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「ポリメラーゼ連鎖反応」の版間の差分

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== PCRの応用 ==
== PCRの応用 ==

{{stub}}
=== 選択的なDNA分離 ===
PCRを用いることで、DNAの特定の領域を選択的に増幅することにより、ゲノムDNAからDNA断片を分離することができる。このようなPCRの利用は、[[サザンブロッティング]]や[[ノーザンブロッティング]]といったハイブリダイゼーション用プローブの生成や、特定のDNA領域に由来した大量のDNAを必要とする[[分子クローニング|DNAクローニング]]などで、広く行われている。 PCRは大量の(ほぼ)純粋なDNAを供給し、非常に少量のDNAからの分析を可能にしている。

PCRの他の用途としては、 未知のDNA配列を決定するためのサンガー法シーケンスや、組換えDNA技術を促進するために[[プラスミド|、プラスミド]] 、 [[ファージ]] 、または[[コスミド]] (サイズに応じて)または別の生物の遺伝物質。 細菌のコロニー''( [[大腸菌]]など)''は、正しいDNA [[プラスミド|ベクター]]構築物のPCRによって迅速にスクリーニングできます。 <ref name="Hybrid">{{Cite book|year=2006|chapter=Thermostable DNA Polymerases for a Wide Spectrum of Applications: Comparison of a Robust Hybrid TopoTaq to other enzymes|title=DNA Sequencing II: Optimizing Preparation and Cleanup|editor=Kieleczawa J|publisher=Jones and Bartlett|pages=241–257|isbn=978-0-7637-3383-4}}</ref> PCRは[[DNA型鑑定|遺伝子フィンガープリンティングに]]も使用できます。異なるPCRベースの方法で実験DNAを比較することにより、人または生物を識別するために使用される法医学的手法。


PCRの「フィンガープリント」法には、高い識別力があり、親子などの個人間や兄弟間の遺伝的関係を識別するために使用でき、父子鑑定で使用されます(図4)。 この手法は、特定の分子時計(つまり、微生物の[[ 16S rRNA|16S rRNA]]およびrecA遺伝子)が使用されている場合に、生物間の進化関係を決定するためにも使用できます。 <ref>{{Cite journal|year=2009|title=Evolutionary relationships among salivarius streptococci as inferred from multilocus phylogenies based on 16S rRNA-encoding, recA, secA, and secY gene sequences|url=|journal=BMC Microbiol.|volume=9|issue=|page=232|DOI=10.1186/1471-2180-9-232|PMID=19878555|PMC=2777182}}</ref>


DNAの増幅と定量

PCRはターゲットとするDNAの領域を増幅するため、PCRを使用して非常に少量のサンプルを分析できます。 これは、証拠として痕跡量のDNAしか入手できない場合、 [[法科学|法医学分析]]にとってしばしば重要です。 PCRは、数万年前の[[古代DNA|古代のDNA]]の分析にも使用できます。 これらのPCRベースの手法は、エジプトの[[ミイラ]]の分析から[[ロシア|ロシアの]] [[ツァーリ|皇帝]]と[[ロシア]]の身体の特定に至るまでの用途で、4万歳の[[マンモス]]などの動物や人間のDNAにも使用されています。イギリス王[[リチャード3世 (イングランド王)|リチャード3世]] 。 <ref>{{Cite web|url=http://photoscience.la.asu.edu/photosyn/courses/BIO_343/lecture/DNAtech.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/19971009144333/http://photoscience.la.asu.edu/photosyn/courses/BIO_343/lecture/DNAtech.html|archivedate=9 October 1997|title=Chemical Synthesis, Sequencing, and Amplification of DNA (class notes on MBB/BIO 343)|publisher=Arizona State University|accessdate=2007-10-29}}</ref>

[[リアルタイムPCR|定量PCR]]またはリアルタイムPCR(qPCR、 <ref>{{Cite journal|last=Bustin|first=S. A.|last2=Benes|first2=V.|last3=Garson|first3=J. A.|last4=Hellemans|first4=J.|last5=Huggett|first5=J.|last6=Kubista|first6=M.|last7=Mueller|first7=R.|last8=Nolan|first8=T.|last9=Pfaffl|first9=M. W.|year=2009|title=The MIQE Guidelines: Minimum Information for Publication of Quantitative Real-Time PCR Experiments|url=http://www.gene-quantification.de/miqe-bustin-et-al-clin-chem-2009.pdf|journal=Clinical Chemistry|volume=55|issue=4|pages=611–622|DOI=10.1373/clinchem.2008.112797|PMID=19246619}}</ref> [[逆転写ポリメラーゼ連鎖反応|RT-PCR]]と混同しない)メソッドにより、サンプル中に存在する特定の配列の量を推定でき[[遺伝子発現|ます]] 。これは、 [[遺伝子発現]]レベルを定量的に決定するためにしばしば適用される手法です。 定量的PCRは、各ラウンドのPCR増幅後のDNA産物の蓄積を測定するDNA定量化のための確立されたツールです。

qPCRは、合成プロセスの実行中に濃度を測定するため、特定のDNAシーケンスの定量と検出をリアルタイムで行うことができます。 同時検出と定量化には2つの方法があります。 最初の方法は、二本鎖の間に非特異的に保持される[[蛍光色素|蛍光]]色素を使用することから成ります。 2番目の方法には、特定の配列をコードし、蛍光標識されたプローブが含まれます。 これらの方法を使用したDNAの検出は、プローブとその相補DNAのハイブリダイゼーションが行われた後にのみ見ることができます。 興味深い技術の組み合わせは、リアルタイムPCRと逆転写です。 RT-qPCRと呼ばれるこの洗練された手法により、少量のRNAの定量が可能になります。 この組み合わせ技術により、mRNAはcDNAに変換され、qPCRを使用してさらに定量化されます。 この手法により、PCRの終点でのエラーの可能性が低くなり、 <ref name="Garibyan, Avashia 1–4">{{Cite journal|last=Garibyan, Avashia|date=March 2013|title=Polymerase Chain Reaction|journal=Journal of Investigative Dermatology|volume=133|issue=3|pages=1–4|DOI=10.1038/jid.2013.1|PMID=23399825|PMC=4102308}}</ref>がんなどの遺伝病に関連する遺伝子を検出する機会が増えます。 <ref name=":02">{{Cite book|title=Fundamental Laboratory Approaches for Biochemistry and Biotechnology|last=Ninfa|first=Alexander|last2=Ballou|first2=David|last3=Benore|first3=Marilee|publisher=Wiley|year=2009|isbn=978-0470087664|location=United States|pages=408–410}}</ref> 研究所では、遺伝子調節を高感度で測定するためにRT-qPCRを使用しています。


医療および診断アプリケーション

将来の両親は[[遺伝的保因者|遺伝の保因者]]であるかどうかをテストすることができます、または彼らの子供が実際に[[嚢胞性線維症|病気]]に冒されているかどうかテストされるかもしれません。 <ref name="Saiki13">{{Cite journal|last=Saiki|first=R.|last2=Scharf|first2=S.|last3=Faloona|first3=F.|last4=Mullis|first4=K.|last5=Horn|first5=G.|last6=Erlich|first6=H.|last7=Arnheim|first7=N.|year=1985|title=Enzymatic amplification of beta-globin genomic sequences and restriction site analysis for diagnosis of sickle cell anemia|journal=Science|volume=230|issue=4732|pages=1350–1354|DOI=10.1126/science.2999980|PMID=2999980}}</ref> [[出生前診断|出生前検査]]用のDNAサンプルは、 [[羊水検査|羊水穿刺]] 、 [[絨毛採取|絨毛膜絨毛サンプリング]] 、または母親の血流中を循環するまれな胎児細胞の分析によっても取得できます。 PCR分析は[[着床前診断|着床前の遺伝子診断に]]も不可欠であり、発生中の胚の個々の細胞の突然変異をテストします。

* PCRは、 [[臓器移植]]に不可欠な''[[組織タイピング|組織タイピングの]]''高感度テストの一部としても使用でき''[[組織タイピング|ます]]'' 。 2008年現在、 [[血液型]]に対する従来の抗体ベースのテストをPCRベースのテストに置き換える提案さえあります。 <ref>{{Cite journal|last=Quill|first=E.|year=2008|title=Medicine. Blood-matching goes genetic|journal=Science|volume=319|issue=5869|pages=1478–9|DOI=10.1126/science.319.5869.1478|PMID=18339916}}</ref>
* がんの多くの形態は、がん''[[がん遺伝子|遺伝子の]]''変化を伴います。 PCRベースのテストを使用してこれらの突然変異を研究することにより、治療レジメンを患者に合わせて個別にカスタマイズできる場合があります。 PCRは、 [[白血病]]や[[悪性リンパ腫|リンパ腫]]などの[[悪性腫瘍|悪性]]疾患の早期診断を可能にします。これは現在、がん研究で最も開発が進んでおり、すでに日常的に使用されています。 ゲノムDNAサンプルで直接PCRアッセイを実行して、転座特異的悪性細胞を他の方法よりも少なくとも10,000倍高い感度で検出できます。 <ref>{{Cite book|last=Tomar|first=Rukam|title=Molecular Markers and Plant Biotechnology|date=2010|publisher=New India Publishing Agency|location=Pitman Pura, New Delhi|isbn=978-93-80235-25-7|page=188}}</ref> PCRは腫瘍抑制因子の分離と増幅を可能にするため、医療分野で非常に有用です。 たとえば、定量的PCRを使用して、単一細胞を定量および分析し、DNA、mRNA、およびタンパク質の確認と組み合わせを認識することができます。 <ref name="Garibyan, Avashia 1–42">{{Cite journal|last=Garibyan, Avashia|date=March 2013|title=Polymerase Chain Reaction|journal=Journal of Investigative Dermatology|volume=133|issue=3|pages=1–4|DOI=10.1038/jid.2013.1|PMID=23399825|PMC=4102308}}</ref>

感染症アプリケーション

PCRは、細菌やウイルスによって引き起こされるものを含む感染症の迅速かつ高度に特異的な診断を可能にします。 <ref name="Cai2014">{{Cite journal|last=Cai|first=H|last2=Caswell JL|last3=Prescott JF|date=March 2014|title=Nonculture Molecular Techniques for Diagnosis of Bacterial Disease in Animals: A Diagnostic Laboratory Perspective|journal=Veterinary Pathology|volume=51|issue=2|pages=341–350|DOI=10.1177/0300985813511132|PMID=24569613}}</ref> PCRでは、 [[マイコバクテリウム属|マイコバクテリア]] 、 [[嫌気性生物|嫌気性細菌]] 、または[[組織培養]]アッセイや[[モデル生物|動物モデル]]からの[[ウイルス]]など、培養できない微生物や成長の遅い微生物の同定も可能です。 微生物学におけるPCR診断アプリケーションの基礎は、感染性病原体の検出と、特定の遺伝子による非病原性株と病原性株の区別です。 <ref name="Cai2014" /> <ref>{{Cite book|last=Salis AD|year=2009|chapter=Applications in Clinical Microbiology|title=Real-Time PCR: Current Technology and Applications|publisher=Caister Academic Press|isbn=978-1-904455-39-4}}</ref> 感染症生物の特性評価と検出は、PCRによって次のように革命を起こしました。

* その最も差別''[[DNA型鑑定|的な]]''形態では、 ''[[DNA型鑑定|遺伝子フィンガープリンティング]]''は、 [[地球|世界の]]全人口から一人を一意に区別することができ[[地球|ます]] 。 DNAの微小なサンプルを[[O・J・シンプソン事件|犯罪現場]]から分離し、容疑者や初期の証拠や囚人の[[国立DNAデータベース|DNAデータベース]]から[[連邦政府が作成するテロリズムまたは暴力的な犯罪を行った者のリスト|比較]]することができます。 これらのテストのより単純なバージョンは、犯罪捜査中に容疑者を迅速に除外するためによく使用されます。 数十年前の犯罪からの証拠をテストし、元々有罪判決を受けた人々を確認または[[イノセンス・プロジェクト|免罪]]することができます。
* フォレンジックDNAタイピングは、犯罪現場で発見された証拠の分析により、犯罪容疑者を特定または免罪する効果的な方法です。 ヒトゲノムには、遺伝子配列内またはゲノムの非コード領域に見られる多くの反復領域があります。 具体的には、ヒトDNAの最大40%が反復的です。 <ref name=":03">{{Cite book|title=Fundamental Laboratory Approaches for Biochemistry and Biotechnology|last=Ninfa|first=Alexander|last2=Ballou|first2=David|last3=Benore|first3=Marilee|publisher=Wiley|year=2009|isbn=978-0470087664|location=United States|pages=408–410}}</ref> ゲノム内のこれらの反復する非コード領域には、2つの異なるカテゴリーがあります。 最初のカテゴリは可変長タンデムリピート(VNTR)と呼ばれ、10〜100塩基対の長さです。2番目のカテゴリはショートタンデムリピート(STR)と呼ばれ、2〜10塩基対の繰り返しセクションで構成されます。 PCRは、各反復領域に隣接するプライマーを使用して、いくつかの有名なVNTRおよびSTRを増幅するために使用されます。 各STRの個人から取得したフラグメントのサイズは、どの対立遺伝子が存在するかを示します。 個人のいくつかのSTRを分析することにより、各個人の一連の対立遺伝子が統計的に一意である可能性が高いことがわかります。 <ref name=":03" /> 研究者は、ヒトゲノムの完全な配列を特定しました。 このシーケンスは、NCBI Webサイトから簡単にアクセスでき、多くの実際のアプリケーションで使用されています。 たとえば、FBIは識別に使用されるDNAマーカーサイトのセットを編集しており、これらは結合DNAインデックスシステム(CODIS)DNAデータベースと呼ばれています。 <ref name=":03" /> このデータベースを使用すると、統計分析を使用して、DNAサンプルが一致する確率を決定できます。 PCRは、科学者が分析に使用するターゲットDNAの量が非常に少なくて済むため、フォレンジックDNAタイピングに使用する非常に強力で重要な分析ツールです。 たとえば、毛包が付着した単一の人間の髪には、分析を行うのに十分なDNAがあります。 同様に、数個の精子、指の爪の下からの皮膚サンプル、または少量の血液は、決定的な分析に十分なDNAを提供できます。 <ref name=":03" />
* [[DNA型鑑定|DNAフィンガープリンティングの]]識別力の低い形式は、 ''[[親子鑑定|DNA親子鑑定に]]''役立ち''[[親子鑑定|ます]]'' 。この場合、個人は近親者と照合されます。 身元不明の人間の遺体からのDNAをテストし、可能性のある親、兄弟、または子供からのDNAと比較できます。 養子になった(または誘)された)子供の生物学的な両親を確認するために、同様のテストを使用できます。 [[アンナ・ニコル・スミス|新生児]]の実際の生物学的父親も[[親子鑑定|確認]] (または除外)できます。
* PCR AMGX / AMGYの設計は、ごく微量のゲノムからDNA配列を増幅するのを容易にするだけではないことが示されています。 ただし、法医学的骨サンプルからのリアルタイムの性決定にも使用できます。 これにより、古代の標本だけでなく現在の犯罪容疑者の性別を判別するための強力で効果的な方法が提供されます。 <ref>{{Cite journal|last=Alonso|first=A|date=2004-01-28|title=Real-time PCR designs to estimate nuclear and mitochondrial DNA copy number in forensic and ancient DNA studies|journal=Forensic Science International|volume=139|issue=2–3|pages=141–149|DOI=10.1016/j.forsciint.2003.10.008|PMID=15040907}}</ref>

研究アプリケーション

PCRは分子遺伝学の多くの研究分野に適用されています。

* PCRは、2つのプライマーの配列しか知られていない場合でも、短いDNA断片の迅速な生成を可能にします。 PCRのこの機能は、 [[サザンブロッティング|サザン]] [[ノーザンブロッティング|ブロット]]または[[ノーザンブロッティング|ノーザンブロット]]ハイブリダイゼーションのハイ''[[ハイブリダイゼーション|ブリダイゼーション]] [[ハイブリダイゼーションプローブ|プローブの]]''生成など、多くの方法を強化します。 PCRはこれらの技術に大量の純粋なDNAを、時には一本鎖として提供し、ごく少量の出発物質からでも分析を可能にします。
* ''[[DNAシークエンシング|DNAシーケンス]]''のタスクは、PCRによっても支援できます。 DNAの既知のセグメントは、遺伝性疾患の変異を持つ患者から簡単に作成できます。 増幅技術の変更により、完全に未知のゲノムからセグメントを抽出したり、対象領域の単一鎖のみを生成したりできます。
* PCRは、 ''[[分子クローニング|DNAクローニングの]]''より伝統的なプロセスに多くの用途があります。 大きなゲノムからベクターに挿入するためのセグメントを抽出できますが、これは少量しか入手できない場合があります。 「ベクタープライマー」の単一セットを使用して、すでにベクターに挿入されているフラグメントを分析または抽出することもできます。 PCRプロトコルの一部の変更により、挿入されたフラグメントの''突然変異'' (一般的または部位''特異''的)が''生成''される場合があります。
* ''[[シーケンスタグ付きサイト|配列タグ付きサイト]]''は、PCRがゲノムの特定のセグメントが特定のクローンに存在することの指標として使用されるプロセスです。 [[ヒトゲノム計画|Human Genome Project]]は、このアプリケーションが、配列決定されたコスミドクローンのマッピングと、さまざまな研究所からの結果の調整に不可欠であることを発見しました。
* PCRのエキサイティングなアプリケーションは、 [[ネアンデルタール人]]の回復した骨、 [[マンモス|マンモスの]]凍結組織、またはエジプトのミイラの脳など、 ''[[古代DNA|古代のソース]]''からのDNAの[[系統樹|系統発生]]分析です。 増幅および配列決定されています。 <ref name="Schochetman 1988 1154–11573">{{Cite journal|last=Schochetman|first=Gerald|last2=Ou|first2=Chin-Yih|last3=Jones|first3=Wanda K.|date=1988|title=Polymerase Chain Reaction|journal=The Journal of Infectious Diseases|volume=158|issue=6|pages=1154–1157|DOI=10.1093/infdis/158.6.1154|JSTOR=30137034}}</ref> 場合によっては、これらのソースからの高度に分解されたDNAは、増幅の初期段階で再構築される可能性があります。
* PCRの一般的な用途は、 ''[[遺伝子発現]]''のパターンの研究です。 組織(または個々の細胞)をさまざまな段階で分析して、どの遺伝子がアクティブになったか、またはオフになったかを確認できます。 このアプリケーションは、 [[リアルタイムPCR|定量PCR]]を使用して、実際の発現レベルを定量化することもできます。
* 個々の精子からいくつかの遺伝子座を同時に増幅するPCRの能力<ref>{{Cite journal|last=Boehnke|first=M.|last2=Arnheim|first2=N.|last3=Li|first3=H.|last4=Collins|first4=F. S.|year=1989|title=Fine-structure genetic mapping of human chromosomes using the polymerase chain reaction on single sperm: Experimental design considerations|journal=American Journal of Human Genetics|volume=45|issue=1|pages=21–32|PMID=2568090|PMC=1683385}}</ref>は、 [[減数分裂]]後の[[乗換え (生物学)|染色体クロスオーバー]]を研究する''[[遺伝的連鎖|こと]]''により、 ''[[遺伝的連鎖|遺伝子マッピングの]]''より伝統的なタスクを大幅に強化しました。 数千の個々の精子を分析することにより、非常に近い遺伝子座間のまれなクロスオーバーイベントが直接観察されています。 同様に、異常な欠失、挿入、転座、または反転を分析することができ、受精や胚形成などの長くて面倒なプロセスを待つ(または支払う)必要はありません。
* [[部位特異的突然変異誘発]] :PCRを使用して、科学者が自由に選択した突然変異を持つ突然変異遺伝子を作成できます。 これらの変異は、タンパク質がどのように機能を果たすかを理解し、タンパク質の機能を変更または改善するために選択できます。

<br />{{stub}}


== PCRの技術的制約 ==
== PCRの技術的制約 ==

2020年3月20日 (金) 06:32時点における版

100μLの反応混合物が入っている8連PCRチューブ 
卓上型PCR装置

ポリメラーゼ連鎖反応(ポリメラーゼれんさはんのう、:polymerase chain reaction)は、DNAサンプルから特定の領域を数百万~数十億倍に増幅する、分子生物学の分野で広く使用されている一連の反応または技術である。英語表記の頭文字を取ってPCR法、あるいは単純にPCRと呼ばれる場合が多い。「ポリメラーゼ・チェーン・リアクション」と英語読みされる場合もある。DNAポリメラーゼと呼ばれる酵素の働きを利用して、一連の温度変化のサイクルを経て任意の遺伝子領域やゲノム領域のコピーを指数関数的(連鎖的)に増幅することで、少量のDNAサンプルからその詳細を研究するに十分な量にまで増幅することが目的である[1][2][3]

PCRは1983年にKary Mullisによって発明された[4][5]。PCR法の確立によって、DNA配列クローニング配列決定、遺伝子変異誘導といった実験が可能になり、分子遺伝学生理学分類学などの研究、古代DNAサンプルの分析研究、法医学親子鑑定などで利用されるDNA型鑑定、感染性病原体の特定や感染症診断に関わる技術開発(核酸増幅検査)、などが進んだ。また、PCRから逆転写ポリメラーゼ連鎖反応リアルタイムPCRDNAシークエンシング等の技術が派生して開発されている。そのため今日では、PCRは生物学医学を始めとする幅広い分野において、遺伝子解析の基礎となっている[6][7]

原理

古いタイプのPCR用3温度サーマルサイクラー
完全なPCRサイクルの概略図
完全なPCRサイクルの概略図

PCRは、試薬を混交したDNA溶液の温度を上げて下げる、という一連の熱サイクルによって可能になっている。このDNAサンプルの加熱と冷却の繰り返しサイクルの中で、二本鎖DNAの乖離、プライマーの結合、酵素反応によるDNA合成、という3つの反応が進み、最終的に特定領域のDNA断片が大量に複製される。

PCRでは、増幅対象(テンプレート)のDNAサンプルの他に、大量のプライマー(標的DNA領域に相補的な配列を持つ短い一本鎖DNA(オリゴヌクレオチド))とDNAの構成要素である遊離ヌクレオチド、そしてポリメラーゼの一種であるDNA合成酵素DNAポリメラーゼ)という3つの試薬を使用する。

  1. 最初のステップでは、DNA二重らせんの2本鎖DNAを高温下で変性させ、1本鎖DNAに物理的に分離させる。変性が起こる温度は、DNAの塩基構成および長さ(塩基数)によって異なり、長いDNAほど高い温度が必要になる。
  2. 次に、この1本鎖DNAを含む溶液を冷却し、プライマーをDNAの相補配列部位に結合させ、部分的に2本鎖を作らせる(アニーリング)。急速に冷却すると、長いDNA同士は2本鎖に再結合しにくいが、短いDNA断片(オリゴヌクレオチド)は結合できることを利用している。この結果、長い対象1本鎖DNAの一部にプライマーが結合した形ができる。プライマーがDNAよりも圧倒的に多い状況にしておくことで、DNA-プライマーの結合がDNA-DNAの結合より、さらに優先的になる。
  3. 次に、溶液を若干加熱し、この2本鎖DNA部位をテンプレートとしてDNAポリメラーゼを働かせることで、プライマーが結合した部分を起点として、遊離ヌクレオチドを利用して1本鎖部分と相補的なDNAが酵素的に合成される。DNAが合成された後、再び高温にして最初のステップに戻り、DNA変性からこのサイクルを繰り返すことで増幅をすすめる。PCR反応が進むことで、生成されたDNA自体が複製のテンプレートとして使用され、元のDNAテンプレートが指数関数的に増幅される連鎖反応が進む。

以上のようにPCR法は、DNA鎖長の違いによる変性とアニーリングの違いを利用して、温度の上下を繰り返すだけでDNA合成を繰り返し、DNAを増幅する技術である。

使用するDNAポリメラーゼが熱に弱い場合、変性ステップの高温下でDNAとともにポリメラーゼも変性してしまい、失活してしまう。そのためPCR法開発当初は、DNA変性時の毎回にDNAポリメラーゼを酵素を追加しており、手間と費用がかかっていた[8]。現在では、サーマスアクアティカスという好熱菌由来の熱安定性DNAポリメラーゼであるTaqポリメラーゼなどを用いることで、連続して反応を進めることができる。

実験手順

PCR法の処理フロー

準備

増幅対象のDNA領域の両端の塩基配列を決定し、対応するプライマーを人為合成する。このときプライマーは、増幅予定の2本鎖DNAの両鎖それぞれの3'側に結合する相補配列であり、通常20塩基程度である。多くの場合、実験室でカスタムメイドされるか、商業的な生化学サプライヤーから購入可能である。

反応液調製

増幅対象DNA、プライマー、DNAポリメラーゼおよびDNA合成の素材(基質)であるデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)、そして酵素が働く至適塩濃度環境をつくるためのバッファー溶液を混合し、PCR装置(サーマルサイクラー)にセットする。流通しているPCR試薬キットに付属するバッファー溶液には二価カチオンが含まれていることが多い[9]通常はマグネシウムイオン (Mg2+)であるが、PCR媒介DNA突然変異誘発が高いマンガンイオン(Mn2+)を使用することで、あえてDNA合成の間のエラー率を増加させることも可能である[10]Taq DNAポリメラーゼの場合、一価カチオンとしてカリウムイオン(K-)が入れられることもある[11]。また場合によっては硫酸アンモニウムを加えることもある。アンモニウムイオン(NH4+)は特にミスマッチなプライマーとテンプレート塩基対間の弱い水素結合を不安定化する効果があり、特異性を高めることができる[11]

PCRサイクル

  1. 反応液を94°C程度に加熱し、30秒から1分間温度を保ち、2本鎖DNAを1本鎖に分かれさせる(図①)。
  2. 60°C程度(プライマーによって若干異なる)にまで急速冷却し、その1本鎖DNAとプライマーをアニーリングさせる(図②)。
  3. プライマーの分離がおきずDNAポリメラーゼの活性に至適な温度帯まで、再び加熱する。実験目的により、その温度は60–72°C程度に設定される。DNAが合成されるのに必要な時間、増幅する長さによるが通常1~2分、この温度を保つ(図③)。
  4. ここまでが1つのサイクルで、以後、①から③までの手順を繰り返していく事で特定のDNA断片を増幅させる。

PCR処理をn回のサイクルを行うと、1つの2本鎖DNAから目的部分を2n-2n倍に増幅する。ただし、通常は20~40サイクル程度行なう事から、近似的には2nの項は無視できる大きさになる。サイクル数をさらに増やすと、時間経過によりDNAポリメラーゼが活性を失い、またdNTPやプライマーなどの試薬が消費し尽くされるため、反応が制限されて最終的には一連の反応は停止する。

留意点

この反応の成否は、増幅対象DNAとプライマーの塩基配列、サイクル中の各設定温度・時間などに依存する。それらが不適切な場合、無関係なDNA配列を増幅したり、増幅が見られないことがある。また、合成過程において変異が起こる可能性も少なからずあるため、使用目的によっては生成物の塩基配列のチェックが必要である。

PCRの応用

選択的なDNA分離

PCRを用いることで、DNAの特定の領域を選択的に増幅することにより、ゲノムDNAからDNA断片を分離することができる。このようなPCRの利用は、サザンブロッティングノーザンブロッティングといったハイブリダイゼーション用プローブの生成や、特定のDNA領域に由来した大量のDNAを必要とするDNAクローニングなどで、広く行われている。 PCRは大量の(ほぼ)純粋なDNAを供給し、非常に少量のDNAからの分析を可能にしている。

PCRの他の用途としては、 未知のDNA配列を決定するためのサンガー法シーケンスや、組換えDNA技術を促進するために、プラスミドファージ 、またはコスミド (サイズに応じて)または別の生物の遺伝物質。 細菌のコロニー大腸菌など)は、正しいDNA ベクター構築物のPCRによって迅速にスクリーニングできます。 [12] PCRは遺伝子フィンガープリンティングにも使用できます。異なるPCRベースの方法で実験DNAを比較することにより、人または生物を識別するために使用される法医学的手法。


PCRの「フィンガープリント」法には、高い識別力があり、親子などの個人間や兄弟間の遺伝的関係を識別するために使用でき、父子鑑定で使用されます(図4)。 この手法は、特定の分子時計(つまり、微生物の16S rRNAおよびrecA遺伝子)が使用されている場合に、生物間の進化関係を決定するためにも使用できます。 [13]


DNAの増幅と定量

PCRはターゲットとするDNAの領域を増幅するため、PCRを使用して非常に少量のサンプルを分析できます。 これは、証拠として痕跡量のDNAしか入手できない場合、 法医学分析にとってしばしば重要です。 PCRは、数万年前の古代のDNAの分析にも使用できます。 これらのPCRベースの手法は、エジプトのミイラの分析からロシアの 皇帝ロシアの身体の特定に至るまでの用途で、4万歳のマンモスなどの動物や人間のDNAにも使用されています。イギリス王リチャード3世[14]

定量PCRまたはリアルタイムPCR(qPCR、 [15] RT-PCRと混同しない)メソッドにより、サンプル中に存在する特定の配列の量を推定できます 。これは、 遺伝子発現レベルを定量的に決定するためにしばしば適用される手法です。 定量的PCRは、各ラウンドのPCR増幅後のDNA産物の蓄積を測定するDNA定量化のための確立されたツールです。

qPCRは、合成プロセスの実行中に濃度を測定するため、特定のDNAシーケンスの定量と検出をリアルタイムで行うことができます。 同時検出と定量化には2つの方法があります。 最初の方法は、二本鎖の間に非特異的に保持される蛍光色素を使用することから成ります。 2番目の方法には、特定の配列をコードし、蛍光標識されたプローブが含まれます。 これらの方法を使用したDNAの検出は、プローブとその相補DNAのハイブリダイゼーションが行われた後にのみ見ることができます。 興味深い技術の組み合わせは、リアルタイムPCRと逆転写です。 RT-qPCRと呼ばれるこの洗練された手法により、少量のRNAの定量が可能になります。 この組み合わせ技術により、mRNAはcDNAに変換され、qPCRを使用してさらに定量化されます。 この手法により、PCRの終点でのエラーの可能性が低くなり、 [16]がんなどの遺伝病に関連する遺伝子を検出する機会が増えます。 [17] 研究所では、遺伝子調節を高感度で測定するためにRT-qPCRを使用しています。


医療および診断アプリケーション

将来の両親は遺伝の保因者であるかどうかをテストすることができます、または彼らの子供が実際に病気に冒されているかどうかテストされるかもしれません。 [18] 出生前検査用のDNAサンプルは、 羊水穿刺絨毛膜絨毛サンプリング 、または母親の血流中を循環するまれな胎児細胞の分析によっても取得できます。 PCR分析は着床前の遺伝子診断にも不可欠であり、発生中の胚の個々の細胞の突然変異をテストします。

  • PCRは、 臓器移植に不可欠な組織タイピングの高感度テストの一部としても使用できます 。 2008年現在、 血液型に対する従来の抗体ベースのテストをPCRベースのテストに置き換える提案さえあります。 [19]
  • がんの多くの形態は、がん遺伝子の変化を伴います。 PCRベースのテストを使用してこれらの突然変異を研究することにより、治療レジメンを患者に合わせて個別にカスタマイズできる場合があります。 PCRは、 白血病リンパ腫などの悪性疾患の早期診断を可能にします。これは現在、がん研究で最も開発が進んでおり、すでに日常的に使用されています。 ゲノムDNAサンプルで直接PCRアッセイを実行して、転座特異的悪性細胞を他の方法よりも少なくとも10,000倍高い感度で検出できます。 [20] PCRは腫瘍抑制因子の分離と増幅を可能にするため、医療分野で非常に有用です。 たとえば、定量的PCRを使用して、単一細胞を定量および分析し、DNA、mRNA、およびタンパク質の確認と組み合わせを認識することができます。 [21]

感染症アプリケーション

PCRは、細菌やウイルスによって引き起こされるものを含む感染症の迅速かつ高度に特異的な診断を可能にします。 [22] PCRでは、 マイコバクテリア嫌気性細菌 、または組織培養アッセイや動物モデルからのウイルスなど、培養できない微生物や成長の遅い微生物の同定も可能です。 微生物学におけるPCR診断アプリケーションの基礎は、感染性病原体の検出と、特定の遺伝子による非病原性株と病原性株の区別です。 [22] [23] 感染症生物の特性評価と検出は、PCRによって次のように革命を起こしました。

  • その最も差別的な形態では、 遺伝子フィンガープリンティングは、 世界の全人口から一人を一意に区別することができます 。 DNAの微小なサンプルを犯罪現場から分離し、容疑者や初期の証拠や囚人のDNAデータベースから比較することができます。 これらのテストのより単純なバージョンは、犯罪捜査中に容疑者を迅速に除外するためによく使用されます。 数十年前の犯罪からの証拠をテストし、元々有罪判決を受けた人々を確認または免罪することができます。
  • フォレンジックDNAタイピングは、犯罪現場で発見された証拠の分析により、犯罪容疑者を特定または免罪する効果的な方法です。 ヒトゲノムには、遺伝子配列内またはゲノムの非コード領域に見られる多くの反復領域があります。 具体的には、ヒトDNAの最大40%が反復的です。 [24] ゲノム内のこれらの反復する非コード領域には、2つの異なるカテゴリーがあります。 最初のカテゴリは可変長タンデムリピート(VNTR)と呼ばれ、10〜100塩基対の長さです。2番目のカテゴリはショートタンデムリピート(STR)と呼ばれ、2〜10塩基対の繰り返しセクションで構成されます。 PCRは、各反復領域に隣接するプライマーを使用して、いくつかの有名なVNTRおよびSTRを増幅するために使用されます。 各STRの個人から取得したフラグメントのサイズは、どの対立遺伝子が存在するかを示します。 個人のいくつかのSTRを分析することにより、各個人の一連の対立遺伝子が統計的に一意である可能性が高いことがわかります。 [24] 研究者は、ヒトゲノムの完全な配列を特定しました。 このシーケンスは、NCBI Webサイトから簡単にアクセスでき、多くの実際のアプリケーションで使用されています。 たとえば、FBIは識別に使用されるDNAマーカーサイトのセットを編集しており、これらは結合DNAインデックスシステム(CODIS)DNAデータベースと呼ばれています。 [24] このデータベースを使用すると、統計分析を使用して、DNAサンプルが一致する確率を決定できます。 PCRは、科学者が分析に使用するターゲットDNAの量が非常に少なくて済むため、フォレンジックDNAタイピングに使用する非常に強力で重要な分析ツールです。 たとえば、毛包が付着した単一の人間の髪には、分析を行うのに十分なDNAがあります。 同様に、数個の精子、指の爪の下からの皮膚サンプル、または少量の血液は、決定的な分析に十分なDNAを提供できます。 [24]
  • DNAフィンガープリンティングの識別力の低い形式は、 DNA親子鑑定に役立ちます 。この場合、個人は近親者と照合されます。 身元不明の人間の遺体からのDNAをテストし、可能性のある親、兄弟、または子供からのDNAと比較できます。 養子になった(または誘)された)子供の生物学的な両親を確認するために、同様のテストを使用できます。 新生児の実際の生物学的父親も確認 (または除外)できます。
  • PCR AMGX / AMGYの設計は、ごく微量のゲノムからDNA配列を増幅するのを容易にするだけではないことが示されています。 ただし、法医学的骨サンプルからのリアルタイムの性決定にも使用できます。 これにより、古代の標本だけでなく現在の犯罪容疑者の性別を判別するための強力で効果的な方法が提供されます。 [25]

研究アプリケーション

PCRは分子遺伝学の多くの研究分野に適用されています。

  • PCRは、2つのプライマーの配列しか知られていない場合でも、短いDNA断片の迅速な生成を可能にします。 PCRのこの機能は、 サザン ブロットまたはノーザンブロットハイブリダイゼーションのハイブリダイゼーション プローブの生成など、多くの方法を強化します。 PCRはこれらの技術に大量の純粋なDNAを、時には一本鎖として提供し、ごく少量の出発物質からでも分析を可能にします。
  • DNAシーケンスのタスクは、PCRによっても支援できます。 DNAの既知のセグメントは、遺伝性疾患の変異を持つ患者から簡単に作成できます。 増幅技術の変更により、完全に未知のゲノムからセグメントを抽出したり、対象領域の単一鎖のみを生成したりできます。
  • PCRは、 DNAクローニングのより伝統的なプロセスに多くの用途があります。 大きなゲノムからベクターに挿入するためのセグメントを抽出できますが、これは少量しか入手できない場合があります。 「ベクタープライマー」の単一セットを使用して、すでにベクターに挿入されているフラグメントを分析または抽出することもできます。 PCRプロトコルの一部の変更により、挿入されたフラグメントの突然変異 (一般的または部位特異的)が生成される場合があります。
  • 配列タグ付きサイトは、PCRがゲノムの特定のセグメントが特定のクローンに存在することの指標として使用されるプロセスです。 Human Genome Projectは、このアプリケーションが、配列決定されたコスミドクローンのマッピングと、さまざまな研究所からの結果の調整に不可欠であることを発見しました。
  • PCRのエキサイティングなアプリケーションは、 ネアンデルタール人の回復した骨、 マンモスの凍結組織、またはエジプトのミイラの脳など、 古代のソースからのDNAの系統発生分析です。 増幅および配列決定されています。 [26] 場合によっては、これらのソースからの高度に分解されたDNAは、増幅の初期段階で再構築される可能性があります。
  • PCRの一般的な用途は、 遺伝子発現のパターンの研究です。 組織(または個々の細胞)をさまざまな段階で分析して、どの遺伝子がアクティブになったか、またはオフになったかを確認できます。 このアプリケーションは、 定量PCRを使用して、実際の発現レベルを定量化することもできます。
  • 個々の精子からいくつかの遺伝子座を同時に増幅するPCRの能力[27]は、 減数分裂後の染色体クロスオーバーを研究することにより、 遺伝子マッピングのより伝統的なタスクを大幅に強化しました。 数千の個々の精子を分析することにより、非常に近い遺伝子座間のまれなクロスオーバーイベントが直接観察されています。 同様に、異常な欠失、挿入、転座、または反転を分析することができ、受精や胚形成などの長くて面倒なプロセスを待つ(または支払う)必要はありません。
  • 部位特異的突然変異誘発 :PCRを使用して、科学者が自由に選択した突然変異を持つ突然変異遺伝子を作成できます。 これらの変異は、タンパク質がどのように機能を果たすかを理解し、タンパク質の機能を変更または改善するために選択できます。


PCRの技術的制約

PCRには原理と実際の作業は非常に簡単で、結果を迅速に得ることができ、また非常に感度が高い、といった多くの利点がある。定量PCR(qRT-PCR)ではさらに、ターゲットとなるDNA領域の定量化もできる利点がある。一方で、PCRには様々な技術的制約や限界も知られている。

PCRの技術的な制限の1つに、選択的増幅を可能にするプライマーを生成するために、ターゲット領域の配列に関する事前情報が必要なことが挙げられる[28]。すなわち、PCR実施者は通常、プライマーとテンプレートが適切に結合するように、事前にターゲットとなるDNA領域の前後の配列情報を知っておく必要があるため、配列情報が未知のターゲットに対してはPCRをかけることが困難である。また、他のあらゆる酵素と同様であるが、DNAポリメラーゼ自体もDNA合成時にエラーを起こしやすく、生成されるPCR増幅物の配列に変異が生じることがある[29]。さらに、PCRはごく少量のDNAでも増幅できるため、誤って混入したDNAを元に増幅が起きてしまい、誤った結果や曖昧な結果が生じることがある。

このような問題を回避し、PCR条件を最適化するため、多くの手法と手順が開発されている[30][31]。例えば、サンプルが外来DNAの混入によって汚染されてしまう可能性を最小限に抑えるために、理想的には、試薬の準備とPCR処理・分析、の各ステップで別々の部屋を利用することで、両者を空間的に分離することが有効である [32]。また、サンプルや試薬の処理には常に使い捨ての新品チューブ類やピペットチップを使用し、作業台や機器は徹底的に洗浄して常にきれいな空間で作業することが有効である[33]。PCR産物の収量を改善して偽産物の形成を回避する上でプライマー設計を見直すことは重要である。バッファーやポリメラーゼ酵素の種類を検討することも、また重要である。 バッファーシステムにホルムアミドなどの試薬を添加すると、PCRの特異性と収量が増加する場合がある[34]。プライマー設計を支援するための、理論的なPCR結果のコンピューターシミュレーション(Electronic PCR)も開発されている[35]

感染症診断におけるPCRの特徴

PCRは非常に強力で実用的な研究ツールであり、実際に多くの感染症において、病因の配列決定はPCRを用いて解明されている。この手法は、既知ウイルスや未知ウイルスの識別するのに役立ち、疾患自体の理解に大きく貢献している。手順をさらに簡素化でき、高感度の検出システムを開発できれば、PCRは今後臨床検査室の重要な位置を占めるようになると考えられている[36]。 しかしながら、感染症診断におけるPCRの利用には、利点のみならず様々な欠点も指摘されている。

利点

  • ヒトゲノム(30億塩基対)のような長大なDNA分子の中から、特定のDNA断片(数百から数千塩基対)だけを選択的に増幅させることができる[1]。しかも極めて微量なDNA溶液で目的を達成できる。
  • 少量の標的核酸について短時間で増幅できる[2]。増幅に要する時間が2時間程度と短い。
  • 病原体の違いにかかわらず検査方法が基本的に同じである[2]
  • 病原体は死滅していても標的核酸が保存されていれば増幅でき、危険な病原体でも不活化してから検査することができる[2]
  • Nested PCRなどを利用することで感度を上げることができる[2]

欠点

  • 臓器や組織など生体材料を検体とする場合、採材部位や材料の前処理によって検出率が異なり、結果が陰性であっても生体全体の病原体の存在は必ずしも否定できない[2]
  • 核酸の増幅には反応阻害物の生成などによる反応効率の低下などの影響があるため限界があり、核酸が検出可能な量にまで増幅できなければ結果は陰性となるが、そのような場合には病原体の存在を否定できない[2]
  • 血液・糞便など生体材料の検査では検査材料中の阻害物質の影響を受けることがあるため精製作業が必要とされるが、それでも完全ではないとされている[2]。また、検査材料の保存状態や凍結融解の回数、核酸精製の方法・条件などが検査効率や検査結果に大きな影響を与えることがある[2]
  • 検査時の陽性対照からの汚染、以前の検査や実験に由来する汚染、試薬類への核酸の混入が誤った陽性を招く危険性がある[2]
  • 病原体が同定される以前の陽性反応では、塩基配列を確認するまでは病原体の証明にならない[2]

歴史と背景

Kjell KleppeとH. Gobind Khoranaの研究室の同僚は、プライマーと短いDNAテンプレートを使用して酵素アッセイをin vitroで行う手法を、1971年にJournal of Molecular Biology最初に発表した[37]。これはPCRの基本的な原理を説明したものであったが、当時あまり注目されておらず、1983年のポリメラーゼ連鎖反応の発明は一般的にKary Mullis(キャリー・マリス)の功績によるものとみなされている[38]

1983年にMullisがPCRを開発したとき、彼はカリフォルニアのエメリービルで、最初のバイオテクノロジー企業の1つであるCetus Corporationで働いていた。Mullisはある夜、Pacific Coast Highwayを車でドライブ中に、PCRのアイデアを思いついたと書いている[39]。彼はDNAの変化(突然変異)を分析する新しい方法になると考えていた時、当時すでに知られていたオリゴヌクレオチドとDNAポリメラーゼを用いたDNA合成反応を繰り返すことにより、核酸の一定領域を増幅することを思いついた[39]

Mullisはこの方法を "polymerase-catalyzed chain reaction" (ポリメラーゼ触媒連鎖反応)と名付け、ネイチャーサイエンスなどの著名な科学雑誌に論文として投稿したが、掲載されなかった。一方、PCR法自体はシータス社の同僚の手により鎌状赤血球症という遺伝性疾患の迅速な診断手段に応用された。サイエンス誌に "Enzymatic amplification of beta-globin genomic sequences and restriction site analysis for diagnosis of sickle cell anemia" として報告され、オリジナル論文より前に世界の科学者の注目を集めることとなった[5]。1987年にようやく、Mullisの論文は Methods in Enzymology 誌に"Specific synthesis of DNA in vitro via a polymerase-catalyzed chain reaction."として掲載された[40]。後にMullisはScientific Americanで、「PCRは、遺伝物質DNAの単一分子から始めて、午後には1,000億の類似した分子を生成できる。 反応は簡単に実行できる。 試験管、いくつかの簡単な試薬、および熱源を必要とするだけである」と記述している[41]。 DNAフィンガープリンティングは1988年に父子鑑定に初めて使用された[42]

Mullisは、Cetusの同僚と共にPCR技術を立証してから7年後の1993年に、この成果を評価されノーベル化学賞を受賞した[43]。また、1985年のRK SaikiおよびHA Erlichによる”Enzymatic Amplification of β-globin Genomic Sequences and Restriction Site Analysis for Diagnosis of Sickle Cell Anemia”(「鎌状赤血球貧血の診断のためのβグロビンゲノムシーケンスの酵素的増幅および制限部位分析」)の論文が、 2017年の米国化学会の化学史部門の化学ブレイクスルー賞を受賞した[44][45]。しかしながら、 Mullisの研究に対する他の科学者の貢献や、彼がPCR原理の唯一の発明者であったかどうかに関しては、以下に記述するように、いくつかの論争が残っている。

PCRは当初、大腸菌のDNAポリメラーゼIをズブチリシン処理し5'-3'エキソヌクレアーゼ活性を除去したクレノー断片を用いて反応を起こすものが大半であった。しかしながらこの酵素は、各複製サイクル後のDNA二重らせんの分離に必要な高温に耐えられず、DNAポリメラーゼが失活してしまうために、サーマルサイクルごとに手作業でこの酵素を加える必要があった[46]。そのため、DNA複製の初期手順は非常に非効率的で時間がかかり、プロセス全体で大量のDNAポリメラーゼと継続的な処理が必要であった。シータス社の研究グループは、この欠点を解決するために、50~80°Cもの高温環境(温泉)に住んでいる好熱性細菌であるサーマス・アクアティクス(T. aquaticus)[47]から、耐熱性DNAポリメラーゼとしてTaqポリメラーゼを精製し、これを用いたPCRの手法を1976年にサイエンス誌に発表した[6]T. aquaticusから単離されたDNAポリメラーゼは、 90 °C (194 °F)超える高温で安定であり、DNA変性後も活性を維持する[48]ため、各サイクル後に新しいDNAポリメラーゼを追加する必要がなくなる[49]。これにより、PCR反応の簡便化と自動化への道が開かれ、幅広く応用可能な手法として発展することになった。

このように、PCR法の応用、発展にはシータス社グループ(当初はマリスも含む)のはたした役割が大きいのであるが、最初にこの方法を着想し方向性を示したという業績により、1993年にキャリー・マリスがノーベル化学賞を受賞している。PCR技術はKary Mullisが特許を取得し、1983年にMullisが技術を発明したときに働いていたCetus Corporationに譲渡された。 Taqポリメラーゼ酵素も特許で保護されている。 デュポンが提起した不成功の訴訟を含む、この技術に関連するいくつかの有名な訴訟が存在した。 スイスの製薬会社エフ・ホフマン・ラ・ロシュは、1992年に特許権を購入したが、現在その特許権は失効している。 [50]

PCRの種類・応用法

Conventional PCR
1組のプライマーで反応を25~35サイクル繰り返す通常のPCR[2]
Nested polymerase chain reaction(Nested PCR)
PCRで増幅したPCR産物を改めて次の反応のテンプレートにして、別のプライマーペアを用いてもう一度PCRを繰り返す方法[2]
Loop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP法
従来のPCRとは異なる原理に基づいて核酸を増幅する方法[2][51]
Multiplex polymerase chain reaction(Multiplex PCR、マルチプレックスPCR
複数の標的核酸(DNA)のそれぞれのPCR反応を1本の反応チューブ内で同時に行う方法[2]
Reverse transcription polymerase chain reaction(RT-PCR、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応
逆転写酵素によりRNAをcDNAにしてからPCRを行う方法[2]
Real-time polymerase chain reaction(Real-Time PCR、リアルタイムPCR
DNA断片を発光させて専用の光学機器を使って検出する方法[2]
Amplified fragment length polymorphism(AFLP)
標的核酸(DNA)を含むゲノムDNA等を制限酵素で切断し、その切断末端に短い2本鎖DNA(アダプター)を結合させ、その相補的なプライマーを用いてPCRを行う方法[2]

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関連項目