼニット4型やボスホート宇宙船の打ち上げが可能になった。

最初の打ち上げは1963年11月16日に行われ、ゼニット4偵察衛星をコスモス22号の名前で軌道投入した。偵察衛星の打ち上げはその後も継続された。1964年10月6日にはボスホート宇宙船の無人試験機を打ち上げ、10月12日にはボスホート1号を、翌年3月18日にはボスホート2号をそれぞれ有人で打ち上げた。その後、有人飛行用ロケットの役割はソユーズロケットに引き継がれ、以降は専ら無人のゼニットの打ち上げに使用された。

1976年6月29日、最後のボスホートがゼニット4MK偵察衛星を打ち上げた。ロケットの打ち上げは合計299回行われ、うち285回の成功を収めている[1]

脚注[編集]

  1. ^ Samara Space Center のページより。

参考文献[編集]

  • РН "Восход"” (英語). Samara Space Center. 2008年5月25日閲覧。
  • Voskhod 11A57” (英語). Encyclopedia Astronautica. 2008年6月12日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]