ニコラ・カリニッチ

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ニコラ・カリニッチ
クロアチア代表でのカリニッチ (2013年)
名前
ラテン文字 Nikola Kalinić
基本情報
国籍 クロアチアの旗 クロアチア
生年月日 (1988-01-05) 1988年1月5日(36歳)
出身地 ユーゴスラビア社会主義連邦共和国の旗 ユーゴスラビア ソリン
身長 187cm
体重 77kg
選手情報
在籍チーム クロアチアの旗 HNKハイドゥク・スプリト
ポジション FW
背番号 9
利き足 右足
ユース
1998–2005 クロアチアの旗 HNKハイデュク・スプリト
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2005-2009 クロアチアの旗 HNKハイドゥク・スプリト 59 (32)
2005-2006 クロアチアの旗 NKイストラ1961 (loan) 12 (3)
2006-2007 クロアチアの旗 HNKシベニク (loan) 8 (3)
2009-2011 イングランドの旗 ブラックバーン 44 (7)
2011-2015 ウクライナの旗 ドニプロ 86 (37)
2015-2018 イタリアの旗 ACFフィオレンティーナ 69 (27)
2017-2018 イタリアの旗 ACミラン (loan) 31 (6)
2018 イタリアの旗 ACミラン 0 (0)
2018-2020 スペインの旗 アトレティコ・マドリード 17 (2)
2019-2020 イタリアの旗 ASローマ (loan) 15 (5)
2020-2022 イタリアの旗 エラス・ヴェローナFC 19 (2)
2022- クロアチアの旗 ハイドゥク・スプリト
代表歴2
2003  クロアチア U-16 2 (1)
2004-2005  クロアチア U-17 18 (15)
2005-2007  クロアチア U-19 12 (11)
2006  クロアチア U-20 1 (0)
2007-2010  クロアチア U-21 9 (4)
2008-2018 クロアチアの旗 クロアチア 42 (15)
1. 国内リーグ戦に限る。2022年2月7日現在。
2. 2018年3月28日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

ニコラ・カリニッチ(Nikola Kalinić, 1988年1月5日 – )は、クロアチアソリン出身のサッカー選手HNKハイドゥク・スプリト所属。元クロアチア代表。ポジションはフォワード

経歴[編集]

クラブ[編集]

クロアチア時代[編集]

クロアチアのHNKハイデュク・スプリトのユース部門で育成期間を過ごし、2005年から17歳にして同クラブのシニア所属の選手となった。同年すぐにNKイストラ1961にレンタルされプロデビューを果たした。デビューシーズンは12試合出場し3得点をあげた。当時同クラブを率いていたクルノスラフ・ユルチッチ監督は「カリニッチはクロアチアのイブラヒモビッチになれる」と評した[1]。本人はイストラに残ることを希望したが、2006-07シーズンは保有権を持つハイデュク・スプリトの意向でHNKシベニクにレンタルで移籍し、8試合出場、3得点をする。出場機会は限られたものの、同クラブではオールラウンドなプレースタイルと得点能力の高さを伺わせた。

クロアチアのプロリーグで通用することを証明したカリニッチは、2007-08シーズンからはハイデュク・スプリトにレンタルバックし19歳でファーストチームに所属することになった。レンタルバックした復帰1年目から主力として活躍し、リーグ戦では25試合出場17得点した。このシーズンのリーグ得点王とはならなかったものの、翌年16得点で得点王となったマリオ・マンジュキッチを上回る得点数であり19歳のフォワードとして高く評価された。2008-09シーズンはリーグ戦に28試合に出場15得点をし、前述のマンジュキッチと得点王争いをする活躍をした。シーズン終了後にカリニッチは英国プレミアリーグポーツマスFCのトライアルを受けるものの、移籍金の面で合意に至らず移籍は破談となった。

ブラックバーン[編集]

2009年8月3日、イングランドのブラックバーン・ローヴァーズFCに移籍した[2]。移籍初年度は26試合に出場し2得点をあげる。得点数は少なかったものの主力の一員としてサム・アラダイス監督の構想には入っていたが、翌年監督がスティーブ・キーン英語版に代わると出場機会が減っていった。ブラックバーンの2年間で44試合出場7得点の成績を挙げた。

ドニプロ[編集]

2011-12シーズンよりウクライナのドニプロに移籍。4年間82試合出場で34得点。2014-15シーズンにチームはヨーロッパリーグ決勝まで駒を進め、決勝戦でゴールを決めた(試合はセビージャに2-3で敗北)。この活躍が評価され、2015-16シーズンよりACFフィオレンティーナに移籍[3]

フィオレンティーナ[編集]

2015年8月14日に4年契約でACFフィオレンティーナに移籍することが同クラブの公式サイトにより発表された[4]。同年9月27日に行われたセリエA6節の対インテル戦においてトリプレッタ(3得点)を記録し、フィオレンティーナを16年ぶりのリーグ首位につける勝利(4-1)に貢献した。ACFフィオレンティーナでの1年目は、リーグ戦で12ゴールを記録した[5]。2016年10月23日のカリアリ戦でもハットトリックを達成した[6]。2016-17シーズンはセリエAで15得点を記録した。

ミラン[編集]

2017年8月22日、ACミランに買い取り義務付きのレンタル移籍で加入、4年契約を結んだ[7]

アトレティコ・マドリード[編集]

2018年8月9日、アトレティコ・マドリードに3年契約で移籍[8]

9月1日のセルタ・デ・ビーゴ戦に56分から出場してリーガデビューを果たした。 2018年12月8日、負傷したジエゴ・コスタの代わりにアラベス戦に先発出場し、チームの勝利に貢献する初ゴールを決めた。

ローマ[編集]

2019年9月2日、ASローマにレンタル移籍した[9]。レンタル料は200万ユーロで、900万ユーロでの買取オプションが付随する。2020年3月1日、カリアリ戦で移籍後初ゴールとなる先制点を挙げると、2点目のゴールも挙げてドッピエッタを達成した[10]。 ローマは買取オプションを使用しないことを選択し、シーズン終了後にアトレティコに復帰した。

エラス・ヴェローナ[編集]

2020年10月5日、エラス・ヴェローナFCと2年契約を結んだ[11]。その後、2022年2月6日のユヴェントスFC戦の試合後に退団したことが発表された[12]

母国に復帰[編集]

エラス・ヴェローナFCを退団した翌日の2022年2月7日、古巣のHNKハイドゥク・スプリトと契約した[13]

代表[編集]

世代別代表で得点を量産し、UEFA EURO 2008のメンバーに選ばれると、大会前に行われた2008年5月24日のモルドバ戦でクロアチア代表デビュー。大会本戦ではグループリーグ第3戦のポーランド戦に途中出場した。

2010年11月16日のUEFA EURO 2012予選マルタ戦で代表初得点を記録。2011年2月9日のチェコ戦では初めて2得点を挙げた。2016年6月4日のサンマリノとの親善試合でハットトリックを達成。

2018 FIFAワールドカップメンバーに選出されたが、グループリーグ初戦のナイジェリア戦で背中の負傷を理由に途中出場を拒否し、大会の途中で代表から追放され、強制帰国させられた[14][15]

タイトル[編集]

クラブ[編集]

アトレティコ・マドリード
ハイドゥク・スプリト

個人[編集]

人物[編集]

戦術理解度が高く、チームのために献身的な働きができる柔軟なセンターフォワードであると評価されている。前線からの守備や身長の高さを活かしたポストプレーにも優れる。ゴール前では非常に冷静であり、左右の脚を遜色なく使い様々な体勢からシュートを蹴ることが可能である[16]。足元の技術が高く、特にヒールを使ったトラップ、パス、シュートを好んで行い、代表やクラブの公式戦においてもヒールでゴールやアシストを決めている[17]フィオレンティーナにおいてカリニッチを獲得することを直々に望んだパウロ・ソウザは「カリニッチは、テクニック、タクティカル(戦術的)な面だけではなく、メンタル、フィジカルの面からも最高レベルの選手」と評価している[18]

エピソード[編集]

  • ACミランの選手で解説者を務める同胞のズボニミール・ボバンは「若いころのカリニッチは怪物のようだった」と評している。ドニプロを経てフィオレンティーナでの活躍の様子は「成熟し、落ち着きを増してプロフェッショナルとなった」と語っている[19]

出典・脚注[編集]

  1. ^ Biografijanikolakalinic.com (2008) (クロアチア語), 2015-9-28閲覧
  2. ^ Rovers 'complete' Kalinic dealskysports.com (2009-8-4) (英語), 2015-9-28閲覧
  3. ^ フィオレンティーナ、クロアチア代表FW獲得…昨季EL決勝でゴールサッカーキング、2015年8月15日
  4. ^ KALINIC E’ UN GIOCATORE DELLA FIORENTINAviolachannel.tv (2015-8-14) (イタリア語), 2015-9-28閲覧
  5. ^ Nikola Kalinic - DETAILED STATS”. transfermarkt.com. 2019年12月23日閲覧。
  6. ^ “Cagliari 3-5 Fiorentina”. BBC Sport. (2016年10月23日). http://www.bbc.com/sport/football/37746258 2016年10月25日閲覧。 
  7. ^ “UFFICIALE: KALINIC È ROSSONERO”. Ac milan:sito ufficiale. (2017年8月22日). https://www.acmilan.com/it/news/comunicati-ufficiali/2017-08-22/ufficiale-kalinic-e-rossonero 2017年8月22日閲覧。 
  8. ^ “Acuerdo con el AC Milan para el traspaso de Niko Kalinic”. Página oficial del Atlético de Madrid. (2018年8月9日). http://www.atleticodemadrid.com/noticias/acuerdo-con-el-ac-milan-para-el-traspaso-de-niko-kalinic 2018年8月10日閲覧。 
  9. ^ Roma complete loan signing of Kalinic” (英語). www.asroma.com. 2019年9月3日閲覧。
  10. ^ カリニッチ、ローマ移籍後初ゴール含むドッピエッタの活躍「常にチームを助けようとしてきた」”. 超ワールドサッカー (2020年3月2日). 2020年3月3日閲覧。
  11. ^ Ufficiale: Nikola Kalinić al centro dell’attacco gialloblu sino al 2022”. hellasverona.it (2020年10月5日). 2020年10月13日閲覧。
  12. ^ ヴェローナ、カリニッチが退団…ユーベ戦出場から数時間後の発表に”. 超ワールドサッカー (2022年2月7日). 2022年2月7日閲覧。
  13. ^ クロアチア代表FWカリニッチが12年半ぶりに古巣ハイドゥクに復帰”. 超ワールドサッカー (2022年2月7日). 2022年2月7日閲覧。
  14. ^ “Nikola Kalinic: Croatia send striker home after back injury claim” (英語). BBC. (2018年6月18日). https://www.bbc.com/sport/football/44524546 2018年6月22日閲覧。 
  15. ^ “クロアチア代表に衝撃…監督がFWカリニッチを追放、出場拒否が原因か”. サッカーキング (フロムワン). (2018年6月19日). https://www.soccer-king.jp/news/world/wc/20180619/779272.html 2018年6月22日閲覧。 
  16. ^ SCHEDA VN: Nikola Kalinic, una punta di peso che gioca per la squadraviolanews.com (2015-8-9) (イタリア語), 2015-9-28閲覧
  17. ^ Kalinic, quando il tacco diventa una bella abitudineviolanews.com (2016-12-13) (イタリア語), 2016-12-14閲覧
  18. ^ SOUSA, Kalinic fa bene al calcio. Chiesa scelta giustafirenzeviola.it (2016-12-12) (イタリア語), 2016-12-13閲覧
  19. ^ インテルからハットトリックで満足のカリニッチ ボバンも称賛goal.com (2015-9-29) (日本語), 2015-9-29閲覧

外部リンク[編集]