フィリップ・マーロウ

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フィリップ・マーロウ(Philip Marlowe)は、レイモンド・チャンドラーが生み出したハードボイルド小説の探偵。マーロウの名はチャンドラーが在籍したロンドンのダリッジ・カレッジの寮名である。

地方検事局の捜査官をしていたが、命令違反で免職となりロサンゼルスで私立探偵を開業する。

警察に対しても服従しないのがポリシーだが、金や政治という複雑な背景があってオプ(operative―私立探偵)が成立している面も認識しており、慎重に事件を調べる癖がある。反面、弱い者に対して非情に切り捨てる事ができないために悪党に弱みを握られることもある。

拳銃を所有しているが、普段は携行しておらず、滅多に撃つことはない。

姓の最後に"e"がつくのか、と問いかけられるシーンが何度かある。

6作目の『長いお別れ』では、42歳と自称し、ローレル・キャニオン英語版地区のユッカ街英語版に住んでいる。

登場作品[編集]

長編
中短編
  • 密告した男(1934年
  • マーロウ最後の事件(1959年

他に、マーロウ以外の探偵が登場した作品を、のちにマーロウものに書き改めた短編がいくつかある。

TV・映画でフィリップ・マーロウを演じた俳優[編集]

ハンフリー・ボガートロバート・ミッチャムなどアメリカ合衆国を代表する俳優が演じたが、作者が最もイメージに合っているとして挙げたのはケーリー・グラントだった。

2014年までに以下の俳優も演じている。

代表的な台詞[編集]

「タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」
原文は「If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.」
作中のヒロインから、「あなたの様に強い(hard)人が、どうしてそんなに優しく(gentle)なれるの?」と問われて。
清水俊二訳は「しっかりしていなかったら、生きていられない。やさしくなれなかったら、生きている資格がない」(『プレイバック』(早川書房、1959年10月)第25章)。
生島治郎訳は「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」(『傷痕の街』(講談社、1964年3月)あとがき)。
矢作俊彦『複雑な彼女と単純な場所』(新潮文庫、1990年12月)では、「ハードでなければ生きていけない、ジェントルでなければ生きていく気にもなれない」が正しいとしている。
「さよならをいうのは、少し死ぬことだ」
原文は「To say Good bye is to die a little.」
清水俊二訳では「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ」(『長いお別れ』第50章)
村上春樹訳では「さよならを言うのは、少しだけ死ぬことだ」(『ロング・グッドバイ』第50章)
マーロウは「フランス人の言葉」として回想している。
ギムレットには早すぎる」
原文は「I suppose it's a bit too early for a gimlet. 」
これはゲストキャラクターがマーロウに言ったセリフである
清水俊二訳では「ギムレットにはまだ早すぎるね」(『長いお別れ』第52章)
村上春樹訳では「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」(『ロング・グッドバイ』第52章)
「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」
原文は「Take my tip—don't shoot it at people, unless you get to be a better shot. Remember?」

脚注[編集]

  1. ^ 浅野忠信 : デビュー26年で初の連ドラ主演”. まんたんウェブ (2014年1月14日). 2014年4月27日閲覧。

関連項目[編集]

  • S&W M36 - マーロウが所持している38口径の拳銃の一つ。通称「チーフスペシャル」
  • ノウゼンカズラ - 自宅の外に植えてあり、日本人の庭師が週に1回剪定に来る。村上春樹訳の『ロング・グッドバイ』では「ノウセンカズラ」と表記されている。