マッカサン駅

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マッカサン駅(マッカサンえき、タイ語:สถานีรถไฟมักกะสัน)は、タイ王国首都バンコク都ラーチャテーウィー区にある、タイ国有鉄道東本線及びエアポート・レール・リンクである。

タイ国有鉄道東本線[編集]

マッカサン駅
マッカサン駅(鉄道工場東側付近2009年8月撮影)
マッカサン駅
(鉄道工場東側付近2009年8月撮影)
มักกะสัน
Makkasan
所在地 タイ王国の旗 タイ王国
バンコク都
ラーチャテーウィー区
駅番号 3001
所属事業者 タイ国有鉄道
等級 一等駅
電報略号 มส.
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1908年1月24日
乗入路線 2 路線
所属路線 東本線
キロ程 5.17km(クルンテープ駅起点)
(1.81km) アソーク
所属路線 貨物線
キロ程 0.00km(マッカサン駅起点)
(4.60km) メーナーム

概要[編集]

1910年に、当駅から分岐してバンコク港(メーナーム駅)[1]へ向かう貨物線が、1936年には当駅と北本線チットラッダー王室駅との間を短絡する貨物線がそれぞれ開通し[2]、以来分岐点として機能している。

また、1910年には、当駅に隣接してタイ国鉄所属車両の検査・重整備等を行うマッカサン鉄道工場が設置されており、入出場車両も発着する。

これらの分岐線への着発線や、工場への入出場車両の操車のための側線等が設けられており、広い構内を有する。この鉄道用地の一部はエアポート・レール・リンクの建設に転用されている。

旅客扱施設は、片面ホーム・島式ホーム各1面を有する地平駅の構造であるが[3]、本線部分は1面1線のみの使用となっている。2階建ての駅舎があり[4]、1日あたり上下各10-12本前後の旅客列車が発着する。

本線の旅客扱施設は1線のみであるが、旅客扱施設の東方に交換設備が設けられており、本線列車同士の離合はここで行われる。

また、エアポート・リンクの開業に合わせて、東本線は当駅以東、フアマーク駅までが複線から単線に換えられたが、この区間はもともと信号が自動化されていなかったため、現在当駅とフアマーク駅の間は通票閉塞方式による単線非自動閉塞区間となっている。

歴史[編集]

1908年1月24日、当駅付近を含むタイ国鉄東本線第1期区間バンコク(クルンテープ駅) - チャチューンサオ間が開通[5]

  • 1908年1月24日 【開業】クルンテープ駅 - チャチューンサオ駅 (60.99km)

マッカサン鉄道工場[編集]

1897年のタイ国鉄最初の路線(バンコク - アユタヤ間)開通に伴い、フワランポーン駅構内に鉄道工場が開設され、操業を開始した。その後、フワランポーン駅構内改良に伴い、1910年に工場が当駅へ移転[6]1927年には、南本線(それまで他のタイ国鉄幹線と接続していなかった)と北本線との連絡線開通に伴い、各線区の車両整備を担当することとなり、以来マッカサン鉄道工場はタイ国鉄の中央工場としての位置付けとなっている。

第二次世界大戦中、マッカサン鉄道工場は連合国軍による主要爆撃目標の一つとなり、1944年1945年に相次いで爆撃を受け、壊滅的な被害を受けた[7][8]。戦後は世界銀行からの借款により復旧工事が行われて機能を回復し[9]、各種鉄道車両の検査・重整備の他、一部の客車貨車の新製も行っている[10][11]

1990年代後期以降、日本から余剰となったキハ58系気動車14系客車24系客車等の鉄道車両がタイ国鉄へ譲渡されるようになり、これらの譲受車両の改造工事も実施している[12]

なお、当鉄道工場内においては写真撮影が禁止されている。

エアポート・レール・リンク[編集]

マッカサン駅
Makkasan Station Sign.jpg
มักกะสัน
Makkasan
所在地 タイ王国の旗 タイ王国
バンコク都
ラーチャテーウィー区
駅番号  6 
所属路線 エアポート・レール・リンク
駅構造 高架駅
ホーム 2面4線
開業年月日 2010年8月23日

概要[編集]

2006年9月28日に開港したスワンナプーム国際空港(新バンコク国際空港 New Bangkok International Airport, NBIA とも呼ばれている。)の旅客輸送を主目的として、2010年8月23日に正式開業。2面4線の高架駅。東線アソーク駅[13]及びバンコク・メトロペッチャブリー駅に近い。東本線のマッカサン駅からは鉄道工場を挟んで東方に離れた場所に設置されている。

当駅からスワンナプーム駅まで、ノンストップの SA Express が運行される。また、パヤータイ駅から当駅を経由し、スワンナプーム駅まで各駅停車の SA City Line が運行される。

SA Express と SA City Line は全く別の運賃体系となっていることから、誤乗を避けるため当駅のホームには仕切りが設けられ、両者の乗降位置が完全に分離されている。中間改札も設けられていないことから、SA Express と SA City Line を乗り継ぐには、一旦改札を出て新たに切符を買い直した上で再入場する必要がある。

バンコク・メトロのペッチャブリー駅までは徒歩5分ほどであるが、パヤータイ駅のような連絡通路は整備されていなかった。そのため案内板に沿って路上を歩いて移動するか、本数の少ない無料送迎カートを利用する必要があった。2013年8月、高架歩道が完成し、MRT ペッチャブリー駅への徒歩移動が便利になった。

当駅からタクシースクムウィット通り方面に向かう場合は、一方通行のため大回りが必要であり、交通渋滞や信号待ちの影響を受けやすい。

シティ・エア・ターミナル[編集]

スワンナプーム国際空港のチェックインができる施設が併設されている。2011年1月4日からタイ国際航空及びバンコク・エアウェイズの便についてチェックインサービスの提供が開始された[14]

シティ・エア・ターミナル 
シティ・エア・ターミナル 
プラットホーム 

駅周辺の施設等[編集]

タイ国鉄東線側[編集]

  • 鉄道病院
  • バンコクパレスホテル
  • ラマダデーマ・バンコクホテル

エアポート・レール・リンク側[編集]

脚注[編集]

  1. ^ バンコク港の整備・供用開始は1951年だが、メーナーム駅自体はそれ以前の1910年からチャオプラヤー川左岸に設けられていた(バンコク港を参照)。
  2. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.147
  3. ^ 『鉄道ピクトリアル』2000年6月号(No.686)p.110掲載の構内の写真による、
  4. ^ 『鉄道ジャーナル』2007年9月号(No.491)p.137掲載の構内の写真による、
  5. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.49
  6. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.69
  7. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.165-p.166
  8. ^ バンコク空襲も参照。
  9. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.173-p.174,p.177
  10. ^ 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)p.231
  11. ^ 国鉄10系客車#輸出車両等も参照。
  12. ^ 『鉄道ピクトリアル』2004年7月号(No.748)p.141
  13. ^ マッカサン鉄道工場の東側にある1面1線の地平駅。バンコク・スカイトレインの同名駅とは全く別の駅。
  14. ^ タイ国政府観光庁公式サイト掲載「エアポートリンク 正規料金、フリーチェックイン開始」

参考文献[編集]

  • 柿崎一郎 『王国の鉄路 タイ鉄道の歴史』 (京都大学学術出版会、2010年)ISBN 978-4-87698-848-8
  • 渡邉乙弘 『タイ国鉄4000キロの旅』 (文芸社、2013年)ISBN 978-4-286-13041-5

関連項目[編集]