エリー郡 (ペンシルベニア州)

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ペンシルベニア州エリー郡
エリー市にあるエリー郡庁舎
エリー郡の位置を示したペンシルベニア州の地図
郡のペンシルベニア州内の位置
ペンシルベニア州の位置を示したアメリカ合衆国の地図
州のアメリカ合衆国内の位置
設立 1800年3月12日 (1800-03-12)
郡庁所在地 エリー
最大の都市 エリー
面積
 - 総面積
 - 陸
 - 水

4,035 km2 (1,558 mi2)
2,069 km2 (798.9 mi2)
1,966 km2 (759.1 mi2), 48.7%
人口
 - (2020年)
 - 密度

270,876人
標準時 東部: UTC-5/-4
ウェブサイト www.eriecountygov.org

エリー郡: Erie County)は、アメリカ合衆国ペンシルベニア州の北西隅に位置するである。人口は27万0876人(2020年)[1]郡庁所在地エリーであり、同郡で人口最大の都市である。

エリー郡はその全体でエリー都市圏を構成している。

歴史[編集]

エリー郡は1800年3月12日にアレゲニー郡から分離して設立された。アレゲニー郡は1792年まで論争が続いていたエリー三角地帯を吸収していた。この年までニューヨーク州とペンシルベニア州の双方が領有を主張しており、連邦政府が仲裁するまでどの郡にも属していなかった[2]

エリー郡と隣接するクロウフォード郡マーサー郡ベナンゴ郡ウォーレン郡の新設5郡は、当初自主的な運営ができなかったので、暫定的に地域の政治を管理するためにクロウフォード郡のミードビルで5郡管理組織が設立された。エリー郡が独自の郡役人を選んだのは1803年だった[3]

エリー郡は地下鉄道 (秘密結社)の中にあった。これは奴隷制度廃止運動家や自由黒人の社会の助けを借りて、エリー湖を通ってカナダに、ニューヨーク州を通って東部に、あるいはエリーに留まって、奴隷が自由の身分を得られるようにした組織だった。今日、自由への旅を考える教育プログラムとして、地下鉄道の経験に関する対話型教育が行われている[4]

地理[編集]

アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は1,558平方マイル (4,035.2 km2)であり、このうち陸地798.9平方マイル (2,069 km2)、水域は759.1平方マイル (1,966 km2)で水域率は48.7%である[5]。郡内の都市はエリー市とコリー市の2市だけである。

エリー郡の北東はニューヨーク州シャトークア郡、東はウォーレン郡、南はクロウフォード郡、西はオハイオ州アシュタビューラ郡と接している。北は直接エリー湖である。エリー湖の対岸はカナダなので、エリー郡は州内で唯一カナダと接する郡になっている。

北緯42度線より北にそこそこの土地があることでも州内唯一の郡である。

隣接する郡[編集]

郡政府と政治[編集]

エリー郡の郡庁所在地はエリー市である。自治憲章を持っており、郡執行官によって運営されている。行政府のその他の役人としては、エリー郡会計監査官、同検死官、同地区検察官、同保安官、同事務官がいる[6]

郡執行官はエリー郡公選弁護人事務所について、公選弁護人長を指名する[7]。また刑事事件諮問委員会のメンバーも指名する[8]

エリー郡公衆安全部と救急管理機関は、2008年1月にサミット・タウンシップにあるエリー郡職業訓練校近くに完成した公衆安全ビルに引っ越した。緊急コール対応や危険物処理はこの新施設を本拠に行われる。この建物は鉄筋コンクリート製であり、7つの新通信塔や非常時対応発電機を備え、藤田スケールF3の竜巻にも耐えられるように設計された。エリー郡矯正部は、エリー市の18番通り東と鉄道線の間、アッシュ通り沿いにあるエリー郡刑務所を運営している[9]

立法府[編集]

立法府は郡政委員会である。地理的に7つに分けられた選挙区で選ばれる7人の委員で構成されている[10]。議長と副議長は互選で選ばれている。

司法府[編集]

司法府はエリー郡一般訴訟裁判所の判事9人と地区裁判所の地区裁判官15人で構成されている。裁判所の管理は地区裁判所管理官、副管理官、管理官補が行っている。エリー郡庁舎はエリー市中心街ペリー広場近くにある。

政治[編集]

2008年11月時点でエリー郡には185,081人の登録有権者がいた[11]

  • 民主党: 102,061 (55.14%)
  • 共和党: 62,861 (33.96%)
  • その他の政党: 20,159 (10.89%)

エリー郡は州全体の選挙で民主党を支持する傾向にあり、2008年の選挙では州役人4人の全て民主党員を選んだ。2000年、2004年、2008年の各大統領選挙では、民主党候補がそれぞれ9%、8%、20%の支持率差で郡を制した。

エリー郡はアメリカ合衆国下院議員ペンシルベニア州第3および第5選挙区に属し、2013年時点ではどちらも共和党議員を選出している。ペンシルベニア州議会上院では第21および第49選挙区に属しており、下院では第1、第2、第3、第4および第5選挙区に属している。2013年時点で上院は共和党が2人、下院は民主党3人、共和党2人となっている。

人口動態[編集]

人口推移
人口
18001,468
18103,758156.0%
18208,553127.6%
183017,04199.2%
184031,34483.9%
185038,74223.6%
186049,43227.6%
187065,97333.5%
188074,68813.2%
189086,07415.2%
190098,47314.4%
1910115,51717.3%
1920153,53632.9%
1930175,27714.2%
1940180,8893.2%
1950219,38821.3%
1960250,68214.3%
1970263,6545.2%
1980279,7806.1%
1990275,572−1.5%
2000280,8451.9%
2010280,566−0.1%
2020270,876−3.5%
United States Census Bureau

以下は2010年の国勢調査による人口統計データである。

基礎データ

  • 人口: 280,566人
  • 世帯数: 110,413 世帯
  • 家族数: 70,196 家族
  • 人口密度: 136人/km2(351人/mi2
  • 住居数: 119,138軒
  • 住居密度: 58軒/km2(149軒/mi2

人種別人口構成

先祖による構成

  • ドイツ系:24.4%
  • ポーランド系:12.5%
  • イタリア系:12.3%
  • アイルランド系:10.1%
  • イギリス系:6.5%
  • アメリカ人:6.4%

年齢別人口構成

  • 20歳未満: 26.5%
  • 年齢の中央値: 39歳
  • 性比(女性100人あたり男性の人口)
    • 総人口: 96.7

世帯と家族(対世帯数)

  • 18歳未満の子供がいる: 27.2%
  • 結婚・同居している夫婦: 45.4%
  • 未婚・離婚・死別女性が世帯主: 13.2%
  • 非家族世帯: 36.4%
  • 単身世帯: 29.3%
  • 65歳以上の老人1人暮らし: 11.3%
  • 平均構成人数
    • 世帯: 2.42人
    • 家族: 3.00人

都市と町[編集]

エリー郡の自治体、ボロは赤、タウンシップは白、国勢調査指定地域は青

ペンシルベニア州法の下では4種類の自治体がある。市、ボロ、タウンシップ、町である。

都市[編集]

ボロ[編集]

  • アルビオン
  • クレインズビル
  • エディンバラ
  • エルジン
  • ジラード
  • ライクシティ
  • マッキーン
  • ミルビレッジ
  • ノースイースト
  • プラティ
  • ユニオンシティ
  • ウォーターフォード
  • ワッツバーグ
  • ウェズレイビル

タウンシップ[編集]

  • アミティ
  • コンコード
  • コノート
  • エルククリーク
  • フェアビュー
  • フランクリン
  • ジラード
  • グリーン
  • グリーンフィールド
  • ハーバークリーク
  • ローレンスパーク
  • ルビューフ
  • マッキーン
  • ミルクリーク
  • ノースイースト
  • スプリングフィールド
  • サミット
  • ユニオン
  • ベナンゴ
  • ワシントン
  • ウォーターフォード
  • ウェイン

国勢調査指定地域[編集]

国勢調査指定地域はアメリカ合衆国国勢調査局が人口統計データを取るために設定した地域である。州法の下では実際の司法権が及ぶ範囲ではない。村などその他の未編入領域も下記に挙げる。

  • アボニア
  • フェアビュー
  • ローレンスパーク
  • ノースウェストハーバークリーク
  • ペンステイトエリー(ベーレンド)

教育[編集]

公共教育学区[編集]

エリー郡教育学区の区分図
  • コリー地域教育学区
  • エリー市教育学区
  • フェアビュー教育学区
  • フォートルビューフ教育学区
  • ジェネラルマクレイン教育学区
  • ジラード教育学区
  • ハーバークリーク教育学区
  • イロコイ教育学区
  • ミルクリーク・タウンシップ教育学区
  • ノースイースト教育学区
  • ノースウェスタン教育学区
  • ユニオンシティ地域教育学区
  • ワッツバーグ地域教育学区

私立学校[編集]

ペンシルベニア州は盲聾者用チャーター・スクールを含め36の私立学校に認可を与えている。これらの学校に通う生徒は州全体から来ている。私立学校は州私学委員会から免許を与えられる。重度の障害がある生徒には無料で特別な教育を実施する。これら学校の授業料は60%を州が負担し、40%を生徒の住む地元教育学区が負担する。州内には教育省が予算を承認するチャーター私学4校と非チャーター私学30校がある。これらの学校は4,000日・生徒以上の特別教育を行っている。両親にはこれらについて料金を請求しない.[12]。2009年、州教育省は認可された私立学校の生徒授業料について9,800万米ドルを手当てし、盲聾者用チャーター・スクールに通う生徒には3,680万米ドルを手当てした[13]

公園とレクリエーション[編集]

エリー郡には州立公園が下記の2か所ある。どちらもエリー湖岸にある

  • エリーブラフス州立公園 - 最新の州立公園の1つ
  • プレスクアイル州立公園 - 最古の州立公園の1つ

その他の公園、保護地、自然地域[編集]

  • シックスマイル・クリーク公園[14]
  • ヘッドウォーターズ公園[15]
  • フロンティア公園[16]
  • アズベリーウッズ自然センター[17]
  • アズベリー農園コミュニティパーク
  • グレンウッド公園
  • シェイズビーチ公園
  • スコット公園
  • ハーバークリーク・コミュニティパーク
  • ザック公園

ゴルフ場[編集]

  • レイクビュー・カントリークラブ[18]
  • ゴスペルヒル・ゴルフコース[19]
  • ローレンスパーク・ゴルフクラブ[20]
  • カークワ・クラブ[21]
  • エリー・ゴルフクラブ[22]
  • ウィスパリングウッズ・ゴルフクラブ[23]
  • グリーンメドウズ・ゴルフコース[24]
  • ジョセフ・C・マーティン・ファミリー・ゴルフセンター[25]
  • カルバートソンヒルズ・ゴルフコース[26]
  • エルクバレー・ゴルフコース[27]
  • オーバーレイク・ゴルフコース[28]

ワイン醸造所[編集]

  • アロウヘッド・ワインセラーズ[29]
  • マザ・ビニヤーズ[30]
  • ペンショア・ビニヤーズ[31]
  • コートヤード・ワイナリーズ[32]
  • レイクビュー・ワインセラーズ[33]
  • サウスショア・ワイン・カンパニー[34]
  • ヘリテイジ・ワインセラーズ[35]
  • プレスクアイル・ワインセラーズ[36]
  • シックスマイル・セラーズ[37]

ビール醸造所[編集]

  • ザ・ブルワリー・アット・ユニオン・ステーション[38]
  • レイバリー・ブルイング・カンパニー[39]
  • エリー・ブルイング・カンパニー[40]

行事[編集]

  • セレブレイト・エリー[41]
  • ワイン祭[42]
  • ビア・オン・ザ・ベイ[43]
  • ブルース・アンド・ジャズ祭[44]
  • ロア・オン・ザ・ショア・バイクラリー[45]
  • エリー夏の芸術祭[46]
  • エリー・ワイルドリブ・クックオフ&音楽祭[47]
  • ビュッフェ・オン・ザ・ベイ[48]
  • エリー・マイクロブルー・フェスト
  • ペインジリ・グリーク祭[49]
  • トロイカ・ロシア祭[50]
  • ノースイースト桜祭り[51]
  • ウォーターフォード・ヘリテイジ・デイズ[52]
  • セントポールのイタリア祭
  • ザバワ・ポーランド祭[53]
  • エリー郡祭[54]

脚注[編集]

  1. ^ Quickfacts.census.gov”. 2023年9月30日閲覧。
  2. ^ See interactive Pennsylvania County Formation Maps
  3. ^ History of Erie County, Pennsylvania. Chicago: Warner, Beers and Company, 1884. Volume I, Part II, Chapter I, pg 137
  4. ^ Meyer, Melinda. “Journey to Freedom.” National Park Service. Erie County Historical Society. November 17, 2010. http://www.nps.gov. (December 6, 2012)
  5. ^ Census 2010 U.S. Gazetteer Files: Counties”. United States Census. 2013年4月13日閲覧。
  6. ^ see latest list
  7. ^ Erie County Public Defenders Office, Access to Justice, 2006
  8. ^ JNET
  9. ^ Erie County Prison
  10. ^ see map
  11. ^ [1]
  12. ^ Approved Private Schools and Chartered Schools for the Deaf and the Blind, Pennsylvania Department of Education website, accessed April 2010.
  13. ^ Tommasini, John, Assistant Secretary of Education, Testimony before the Pennsylvania Senate Education Committee Hearing on SB982 of 2010. given April 14, 2010
  14. ^ Six Mile Creek Park
  15. ^ Headwaters Park
  16. ^ Lake Erie Arboretum/Frontier Park
  17. ^ Asbury Woods Nature Center
  18. ^ Lakeview Country Club
  19. ^ Gospel Hill Golf Course
  20. ^ Lawrence park Golf Club
  21. ^ Kahkwa Club
  22. ^ Erie Golf Club
  23. ^ Whispering Woods Golf Club
  24. ^ Green Meadows Golf Course
  25. ^ Joseph C. Martin Family Golf Center
  26. ^ Culbertson Hills Golf Course
  27. ^ Elk Valley Golf Course
  28. ^ Over Lake Golf Course
  29. ^ Arrowhead Wine Cellars
  30. ^ Mazza Vineyards
  31. ^ Penn Shore Vineyards
  32. ^ Courtyard Wineries
  33. ^ Lakeview Wine Cellars
  34. ^ South Shore Wine Company
  35. ^ Heritage Wine Cellars
  36. ^ Presque Isle Wine Cellars
  37. ^ 6 Mile Cellars
  38. ^ The Brewerie at Union station
  39. ^ Lavery Brewing Company
  40. ^ Erie Brewing Company
  41. ^ Celebrate Erie
  42. ^ Wine Festival
  43. ^ Beer on the Bay
  44. ^ Blues and Jazz Festival
  45. ^ Roar on the Shore Bike Rally
  46. ^ Erie Summer Festival of the Arts
  47. ^ Erie Wild Rib Cook Off & Music Festival
  48. ^ Buffet on the Bay
  49. ^ Panegyri Greek Festival
  50. ^ Troika Russian Festival
  51. ^ North East Cherry Festival
  52. ^ Waterford Heritage Days
  53. ^ Zabawa Polish Festival
  54. ^ Erie County Fair

外部リンク[編集]

座標: 北緯42度06分 西経80度06分 / 北緯42.10度 西経80.10度 / 42.10; -80.10