臨場

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臨場
著者 横山秀夫
発行日 2004年4月13日
発行元 光文社
ジャンル 警察小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 329
コード ISBN 978-4-334-92429-4
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臨場』(りんじょう)は横山秀夫による日本警察小説と、それを原作とした日本のテレビドラマシリーズである。

概要[編集]

終身検視官」の異名を取る警察官が主人公の短編小説で、発表された8編すべてが『小説宝石』(光文社)に掲載された。タイトルの「臨場」とは、警察組織において事件現場に臨み、初動捜査に当たることを意味する。

また、上農ヒロ昭作画で漫画化され、『週刊漫画TIMES』(芳文社)に連載された。

内野聖陽主演によりテレビ朝日系列で連続テレビドラマ化され、2009年4月-6月に第1シリーズ、2010年4月-6月に第2シリーズがそれぞれ放送、2012年には映画化もされた。

書籍[編集]

ドラマ第1シリーズのグラビア・出演者インタビューをはじめ、上記の単行本・文庫本では未収録だった「罪つくり」「墓標」「未来の花」「カウント・ダウン」の原作を収録。

漫画[編集]

テレビドラマ化に合わせ、コンビニコミック日本文芸社Gコミックスより発売された。

登場人物[編集]

倉石 義男(くらいし よしお)〈52〉
L県警本部捜査一課検視官。階級は警視。「終身検視官」の異名を取る。鋭角なヤクザ顔で槍のように細い体躯が特徴的。
巡査を拝命して以来鑑識畑一筋。死体の目利きの鋭さは、歴代の検視官の中でも突出しており、僅かな痕跡や証拠の矛盾を指摘する。上の命令をも平気ではねのけ、組織に囚われない一匹狼で、上層部からは疎まれているが若い層からは慕われており、倉石を「先生」「校長」と呼ぶ署員も多数いる。3代前の刑事部長に「余人を以て代えがたし」と評される。L県警の内規では同じポストに5年以上いられないことになっているが、倉石に惚れ込んだL医大法医学教室の教授が検視職から異動させないように裏で手を回しているため、既に5年以上検視官として活躍している。大酒飲みで、毎晩のように飲み歩いている。若い頃に離婚して以来独身を通している。
一ノ瀬 和之(いちのせ かずゆき)〈41〉
「赤い名刺」「鉢植えの女」登場。
L県警本部捜査一課検視官心得(見習い)。階級は警部。既婚者。倉石からは“イチ”と呼ばれる。「鉢植えの女」の後、警察庁へ出向するが、「黒星」では、場末の飲み屋が懐かしいと遊びに戻ってきていた。
高嶋(たかしま)
「眼前の密室」「鉢植えの女」「餞」「十七年蝉」登場。
プライドの高い捜査一課長。組織の中枢を真っ直ぐ歩いてきた刑事部のサラブレッド。検視官の経験者でもあり、検視官時代はミスター・パーフェクトと呼ばれた。倉石を忌み嫌っていたが、「鉢植えの女」以後は倉石の実力を認める。
福園 盛人(ふくぞの もりと)
「赤い名刺」「十七年蝉」登場。
L県警剣崎中央署刑事課捜査係長。階級は警部補。刑事としての腕は良いと評判。倉石を校長と呼ぶ。丸々とした体格のため、倉石からは“フク”“福饅頭”と呼ばれる。

各話あらすじ[編集]

赤い名刺
初出 - 『小説宝石』2000年6月号
倉石の下で見習い中の調査官心得・一ノ瀬は愕然とする。おそらく自殺、と判断された遺体の身元がかつての不倫相手・ゆかりだったのだ。2人の関係は終わっていたものの、自分との過去がバレるのはマズいと考えた一ノ瀬は、倉石に同行し現場に臨場する。結婚すると赤いルビー指輪を見せびらかしていた生前の彼女の様子からは、自殺とは縁がないように思われた。その上、彼女の遺体からは指輪が消えていた。自殺ではない、と思う一ノ瀬だが、そんなことを言えるはずもなく、他殺の痕跡が一切見つからないため、縊死と判断を下さざるを得ない状況になってしまう。
相沢 ゆかり〈27〉
一ノ瀬が忘年会で知り合ったコンパニオン。肉体関係を持つが、彼女の存在を恐れ始めた一ノ瀬が別れを切り出した。首を吊った状態で発見される。
谷田部 克典
剣崎市内の開業医。年齢は30手前。父親・敦が古くから剣崎中央署の警察医をしてきた。父親が肝臓を悪くし引退したため、跡を継いだ。
眼前の密室
初出 - 『小説宝石』2003年1月号
地方紙の新聞記者・相崎は、ある老婆殺しの容疑者を絞り込むため、県警本部の警部の帰宅を官舎近くで張り込んで待っていた。張り込みの最中ポケベルで呼び出され、ある仕掛けをして15分だけその場を離れた。老婆殺しの件は、帰宅した警部の表情で推理が当たりだと確信するが、警部の妻が何者かによって殺害されていた。自分が仕掛けた装置から、最後に生きている妻を見てから警部の帰宅まで誰も部屋に入っておらず、その上、現場が密室だったことを他ならぬ自分が証明することになってしまう。
相崎 靖之〈23〉
県民新聞の記者。老婆殺しの容疑者を絞り込もうと県警本部の警部の帰宅を待ち構え、自宅を張り込む。
甲斐 智子〈24〉
県民新聞のキャップの妻。警邏中の警察官に怪しまれないようによく張り込みに協力してくれる。鋭い推理力の持ち主
大信田
L県警本部捜査一課強行犯第四係長。官舎に妻・加奈子と息子・豊と住んでいる。
赤石
県民新聞デスク。張り込み最長記録を持つ。
花園 愛
全国紙・タイムスの新人記者。夜中であろうと相手が病気療養中であろうと構わず呼び鈴を押す。
鉢植えの女
初出 - 『小説宝石』2001年5月号
家庭に疲れた45歳の主婦・裕子は、出会い系サイトで知り合った一回りも年下の男に夢中になり、捨てられるくらいならと思い、青酸カリで無理心中する。警察庁への出向を持ちかけられていた一ノ瀬は、現場に臨場し、この事件を「倉石学校」の卒業試験と位置付け張り切る。
一方、別の現場にいた高嶋は、検視官より先に現場に着いた偶然を利用し、倉石の能力を試そうとする。郷土史家を名乗る男が書庫で死んでいるこの現場、高嶋は自殺と判断するが……。
小寺 裕子〈45〉
主婦。長年姑に孫をせがまれ、夫からは不妊治療を強要され精神的に疲れていた。出会い系サイトで知り合った男に夢中になる。
筒井 道也〈33〉
サラリーマン。単身赴任中で、東京に妻子がいる。裕子に本気になられて困る、と同僚に漏らしていた。
上田 昌嗣〈58〉
自称・郷土史家。市役所を早期退職し、研究の道へ進んだ。妙な俳句を書き残していた。
須藤 明代〈42〉
上田が開いていた自分史教室に通っていた。上田と肉体関係があった。
佐々木 奈美〈43〉
自分史教室の生徒。上田と肉体関係があった。遺体の第一発見者。
餞(はなむけ)
初出 - 『小説宝石』2001年8月号
定年退職を控えた小松崎刑事部長は、自宅で郵便物の整理をしていて気になることを見つける。13年前から欠かさず届いていた「霧山郡」とだけ記された、差出人不明の年賀状暑中見舞い。去年の年賀状を最後にそれは途絶え、差出人が誰か分からないまま、やはり死んだのだろうかと考える。倉石に促され、ハガキのことを相談してみると、霧山郡で昨年亡くなったのは11歳の少女と77歳の老婆だった。差出人は老婆の方だろうと断定するが、彼女と小松崎の関係とは…。
小松崎 周一
L県警刑事部長。42年勤めた。退職間際。女が企む事件に強いことから、“女殺しの小松崎”と異名を取った。差出人不明のハガキを13年前から受け取っている。
山藤 祥子〈20〉
女子大生。小松崎の最後の事件の被害者。
初出 - 『小説宝石』2002年4月号
短大創立5周年の記念講演会で講師の男性に一目惚れした梨緒。これまでの自分とは比べものにならないくらい積極的になれた。正月休みに自宅に招かれ、心躍る梨緒。だが、彼女を待ち受けていたのは卑劣な行為だった。
それから約10年後、検事の三沢の下に、実務修習生の斎田梨緒が自殺したと報告が入る。現場は「死ね」と書かれた脅迫めいたFAXが床中にばらまかれており、三沢は到底自殺とは思えなかった。
斎田 梨緒〈19〉
短大生。5歳の時に両親を亡くし、叔父夫婦に引き取られた。後に短大を中退し四年制大学へ入り直し、司法の道へ進んだ。
見供 政之〈41〉
短大講師。カウンセラー。美形で若々しい容姿。梨緒をレイプする。
三沢 勇治 / 浮島
検事と検察事務官。両名とも梨緒の魅力に取り付かれていた。
真夜中の調書
初出 - 『小説宝石』2002年8月号
高校教諭殺しの犯人がスピード逮捕される。だが、犯人の深見は当番弁護士の入れ知恵で黙秘を貫く。しかし、科捜研が行ったDNA鑑定の結果を聞くなり、全面的に犯行を自供する。事件は解決したかに思われたが、科捜研に倉石から電話が入る、「DNAをちゃんとやれ」と。倉石の言葉の真意を図りかねた担当刑事の佐倉は飲み歩いている倉石を訪ねる。
佐倉 鎮夫
40過ぎの刑事。スナック「猫」の常連。
美鈴
スナック「猫」のママ。中央署刑事一課が常連で、事件が重なると客が激減する。
北沢
科捜研の若い所員。DNA鑑定で深見を犯人と断定した。
比良沢 富男〈29〉
殺害された高校教諭。比良沢家は名家と知られる。
深見 忠明〈52〉
元ホテルマン。物盗り目的で比良沢家に忍び込み、見つかり殺してしまったと自供するが……。
湯浅
弁護士。どんな犯人にも黙秘しろと知恵をつける。当番弁護士で深見の担当になる。
黒星
初出 - 『小説宝石』2002年10月号
落ち目の演歌歌手・十条かおりがホテルの部屋から転落死する。元恋人の電撃婚約のニュースを聞いての発作的な自殺だと判断されるが、落下地点がずれていることから倉石は他殺、と判断する。
婦警の小坂留美の元に、警察学校の同期でかつて一人の男を取り合い、10年前に警察を辞めた友人・春枝から電話がかかってくる。「明日あたり会うかもね」そう言って電話を切るが、翌日留美は、春枝の遺体の前にいた。現場にいた誰もが自殺と判断する中、倉石だけが自殺説を否定し、これは殺しだと断定する。
十条 かおり
ミニスカートで演歌を歌うため、ミニスカ演歌と呼ばれ、一時は人気だった歌手。大麻疑惑で人気は地に落ちた。元恋人の婚約を知り、発作的に飛び降りたとされる。
大磯 一弥
体操のメダリスト。かおりに大麻を教えた張本人とされる。社長令嬢との電撃婚約を発表した。
小坂 留美〈31〉
婦警。1年だけ倉石の元にいたことがある。男の取り合いに敗れてから1人取り残され、署内で噂の的になった。
町井 春枝
留美の警察学校の同期。男の取り合いで敗れてから警察を辞め、別の男性と結婚した。倉石の元に3カ月ほど付いていた。排ガス自殺する。
十七年蝉
初出 - 『小説宝石』2003年7月号
巡査拝命以来15年、これまでいくつもの部署を渡り歩いてきたL県警巡査部長の永嶋は突如、調査官心得への異動の辞令を受ける。
仕事に忙殺される中、高校生の射殺事件が発生する。倉石の口から出たのは「十七年蝉」という言葉、十七年周期で起こる類似の事件。17年前と34年前に起きていた類似の事件と今回の事件は繋がるのか。
永嶋 武文〈33〉
巡査部長。警部級のポスト・調査官心得に任命され、戸惑う暇もなく忙殺される。朱美の死後、犯人たちを木刀で殴打し、家裁送りとなった。
朱美
永嶋の高校時代の彼女。中学の同級生に騙され輪姦され、手首を切って自殺した。
早瀬 あや子〈35〉
銀行員。永嶋の友人以上恋人未満。
大崎 勝也
工業高校3年生。スピードトルエンを後輩に売る不良で有名だった。射殺体で発見される。
立原 真澄〈54〉
捜査一課刑事指導官。倉石と同期。

その後の話[編集]

以下の全4話は単行本・文庫本では未収録だったが、テレビドラマ第2シリーズの放送に合わせて、出演者のインタビューを併録した「臨場 スペシャルブック」として刊行された。

罪つくり
初出 - 『小説宝石』2006年1月号
「十七年蝉」から1年経った、ある金曜日の夜。L総合病院に搬送された倉石に付き添っていた機動鑑識班員の拓美は、女性が心臓発作を起こした夫を助けてほしいと懇願する光景に遭遇する。夫の身体にはAEDの電極パッドが貼り付けられていた。
それから数時間後、拓美の兄でL県警の刑事・一雄はラブホテル「ホテルJJ」の一室で起きた女性変死事件の捜査に加わっていた。事件発生から3週間近くが経った頃、倉石の代わりに臨場した永嶋の見立てをもとに犯人として割り出された“四十代半ばの太った酔っ払い”を追う一雄に拓美から電話が入る。それは倉石から入った電話の内容を伝えるものだった……。
なお、倉石は本作の中盤から胃ガンのため入院している。
敷島 一雄〈26〉
L県警本部捜査一課強行犯係に所属する刑事。階級は巡査部長。6歳の時に交通事故で両親を亡くし、父の弟夫婦(=拓美の両親)に引き取られた。
敷島 拓美
L県警本部機動鑑識班の班員。3ヶ月遅れで生まれた一雄の義弟。倉石のことを「校長」と呼ぶ、熱狂的な「倉石学校の生徒」。幼い頃から一雄と「相手の『次の一言』を読む遊び」に興じている。
桐岡 素子〈38〉
L総合病院で拓美と倉石が会った女性。専業主婦。心臓発作で倒れた夫の洋介にAEDを使用した。洋介の後妻で、彼が先妻との間にもうけた20歳と19歳の娘を実の娘のように育てている。
桐岡 洋介
素子の夫で恰幅のよい男性。心臓発作のため、搬送先のL総合病院にて死去。享年45。生前はリフォーム会社を経営しており、心筋梗塞で1度入院している。
片山 小夜子〈23〉
「ホテルJJ女性変死事件」の被害者。元キャバクラ嬢。売春万引きの前科持ち。
藤川 正幸〈47〉
引越し会社の営業部長。あと3日で48歳になる男性。競艇パチスロで作った借金の返済を迫った取立屋を殺害・遺棄した容疑で、持田と一雄から取調べを受けていた。
持田
L県警本部強行犯係の係長で、一雄の上司。立原を師と仰ぐ一方、たまに倉石学校にも顔を出している。
神田
L県警中央署刑事課の課長。「ホテルJJ女性変死事件」を担当する。
佐倉(主任) / 青木(刑事)
L県警中央署刑事課に所属する刑事。
琴平
L県警本部機動鑑識班の班長。
墓標
初出 - 『小説宝石』2008年7月号
未来の花
初出 - 『アニバーサリー50』〈2009年12月刊・光文社〉
カウント・ダウン
初出 - 『yom yom』13号〈2009年11月27日刊・新潮社

テレビドラマ[編集]

臨場
ジャンル 刑事ドラマ
放送国 日本の旗 日本
制作局 テレビ朝日
監督 橋本一
猪原達三(第一章)
伊藤寿浩(第一章)
藤岡浩二郎(続章)
石川一彦(続章)
原作 横山秀夫
脚本 坂田義和
尾西兼一
佐伯俊道
吉本昌弘
岩下悠子
出演者 内野聖陽
高嶋政伸
松下由樹
渡辺大
音声 ステレオ放送
字幕 文字多重放送
第一章
放送時間 水曜日21:00 - 21:54(54分)
放送期間 2009年4月15日 - 6月24日(10回)
プロデューサー 佐藤凉一
目黒正之
横塚孝弘
エンディング 吉川清之作曲
続章
放送時間 水曜日21:00 - 21:54(54分)
放送期間 2010年4月7日 - 6月23日(11回)
プロデューサー 佐藤凉一
目黒正之
横塚孝弘
出演者 平山浩行
エンディング 平原綾香威風堂々

特記事項:
2009年6月10日は、2010 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・日本×カタール戦中継のため休止。
第1シリーズ第9話は、2010 FIFAワールドカップ・アジア地区最終予選・オーストラリア×日本戦中継のため、30分遅延の21:30 - 22:24に放送された。
2010年5月5日は、『そうだったのか!池上彰の学べるニュース』3時間SP放送のため休止。
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第一章が2009年4月15日から6月24日までテレビ朝日系列水曜21時からの刑事ドラマ枠で放送された。当初は単発シリーズの予定だったが、大好評だったため続章の制作が決定した。2010年4月7日から6月23日まで放送された続章は、単行本未収録の作品と原作をベースにしたオリジナル脚本で製作されている。また、続章では同ドラマ枠の作品では初めて、映画フィルム調の画質にした映像が全編で使われている[1]。尚、第一章のクランクインに先立ち警察監修を務めた飯田裕久の指導の下、死体役の俳優を仕込んだ第1話のセットを使った模擬検視が4時間にわたって行われた。

続章の平均視聴率17.6%は2010年の民放の連続ドラマとしてはトップとなった。また、2010年の連続ドラマでは、NHKも含めて唯一、全放送回が16%以上を記録した。

第一章のキャッチコピーは「お前の人生、根こそぎ拾ってやる」。

続章のキャッチコピーは「あの「臨場」が、倉石が帰ってくる」。

キャスト[編集]

警視庁[編集]

刑事部鑑識課[編集]
倉石 義男〈45 → 46〉
演 - 内野聖陽
検視官警視)で、同課の倉石班班長。18年前の通り魔事件により妻の雪絵を亡くしている。雪絵の死後は彼女の趣味を受け継ぎ、自宅やデスクで多くの植物や花を育てている。また、家庭菜園で採れた朝摘みの野菜を現場に持ち込んだり、文や「かくれんぼ」に差し入れしている。さらに続章では2匹の金魚[2]の面倒を見ている。
歯に衣着せぬ言葉で上司にも平気で盾を突き、組織には馴染まぬ性格だが、死体の目利きにかけては他の追随を許さない敏腕検視官である。検視に関しては『死者の人生を、根こそぎ拾ってやる』ことを信条とする。同僚の小坂・一ノ瀬・永嶋にも検視官の心得として事ある毎に言っており、根こそぎ拾うことを私情で拒んだり、まだ拾いきれていなかったりする同僚を厳しく叱責することもしばしばある。見立てには絶対的な自信を持っており、捜査一課の意見が自分と異なると「俺のとは、違うなあ」と言って意見を否定する。それゆえに態度はやや傲慢。ただ、第一章第8話の様にわざと見立てを外すこともある。
口癖は『拾えるものは、根こそぎ拾ってやれ』。
捜査一課管理官・立原とは、警察学校からの同期。
小坂 留美〈38 → 39〉
演 - 松下由樹
検視補助官(巡査部長)→刑事部鑑識課検視官心得(警部補)。本作のヒロイン。検視補助官時代は検視官専用車の運転手を務めていた。鑑識課に配属される前は交通機動隊白バイ隊員だった。鑑識課へ配属されてからは倉石を尊敬し、彼のような検視官を目指している。そのためには体力を付けることが必要と思い込み、ダンベルで身体を鍛えている。
一ノ瀬の異動に伴い、続章第6話で検視官心得(警部補)に昇進。検視補助官として新たに配属された永嶋の教育係も務めている。
永嶋 武文〈31〉
演 - 平山浩行(続章第3話 - )
世田谷南署地域課→刑事部鑑識課検視補助官(巡査長)。小学生の時に母親を病気で亡くし、大学教授だった父親・善三は16年前に殺害された[3]
10代の頃は有名なチーマーだったが、父を殺した犯人を逮捕するべく警察官になった。しかし『改心組』[4]と揶揄され、様々な部署を転々とするうちに事件は時効を迎え、仕事に対する情熱も失いかけていた。鑑識経験も全くない彼が、一ノ瀬の代わりに続章第6話で交番勤務[5]から鑑識課に着任できた理由は、彼の現状を知った倉石が独断で彼を引き抜いたからである。鑑識課着任後は、小坂に代わって検視官専用車の運転手を務めている。
刑事部捜査一課[編集]
立原 真澄〈45 → 46〉
演 - 高嶋政伸
管理官(警視)。同期の倉石とは捜査方針を巡ってしょっちゅう対立するが、お互いの実力は認め合っている。
18年前、雪絵が殺害された通り魔事件の捜査で陣頭指揮を執っていたが、小松崎から昇任の推薦を受け、試験を優先させるために途中で捜査から外れた。倉石に犯人の逮捕を誓いながらも、その後に事件が時効を迎え、事件を解決することができなかったことから、倉石に対し負い目を感じている[6]
続章では上司の五代と倉石の板ばさみになることもあるが、時には倉石の見立てを信じ、五代に意見している。
一ノ瀬 和之〈32 → 33〉
演 - 渡辺大
刑事部鑑識課検視官心得→刑事部捜査一課刑事(警部補)。一流大学卒の準キャリアで同年代の警官のなかでは出世が早く、初登場時は検視官心得として赴任してから半年という設定だった。立原に将来を見込まれて鑑識課に配属される前は、警視庁東上野署刑事課強行犯[7]捜査係に所属していた(階級は巡査部長。第一章第2話で登場する名刺から判明している)。それゆえか、立原を尊敬する一方で、彼とは対照的な倉石に反抗することが多い。
立原からの誘いを受け、続章第5話で捜査一課に異動。
坂東 治久〈52 → 53〉
演 - 隆大介
主任刑事(警部補)。立原の部下。倉石の横柄な言動にキレたり、時には上司である立原にすら怒りを剥き出しにするなど、非常に激昂し易い性格の持ち主。一ノ瀬の捜査一課着任後は彼の教育係となっている。捜査会議の時は眼鏡をかけている。
江川 康平〈31 → 32〉
演 - 辻谷嘉真
刑事。立原の部下。キレた坂東の抑え役。
刑事部長[編集]
小松崎 周一〈60〉
演 - 伊武雅刀(- 第一章第9話)
警視監。3歳の時に小松崎家の養子となる。毎日のように本庁の食堂で食べているカレーライスが大好物だが、それは幼い頃に生き別れた実母との唯一の思い出につながるものだった。
第一章第9話で定年を迎え退官。
五代 恵一〈50〉
演 - 益岡徹(続章第1話 -)
小松崎の後任の警視監。城南大学第28期卒業生で、大学3年の時に父親を亡くしている(続章第9話より)。自ら事件現場に赴き、初動捜査の指揮を執ることもある。問題ばかり起こす倉石に「一度でも見立て違いをしたら切る」、更には「(改心組の)永嶋が何か問題を起こした時は責任を取ってもらう」と伝えている。
庁舎内の理髪店でしょっちゅう髭を剃らせており、その最中に立原や倉石の報告を聞くことが多い。

新日新聞記者クラブ[編集]

花園 愛〈26〉
演 - 金子さやか(第一章)
「新日新聞」社会部の契約社員で、警視庁詰め記者。最終話で本社への異動が決まった。
赤塚 渉〈47〉
演 - 橋爪淳(- 第一章第4話)
「新日新聞」社会部デスクで、警視庁詰めキャップ。第一章第4話で起きた事件で逮捕された。

その他[編集]

早坂 真里子〈38 → 39〉
演 - 伊藤裕子
倉石の義妹(雪絵の妹)。バー「かくれんぼ」のママ。
西田 守〈60 → 61〉
演 - 小林勝也
城南医科大学法医学教室教授。「かくれんぼ」がお気に入りで、倉石とは気が合う。
倉石 雪絵
演 - 京野ことみ
倉石の亡妻。ガーデニングが趣味。18年前に起きた通り魔事件で殺害された。
矢野間 文〈58〉
演 - 松金よね子(第一章)
クリーニング店「勉強堂」の店主。マッサージが上手。

ゲスト[編集]

第一章[編集]
第1話 「鉢植えの女」
第2話 「赤い名刺」
第3話 「真夜中の調書」
第4話 「眼前の密室」
第5話 「Mの殺人」
第6話 「罪つくり」
第7話 「ユズリハの家」
第8話 「黒星」
第9話 「餞〜はなむけ」
最終話 「十七年蝉」
続章[編集]
第1話 「封印・前編」
第2話 「封印・後編」
第3話 「未来の花」
第4話 「似顔絵」
  • 三原 あゆみ(ホテルエンパイヤー・ハウスキーパー) - 奥貫薫
  • 柳井 昌一郎(捜査二課刑事) - 川野太郎
  • 柳井 香奈恵(昌一郎の妻) - 宮本裕子
  • 中西 忠雄(元政治家第一秘書) - 吉野正弘
  • 中条 郁子(ハウスキーパー) - 山本道子
第5話 「カウントダウン」
第6話 「濡れ衣」
  • 福園 盛人(刑事) - 草川祐馬
  • 木崎 幸生 - 甲本雅裕
  • 城野 則夫(組織犯罪対策四課) - 北見敏之
  • 山辺 武司(紅竜会の構成員・明恵の夫) - 土平ドンペイ
  • 山辺 明恵(武司の妻・木崎の元妻) - 冨樫真
  • 塩見 謙三(山辺明恵の兄) - 菊池均也
  • 桑原 芳之(建設現場監督) - 有福正志
第7話 「声」
第8話 「証言」
第9話 「傘」
第10話 「最終章・渾身〜前編」
最終話 「最終章・渾身〜後編」
  • 谷本 正博(鑑識) - 螢雪次朗
  • 谷本 絵梨華(正博の娘) - 金澤美穂
  • 大庭 久雄(大庭造園) - 竜雷太
  • 大庭 純一(久雄の息子) - 山田純大
  • 北村 清美(久雄の娘) - 遊井亮子
  • 北村 達彦(清美の夫) - 大浦龍宇一
  • 永嶋 善三(日東大学教授・永嶋武文の父) - 並樹史朗
  • 皆川 修二(IT企業勤務) - 武智健二
  • 皆川 美咲(修二の娘・高校生) - 高田彩香
  • 皆川 容子(修二の妻) - 高橋かおり

スタッフ[編集]

第一章
続章
  • 原作 - 横山秀夫(『臨場』光文社文庫)
  • 脚本 - 坂田義和、佐伯俊道、尾西兼一、吉本昌弘
  • 監督 - 橋本一、藤岡浩二郎、石川一郎
  • 音楽 - 吉川清之
  • プロデューサー - 佐藤凉一(テレビ朝日)、目黒正之・横塚孝弘(東映)
  • 制作 - テレビ朝日・東映

エンディングテーマ[編集]

放送日程[編集]

第一章(2009年)[編集]

各話 放送日 サブタイトル 原作 脚本 監督 視聴率
第1話 2009年4月15日 鉢植えの女 鉢植えの女 坂田義和 橋本一 14.1%
第2話 4月22日 赤い名刺 赤い名刺 佐伯俊道 14.5%
第3話 4月29日 真夜中の調書 真夜中の調書 尾西兼一 猪原達三 12.8%
第4話 5月06日 眼前の密室 眼前の密室 岩下悠子 14.4%
第5話 5月13日 Mの殺人 黒星
(前半部)
坂田義和 伊藤寿浩 15.2%
第6話 5月20日 罪つくり 罪つくり 吉本昌弘 14.6%
第7話 5月27日 ユズリハの家 黒星
(後半部)
佐伯俊道 猪原達三 14.5%
第8話 6月03日 黒星 黒星
(中盤部)
尾西兼一 15.6%
第9話 6月17日 餞〜はなむけ 坂田義和 橋本一 13.8%
最終話 6月24日 十七年蝉 オリジナル[10] 佐伯俊道 15.3%
平均視聴率 14.48%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

続章(2010年)[編集]

各話 放送日 サブタイトル 原作 脚本 監督 視聴率
第1話 2010年4月07日 封印・前編 オリジナル 坂田義和 橋本一 17.9%
第2話 4月14日 封印・後編 18.6%
第3話 4月21日 未来の花 未来の花[11] 尾西兼一 藤岡浩二郎 16.7%
第4話 4月28日 似顔絵 オリジナル 佐伯俊道 16.9%
第5話 5月12日 カウントダウン カウント・ダウン 尾西兼一 橋本一 18.6%
第6話 5月19日 濡れ衣 オリジナル 坂田義和 17.0%
第7話 5月26日 尾西兼一 石川一郎 18.6%
第8話 6月02日 証言 オリジナル 吉本昌弘 17.2%
第9話 6月09日 尾西兼一 藤岡浩二郎 16.2%
第10話 6月16日 最終章・渾身〜前編 坂田義和 橋本一 18.6%
最終話 6月23日 最終章・渾身〜後編 17.0%
平均視聴率 17.57%(視聴率は関東地区ビデオリサーチ社調べ)

原作との主な相違点[編集]

  • 倉石たちの所属する警察本部がL県警から警視庁に変更されている(そのため警視庁刑事部長の小松崎がノンキャリアであるなど、現実に即さない部分も出ている)。
  • 原作の倉石は52歳で若い頃に離婚しているが、ドラマでは45歳(第一章時点)で、妻・雪絵とは死別した設定に変更されている。また原作の倉石にはガーデニングや家庭菜園の趣味はない。
  • 原作では「赤い名刺」「鉢植えの女」に登場の一ノ瀬和之が、ドラマでは倉石の部下としてレギュラー出演。また、原作では41歳で既婚だが、ドラマでは32歳(第一章時点)・独身という設定に変更されている。
  • 原作では「黒星」のみに登場する交通企画課の婦警・小坂留美が、ドラマでは倉石の部下で鑑識課検視官心得でヒロインという設定でレギュラー出演し、年齢も31歳から39歳(続章時点)に変更されている。そのため第一章第8話で町井春枝と国広久乃が警視庁を退職したのが、原作での10年前から15年前に設定が変更されている。
  • 原作で「餞」のみに登場の小松崎周一がドラマではレギュラー出演(第一章)している。
  • 原作で「眼前の密室」のみに登場の花園愛が警視庁詰め記者としてレギュラー出演(第一章)している。
  • 「声」で梨緒の魅力に取り付かれていたのは原作では検事と検察事務官だったが、ドラマでは梨緒が勤める出版社の副編集長と梨緒に引き抜き話を持ちかけたライバルの出版社の編集長。梨緒をレイプしたのは原作では短大の講師だったが、ドラマでは母親の再婚相手。
  • 原作では「十七年蝉」のみに登場する調査官心得・永嶋武文が、ドラマでは倉石の部下で鑑識課検視補助官という設定でレギュラー出演し、年齢も33歳から31歳(続章時点)に変更されている。原作で永嶋が喪ったのは恋人の朱美だったが、ドラマで彼が喪ったのは父の善三。また、ドラマの永嶋に逮捕歴は一切ない。
  • 「ユズリハの家」の結末が異なる。
テレビ朝日系列 水曜21時枠刑事ドラマ
前番組 番組名 次番組
相棒(Season 7)
(2008.10.22 - 2009.3.18)
臨場(第1シリーズ)
(2009.4.15 - 2009.6.24)
新・警視庁捜査一課9係(Season1)
(2009.7.1 - 2009.9.16)
相棒(Season 8)
(2009.10.14 - 2010.3.10)
臨場(第2シリーズ)
(2010.4.7 - 2010.6.23)
新・警視庁捜査一課9係(Season2)
(2010.6.30 - 2010.9.15)

映画[編集]

臨場 劇場版
監督 橋本一
脚本 尾西兼一
原作 横山秀夫
出演者 内野聖陽
音楽 吉川清之
撮影 栢野直樹
編集 北澤良雄
製作会社 「臨場 劇場版」製作委員会
配給 東映
公開 日本の旗 2012年6月30日
上映時間 129分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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臨場 劇場版』(りんじょう げきじょうばん)は、2012年6月30日公開[12]のテレビドラマの劇場版。監督は『探偵はBARにいる』の橋本一。テレビドラマのキャストが引き続き出演、主演は『あかね空』の内野聖陽。水曜21時台の刑事ドラマの映画化は『はぐれ刑事純情派』『相棒』に次いで3作品目で、映画本数では5本目となる。

クランクイン前には再度、倉科孝靖の指導による模擬検視が行われた。

キャッチコピーは「まだ、根こそぎ拾えてねぇ。想いを拾い尽くさない限り、終われない。」「物言わぬ、死者の声を聞く それが彼の使命」。

2012年6月10日に大阪・ミナミの路上で男女2人が刺殺された通り魔事件の影響を受け、予告編から通り魔殺人のシーンを削除するなどの配慮がされた[13]

全国254スクリーンで公開され、2012年6月30日、7月1日の初日2日間で興収1億4,553万7,900円、動員13万4,909人になり映画観客動員ランキング(興行通信社調べ)で初登場第3位となっている[14]

キャスト(映画)[編集]

警視庁[編集]

刑事部鑑識課
刑事部

神奈川県警[編集]

通り魔事件の関係者[編集]

その他[編集]

  • 山下美奈子(横浜聖城会病院精神科医) - 市毛良枝
  • 安永泰三(横浜医大法医学教室教授・倉石の恩師) - 長塚京三
  • 西田守(城南医科大学法医学教室教授) - 小林勝也
  • 早坂真里子(倉石の義妹、バー「かくれんぼ」のママ) - 伊藤裕子
  • 倉石雪絵(倉石の亡妻) - 京野ことみ(写真)
  • 高村則夫(波多野の弁護人) - 菅原大吉
  • 加古川有三(波多野の精神鑑定を行った精神科医) - デビット伊東
  • 安永光子(安永の妻) - 魏涼子
  • 浦部翔太(浦部の息子) - 外波山流太
  • 看護師 - 荘田由紀

スタッフ(映画)[編集]

イメージソング(映画)[編集]

映像ソフト化[編集]

  • 2009年11月21日に第1シリーズ全10話を収録した「臨場 DVD-BOX」が東映ビデオより発売された。
  • 2010年10月21日に第2シリーズ全11話を収録した「臨場 続章 DVD-BOX」が東映ビデオより発売された。
  • 2012年12月7日に劇場版を収録した「臨場 劇場版 DVD」が東映ビデオより発売された。

脚注[編集]

  1. ^ 2012年6月現在、同枠のドラマで全編映画フィルム調の画質にした映像を使った作品は、本作が唯一である。
  2. ^ 1匹は続章第2話で、倉石がかつての上司だった谷本正博の娘・絵梨華に買い与え、その後彼女から譲り受けた。もう1匹は続章第7話の被害者・斎田梨緒が飼っていたものを引き取った。
  3. ^ この事件は倉石が検視官心得として初めて臨場し、根こそぎ拾えなかった唯一の事件。なお続章第1話で死亡した谷本正博も鑑識課員として臨場していた。
  4. ^ 犯罪者から改心して警察官になった者を指す差別用語の類。前科者と似た言葉ではあるが、逮捕歴や刑務所での服役経験が無いという点で異なる。
  5. ^ 続章第3話で、事件現場である内田家に世田谷南署の警官として出動している。
  6. ^ この事件は第一章最終話で、17年の時を経て真相が明らかになった。
  7. ^ 殺人や強盗、誘拐などの凶悪犯罪を担当する係。
  8. ^ 吉本は『ゴンゾウ 伝説の刑事』でも内野と共演(内野の部下役としてレギュラー出演)しており、本話中でそれを匂わせる内野のお遊び的な台詞が存在する。
  9. ^ 第一章第2話ではバーのピアニスト役で出演(さて、「臨場」旅立ちです。:アシスタント募集しようかな。 - 吉川清之のブログ「映像音楽作家はアーティストになれるのか?」2009年4月7日より)
  10. ^ 小説にも『十七年蝉』というタイトルの作品があるが、内容は無関係。
  11. ^ 原作とドラマでは、結末が異なる。
  12. ^ まんたんウェブ (2011年12月26日). “臨場:内野聖陽主演ドラマが映画化決定 12年6月公開”. 2011年12月26日閲覧。
  13. ^ 映画「臨場」、事件を鑑みて予告差し替えサンケイスポーツ 2012年6月13日
  14. ^ 『アメイジング・スパイダーマン』が初登場トップ!『臨場』は大人の女性から支持集め3位スタート!シネマトゥデイ 2012年7月3日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]