ワースブレイド

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ワースブレイドは1988年にホビージャパンから発売されたロボットファンタジーもののテーブルトークRPGのタイトル、およびそのシリーズである。

ゲーム製作は玩具企画やアニメ製作なども手がけている伸童舎によって手がけられ、ゲームデザイン(プロデューサー)は千葉暁、システムデザインは松本富之、ワールドデザインは日下部匡俊によって行われている。

1994年の「ワースブレイド スターティングブック」を最後にシリーズは長らく休眠状態になっていたが、2008年8月にd20システム(D&D3.5版対応)を使用したワースブレイドの新作が発売された。ワースブレイド/d20の節を参照。

概要[編集]

「操兵」と呼ばれる巨大人型兵器が存在する中世ヨーロッパ風ファンタジー世界「ア・ハーン」を舞台とし、PCは遺跡荒らしや用心棒稼業で日銭を稼ぐ"冒険者"となって世界を駆け巡る。

ア・ハーンの文明レベルは地球での中世レベルにあたる。その中で「操兵」が古代のオーバーテクノロジーとして存在している。操兵が存在する以外はごくスタンダードな「剣と魔法のファンタジー世界」になっており、いわゆるメカファンタジー・SFファンタジーのようなジャンルとは異なる。操兵と全く関係ない事柄についても緻密かつ重厚な世界設定がされているのも特徴で、操兵のギミックに頼らずとも、十分にスタンダードなファンタジーRPGとして楽しめるようになっている。

システム[編集]

行為判定10面ダイス1個による上方判定。LUC(幸運度)という能力を消費することで一時的に判定に使えるダイスの数を増やして達成値を上昇することができる。これによりロボットアニメ的なヒロイックな活躍を表現している。

キャラクターは クラス制を兼ねたスキル制で表現される。キャラクターメイキング時に職業パックというものを選択することで初期習得スキルが決定し、習得不可能なスキルも決定する。なお、ワースブレイドでは、セッション中に行為判定に完全成功(判定に使った全てのダイスの出目が10だったとき)か絶対失敗(判定に使った全てのダイスの出目が1だったとき)したスキルしか成長の機会を得られないため、スキルを持っていないと挑戦もできないスキル(魔術等)を習得することは、禁止されていないクラスでも極めて困難となっている(不可能ではない)。この2点により、スキル制と言えどキャラクターの成長スタイルはある程度限定されている。

  • 戦士
一般的なファンタジー世界の戦士と変わらない。攻撃と防御にボーナスがあるが気闘術以外の術は使用不可能。
  • 操手
操兵を操る者。職業パックにあるのは操手技能を取った戦士でしかない。しかも伝道師以外は訓練で誰でもなれるし、最初からなることも可能(特に練法師は呪操兵を得るため)。RPGマガジンで行われたリプレイでも俗業のキャラクターしか操手技能を持っていないキャンペーンがあった。
  • 練法師
聖刻(ワース)に関係する秘術「練法(れんぽう)」の使い手。いわゆる魔法使い。
  • 修道士
いわゆる東洋系の格闘僧侶。武術系の「気闘術」と僧侶系の「気功術」を使う(スキルは共通)。気闘術のみは他のクラスでも中級まで使用可能。伝道師より聖刻に対する制限は少ないが、当然、練法の使用は不可能。
伝道師よりストイックな設定をされていることが多い。なお、宗派で修道士か伝道師かが決まっているため、同じ教会に両方は存在しない。
  • 伝道師
一般的なRPG的僧侶。使える「召霊衝法(しょうれいこうほう)」は、気功術よりも強力。聖刻に関わる物(操兵を含む)は一切使えないが、操兵を造る2大組織の一方である聖刻教会は何故かこちらに分類される。他の召霊系宗派も操兵の魅力(戦力)には逆らえず、伝道師で無い信者に運用させている(もう一方の操兵建造作組織である工呪会は宗教組織で無いため入手可能)。
修道士より世俗的で権力志向な設定をされていることが多い。
  • 俗業
その他の職業をまとめて言う。下級の物しか使えないが練法、気功術両方を使うことができる。もちろん気闘術も中級まで仕様可能。なんでもできるが、中途半端なクラスともいえる。

操兵(リュード)[編集]

操兵はワースブレイドというゲームの華にあたる部分である。操兵は本来は古代文明の遺品であり、現代で操兵を作れる技術を有している組織は二つしか存在しない。大陸西が本拠地の「工呪会」と東の「聖刻教会」である。彼らは表向きは鍛冶師ギルドや宗教結社を名乗っているのだが、その実態は完全な秘密結社であり操兵製造技術が組織の外に漏れないように隠匿されている。彼らは操兵を各国に売ることで世界の軍事バランスを裏から操っている巨大な陰謀組織でもある。(これは、フィクションなどに良く出てくる「錬金術結社としての石工連合(フリーメーソン)」のオマージュでもある)

操兵が非常に高価であるこの世界では、操兵のほとんどは個人ではなく国が所有するものである。多くの国では騎士に与えられる馬や武具のような扱いになっている。操兵は国の武力の象徴のようなものであり、操兵を載ることは位の高い騎士の証明である。北方のダカイト・ラズマ帝国だけはそのような伝統を捨て去り、近代的な「軍隊」を操兵によって作ることで、操兵を「兵器」として運用し、地位と関係なく兵卒に操兵を操縦させることで圧倒的な戦果を挙げている。

この設定は一介の冒険者であるPCが操兵を手に入れることが困難であることも示している。実は、ワースブレイドというゲームには操兵をPCが手に入れるためのルールが存在していない。操兵は市場に出回るようなものではないので価格というものもなく、職業パックで操手を選んでも、操縦技術だけ与えられて操兵は与えられない。軍人でもない限りは操兵を触ることもできず、多くの冒険者たちは遺跡探索の結果運良く古代の操兵を見つけるか、敵の操兵を知略を駆使して奪うかのどちらかによって操兵を得る。

一応、小説の解説コーナーには中古の従兵機が金貨1000~2000枚と書かれている。ちなみにPCの最初の所持金は銀貨100枚(金貨1枚)程度。

ゲームシステムの部分では操兵は1個のキャラクターデータとしてあらわされ、いわば第二のPCである。操兵は通常の人間とは異なる能力値と異なるルールで運用される。ワースブレイドは「人間サイズのキャラクターのためのルール」と「操兵サイズのキャラクターのためのルール」が別に存在していると考えるとわかりやすい。

身長8メートルほどの巨大兵器である操兵は異常なほど強く、操兵に載っていない者が操兵に勝つことは難しい(小説では騎馬民族が雑兵レベルの操兵1機に部族の英雄クラス10騎以上を必要とした)。この圧倒的な力は操兵戦の醍醐味である。ただし、長槍の先に操兵用の血を破壊する毒が入った注射器を付け、筋肉筒が剥き出しになった関節を狙う「操兵狩人」も存在する。もちろん、不意打ちでもなければ圧倒的に不利なのは変わらない。

PC全員が操兵載りということは世界観的にまずありえないため、操兵戦の最中は操兵に載っていないPCが手も足も出ないということも頻発する。そのため、ワースブレイドでは、一つの戦場に操兵に載っている者と載っていない者が混在して、互いのサイズの敵と戦うというバトルが推奨されている。

操兵の部位は機体と動力源である仮面(ペルソナ)に別れ、それぞれランクがAからJまであるが、現在の技術では機体、仮面共に製造できる最高はCランクであり、それさえも極めて希な存在である。仮面は意思を持つが魂は持たないと言われ、上級の物では操手の精神を乗っ取るとる事もある。逆に、(精神を乗っ取られた状態でも良いから)人間を乗せない限り本来の性能は発揮できない。仮面自体は人間用の盾ほどの大きさの素焼きの面に64個の聖刻石を散りばめた物であり、戦闘中に可能かは別として人間用のナタで割ることも可能。一度仮面を付けた身体には刷り込みが行われ、他の仮面を付けても動かない。逆に仮面に別の(新品の)体を与えることは可能。

消耗品として血(生物の血とは成分が違う。戦闘での流血以外に自然劣化する)、冷却水があり、仮面も100年ほどが寿命とされている(ただし公式のサプリメントでも、製造終了後500年を経た量産型の従兵機が稼働しているという記述がある)。血の存在のため工呪会や聖刻教会を敵に回しての運用は不可能であり、修理も装甲の傷を埋める以外は2組織から買った部品との交換である。冷却水は普通の水で良いが蒸発する一方で消費が激しく、戦争ともなれば軍が現地の住民を渇死させるほど水を奪うことも。また拳の造りは脆く、無手で殴ると簡単に壊れる。そのため予備の下腕を腰に下げていることも多い。

実は操兵は精神感応だけで動かすことが出来、操手槽(コックピット)にある操手桿(操縦桿)等は操手をその気にさせるための物でしかない。特に呪操兵には操手桿自体が無く、操手は手で練法のを切りながらでも操縦を行える(練法を使っている間は回避運動しか行えないが、これは生身も同じ)。ただし「その気にさせる」と言うのは重要であり、高レベル戦士の「考えるより先に体が動く」に反応するのに役立つと言われている。

  • 狩猟機(ワードレイヤー(テストプレイ時)、フェンサー(大陸西方)、リュード・イム・ダート(大陸東方))
人間の形をした高性能機。仮面ランク、身体ランク共にC-F。騎士の乗り物とされている。
人間とほぼ同じ動きが可能なものの、手の指については武器を握る、クロスボウの引き金を引く以上の器用さは無い(クロスボウの装弾は整備施設にて行う)。ただし『ワースブレイド』より数百年未来の『聖刻1092』の時代には弓を扱える機体も存在する。
  • 古操兵
古代文明によって作られた操兵。秘操兵を含め、遺跡から発掘された操兵は全て古操兵と呼ばれる。寿命問題もあり、遺跡の古操兵は寿命が縮まないように封印されている。歴史ある国に代々伝わっている「旗操兵」として存在している物もあるが、現役である以上、寿命問題が付き纏う。
特にルール化はされておらず、基本的には狩猟機と変わらない。一応、現代製の狩猟機がFランク寄りなのに対し古操兵はCランクよりであり、聖刻器と呼ばれるマジックアイテムを持っていることもある。技術解析のために両組織が集めており、手に入れたPCに対して最新鋭機を餌に交渉を持ちかける。
  • 従兵機(パイカー(大陸西方)、リュード・イム・ペナン(大陸東方))
頭が無く、代わりに胸に仮面を付けている。仮面ランク、身体ランク共にG-J。性能は低いがコストが安く操縦も簡単なため、従者の乗り物とされる。ただし国力の低い国では操兵の数が一桁(狩猟機は1機以下)と言う事も多く、従兵機さえ乗れない騎士も多数存在する。
狩猟機より更に不器用で引き金の操作もできないため、クロスボウは腕を外した上で直付けする事となる。ミトン型の手を持つ機体も多い。『聖刻1092』では腕を残し肩上に二丁取り付けて装弾も自動な機体が存在する(ただし射撃戦用で格闘能力は低く、矢の雨を降らす戦法用のため連射能力は高くとも狙い撃ちは難しい)。
工呪会が量産機として発明した機体だが、聖刻教会も追って生産している。そのため従兵機に限って言えば工呪会が上と言われている。
  • 呪操兵(ワーダー(大陸西方)、リュード・イム・ダーサ(大陸東方))
狩猟機と従兵機の中間の性能だが、最大の特徴は練法が使えること。そのため練法師専用である。しかし練法を強化する能力は無く、生身では扱いきれない上級練法用の擬似精神力電池(操手自身の精神力と分けるため擬似精神力と呼ばれる)でしかない。聖刻教会のみ造れ、工呪会には造れない。
仮面ランクC-F、身体ランクはG-Jとされるが、身体ランクの低さは操兵自身が操手の手の動きに合わせて練法の印を切るために人間並みの器用さを追求した代償であり(操兵の能力値に【器用さ】に当たる物は無い)、狩猟機の身体よりも高価らしい。
操縦には操兵と同型の(人間サイズの)仮面を付ける。そのため顔を攻撃されると操手にもダメージが行く。また操手を乗っ取る危険度も高い[1]。操縦用の仮面は操兵を降りている時でも普通の練法用の仮面として使用可能。なお、呪操兵だけは搭乗するだけでも操手の精神力を消耗する(当然、これに対して擬似精神力は使えない)ため、呪操兵に乗っての長距離移動は難しい。そのため操手用の仮面は機体を自分の下にテレポートさせる呪文を覚えていることが多い。でなければ自分で覚えるか大型の荷馬車に乗せての移動となる。
異形の機体も多く、戦闘用の剛腕と結印用の小腕を持つ四腕型(あくまで使い分けであり同時に四本を使う訳では無い)や獣型(結印用の腕はある)等がある。『聖刻1092』では練法により装甲等の強化が激しく、格闘でも狩猟機より強い(ボスクラスしか登場していないが)。
  • 擬似呪操兵
工呪会が鹵獲した呪操兵を研究して造ったもの。操兵製作技術は同等だが練法は最低限しか扱えない工呪会では完全な呪操兵は造れず仮面ランクがG-J。しかも擬似精神力回復能力がなく、使い切ると仮面が壊れてしまう代物である(擬似精神力0で仮面が壊れるのは呪操兵も変らない。こちらは0にさえならなければ回復するが)。対策として主仮面と従仮面を付けて従仮面の擬似精神力のみを使う機体も存在する。本来は一度仮面を付けた身体に他の仮面を付けることは不可能だが、従仮面なら交換可能。操兵の値段の半分以上は仮面の値段(仮面が2枚の場合は実質1/3)だが、主仮面が壊れると身体も使えなくなるため意味はある。どちらの仮面もG-Jランクだが、基本的に従仮面は主仮面よりランクが低い。おそらく主仮面が従仮面を押さえつけるための条件であろう。
  • 秘操兵
超古代文明、もしくは神によって作られたオリジナルの操兵。他はこれの劣化複製に過ぎない。公式設定では魔法的な力を持った機体はあっても、練法そのものを使う機体(呪操兵の原型)は確認されていない。
仮面ランク、身体ランク共にAかBで狩猟機より少し強い程度のはずだが、ワースメイカー次第でなんでもありのため滅茶苦茶な能力値だったり聖刻器以外では傷つかなかったりする。大型キャンペーンや小説等の主役機やラスボスは大概これである(主役の場合は、序盤は能力が封印されていることも多いが)。
  • 人馬操兵
ケンタウロス型の操兵。主仮面(ランクC-F)以外に後半身用の従仮面(ランクG-J)を人間部分の腹(馬で言えば首の付け根)に持つ。狩猟機より機動力と耐久力が高いが、他は同等。仮面が二枚のため制御は困難(使い捨ての魔力電池に過ぎない擬似呪操兵の従仮面とは違う)。
読者投稿により作られた機種でルールは存在しないが、『ワースブレイド』より未来の時代を舞台にした小説『聖刻群龍伝』にも登場する。

練法[編集]

操兵に並ぶワースブレイドのガジェットが「練法」である。練法はいわゆる魔法のようなものなのだが、印を結ぶ、組織を抜けようとする者には死と、忍術を強くイメージしている。ワースブレイドにはほかにも、気功術、召霊衝法という魔法体系が存在するのだが、練法はこれらとは比較にならないほど強力な力を出せる。

しかし、それだけ強力である代わりに問題も存在する。練法師は練法の総本山である聖刻教会以外の宗教組織とは対立関係なのである(ただし大陸東方では聖刻教会が最大宗教)。聖刻教会にとっても裏の顔でしかなく、一般信者にとっては不気味な連中にすぎない。ただしそれは仮面(中級以上の練法を使うために必要な道具。呪操兵操縦用の仮面も含む)を付けた者に対してのみであり、俗業に対してはそれ程でもない。なお、操兵と同じく練法師用の仮面もキャラクターメイク時には与えられず、いずれかの方法で入手する必要がある(ルール上の練法師であっても、仮面を持たない者は「練法使い」と呼ばれ、良くも悪くも世間からは俗業と同じ扱い)。ランクや精神を乗っ取られる危険があるのも操兵と同じ。仮面が無ければ、どんなに高レベルの練法師でも下級練法しか使えない。

俗業も(下級のみだが)練法の習得が可能であり、操兵鍛冶師は金門の練法を習得している。つまり操兵も練法の産物なのである。操兵の動力源である仮面は練法師の仮面と大きさ以外はほぼ同じ構造。ただし、どちらの仮面も作り方は組織中枢しか知らない最高機密のためプレイヤーキャラクターがかかわることはまず無い。

また気功術、召霊衝法にも共通することだが、高位術の使用には長時間の詠唱と、それに伴う毎ターンの成功チェックが必要であり、ダメージを受けたときも精神力チェックに成功する必要がある。失敗すると練法のみは最悪自分に暴発する。

練法がワースブレイドの中で魅力的なのは、これが数少ない、「生身で操兵を倒せる」技だからである。不気味な仮面とローブをまとった練法師の不可思議な術が、巨大な操兵が持つ剣という名の無骨な鉄の塊と渡り合う- このような光景はワースブレイドが醸し出す最大のロマンである。

八門(二門以上の習得は不可能。全門が使える共通の呪文(門外)もある。表裏の同じ位同士は「対門」として対抗し合う術もある)

表門
陽門(リーチャ) :表門第1位。光、熱、躍動を扱う。シンボルカラーは黄。
金門(キンガイ) :表門第2位。創造、破壊、守りを扱う。シンボルカラーは金。
火門(フォンハイ):表門第3位。ひたすら破壊を扱う。シンボルカラーは赤。
木門(ムウナ)  :表門第4位。草木、生命を扱う。シンボルカラーは緑。
裏門
月門(ユイーズ) :裏門第1位。闇、精神を扱う。シンボルカラーは銀。
風門(フェンレイ):裏門第2位。天候、大気を扱う。シンボルカラーは白。
水門(シュイチ) :裏門第3位。水、冷気を扱う。シンボルカラーは青。
土門(ツファオ) :裏門第4位。大地、死を扱う。シンボルカラーは茶。

東方エクスパンション[編集]

ア・ハーンの東方世界は、「巨大な蟲と樹海が人類の支配領域を侵食している、日本/中国風の文化を基底としたファンタジー世界」という、西方とは全く違う世界観になっている(風の谷のナウシカもののけ姫を足し合わせた感じ、と言えばイメージしやすいだろうか)。強大なモンスター(国を滅ぼせるほどの魔力を持つ九尾獣、魔法を操るうえ、殴り合っても操兵より強い御仁等)が多数ひしめく世界なため、人類国家同士の戦争は無い(と言うか、する余裕が無い)とされている。

ワースブレイドは、この東方世界で遊ぶための「東方エクスパンション」というシリーズがある。東方エクスパンションはサプリメントという扱いなのだが、実際には数多くの追加ルールがあり、別のゲームといって差し支えないものになっている。

「東方エクスパンション」の最大の特徴は「武操(ぶくり)」という武術であり、これを用いることで、巨大な怪物を武術で倒す武侠ファンタジーが手軽に再現できるようになっている。

製品リスト[編集]

ワースブレイド スタートセット
基本ルールブック。ボックス版。操兵に関するルール、練法・招霊衡法・気功術の1~3レベル術法についてなどを収録している。
東面の魔術師
シナリオ集。A4判書籍。スタートセット付属のシナリオ「魔の眠る山」の続編となっており、四操兵キャンペーンシナリオの二話目となる。
魔王の復活
シナリオ集。A4判書籍。「東面の魔術師」の続編であり、四操兵キャンペーンシナリオの最終話となる。
マスタースクリーン
ワースブレイド用のマスタースクリーン。4面という珍しい構成になっている。
エクスパンションセット1
サプリメント。ボックス版。追加拡張ルールと、練法・招霊衡法・気功術の4~6レベル術法、世界設定などを収録。
エクスパンションセット2
サプリメント。ボックス版。更なる追加拡張ルールと、練法・招霊衡法・気功術の7~9レベル術法、追加世界設定などを収録。
エクスパンションセット3 術法エクスパンション
サプリメント。ボックス版。術法使いのための追加拡張ルールと追加術法データなどを収録。
エクスパンションセット4 操兵エクスパンション
サプリメント。ボックス版。操兵に関する追加拡張ルールと、数多くの操兵データなどを収録。
聖者の仮面
リプレイを中心にしたシナリオソースブック。A4判書籍(ソフトカバー)。
遥かなるカイ・ダイン
リプレイを中心にしたシナリオソースブック。A4判書籍(ソフトカバー)。
操兵の書 西方操兵
西方での操兵の設定を、豊富なカラーイラスト付きで収録した副読本。A5判単行本。操兵のメカニスムや図解も載っていて、ロボットアニメのファンブックに近い編集方針。
ワースブレイドがよくわかる本
ワースブレイドのガイドブック。富士見書房より富士見ドラゴンブックで発売。
東方エクスパンション1 梗醍果の王
サプリメント。ボックス版。ア・ハーン大陸東方を舞台にゲームをするための追加拡張ルールや世界設定などを収録。
東方エクスパンション2 吾伽式の練者
サプリメント。ボックス版。東方でのプレイに必要な更なる拡張ルールや追加世界設定などを収録。
ワースブレイドスーパースクリーン
ホビージャパンのバインダー型マスタースクリーン「スーパースクリーン」のワースブレイド用サブセット。東方エクスパンション2までのほとんどのデータ、ルールのリファレンスが収録されている。
ワースブレイド スターティングブック
西方に関する製品のルール、データ、世界設定などを再編集して改訂し、一冊にしたもの。A4判書籍(ソフトカバー)。

また、上級ルールブックが発売される予定もあった(RPGマガジンで開発の経緯が毎号紹介されていた)。これはサプリメントというより第二版ルールともいうべきもので、全くルール体系が異なるものになる予定であった。

ワースブレイド/d20[編集]

ワースブレイド/d20は2008年にホビージャパンから発売された、ワースブレイドのリニューアル作品である。著者としてはかつてのワースブレイドと同じく松本富之日下部匡俊がクレジットされているが、千葉暁の名前はない。

ゲームシステムの基幹にはd20システム(D&D3.5版対応)が用いられている。「ダンジョンズ&ドラゴンズの第3.5版のワールドガイド」の体裁で作られており、ダンジョンズ&ドラゴンズ第3.5版の基本ルールブックがないと遊ぶことができない。

ゲームの舞台となるのはワースブレイドと同じ時代のア・ハーン大陸西方である。小説『剣の聖刻年代記シリーズ』で追加された西方の設定はほとんど採用されておらず、かつてのTRPG版ワースブレイドをそのまま踏襲した舞台設定になっている。基本ルールブックでは西方の概略と四大国の詳細が紹介されている。

D&Dからの追加・変更点[編集]

ワースブレイド/d20はダンジョンズ&ドラゴンズ(以下、D&Dと略)から、いくつかのルールの追加・変更が行われている。代表的なものを以下にあげる。

キャラクタークラス
キャラクタークラスはワースブレイド/d20独自のものからしか選べない。
戦士
武器戦闘のエキスパート。D&Dのファイターと似ているが若干の違いがある。操兵の操縦技能である《操手》技能を成長させやすい。
修道士
という生体エネルギーを操る「気功術」を行使することができる僧侶戦士。
伝道師
聖霊に働きかけて奇跡を起こす「招霊衡法」を行使することができる僧侶戦士。
練法師
世界の根源である聖刻の力に触れて超常現象を起こす「練法」を行使することができる術者。
俗業
上記の4クラス以外の雑多な職業のものたちをひとまとめにしたクラス。盗賊系俗業と商人系俗業の二種類がある。
術法
ワースブレイド/d20では、D&Dの「呪文」が使えない代わりに、独自に用意された「術法」を使用できる。「術法」は気功術、招霊衡法、練法の三系統があり、どれも術法ポイント(いわゆるマジックポイント)の消費によって発動する。また、術法を使用するときは「発動判定」と呼ばれる行為判定に成功しなくてはならない、
操兵
ワースブレイド/d20では、操兵は一種の大型モンスターとして扱われる。モンスターと同様に独自の能力がすでに設定されており、搭乗者の能力値は操兵の能力にほとんど影響しない。しかし、搭乗者の持つ技能や特技の多くは操兵はそのまま使用することができるため、戦闘技量の長けた操縦者の操兵はそれだけ強力になる。
ワースブレイド/d20では操兵は一種の生物として扱っているため、操兵を「調教」しながら操縦するようなルールになっている。同じ人物が何度も乗りこなしていない操兵は頻繁に「操縦者の意図しない動き」を勝手にしてしまい操縦に違和感を引き起こす。さらには操縦者に反発し、操縦者の不利になるような動きをわざと起こすことさえある。そのような操兵とコミュニケーションをとりつつ、何度も操縦を繰り返して、自分が操縦者であることを認めさせるというのがワースブレイド/d20の操兵の操縦のあり方である。
また、ダメージとは別に機体の故障に関するルールや人間が生身で操兵に立ち向かうためのルールなども整備されており、操兵による戦闘に関してはかつてのワースブレイドよりも、よりシステマティックな方向にデザインされている。

関連書籍[編集]

ワースブレイド/d20  ISBN 978-4894256842
基本ルールブック。これとは別に『ダンジョンズ&ドラゴンズ第3.5版』の基本ルールブック三冊(『プレイヤーズ・ハンドブック第3.5版』『ダンジョン・マスターズ・ガイド第3.5版』『モンスター・マニュアル第3.5版』)がないと遊ぶことができない。
ワースブレイド/d20 エクスパンション  ISBN 978-4894258167
サプリメント。高レベルキャラクターでの冒険をサポートしている。

ワースプロジェクト[編集]

ワースブレイドは単にテーブルトークRPGとしてだけでなく、伸童舎のメディアミックス企画「ワースプロジェクト」の一環として販売された。 ワースプロジェクトはア・ハーンを舞台にした作品を様々なメディアで送り出すというものであり、ワースブレイドが休止している現在でもほかのメディアでは継続している。

聖刻(ワース)1092シリーズ
ワースプロジェクトの中核を成す代表作。ソノラマ文庫から小説を中心に展開されている。著者は千葉暁。メインイラストレイターには幡池裕行神宮寺一を起用。2006年以降は設定の矛盾などを修正した「完全版」をソノラマノベルスより刊行中。
ワースブレイドよりも数百年後のア・ハーン大陸の中原と東方を舞台に、快男児フェンと彼の操兵ヴァシュマールの英雄的活躍を描く。(ちなみに操兵の数が増えている以外は大して文明レベルは変わっておらず、いわゆる前近代のノリなのは変わっていない。最大の違いは東方に存在したはずの強大なモンスター達が姿を消していることである(理由は不明とされている))。混同されるが、これに登場する「聖華八門」は聖刻教会内の練法師による秘密組織の名前で上記の練法八門と同意ではない。またこの世界では聖刻暦を使うが、シリーズ名の聖刻1092と言うのは主役機の(仮面に記憶された)機体番号であり、年代を表す物では無い。
なお、聖刻1092の時代を舞台にしたテーブルトークRPG「聖刻1092RPG」というものがワースブレイドとは別個に存在している。ほかにもカセットブックやカードゲーム、また、プレイステーションのRPGにもなっている。一時期はアニメ化の噂もあった。
聖刻群狼伝/聖刻群龍伝シリーズ
中央公論新社C★NOVELSにて小説で展開中。著者は千葉暁。メインイラストレイターには藤井英俊
聖刻1092よりも数十年前のア・ハーン大陸の西方が舞台。戦国時代に突入した西方での、若き公子デュマシオンの戦記物語である。
人馬操兵、龍操兵などのユニークな操兵が出てくるのが特徴のシリーズ。コミック化もされている。
剣の聖刻年代記シリーズ
ソノラマ文庫から小説として展開中。著者は日下部匡俊。メインイラストレイターには撫荒武吉を起用。
ワースブレイドの世界設定を舞台にした小説版である。年代記というだけあって、様々な時代と地域の様々な主人公の複数のシリーズがあり、それらをまとめて剣の聖刻年代記と呼ぶ。
真・聖刻(ラ・ワース)シリーズ
スーパーファミコン用RPGソフト「真・聖刻」を中心としてメディアミックス展開したシリーズ。メインイラストレイターには只野和子を起用。
聖刻1092とほぼ同時代のア・ハーン大陸中原を舞台にした、聖刻1092の外伝的なシリーズ。聖刻1092と共通するキャラクターも登場する。
アスペクトのログアウト冒険文庫で小説版が2シリーズ出た他、CDドラマも発売された。
聖刻覇伝(ワースジード) ラシュオーンの嵐
ラジオドラマ展開されたシリーズ。聖刻1092よりもはるか古代(ワースブレイドと同時代?)の中原を舞台にした物語。メインイラストレイターにはいのまたむつみを起用。
文化放送系でオンエアされた。前半15分は三重野瞳石田彰をパーソナリティとしたトークでラジオドラマ本編に言及することは殆ど無かった。後半15分でサウンドドラマを展開していた。サウンドドラマ部分はビクターエンタテインメントから全四巻でCD化もされている。音楽は大島ミチルが担当しており、サウンドトラックも出ている。このラジオドラマの主人公・アーディ役は声優の岩永哲哉が担当した。
神聖刻記ブリーダーズ・ワース
アスペクトのログアウト冒険文庫 で展開された小説。著者は七星亘。
超古代文明時代に存在したリグマーン大陸を舞台にした物語。全二巻の小説があるがそれ以上の展開はされなかった
なお小説版の展開以前に日本コンピュータシステムが同タイトルゲームの発売を予定していた。ジャンルはRPGで、ハードはPCエンジンCD-ROM²システム。きむらひでふみの手によるキャラデザイン等を掲載したチラシなども配布されていたが発売中止となっている。このゲーム版と小説版の関係は不明。
聖刻真拳プラグリュード
ワースプロジェクトでは、ワースブレイドとは別個にテーブルトークRPGを発売する計画があった。それがこの「聖刻真拳プラグリュード」である。
当時人気を博していた『機動武闘伝Gガンダム』に大きな影響を受けた作品で、操兵同士の格闘戦をテーマにしたゲームになる予定であった。システムはカードを使い、パンチやキックなどの技のカードを場に出すことで、対戦格闘ゲーム的な「コンボ」をスピーディーに再現可能にするつもりだったらしい。
RPGマガジンの57号から63号までにかけて紹介されたが、いつのまにか企画倒れになってしまった。
聖刻邪塔伝ヴェントストラーダ
中原れいによるコミック。千葉暁が原作を担当。アスキーコミック1994年12月号から1995年2月号まで連載したところで休載に入る。同誌が1995年9月号をもって休刊となったことから未完のままで終わった。

外部リンク[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし精神乗っ取りに関してはリプレイ等でほのめかされているだけで、ルール的には他の操兵と同じ確率である(参照するのは仮面ランクのみなので狩猟機と同等)。