馬刺し

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馬刺し - 中央左はコウネ(たてがみが生えている部分)、中央右はフタエゴ(バラ肉部分で、赤身を脂身が挟んでいる)
馬刺し

馬刺し(うまさし、ばさし)とは、を薄く切り分けてで食べる日本料理のことである。馬肉刺身

目次

[編集] 歴史

馬肉食の習慣のある地域は古来より馬の名産地であり、馬の生産と直結した文化が根付いていたと考えられる。文禄・慶長の役当時、補給線を断たれ食料が底をついた加藤清正軍がやむを得ず軍馬を食したのに始まり、帰国後、清正が領地である肥後国熊本県)に広めたという俗説がある。今日では、馬刺しは熊本県の郷土料理として広く認知されている(農山漁村の郷土料理百選より[1])。

[編集] 現状

馬肉を生で食べる習慣は熊本県の他、青森県山形県福島県会津地方)、長野県山梨県に存在する。現在、馬刺しの消費量は約2万3000トン[2]であるが、日本流通しているほとんどは、北米産、欧州産、あるいは生体を輸入しての国内肥育もので占められており、純国産はわずかである。

日本の馬肉輸入は、オーストラリアアルゼンチンブラジルカナダアメリカであり現在シェア60%の会社がオーストラリアから輸入している。世界では、およそ主要14カ国で毎年70万トンが生産されており、生産国は上位から中国メキシコカザフスタンイタリアアフガニスタンモンゴルとなっている。

[編集] 生食用加工施設

1998年9月11日に出された厚生省(当時)からの通知「生食用食肉等の安全性確保について[3]」により、その生食用食肉の衛生基準に適合していると畜場から生食が認められた馬刺しが出荷されている。2011年現在、生食用食肉の加工基準に適合し、生肉の出荷が認められたと畜場は全国で12ヶ所のみであり、全て生肉は馬肉のみを出荷している[4][5]。また、馬肉生産量が1位の熊本県では、県内に所在すると畜場で県及び市職員が大腸菌サルモネラ菌などの病原菌が無いかを確認した上で出荷している事を公表している[6]

[編集] 寄生虫による食中毒の可能性

かねてから、住肉胞子虫Sarcocystis fayeriに感染した馬の馬刺しによる食中毒の可能性が示唆されていた[7]。2011年4月25日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒・乳肉水産食品合同部会において、Sarcocystis fayeriが原因である可能性が高いと報告された。ただし、厚生労働省によるとマイナス20度で48時間以上冷凍すれば寄生虫は死滅するとしている[8][9][10]

[編集] 食べ方

馬刺しには、大別して「トロ」や「霜降り」、「赤身」があり、また一頭あたりから採れる量が少ないので珍重される「タテガミ刺し」や「こうね(タテガミの脂)」のほか、匂いがほとんどない「レバ刺し」や「タン刺し」などもある。「トロ」と呼ばれる部分は、バラ肉の極上部位であり、「霜降り」の場合は赤身にがふっている部分であったりする。また、馬のあばら部分の3層肉は「ふたえご」と呼ばれ、コリコリとした食感がある。

馬刺しは、おろしショウガやおろしニンニク、刻みネギなどを薬味醤油につけて食べるのが一般的である。また、馬刺しや炙った馬刺しをのせた寿司もおいしく、回転寿司などでも見かけるようになった。牛と異なり馬肉の油脂の融点は低く、口内の温度でも十分溶けるため、霜降り肉でも刺身で美味しく食べられる。他には小さく刻んだ馬肉を少しの醤油と納豆とあわせて食べる桜納豆がある。

流通は、冷凍と冷蔵の2種類で行われているが、冷凍で流通するものは風味、色合いが激しく落ちてしまう。また粗悪品として、人工で霜降りの「さし」を入れて高そうに見せているものがあり、これも冷凍で流通する。人工の「さし」の場合、室温で脂分だけが先に溶け出してくる。このような理由から、冷凍より冷蔵で流通している物のほうが、信頼できる品物である確率が高い。これには、量販店で陳列棚に置いてある、不自然なほどまっすぐに太くたくさん霜降りの入ったものや、ポーランドモンゴルなどの産地のものなどが多いと言われている。ただし、人工さしは天然に比べると油の融点が更に低いため、パック寿司等の温度が低い調理方法ではかえってこちらの方が風味が良いことがある。

[編集] 外部リンク

[編集] 脚注

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