オコジョ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

?オコジョ
オコジョ
保全状態評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
ファイル:Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネコ目(食肉目) Carnivora
: イタチ科 Mustelidae
亜科 : イタチ亜科 Mustelinae
: イタチ属 Mustela
: オコジョ M. erminea
学名
Mustela erminea
Linnaeus, 1758
和名
オコジョ
英名
Ermine
Stoat

オコジョは、ネコ目(食肉目)イタチ科に属する動物である。学名Mustela ermineaイギリスを含むヨーロッパ中北部、アジア中北部、北米に生息している。日本には、ホンドオコジョ M. e. nipponエゾオコジョ M. e. orientalis の2亜種が生息している。

目次

[編集] 特徴

体長はオスで16~33cm、体重は150~320g程度。イタチ科は一般に胴長短足であるが、オコジョの後ろ足は比較的長く、これによる強力な跳躍力を有している。目から鼻にかけての吻が短く、イタチ科にしては丸顔をしている。耳は丸い。一年に2回換毛をし、夏は背側が茶色で腹側が白い。冬は全身が白になる。尾の先は黒い。

[編集] 生態

気性が荒く、ノネズミなどを食べる他、自分の体よりも大きいノウサギライチョウを捕食することがある。単独で生活し、岩や樹根の隙間に営巣したり、ネズミの巣穴を乗っ取って自分の物にすることもある。他のイタチ科と同様、オコジョには着床遅延という現象があることが知られている。交尾後、受精卵は長期間にわたり発生を休止し、妊娠、出産に適した暖かい季節になって初めて子宮壁に着床するのである。妊娠期間は1ヶ月程度である。 動きはきわめて敏捷で、木登りや泳ぎなども得意。

[編集] 分類

夏毛のオコジョ
冬毛のオコジョ

オコジョは35以上の亜種に分類される。一般に哺乳類は寒い地方ほど大型化する傾向があり、ベルクマンの法則として知られているが、オコジョでは北方に生息するものほど小型化する傾向がある。このため、ロシアなど北方に分布するオコジョは、今後別種として分類される可能性もある。代表的な亜種を以下に記す。

ホンドオコジョ M. e. nippon Cabrera, 1913

青森県から本州中部にかけて生息する。尾の先の黒い部分が尾長の1/3程度と小さいことが特徴である。

エゾオコジョ M. e. orientalis Ognev, 1928

ユーラシア大陸に生息する。日本では北海道に生息する。ホンドオコジョに比べ、一回り大きい。Mustela erminea kaneiiシノニムとする説もある。

[編集] 保全状態評価

オコジョ Mustela erminea
亜種 ホンドオコジョ Mustela erminea nippon
亜種 エゾオコジョ Mustela erminea orientalis
亜種 Mustela erminea ferghanae (インド産亜種)

[編集] 人間との関わり

エリザベス1世の肖像。左腕の上に冬毛のオコジョを乗せているが、黒斑が全身にあるのは間違い

オコジョの毛皮外套ストールの縁取り用に珍重され、特に純白の冬毛が好まれた。イギリス英語では冬毛のオコジョのみを「アーミン」("ermine")と呼んで区別する(北アメリカでは夏毛のオコジョもアーミンと呼ばれる)。ヨーロッパでは、アーミンは王族の象徴とされた。中世の王侯貴族はこの冬毛のオコジョの毛皮をいくつも並べて一枚に縫わせ、それをガウンの裏地などに好んで用いた。王族や貴族の肖像画やトランプのクィーンやキングの絵札で黒い点のある白い縁のある服を見かけるが、その部分がアーミンである。イギリス貴族院議員の正装の上着にもアーミンがあしらわれているが、現在は人工毛皮が使用される。アーミンは西洋の紋章学で毛皮模様を表すティンクチャーのひとつともなっている。また、ルネサンス期には、アーミンは純白の毛皮を汚されるよりも死を選ぶと信じられたため、純潔の象徴ともされた。

[編集] オコジョの登場する作品

[編集] フィクション

[編集] 絵画

[編集] 外部リンク

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ