キハダ (植物)

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キハダ
Phellodendron amurense JPG1b.jpg
キハダ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ムクロジ目 Sapindales
: ミカン科 Rutaceae
: キハダ属 Phellodendron
: キハダ P. amurense
学名
Phellodendron amurense Rupr.
和名
キハダ(黄膚、黄檗、黄柏)
英名
Amur Corktree
生薬となる乾燥したオウバク(丹波市立薬草薬樹公園

キハダ(黄檗、黄膚、黄柏。学名 Phellodendron amurense)はミカン科キハダ属落葉高木。アジア東北部の山地に自生しており、日本全土でもみることができる。

特徴[編集]

オウバク(生薬)

樹高は10m~15m程度で、20m以上になるものもある。

葉は、対生葉序(たいせいようじょ)で奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)である。5月末~7月初旬にかけて、円錐花序の小さい黄色い花が見られるようになる。

樹皮はコルク質で、外樹皮は灰色、内樹皮は鮮黄色である。この樹皮からコルク質を取り除いて乾燥させたものは、生薬黄檗(おうばく、黄柏)として知られ、薬用のほか染料の材料としても用いられる。

カラスアゲハミヤマカラスアゲハの幼虫が好む食草である。
蜜源植物としても利用される。

生薬[編集]

樹皮の薬用名は黄檗(オウバク)であり、樹皮をコルク質から剥ぎ取り、コルク質・外樹皮を取り除いて乾燥させると生薬の黄柏となる。黄柏にはベルベリンを始めとする薬用成分が含まれ、強い抗菌作用を持つといわれる。チフス、コレラ、赤痢などの病原菌に対して効能がある。主に健胃整腸剤として用いられ、陀羅尼助百草などの薬に配合されている。また強い苦味のため、眠気覚ましとしても用いられたといわれている、また黄連解毒湯加味解毒湯などの漢方方剤に含まれる。日本薬局方においては、本種と同属植物を黄柏の基原植物としている。

アイヌは、熟した果実を香辛料として用いている。

染料[編集]

キハダは、黄蘗色(きはだいろ)ともよばれる鮮やかな黄色の染料で、黄色に染め上げる以外に赤や緑色の下染めにも利用される。なかでも、紅花を用いた染物の下染めに用いられるのが代表的で、紅花特有の鮮紅色を一層引き立てるのに役立っている。なお、キハダは珍しい塩基性の染料で、酸性でないとうまく染め上がらない。このため、キハダで下染めをした後は洗浄を十分にする必要がある。

木材[編集]

キハダの心材も黄色がかっており、木目がはっきりしているため、家具材などに使用される。ただし軽量で、軟らかいため、あまりにも強い荷重がかかる場所には向いていない。一部での代用材として使用される場合がある。その場合には、桑と区別するために「女桑」と表記される。

参考文献[編集]

  • 原色牧野和漢薬草大図鑑 著者:岡田稔ほか 出版社:北隆館 ISBN 4-8326-0810-X
  • 山渓カラー名鑑 日本の樹木 編者:林弥栄 ISBN 4-635-09017-5
  • 伊沢凡人/会田民雄「カラー版薬草図鑑」(家の光協会)

外部リンク[編集]

(日中医薬研究会の旧URLの http://www.hougi.org/ は乗っ取られ済み、新URLの http://nittyuuiyaku-kennkyuukai.com/ 下には該当URL無し)