ブギーポップシリーズ

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ブギーポップシリーズは、上遠野浩平著の小説シリーズ。第1作『ブギーポップは笑わない』は第4回電撃ゲーム小説大賞受賞作品で、電撃文庫の人気シリーズ。著者のデビュー作でもある。イラストは緒方剛志が担当している。

目次

[編集] 概要

“世界の敵”と戦うために一人の少女の中から浮かび上がってくる、ブギーポップと名乗る人格と、さまざまな夢や、希望や、あきらめや、悩みや、いろいろな思いを持っている少年少女達の物語。「ブギーポップ(不気味な泡)」とは、周囲に異変を察知したときに自動的に人格が浮かび上がってくることを由来とする、同名のキャラクターの自称を指す。

この作品のヒットが『ブラックロッド』(古橋秀之著)によって源流が作られた電撃文庫の個性を形作る流れをより強め、ライトノベルのレーベルの中での電撃文庫の位置づけをより確定的なものにすると共に、ライトノベル界に大きな影響を与えた。

後進に与えた影響も大きく、西尾維新は本作引いては上遠野浩平の作品が、執筆業を志した決定打であったと度々インタビューで答えている。そのため、上遠野本人との対談では自身のデビュー作である『戯言シリーズ』が本シリーズのオマージュ、『零崎一賊シリーズ』が『ビートのディシプリンシリーズ』のオマージュである事を明かした。他に時雨沢恵一は本作を読み電撃ゲーム小説大賞(現・電撃小説大賞)への投稿を決めたと語った。また、奈須きのこは『空の境界』執筆中に武内崇とその実兄に「お前が書きたいのはこれだろう?」と本作を薦められたと述べている。読了後、彼は自分なりに本作含む他方向から受けた影響を昇華し『月姫』を執筆した。 [要出典]

海外アーティスト名を元にしたMPLS能力名の取り方等、『ジョジョの奇妙な冒険』の影響を強く受けており、文章中にも希にパロディ的な表現が見受けられる。

[編集] シリーズ

  • ブギーポップは笑わない(1998年2月)
    それぞれの登場人物の視点から物語を重ねるという手法を取り、全ての物語が重なったとき、全体の物語が浮かび上がってくるという構成になっている。
  • ブギーポップ・リターンズVSイマジネーターPart.1、Part.2(1998年8月2巻同時発売)
    VSイマジネーターシリーズは「夜明けのブギーポップ」の一篇がPart.3、ナイトウォッチシリーズの「わたしは虚夢を月に聴く」がPart.4となっている。
  • ブギーポップ・イン・ザ・ミラー パンドラ(1998年12月)
  • ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王(1999年2月)
    英文タイトルが「HeartbreakerII」となっている。
  • 夜明けのブギーポップ(1999年5月)
  • ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師(1999年8月)
  • ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕(1999年12月)
  • ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生(2000年2月)
  • ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド(2001年2月)
  • ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト(2001年9月)
  • ブギーポップ・スタッカート ジンクス・ショップへようこそ(2003年3月)
  • ブギーポップ・バウンディング ロスト・メビウス(2005年4月)
  • ブギーポップ・イントレランス オルフェの方舟(2006年4月)
  • ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド(2008年1月)
  • 短編
    • メタル・グゥルー(電撃hp3号掲載、単行本未収録)
    • ロンドン・コーリング(電撃hp4号掲載、単行本未収録)
    • 死神を待ちながら(電撃hp5号掲載、単行本未収録)
    • チャリオット・チューグル(電撃hp6号掲載、単行本未収録)
    • ブギートーク・ポップライフ(CD「ニュルンベルクのマイスタージンガー第1幕への前奏曲ブギーポップ・ヴァージョン」に掲載)

[編集] 映像作品

[編集] 実写映画

  • ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others
2000年3月11日公開。第1作の映画化。主演の吉野紗香メディアワークス主宰のラジオ番組「電撃大賞」の第6期パーソナリティーに起用される。

[編集] スタッフ

[編集] キャスト

なお、一瞬だが上遠野浩平もエキストラ(階段で本を読む男性)として登場している。

[編集] 主題歌

  • 夕立ち 
歌:スガシカオ(アルバム『Sweet』収録)
アニメ版(後述)のOP曲にも用いられている。

[編集] テレビアニメ

  • ブギーポップは笑わない Boogiepop Phantom
2000年1月5日から3月22日にテレビ東京系で放映(全12話)。
小説の『ブギーポップは笑わない』及び『夜明けのブギーポップ』の後日談を描いたオリジナルストーリー。実体を持たないもう一人のブギーポップ(ブギーポップ・ファントム)が登場する。
同年公開の映画版とリンクするメディアミックス企画であり、原作の場面や台詞も登場するがその一部は映画版のそれに基づいている。
原作と同様に各話の語り手が異なり、全ての話を見ることで事件の全体像が浮かび上がってくる構成となっているが、小説を読んでいないと内容をほとんど理解できない(『笑わない』の部分は映画版によって補われるはずだったが、公開が遅れたため構想が狂ってしまった)。
ほぼ全編を通して明度が抑えられた暗い色調の画面が続き、物語の重奏低音である登場人物の不安や憂鬱と相まって、サイコホラー的な演出効果をもたらしている。後の製作者サイドのコメントによると、色調に関しては特に演出意図はなく、想定していた以上の暗さに製作者も意表を突かれたという。電撃文庫より「ブギーポップは笑わない TVシリーズシナリオ集」(全2巻)も出ている。
アニメ版が外伝的なオリジナルストーリーとなった理由として、シリーズ構成の村井さだゆきは、原作がシリーズもののTVアニメに向かない構成であることを上げている。
キャストは若手中心で構成されているが、各回の主人公、物語全体のキーパーソン、顔見せ程度の原作キャラを含む端役などの声優には、後に人気声優になったものが少なからずいる。

[編集] スタッフ

  • 原作:上遠野浩平
  • 企画:プロジェクト・ブギーポップ(宮野洋美、中村直樹、西村浩哉、大島満)
  • 監督:渡部高志
  • 助監督:安田賢司
  • シリーズ構成:村井さだゆき
  • キャラクター原案:緒方剛志
  • キャラクターデザイン:須賀重行
  • 美術監修:加藤浩
  • 美術監督:平間由香、保木いずみ(スタジオ美峰
  • 美術設定:平沢晃弘
  • 色彩設定:鈴城るみ子
  • 撮影監督:安津畑隆
  • 編集:瀬山武司
  • 音響監督:鶴岡陽太
  • 録音スタジオ:東京テレビセンター
  • 音響製作:楽音舎
  • サウンドデザイン:笠松広司(デジタルサーカス
  • 音楽:The Art of Club ForB.P.
  • 音楽協力:テレビ東京ミュージック
  • 番組担当:岩田圭介(テレビ東京)
  • プロデューサー:丸山正雄、植田泰生、古瀬和也
  • アニメーションプロデューサー:浅利義美(トライアングルスタッフ)、安部正次郎(トライアングルスタッフ)
  • アニメーション制作協力:トライアングルスタッフ
  • アニメーション制作:マッドハウス

[編集] 主題歌

  • OP 「夕立ち」 スガシカオ
  • ED 「未来世紀㊙クラブ」 杏子

[編集] サブタイトル

話数 サブタイトル 脚本 絵コンテ 演出 作画監督
1 Portraits from Memory
記憶の肖像
村井さだゆき 渡部高志
安田賢司
安田賢司 須賀重行
2 Light in Darkness
闇の灯火
安田賢司 米田光宏 田中穣
3 Life Can Be So Nice
世界を受け入れし者
水上清資 村田雅彦 関口雅浩
4 MY FAIR LADY
けがれなき少女への愛
野尻靖之 松浦錠平 福世孝明
三宅雄一郎
5 Interlude
間奏
村井さだゆき 安田賢司 三浦和也
6 Mother's Day
汝、母を愛せよ
野尻靖之 渡部高志
えんどうてつや
熨斗谷充孝 浅野ヒロ
7 Until Ure In My Arms Again
世にかなわぬ願いなく
水上清資 仁賀緑朗 山田次郎 関口雅浩
8 She's So Unusual
彼女の生き方
村井さだゆき 川瀬敏文 山本恵 秦野好紹
梅原隆弘
9 You'll never be young twice
過ぎ去りし我が時
野尻靖之 安田賢司 松本文男
10 Poom Poom
プームプーム
水上清資 佐藤雄三 金紀杜
11 Under The Gravity's Rainbow
村井さだゆき 仁賀緑朗 矢吹勉 米田光宏
三浦和也
伊藤良明
松本文男
12 A Requiem
眠りによって全てが終わる
渡部高志 安田賢司 須賀重行

[編集] キャスト

  • 宮下藤花(みやした とうか)/ブギーポップ(:清水香里
  • 霧間凪(きりま なぎ)(声:浅川悠
  • 百合原美奈子(ゆりはら みなこ)/ブギーポップ・ファントム(声:浅野まゆみ
  • 早乙女正美(さおとめ まさみ)(声:福山潤
  • 如月真名花(きさらぎ まなか)(声:小林沙苗
  • 殿村望都(とのむら もと)(声:能登麻美子
  • 来生真紀子(きすぎ まきこ)(声:伊藤美紀

[編集] 前後番組

テレビ東京 水曜25時45分 - 26時15分枠
前番組 番組名 次番組
ブギーポップは笑わない

[編集] 漫画作品

ブギーポップは笑わない(コミック版)
原作上遠野浩平、作画緒方剛志。小説の挿絵担当者による原作第1巻のコミック化(全2巻)。
雑誌に連載時の最終回に、続編を連想させるような数ページの描写(VSイマジネーター の敵と、横断歩道ですれ違うもの)があったが、単行本ではカットされた。
ブギーポップ・デュアル 負け犬たちのサーカス
原案上遠野浩平、作画高野真之のコミック(全2巻)。小説版とは別の「ブギーポップ」が登場する。

注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


[編集] 登場人物

ブギーポップシリーズの登場人物を参照のこと。

[編集] 用語

深陽学園
竹田、藤花ら何人かの登場人物が通う高校。いくつかの事件の舞台にもなっている。なお、アニメでの呼び名は「しんようがくえん」となっているが、著者が決めていない為、正式な呼び名は不明となっている。
世界の敵
この世界の持つ可能性を閉ざしてしまう危険を秘めた存在だと言われている。敵となる条件は、その対象の「意思」と「能力」の方向性で決定されている。敵となっているものはMPLS能力を有する為の価値観ゆえに、意思の方向性が変容、決定している場合が多い。
MPLS
人類の進化した姿といわれている、何らかの特殊能力をもつ人間。物理的影響を及ぼすものから、他者心理への影響を直接的に起こすものなどがある。なお、合成人間からもMPLSへと目覚める者は存在している。
統和機構
この世界を裏で操っていると言われる存在。中枢(アクシズ)と呼ばれる存在によって統制されているが、その実体は組織と言うよりシステムと言った方が正確な存在。虚空牙であるエコーズの捕獲に成功することで合成人間の製造技術を実質独占し、世界中のあらゆる場所、政治経済エリートから地域社会の隅々に至るまでに端末と呼ばれる構成員をおく。
戦闘用合成人間およびMPLSといった戦力もほぼ独占している状態となっており、様々な反統和機構組織とは有する戦力から、規模に至るまで比較にはなっていない。構成員は中枢の名で発せられる命令に従って動き、MPLSの探索および危険と判断された場合の排除を主な活動内容とする。作中で存在意義を表す際に「未来に抵抗する現在」とされた。設立の起源についてなど不明確な点が多く、その概念自体は既に数百年前から存在していた、という描写もある。
中枢(アクシズ)
統和機構のエージェントたちが受けた命令の発信者を漠然と指すときに用いられる言葉であるが、統和機構全体の最高指揮権を有する存在そのものを指す言葉でもある。実体は統和機構のエージェントたちにすら不明で、絶対的な存在である個人、複数の権力者に因る会議、スーパーコンピューター等様々な説がある。
合成人間
人工的に造られた特殊能力をもつ生体兵器。基本的にはエージェントとしての任務を遂行する為に、一般社会に極普通に溶け込んで生活している。その製造技術は統和機構のみが所持しているが、稀にコールド・メディシン(蒼衣秋良)のように流出した技術で他の組織によって造られる事もある。また、製造コストが高い「スーパービルド」と呼称される特別製の合成人間も存在する。本シリーズと大変深い関わりを持つ『ビートのディシプリン』では、合成人間誕生の秘密の一部が明かされている。
MCE(ムーンコミュニケーションズ・エンタープライゼス)
実業家 寺月恭一郎が設立した巨大企業。その実体は統和機構が経済を操作するための存在であったが…。
I.C.E[アイス] (In・Complete Error)
未完成で失敗作の合成人間のこと。
PW
MCEのアイスクリーム部門。一風変わったアイスを売り、大変な人気を呼ぶ事になる。
ダイヤモンズ
反統和機構組織の中でも有力な組織の一つ。世界各地に拠点を有し、統和機構と暗闘を繰り広げている。
集団昏睡事件
とある街で高校生たちが昏睡状態に陥り、病院に運ばれたものの回復しないで眠り続ける状態となった事件。各方面の関心を呼んで調査が始まる。
ロックボトム
詳細が全く不明な世界の敵のひとつ。その正体は地面に根を張ることで地中の気の流れ、「地脈」を操り地震を発生させることのできる謎の植物である。塩分に非常に弱いという特性がある。
ペイズリーパーク
町の外れにある開発途中で頓挫した遊園地。
ジンクス・ショップ
楢崎不二子が起業した小さな店。その名の通り“ジンクス”を売り、高校生層を中心に口コミで評判になる。ここでいうジンクスとはある種のちょっとした未来予測とそれへの対処法を意味する。
牙の痕
郊外の丘にある謎の地形で同様の地形が世界各地に4ヶ所確認されている。その地形の正体は、ナイトウォッチシリーズに登場する人類の天敵「虚空牙」が、人類の調査のために送り込んだ使者が降り立った跡。4ヶ所のうち1つでは天から降りてきた存在の回収に成功したが、マンティコア・ショックの際にそれも失われてしまったという。
提案者
飛鳥井仁が設立したグループ。設立目的は、MPLS同士が相互に助け合う事。高代亨・霧間凪・軌川十助らが所属し、九連内朱巳グループとも連携していることからかなりの戦力を有すると考えられる。統和機構の注意は引かない方針を取っているらしいが、実際は複数の統和機構がらみの事件で被害にあった人々を救援する活動を行っている。事件そのものが世界中で起こる為、常に人手不足に悩まされている。
クレイムクラブ
統和機構の活動を分析し、そこから利益を引き出すことを目的に設立された。

以上で物語・作品に関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 関連作品

上遠野作品は全ての作品が、どこかでリンクし繋がっている。以下にはブギーポップシリーズと直接リンクしている作品を挙げる。

ビートのディシプリン
ブギーポップと同一の世界設定と作品内の年代を共有し、合成人間ピート・ビートを主人公として物語が進展する。
わたしは虚無を月に聴く
ナイトウォッチ三部作の2作目。ブギーポップの遥か未来の物語だが、ブギーポップのある登場人物が重要な役割で登場する。
しずるさんシリーズ
ブギーポップと同一世界の物語。しずるさんの入院している病院は「ホーリー&ゴースト」に登場するスリム・シェイプが入院している病院と同一のものである。
ソウルドロップの幽体研究
ブギーポップと同一世界の物語。ブギーポップやしずるさんに登場したキャラクターや用語が多数登場している。
ギニョールアイの城
殺竜事件』シリーズの外伝。「ホーリィ&ゴースト」に登場する雨宮世津子はこの作品が初登場。
アウトランドスの戀・ポルシェ式ヤークト・ティーガー
統和機構の合成人間が登場する物語で、事件シリーズとも関係している。
酸素は鏡に映らない
ブギーポップと同一世界の物語。組織や登場人物等、随所でブギーポップシリーズとのリンクが見られる。
ヴァルプルギスの後悔
霧間凪を中心とした物語。ヴァルプルギス(炎の魔女)とアルケスティス、二人の魔女の戦いが中核となる。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

第4回電撃ゲーム小説大賞・大賞受賞作品
第3回 ブギーポップは笑わない
上遠野浩平
第5回
該当作品なし 該当作品なし