羊水検査

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羊水検査(ようすいけんさ)とは出生前診断の一種。妊娠子宮に長い注射針に似た針を刺して羊水を吸引すること(羊水穿刺)によって得られた羊水中の物質や羊水中の胎児細胞をもとに、染色体遺伝子異常の有無を調べる。妊娠15 - 18週とかなり胎児が大きく育ってから実施される。羊水検査で診断できるのは遺伝子など特定の異常に限られており、すべての異常が調べられるわけではない。 羊水検査による出生前診断は、かなりリスクが高い検査で、実際に生まれてから初めてわが子がダウン症だったと判明することも多かった。[1]

より最近の研究(2006)では羊水検査の実際のリスクは1,600分の1(0.06%)であり、羊水検査と比較して絨毛生検(CVS)の流産は約100分の1であるというデータも示されている[2][3]が、まれに子宮内感染から播種性血管内凝固症候群を引き起こすことがある。そのため超音波検査のようにすべての妊婦が受ける性質のものではない。高齢出産に伴うダウン症候群など異常発生率が検査のリスクを越える場合に行われる。胎児の性別判定のみを目的とした検査ではないが、時には染色体異常の検査と同時に胎児の性別を知るために行われることもある。

日本産科婦人科学会倫理委員会は、2007年4月改定版のガイドラインにおいても、引き続き [4]「重篤なX連鎖遺伝病のために検査が行われる場合を除き、胎児の性別を告げてはならない」と自主規制している。しかしながら、実際には染色体検査の結果とともに性別を告知する医師もおり、学会の見解そのものに異議を唱える動きもある[5]。また血友病の保因者が胎児の性別判定を目的とした羊水検査を希望したが断られたため中絶を選択したケース [6]もあり、羊水検査は多くの倫理問題を抱えている。

胎児の異常が発見されたときには、子宮内で大きく育った胎児の人工妊娠中絶が実施される確率が高い。

なお、厚生労働省の班研究によれば、2000年度には国内で約10,000件が実施されている[7]

日本国外の状況[編集]

中国

35歳以上の人が懐妊すると、羊水検査が義務付けられている。それによって胎児に異常がないかを調べる(高齢出産に潜む危険性を防ぐのが狙い)。もし異常が見つかれば日本と異なり全く迷わず堕胎する[8]

脚注[編集]