グレートレース

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グレートレース
The Great Race
監督 ブレイク・エドワーズ
脚本 アーサー・A・ロス
原案 ブレイク・エドワーズ
アーサー・A・ロス
製作 マーティン・ジュロー
出演者 トニー・カーティス
ジャック・レモン
ナタリー・ウッド
音楽 ヘンリー・マンシーニ
撮影 ラッセル・ハーラン
編集 ラルフ・E・ウィンタース
配給 ワーナー・ブラザーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 1965年7月1日
日本の旗 1965年12月25日
上映時間 160分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $12,000,000[1]
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グレートレース』(The Great Race)は、1965年に製作されたアメリカのどたばたコメディ映画。同年のアカデミー賞音響効果賞を受賞した。監督ブレイク・エドワーズ

この映画は1908年に実際に行われたニューヨークからパリまでの自動車レース(1908 New York to Paris Race)をモチーフにして、レースのおおよそのコースとその時期を実話に合わせている。映画史上最大のパイ投げ合戦シーンなど、サイレント映画の手法のギャグが多く使われている[1]

ブレイク・エドワーズは、オープニングでかつてのニッケルオデオンでの映画上映の状況を表現している。主人公と悪役が現れたときの観客の反応、フィルムがずれたり焼きついたりする懐かしき映画創世記へのオマージュを込めた作品であるとともに、1960年代の女性人権運動をコメディーのなかに織り交ぜている。 なお、1968年からCBSで放送されたテレビアニメ『チキチキマシン猛レース』は本作を元ネタとしており[2]、日本でも1970年にテレビ放送された。

あらすじ[編集]

向こう見ずな興行師のグレート・レスリー(トニー・カーティス)はさまざまなスピード記録や脱出ショーの成功で名声と富を獲得していたが、彼を目の敵にして張り合うフェイト教授(ジャック・レモン)の興行は、いつも失敗して悲惨な結果に終わっていた。レスリーが企業家やメディアの賞賛を集めているのに対し、フェイトは奇怪な屋敷の中で怪しげな研究に没頭しながら、レスリーに対する悪意ある競争心を燃やしていた。

レスリーはアメリカの自動車業界にニューヨークからパリまでの大レースの開催を持ちかけ、ウェバー自動車の援助により高性能の大型オープンカーを獲得した。これに対し、フェイトは独自に大砲や煙幕装置などを備えたジェームズ・ボンドの映画を連想させるスーパーカーを開発し、レスリーの準備に対するさまざまな妨害工作を行っては毎回のように失敗しながら、レースに備えていた。その頃、有力新聞センチネル紙のニューヨーク市の編集室にジャーナリストを自称するマギー・デュボア(ナタリー・ウッド)という女性が、自分をこのレースの取材記者として採用するよう編集長に談判し、強引に契約を認めさせる。マギーが記者としてレスリーを取材に行くと丁寧に迎えられるが、女の新聞記者ということに違和感を隠さず、女性の能力や社会的地位あるいは権利についてマギーとの意見の相違を際立たせることになった。次にフェイト宅を訪問するが、相手にされず乱暴に追い返されてしまう。マギーは新聞社の調達した自動車でレースにエントリーし、優勝の記事を書くために自分が優勝しなければならないと言う。

レースが始まろうとしているときに、フェイトの命令で彼の助手のマックス(ピーター・フォーク)が行った細工により、レスリー以外の自動車はすべてレース開始直後に故障してしまう。マギーの自動車は会場に着くのが遅かったのでこの工作を免れるが、装備が不十分だったので中西部の砂漠地帯で故障して動かなくなり、彼女は通りかかったレスリーの自動車に拾われて次の経由地までという条件で乗車を許され、先に進む。こうしてレースにはレスリーとフェイトの自動車だけが残るが、その間に美しい女性マギーがからんで話が進行する。重要な給油地である西部の小都市ボラーチョに立ち寄ったレスリーが市長主催の歓迎パーティーに参加しているうちに、フェイトはガソリンを自分の必要なだけを盗み、残りを燃やしてから先に出発する。燃料を確保できなくなったレスリーに対し、マギーは彼女が取材記事を送るために持っている伝書鳩で燃料を注文すれば、次の経由地につくと同時に自分がガソリンを確保できるという話を持ちかけ、ガソリンを注文する。さらに、次の経由地で燃料を受け取ろうとしたときに、自分の署名がなければ燃料を引き渡してもらえないという事情に付け入ってそのままレースに同行させるよう迫り、レスリ-の忠実な相棒でメカニックのヘゼカイア(キーナン・ウィン)が強烈に反対すると、彼を巧みに追い払ってしまう。

アラスカまで進んだ2台の自動車は、偶然に並んで吹雪の中で立ち往生したが、そのとき白熊に追われてフェイト教授と助手のマックスがレスリーの自動車に逃げ込み、寒さを防ぐために4人で毛布に包まる。翌朝目がさめると、2台の自動車を乗せた部分は裂けて氷山と化し、海上で漂流していた。フェイトやマギーが絶望に落ち込むなか、レスリーは毎日定期的に氷山の溶け具合を計測して潮流を計算すると、氷山が溶けきる前にロシアの海岸に漂着すると予測し、その通りになる。

ロシアの港に漂着したとき、そこにはマギーが騙して追い払ったヘゼカイアが待っていたためにマギーはレスリーから責められるが、彼女がレスリーの弱点かつアキレス腱であることに気づいたフェイトは、レースから彼女が居なくならないよう彼女を誘拐して先に進む。

ロシアを通り抜け、中欧の小さな王国ポツドルフに通りかかったが、そこではフェイト教授と瓜二つの皇太子ハプニック(ジャック・レモンの二役)が王位継承の戴冠式を控えていた。フォン・シュテュプ男爵(ロス・マーティン)とクスラー将軍(ジョージ・マクレディ)は皇太子を亡き者にする陰謀を企んでいたが、フェイトが皇太子と瓜二つであることに気づくと替え玉にしようと目論み、フェイトと彼の同乗者であるマックスとマギーを捕らえる。マックスが脱出してレスリーに助けを求め、レスリーが救出に向かい男爵とフェッシングの対決で男爵を破り、陰謀を破綻させる。戴冠式の日、替え玉の戴冠を阻止しようとするレスリーらと将軍やフェイトとの追跡が、祝宴を控えて大量のケーキやパイを製作中のケーキ工場に突入し、そこで映画史上最大のパイ投げ合戦に発展する。一同がパイまみれになっていくなか、レスリーだけが上手にパイを避けて無傷でいたが、マギーがパイを持ってよろけたときにパイを顔にぶつけられ、全員がパイまみれになる。

その夜、レスリーが自動車を止めて野営しているとき、再びレスリーに同行しているマギーが川で身体を洗って衣服を乾かしており、ヘゼカイアが爪弾いているギターを取り上げて「スウィートハートツリー」という歌を歌う。「森の中に恋人達の木があり、その木にあなたの名前と私の名前を刻み、キスをすると恋が成就する」という歌詞を聞いたレスリーがマギーにキスすると、マギーはレスリーの頬を叩いて逃げる。

いよいよパリ市に入り、ゴールに到着する寸前の車中で、2人は男女の関係と役割についての論争を白熱させていた。ところが、ゴールの数メートル前に来たときにレスリーは突然、マギーへの愛を証明すると言って自動車を止めたため、レースに負ける。それによってレースに勝ったフェイトは喜びもつかの間、勝ちを譲られたことに再び臍を曲げ、再試合を要求する。再試合はパリからニューヨークまでのレースで、新婚のレスリーとマギーが出発する。ここでフェイトがいつものようにドジを踏んでエッフェル塔を倒壊させる最大最後のギャグが入り、映画は大団円となる。

キャスト[編集]

※日本語吹替は1974年6月2日9日テレビ朝日日曜洋画劇場』で初回テレビ放送されたもの。ソフト未収録。

脚注[編集]

  1. ^ a b Wasson, Sam (2009). “The Great Race (1965)”. A splurch in the kisser: the movies of Blake Edwards. Wesleyan Film. Wesleyan University Press. pp. 98–108. ISBN 0-8195-6915-1. http://books.google.com/books?id=KWr3jPbVVDkC&pg=PT98. 
  2. ^ It's the Wacky Races!” (英語). 2014年4月2日閲覧。

外部リンク[編集]