シトロエン・ヴィザ

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シトロエン・ヴィザ
ヴィザ(後期型)
Citroen Visa Post facelift including front view.jpg
ヴィザGT(日本仕様車)
Citroën Visa GT 001.JPG
ヴィザ(後期型)後姿
Visarear.jpg
販売期間 1978年 - 1988年
乗車定員 5人
ボディタイプ 5ドア ハッチバック
エンジン 空冷水平対向2気筒652cc
水冷4気筒1,124cc-1,580ccガソリン
水冷4気筒1,769ccディーゼル
変速機 4/5速MT
駆動方式 FF
サスペンション 前:独立 マクファーソンストラット コイル
後:独立 トレーリングアーム コイル
全長 3,690mm(1978年モデル)
全幅 1,534mm
全高 1,408mm
ホイールベース 2,430mm
車両重量 800kg
先代 シトロエン・ディアーヌ
シトロエン・アミ
シトロエン・LN
後継 シトロエン・AX
-自動車のスペック表-


ヴィザVisa )は、フランス自動車メーカーシトロエン1978年から1988年まで生産した小型大衆車で、シトロエン・2CVをベースとしたため旧態化が目立っていたディアーヌアミに代わる同社の主力商品として開発された。

概要[編集]

1974年にシトロエンがプジョーの傘下に入り、PSA・プジョーシトロエンとなって最初に新規開発された乗用車で、前身モデルの一つであるシトロエン・LN同様、プジョー・104の機構をベースとしているが、豚の鼻を思わせるユニークなフロントグリルや、サテライトスイッチを持つダッシュボードなど、シトロエンらしいユニークな内外装デザインが与えられていた。

1978年に登場した当初のラインナップは、2CV以来伝統の空冷水平対向エンジン(652ccまで拡大)積む「スペシャル」と「クラブ」、プジョー製オールアルミニウム合金1,124cc水冷直列4気筒エンジン(X型)を積む「シュペール」の3種であった。水冷モデルは設計年次の古い空冷652cc版と同水準の経済性を保ちながら遥かにパワフルかつ静粛であり、なによりもヒーターの効きが良かったため1,219cc、1,360cc、954ccの各水冷モデルが次々に追加され、シリーズの中心となった。また1984年にはプジョーが伝統的に得意とした 1,769cc(XUD型)ディーゼルエンジン搭載車も追加された。

1982年には大規模なマイナーチェンジが行われ、空冷モデルは姿を消し、特徴的だったが万人受けしなかったフロント周りはごく平凡ながら常識的なデザインに改められた。ダッシュボードのサテライトスイッチは維持されたが、1985年にはそれも常識的なものに換えられた。

ヴィザのサスペンションはもはや前後輪関連式ではなかったが、依然として極めて長いストロークを持ち、ダンピングの利いた良好な乗り心地と、コーナリング時の大きなロールを受け継いでいた。また、直進性が高く、車体も空力特性に優れ、高速巡航能力が高いことは、兄貴分のGSをはじめとする歴代モデルと同様の美点であった。反面、不十分な車体の防錆対策、プラスチックが多用されて質感の低い内装、クラッチ交換にもエンジン脱着が必要な整備性の悪さなどが欠点とされた。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTIの成功に刺激されて、この頃からフランス車にも高性能モデルが用意されるようになった。ヴィザにもマイナーチェンジ以降、1,400cc80馬力の「GT」(日本にも西武自動車販売によって輸入された)、ツインキャブ93馬力の「クロノ」(Chrono )、ラリー仕様のパートタイム4WDの「ミルピスト」(Mille Pistes )が追加された。1985年にはプジョー・205 GTIと共通の1,588cc105 - 115馬力エンジンを搭載した「1.6 GTi」も追加されたが、ピニンファリーナ・デザインのスマートな3ドアハッチバックスタイルで成功作となった205GTIのような商業的成功は得られなかった。BXの1,360ccエンジンを搭載した上級版「14 TRS」も存在したが、BXとの価格差は小さく、人々はより大きく、設計の新しいBXを選んだ。

1988年シトロエン・AXに後を譲り、生産終了となる。


派生モデル[編集]

シトロエン・C15
シトロエン・アクセル
  • シトロエン・C15Citroën C15 ) - 1984年10月に登場したヴィザをベースとした570kg積のフルゴネット商用車。1,124cc47馬力のガソリンエンジンを積むC15E(E はエッセンス = ガソリン)と、1,769cc60馬力のディーゼルエンジンXUD7 型)を積むC15Dが設定され、ディーゼルは後に1,905cc(XUD9型)に変更された。荷重負担が大きくなったリアサスペンションは BX のそれの流用で、前後方向に水平近くまで寝かされたダンパーにより、荷室の床は低く平らで、広々としている。ヴィザと比べてもC15のセールスは好調と言えるもので、PSAに多くの利益をもたらすヒット作となる。本国での生産が終わった後もポルトガルMangualdeスペインビーゴ2005年まで21年間にわたり生産され、累計台数は118万1471台となっている。
  • シトロエン・オルチット - 1978年から1996年までルーマニアで生産された、ヴィザの3ドア版そっくりな外観のモデル。実際にはフィアットとの提携時代の1970年代前半に開発が進められていたが、プジョーとの合併でプジョー・104ベースでヴィザを開発することになったため、一旦お蔵入りになっていたモデルを生産化したもの。エンジンはGSと同じ空冷水平対向4気筒で、部品についてもヴィザや104との互換性はほとんどない。1985年 - 1990年までシトロエン・アクセルとして西ヨーロッパ各国でも販売されたが、品質が低く、低価格であったにもかかわらず成功しなかった。


参考文献[編集]

<- Previous シトロエン ロードカータイムライン 1980年代-   
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
ハッチバック 2CV
LN / LNA AX C1
ヴィザ サクソ C2
C3 I C3 II
DS3
C4エアクロス
GSA ZX クサラ C4 I C4 II
オープン DS3カブリオ
セダン BX エグザンティア C5 I C5 II
CX XM C6
ミニバン C15 ベルランゴ ベルランゴ II
C3ピカソ
クサラピカソ
C4ピカソ
エバシオン C8
オフローダー メアリ
クロスオーバーSUV Cクロッサー
C3クロスオーバー
DS4
DS5
ハイブリッドカー C-ZERO