大忠臣蔵 (1989年のテレビドラマ)

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大忠臣蔵』(だいちゅうしんぐら)は、1989年(昭和64年)1月2日テレビ東京で放送された12時間超ワイドドラマ(のちの新春ワイド時代劇)。全6部。

『12時間超ワイドドラマ』シリーズで初めて「忠臣蔵」を取り上げた作品。

概要[編集]

『12時間超ワイドドラマ』第9作。原作は森村誠一の小説「忠臣蔵」。テレビ東京開局25周年記念特別番組。「12時間超ワイドドラマ」の作品群として、昭和時代に放送された最後の作品となった。

本作は所謂「忠臣蔵」と呼ばれる類の一連の『赤穂事件』作品の中では定番の見せ場として著名な、堀部安兵衛の活躍や、安兵衛と清水一学の一騎打ちなどが描かれておらず[1]、むしろ、赤穂浪士側では不破数右衛門が、吉良側では小林平八郎山吉新八郎などが活躍するシーンの方が多く取り上げられている点が特徴となっている[2]。また、吉良上野介が潔く切腹して果てるシーンを採用している点でも他の作品とは異なっている[3]。なお、山吉新八郎は劇中では弓で討たれた後、不破数右衛門にとどめを差されて死亡しているが、史実では流罪となった吉良義周の御供、勘定頭、槍組頭などを歴任し、事件から50年後に死亡している[4]

『12時間超ワイドドラマ』シリーズで初めて、松竹が制作した作品。

  • 第一部 「刃傷・松の廊下」
  • 第二部 「風雲赤穂城」
  • 第三部 「浪士の危機」
  • 第四部 「吉良の逆襲」
  • 第五部 「いのち雪に散る」
  • 第六部 「討ち入り」

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

ビデオソフト・再放送[編集]

初放映後、1989年、VHSビデオ版が発売された(全6巻・単巻レンタルも有)。12時間超ワイドドラマシリーズ初めてのソフト化だった。

VHS版の廃盤以降は、DVD等光メディアソフトへの移行・再発売が行われていないため、本作の視聴は困難となっていたが、BS松竹東急2023年12月に再放送[6][7]され、貴重な視聴機会となった。

脚注[編集]

  1. ^ 一学が大奮戦するシーンはある。
  2. ^ 山吉新八郎が大々的に活躍する作品は少なく、殆どの作品で端役もしくは登場すらしない。これは、史実において山吉が事件の50年後に死亡していることが関係しているためと思われる。
  3. ^ 史実では、「物置から脇差を抜いて吉良が斬って出た処を、間が槍で突き、武林が一刀のもと斬り殺した」(『大熊弥一右衛門見聞書』)などとあり、吉良は切腹などしていない。
  4. ^ 佐々木(1983) p439
  5. ^ クレジットは「起こし」
  6. ^ 地上波再放送の際の全13回再編集版での放送。
  7. ^ リピート放送も行われ、全13回シリーズを2回放送している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

テレビ東京 12時間超ワイドドラマ
前番組 番組名 次番組
大忠臣蔵
(1989年)
宮本武蔵
(1990年)